図書館評価

E2410 - デンマークの公共図書館による新たな図書館評価手法の提案

緊縮財政下において継続的に公共図書館を運営するにあたり図書館評価が重視されている。そのような中,2020年の秋,デンマークのロスキレ中央図書館,およびコンサルタント会社のSeismonautが新たな図書館評価手法による調査“The Impact of Public Libraries in Denmark: A Haven in Our Community”を実施した。調査結果は同名の報告書に示されている。本稿では,ロスキレ中央図書館による調査および報告書について概要を紹介する。

ドイツ規格協会(DIN)、図書館・博物館・文書館におけるデジタル・オーディエンスの評価手法の要件に関する規格案(DIN 31640)を公開

ドイツ規格協会(DIN)が、2021年7月付けで、図書館・博物館・文書館におけるデジタル・オーディエンスの評価手法の要件に関する規格案“DIN 31640 Digital audience measurement in archives, libraries and museums - Requirements for measurement methods”を公開しています。

本文は有料ですが、目次(ドイツ語)は無料でダウンロードできます。

DRAFT STANDARD [NEW]
DIN 31640
Digital audience measurement in archives, libraries and museums - Requirements for measurement methods
https://www.din.de/en/wdc-beuth:din21:340796732
※「EDITION 2021-07」とあります。

米・COSLA、労働力開発や事業開発における公共図書館の役割に関する文献レビューの草案を公表

2021年5月19日、米国の州立図書館機構の長で構成されるCOSLA(Chief Officers of State Library Agencies)が、労働力開発や事業開発における公共図書館の役割に関する文献レビューの草案(2021年1月付)をウェブサイトで公表しています。

労働力開発の試行的な評価プロジェクトの第1フェーズとして、次の段階の取組での情報等とするために作成されたもので、次の3つの観点で文献レビューが行われています。

・労働力開発や事業開発における公共図書館の役割に関する文献の統合

・図書館の既存のアウトカムや評価プロセスのレビュー

・労働力開発分野におけるアウトカムを評価するための現在の取組に関するレビュー

これらの要素は、同プロジェクトの研究の枠組み、データ収集計画、分析視覚のために役立てられます。

国立国会図書館、ホームページを通じて提供している各種サービスや国立国会図書館東京本館/関西館/国際子ども図書館の利用に関し、アンケートを実施中(2021/5/6-2021/10/31)

国立国会図書館は、ホームページを通じて提供している各種サービスや国立国会図書館東京本館/関西館/国際子ども図書館の利用についてのウェブアンケートを実施しています。実施期間は、2021年5月6日から2021年10月31日までです。

各コンテンツ・サービスに関する個別のアンケートも随時実施していく予定であり、実施についてはアンケートページ及び各コンテンツ、サービスのページ等でお知らせします。

利用者アンケート(国立国会図書館)
https://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/enquete/index.html

令和3年度利用者サービスアンケート
https://enquete.ndl.go.jp/321971/p/CA

Europeana、文化遺産機関向けの「質問バンク」を公開:アンケートの設計に利用できる質問例のリスト等を収録

2021年4月20日、Europeana Proのウェブサイトにおいて、“Europeana standardised question bank”の公開が発表されています。文化遺産機関向けの「質問バンク」であり、アンケートの設計に利用できる質問例のリスト等を収録しています。

Europeanaによる文化遺産機関向けのインパクト評価ガイドライン“Impact Playbook”のフェーズ2にあわせて開発されたツールの一つとあり、文化遺産セクター内での標準化されたデータ収集に資するものとして位置づけられています。発表によれば、今後も継続的な更新が行われる予定です。

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)、Project Outcome大学図書館版に「オンラインプログラムの評価」等に関するリソースを追加

2021年5月5日、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)は、Project Outcome大学図書館版に2種類のリソースを追加したと発表しています。利用には登録が必要です。

1つ目は“Measuring Virtual Programs”です。コロナ禍により、プログラムやサービスがオンライン上での実施へと転換し、今後も拡大すると想定されることから、その計画と評価が新たな課題となっています。本リソースでは、オンラインプログラムにおけるアンケートの回答率を増加させる方法についての一般的な戦略や、図書館が提供するいくつかのオンラインプログラム・サービスにどのように適用できるかについての事例を概説しています。

2つ目は“Impact Measurement Beyond Outcomes”です。アウトカムは、図書館がその影響力を示すのに役立つ評価データの貴重な型式であるものの、唯一の基準ではないとし、ニーズ・利用者満足度、アウトプットを測定し、アウトカムを補足することは、図書館がその影響力を効果的に説明するのに役立つと説明されています。

公共図書館への資金拠出の近隣の子どもの成績や住宅価格に与える影響:米・シカゴ連邦準備銀行による調査(文献紹介)

米・シカゴ連邦準備銀行(Federal Reserve Bank of Chicago)が、2021年4月付で、調査結果報告書“The Returns to Public Library Investment”を刊行しました。

米国では、1万5,000館の公共図書館の運営のため、毎年120億ドル以上の資金が地方政府から支出されており、また、毎年50%を超す国民が図書館を利用しているものの、コミュニティや子どもに与える図書館の影響に関する調査が少ないことから、米国の公共図書館のほぼすべてのデータを用いて、資金の拠出の、図書館資源・住民の利用・子どもの成績・地域の住宅価格に与える影響を調査したものです。調査は、差分の差分法(difference-in-difference approach)を用いて行われました。

調査の結果、図書館に拠出する資金を増加させると、図書館でのイベントへの子どもの参加が18%、子どもの資料の貸出が21%、来館数が21%増えることを示したとしています。

公共図書館が人々にもたらす影響:デンマーク・ロスキレ中央図書館による調査とその報告書(記事紹介)

デンマーク・ロスキレ市で図書館・市民サービス部門のディレクターを務めるChristian Lauersen氏のブログ“The Library Lab”の2021年4月19日付け記事“A haven in our community: The impact and value of public libraries”において、ロスキレ中央図書館の主導により2020年秋に実施された調査が紹介されています。

公共図書館がデンマークの人々にもたらす影響に関する調査であり、全国的なアンケート調査をベースにしています。特に、安息所としての図書館、様々な視点を提供する図書館、創造性を涵養する図書館、コミュニティの形成・維持を支援する図書館という4つの側面に注目しています。

記事では、図書館の価値を語る際の言葉を「図書館は何冊の本を貸し出したか」から「市民にとって本を貸すことはどんな意味があったか」に変えていきたい、という考えが調査の背後にあったと述べています。調査の報告書は最初にデンマーク語版で公開されましたが、国外から寄せられた大きな関心を受けて、英訳を作成・公開したことが紹介されています。

韓国教育学術情報院(KERIS)、報告書『2020年大学図書館統計分析および教育・研究成果との関係分析』を公開

2021年4月7日、韓国教育学術情報院(KERIS)が、教育部と共同で、報告書『2020年大学図書館統計分析および教育・研究成果との関係分析』を公開したと発表しています。

KERISでは2009年から毎年、大学図書館の蔵書・利用・資料購入費等の現状調査を行っています。同報告書は、全国433大学を対象に2020年の現況調査を実施するとともに、最近10年間の変化を分析し、大学図書館の現況と教育・研究成果への影響の要因を調査したものです。

主要な分析結果として、

・学生1人当たりの年間購入冊数は10年間で大きな変化はないものの、学生1人当たりの貸出冊数は約50%減少している。減少の要因として、学生が電子書籍を利用するようになったことや、講義においても電子資料や動画といった資料が多く活用されるようになったことがある。

・学生1人当たりの資料購入費は10年間で大きな変化はなかったが、電子資料の購入費の平均額は50%増加し、電子資料購入費が大学の2020年度の資料購入費の約69%を占めている(2011年は49%)。

英・ロンドン図書館、同館の経済的・社会的影響に関するレポートを公開

2021年3月15日、英国のロンドン図書館が、同館の経済的・社会的影響に関するレポート“The Economic and Social Impact of The London Library”を公開したことを発表しました。

レポートは、2020年6月に英国のコンサルティング会社のMorris Hargreaves
McInytreによるオンライン調査のほか、同館が実施している作家支援プログラム“Emerging Writers Programme”や“Twenty in 2020”の参加者を対象とした調査や、利用者21人を対象としたインタビュー調査等を基に作成されました。オンライン調査は1,270件、プログラムの参加者を対象とした調査は合計25件の回答が寄せられました。

影響の算出は、利用・非利用価値、知的財産の創出に着目して行われました。レポートの中では、同館は、1年間に約2,130万ポンドの経済的価値を生み出していること、英国内の創造産業・文化産業において460の仕事の支援を行っていることが指摘されています。また、約700冊のフィクション・ノンフィクションの本、1万5,000件以上の記事等の作成に関与していること等が述べられています。

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