学術出版

米ミシガン大学図書館とKnowledge Unlatched、人文学と社会科学における学術出版のオープンアクセスなどに関し協同へ

2016年6月23日、米国のミシガン大学図書館が、学術出版物の継続的なオープンアクセス(OA)出版を支援するKnowledge Unlatched(KU)と共同で、オープンアクセス(OA)プロジェクトを実施することを発表しています。

このプロジェクトは、人文学と社会科学における学術出版のOAに存在する障害について研究し、それらを打開することを目的とし

・OAによる影響と範囲に最も有意な指標を見つけ、その情報を集約、分析して著者、出版者、図書館、資金提供者などと共有する手段を模索する

・従来の方法だけでなくオープンウェブを活用するなど、OAコンテンツの発見可能性を向上させる

・世界のOAポリシーやOAの枠組みに関する認識を高める

といったことを行うものとなります。

Knowledge Unlatched and University of Michigan Library Announce Collaboration to Advance Open Access(Michigan Library, 2016/6/23)

Wiley社とHindawi社が提携し、2017年1月からWiley社の9つの雑誌がオープンアクセスに

2016年6月15日、Wiley社はHindawi社との提携について発表し、2017年1月からWiley社の9つの雑誌がオープンアクセス(OA)雑誌となることを発表しました。それぞれの雑誌についてHindawi社は編集制作のワークフローを担うことになります。

Nine journals to become open access under partnership between Wiley and Hindawi(Wiley, 2016/6/15)
http://as.wiley.com/WileyCDA/PressRelease/pressReleaseId-126202.html

The Wiley Hindawi Partnership(Hindawi)
http://www.hindawi.com/wiley.hindawi/

米国大学出版協会、高品質なピアレビューの基準を概説したハンドブックを公開

2016年6月8日、米国大学出版協会(AAUP)が、高品質なピアレビューの基準を概説したハンドブック“Best Practices in Peer Review”を公開しました。

Twitter(@aaupresses,2016/6/8)
https://twitter.com/aaupresses/status/740543213610631168

Handbook of Best Practices in Peer Review Published Outlines High Standards in Peer Review for Scholarly Monographs(AAUP,2016/6/8)
http://www.aaupnet.org/news-a-publications/news/1459-handbook-of-best-practices-in-peer-review-published

Best Practices in Peer Review
http://www.aaupnet.org/resources/for-members/handbooks-and-toolkits/peer-review-best-practices

欧州委員会(EC)、デジタル技術を活用したオープンサイエンスに関する調査報告書“Open Digital Science”の最終版を公開

2016年5月30日、欧州委員会(EC)は、デジタル技術を活用した科学、研究、イノベーションの実践に関する調査報告書“Open Digital Science”の最終版を公開しました。

デジタル技術に基いたこれまでと根本的に異なる科学的実践が起こりつつあること、また、それらがどのように構成され、科学と社会との関係をいかに変えているかどうかといったことを調査することを主眼とした調査であり、オープンサイエンスの影響が最も顕著であるのはオープンアクセスの科学出版物であるとされ、新しい世代の研究者たちはデジタルツールを研究のワークフローの全てのステップにおいて活用しており、シチズンサイエンス、オープンイノベーションなどの概念につながるとされています。

報告書の6章では、26人の専門家へのインタビューなどを通じ、オープンサイエンスの実践に関し、6つの将来のシナリオが示されています。

Open Digital Science
http://ec.europa.eu/newsroom/dae/document.cfm?doc_id=16018

Open Digital Science - Final study report(Digital Single Market, 2016/5/30)

オランダ大学図書館・王立図書館コンソーシアム、Karger社とオープンアクセス出版について合意

2016年5月31日、スイスに拠点を置く学術出版社であるKarger社は、オランダ大学図書館・王立図書館コンソーシアムUKB(Unibersiteitsbibliotheken & Koninklijke Bibliotheek)の会員のうち9機関と、オープンアクセス(OA)での出版について合意したと発表しています。

契約内容は、これまで通りKarger社の全てのジャーナルのコンテンツへのアクセスを認めるとともに、APC(論文処理費用)を支払うことなく同社の100点以上のハイブリッドジャーナルやフルオープンアクセスジャーナルから年間250件のOAの論文を公表できるというもので、契約期間は2016年から2017年の2年間で、2018年の1年間は延長することが可能となっています。

Karger Publishers and Dutch Universities Sign Novel Open Access and License Agreement(Karger,2016/5/31)
https://www.karger.com/WebMaterial/ShowFile/508488

参考:
E1790 - オランダ大学協会と大手学術出版社とのOAに関する合意
カレントアウェアネス-E No.302 2016.04.28

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)とUNESCOによるオープンアクセスに関する共同声明

2016年5月9日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)とUNESCOによるオープンアクセスに関する共同声明が発表されました。

・予算規模の小さな機関や発展途上国に配慮すべきである
現状、研究が行われるにあたって特定の地域や研究分野によって偏りが生じている学術出版システムをこれ以上ゆがめないためにも、論文処理費用(Article Processing Charge:APC)を払えない研究者を支援する仕組が必要である。

・国際的な出版社への一極集中を避けるべきである
出版費用を自己負担するモデルに遷移してしまうと、こういった出版社に左右されることが慣行化してしまい、かつ新規参入の出版社やAPCモデル以外のモデルを阻却してしまう。

・費用削減の途を探るべきである
購読契約のオープンアクセス(OA)モデルへの遷移によって、APCが削減されるという研究もあり、APCを支払うための補助を行なうだけでは、費用は低廉化できず、革新も妨げられ、新しいモデルやツールを活用しようという学術コミュニティの力を阻害してしまう。

といったことが示されています。

Joint COAR-UNESCO Statement on Open Access(UNESCO, 2016/5/9)

Taylor&Francis社、中国の研究者等向けに中国語で情報発信を行なうウェブサイト“TandFChina.com”を開設

2016年5月4日、Taylor&Francis社は、中国語(北京語)で中国における学術コミュニティに関するリソースを提供し、Taylor&Francis社のコンテンツへの「玄関口」となるウェブサイトとして、“TandFChina.com”を立ち上げたことを発表しました。

発表によると、7万人を超える中国を基盤とする研究者が、2015年におけるTaylor & Francis社の雑誌に論文を掲載し、この数は2010年の5倍に及ぶとのことです。

Taylor & Francis Group launch TandFChina.com: its online hub for Chinese customers and partners(Taylor & Francis Group)
http://newsroom.taylorandfrancisgroup.com/news/press-release/taylor-francis-group-launch-tandfchina.com-its-online-hub-for-chinese-custo#.Vyt1w4SyOko

Twitter(tandfnewsroom, 2016/5/4)
https://twitter.com/tandfnewsroom/status/727769920373673984

E1790 - オランダ大学協会と大手学術出版社とのOAに関する合意

○はじめに
 オランダの14の研究大学で構成されたオランダ大学協会(VSNU)が,複数の学術出版社とオープンアクセス(OA)に関する合意を締結している。オランダでは2013年11月15日に教育・文化・科学省副大臣のデッカー(Sander Dekker)氏が,オランダ国内の学術論文について2019年までに60%,2024年までに100%をOA化するという目標を示した。これを受け,VSNUでは,ビッグディール契約(CA1586参照)の更新の際に,各出版社のジャーナルに投稿・掲載されるオランダ国内学術論文のOA移行に関する合意を盛り込むことを条件として交渉していた。

Science Europe、オープンアクセスのビジネスモデル等に関するブリーフィングペーパーを公表

2016年4月4日、ヨーロッパの研究助成財団・研究実施機関が加盟するScience Europeが、オープンアクセス(OA)のビジネスモデルとOA出版システムの最近の動向に関するブリーフィングペーパー“Open Access Business Models and Current Trends in the Open Access Publishing System”を公表しました。

Science Europeの、学術出版物のOAに関する作業部会の専門家らによってまとめられたもので、4月4日と5日に、EUの2016年1月から6月までの議長国であるオランダのアムステルダムで、オープンサイエンスに関する会議が開催されており、政策立案者や利害関係者がオープンサイエンスに関する決定をくだすのに必要なブリーフィングペーパーとして作成されたものです。

Open Access Business Models and Current Trends in the Open Access Publishing System
http://www.scienceeurope.org/uploads/PublicDocumentsAndSpeeches/SE_Briefing_Paper_OA_Business_Models.pdf

Emerald社、ORCID iDを採用

2016年2月17日、Emerald社が、研究者識別子を付与する非営利組織であるORCIDと連携し、ORCID idを採用すると発表しています。

Emerald partners with ORCID to support its author community(Emerald Group Publishing,2016/2/17)
http://www.emeraldgrouppublishing.com/about/news/story.htm?id=6544

Emerald partners with ORCID to support its author community(STM Publishing News,2016/2/17)
http://www.stm-publishing.com/emerald-partners-with-orcid-to-support-its-author-community/

参考:
英国王立協会及び7つの出版社が、著作物の出版に際し、著者にORCID iDの利用を要求
Posted 2016年1月8日
http://current.ndl.go.jp/node/30401

Springer Nature社、自社の出版物にORCID iDを付与
Posted 2015年11月4日

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