・大学図書館
学術コミュニケーション、デジタルアーカイブス、データキュレーション、デジタルヒューマニティーズ、可視化、ボーンデジタルの分野で新しい役割を担いつつある。新興領域として、計量書誌学、オルトメトリクス、e-Learning、custom information solutions、研究データ管理がある。
e-Research、学術コミュニケーション支援における図書館員のコンピテンシーを理解するために、欧州研究図書館協会(LIBER)、北米研究図書館協会(ARL)、カナダ研究図書館協会(CARL)、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)が協同で取組んでいるタスクフォース“Task Force on Librarians’ Competencies in Support of E-Research and Scholarly Communication”が、研究データ管理と、学術コミュニケーション・オープンアクセスに関する支援業務に必要な図書館員の能力の分析結果を公表しました。
2015年11月18日,米国のIthaka S+Rが,大学図書館における学術コミュニケーション部署の組織配置に関して調査し,レポート“Office of Scholarly Communication: Scope, Organizational Placement, and Planning in Ten Research Libraries”を公開した。このレポートは,Ithaka S+Rがハーバード大学の依頼を受け,大規模な大学図書館における基礎情報を収集すべく,米英の11の図書館等を対象に,電話調査等を行った結果をまとめたものである。なお近年,学術コミュニケーションの変容という文脈でオープンアクセス(OA)が挙げられることが多いが,本調査の対象にはOA方針を採択していない大学の図書館も含まれる。また,スタンフォード大学は調査対象であったが,学術コミュニケーション機能を担当する部署がなくOAについても関心が薄いとして回答が得られていない。各大学の図書館長に対しては学術コミュニケーション機能の目的と組織構造について,学術コミュニケーション部署の長(あるいはそれに相当する者)へは当該部署の人員,予算,業務分担,業績について質問している。なお,調査対象の概要(学術コミュニケーション部署や機関リポジトリについて)と質問内容が附録として掲載されている。
2014年6月5日,米国OCLCの研究部門OCLC Researchが,学術コミュニケーションの変化に関する研究活動“Changes in Scholarly Communication”の2番目のプロジェクトの成果として、“The Evolving Scholarly Record”を公表しました。同レポートでは、単行書や学術論文を含む広い意味での“学術レコード”について、境界が拡大し、また不鮮明になっているとの認識を示しつつ、その分類や、創造・管理・利用に伴うステークホルダーの役割をまとめています。
なお、今回のアナウンスによると、“Changes in Scholarly Communication”は、図書館が、設置機関の研究を支援できること、学術コミュニケーションに貢献できること、また学術情報の変化に戦略を一致させることができることを目的として行われているもの、とのことのです。“Changes in Scholarly Communication”の1番目のプロジェクトでは、その成果として、分野別リポジトリの持続可能性をテーマとするレポート“Lasting Impact: Sustainability of Disciplinary Repositories”を公表しています。