2020年11月1日,国内外58機関(国内28,海外30)の参加を得て,日本古典籍(19世紀までの日本で作られた書物の総称)を対象とした世界初のコンソーシアムである「日本古典籍研究国際コンソーシアム」(英名Global Consortium for Japanese Textual Scholarship)が設立された。
2019年7月30日、北米研究図書館協会(ARL)はオープンアクセスリポジトリ連合(COAR)とSPARCが公表した学術コミュニケーションサービスに関する優れた実践の原則“Good Practice Principles for Scholarly Communication Services”への支持を表明しました。
2019年1月30日、欧州委員会(European Commission) の研究・イノベーション総局(Directorate-General for Research and Innovation)が、報告書“Future of scholarly publishing and scholarly communication”を公開しました。
2017年11月,Digital Science社は,学術コミュニケーションにおけるブロックチェーンの可能性に関するレポート“Blockchain for Research - Perspectives on a New Paradigm for Scholarly Communication”を公開した。ブロックチェーンは,仮想通貨ビットコインの中核技術として発案された。すべての取引記録が,サーバのような機能を有するビットコイン使用者のPCに分散して同期・保存されるので,その改ざんは極めて難しく,また中央集権的なシステムとは違いシステムダウンの心配がなく堅牢性が高い。すべての取引記録は暗号化されて保存されるため,公開されてはいるが匿名性はほぼ保持される。また契約を自動的に執行するスマートコントラクトをブロックチェーン上で利用すれば,あらかじめ定めたとおりに自動的に取引を執行することもできる。ブロックチェーンは最近,教育・医療などの分野でその適用が模索されており,また出版業,小売業・製造業などの業界にも大きな影響を与えている。このレポートでは,学術コミュニケーションや研究一般を変容させうるブロックチェーンの可能性に焦点を当て,学術コミュニケーションの課題,それへのブロックチェーン適用の可能性,適用に際しての注意点などを,ブロックチェーンの最近の活用事例を交えながらまとめている。これらのうち,本稿では,ブロックチェーン適用の可能性を中心に紹介する。