学術出版

フランス・高等教育書誌センター(Abes)、学術出版物のメタデータのRDFストア“scienceplus.abes.fr”のベータ版を公開

2021年3月11日、フランスの高等教育・研究・イノベーション省が所管する高等教育書誌センター(Abes)が、学術出版物のメタデータのRDFストア“scienceplus.abes.fr”のベータ版を公開したことを発表しました。

“scienceplus.abes.fr”では、Abesが出版社から二次利用の権利を取得した、電子媒体の学術出版物のメタデータが提供されています。フランスの大学図書館の総合目録“Sudoc”のメタデータが雑誌や電子書籍のタイトルレベルなのに対し、“scienceplus.abes.fr”のメタデータは記事・章レベルであり、相互運用性のある形式で提供するとされています。

発表によると、“scienceplus.abes.fr”はSPARQLに対応しており、Linked Open Data(LOD)の原則・メカニズムに則っています。また、著者のデータについては、“Sudoc”の典拠ファイル“IdRef”や、ORCIDと連携していること等が述べられています。

米・プリンストン大学図書館、研究のライフサイクル全体へのサービスを担当する新部門を設立:既存の2部門を統合しサービスの効率化を企図

2021年3月15日、米・プリンストン大学図書館は、研究の初期から出版まで、研究のライフサイクル全体へのサービスを担当する新部門“Office of Research Data and Open Scholarship”(RDOS)の設立を発表しました。

RDOSは、研究データ関連サービスを担う“Princeton Research Data Service”(2019年設立)と、同大の学術成果のオープン化を推進する“Scholarly Communications Office”(2014年設立)の2部門の統合により設立されました。

発表には、RDOSの部門長となるWind Cowles氏のコメントが掲載されています。同氏のコメントによれば、同大の研究者がより効率的にサービスを利用できるよう模索した結果、新部門設立が行われました。この新たなアプローチにより、あらゆる研究ニーズに総合的に対応できる明確なエントリーポイントが研究者に提供されるとしています。

2020年度第3回J-STAGEセミナー「ジャーナルから見た研究データ:データ公開の実践」の講演資料が公開される

2021年3月1日に開催された、2020年度第3回J-STAGEセミナー「ジャーナルから見た研究データ:データ公開の実践」の講演資料が、3月11日に公開されました。

同セミナーで行われた以下の講演について、資料が掲載されています。

・「日本気象学会「気象集誌」におけるJ-STAGE Dataの利用の取り組み」
佐藤正樹氏(日本気象学会)

・「デジタルアーカイブ学会誌でJ-STAGE Dataを登載してみた」
時実象一氏(デジタルアーカイブ学会)

・「130年の歴史がある学術誌がJ-STAGE Dataを使う」
太田博樹氏(日本人類学会)

・生命科学におけるデータサイエンスとJ-STAGE Dataへの期待
中村春木氏(日本生物物理学会)

・「日本原子力研究開発機構(JAEA)におけるデータポリシー策定と制度化の取り組み」
熊崎由衣氏(日本原子力研究開発機構)

・「海洋研究開発機構(JAMSTEC)における研究データ公開と利活用」
福田和代氏(海洋研究開発機構)

・「研究データの公開・利用条件指定ガイドラインの策定」
南山泰之氏(国立情報学研究所)

Taylor & Francisグループ、新刊単行書のデータ共有ポリシーを策定:2021年4月から適用

2021年3月4日、Taylor & Francisグループは、オープンリサーチ支援の一環として、同グループのインプリントであるRoutledgeとCRC Pressの全ての新刊単行書に適用予定のデータ共有ポリシーを発表しました。同ポリシーは、2021年4月から適用されます。

Taylor & Francisグループが新たに発表した“Taylor & Francis Books Data Sharing Policy”は、2021年4月以降にRoutledgeとCRC Pressから刊行される全ての単行書の著者、及び章の執筆者に対して、被験者保護に関する措置を講じた上で、研究データを共有することを強く推奨する内容です。また、「データ可用性に関する言及(Data Availability Statement)」を記述し、データ引用を積極的に行うことも同時に推奨しています。

Taylor & Francisグループはお知らせの中で、同グループは全ての新刊単行書のコンテンツにデータ共有ポリシーを設定した初めての出版社であることを発表しています。

cOAlition SとScience Europe、「ダイヤモンドオープンアクセス(OA)」モデルの現状分析に関する調査報告書と調査を受けた推奨事項を公表

2021年3月9日、cOAlition S、及び欧州の研究助成財団・研究実施機関が加盟するScience Europeは、購読者・著者に財政的負担を負わせないオープンアクセス(OA)出版モデル「ダイヤモンドOA」のジャーナル・プラットフォームについて、現状分析に関する調査報告書と調査を受けた推奨事項を公表しました。

オープンアクセス誌eLife、コード・プログラム等を読者が直接実行可能な学術論文“Executable Research Article”出版プロジェクトの新しいフェーズを開始

2021年3月1日、オープンアクセス(OA)誌のeLifeは、著者・出版社にコンピューター上で再現可能な学術論文の出版を提供するプロジェクト“Executable Research Article”(ERA)が新しいフェーズを開始したことを発表しました。

ERAは、インタラクティブで再現性の高いドキュメント出版のためのオープンソースのツール開発を専門とするStencila社と共同して、eLifeが2017年から取り組むプロジェクトです。ERAにより出版された学術論文では、論文内のコードやプログラムの検証・修正等のため、読者がブラウザ上でこれらを直接実行することができます。論文読者が図の生成過程を把握したり、分析の範囲を任意の条件に変更することなどが可能になり、研究の透明性・再現性・インタラクティブ性の向上に寄与する取り組みとして説明しています。

米国化学会(ACS)の出版部門、東京理科大学と“Read and Publish”契約を締結:ACSと日本の機関による同種の契約締結は初めて

2021年3月9日、米国化学会(ACS)の出版部門が、東京理科大学と“Read and Publish”契約を締結したことを発表しました。

発表によると、ACSにとっては日本で最初の“Read and Publish”契約締結であり、契約期間は5年です。この契約により、同大学の研究者は、ACSのジャーナルでのオープンアクセス(OA)出版、ACSの75以上のジャーナル等へのアクセスが可能となったことが述べられています。

北米の研究図書館によるコンソーシアムNERL、出版社との契約交渉で採用すべき望ましい価値基準に関する声明を発表

2021年3月3日、北米の研究図書館センター(CRL)を拠点とし30の大学・研究機関の図書館が構成するコンソーシアム“NorthEast Research Libraries Consortium”(NERL)は、声明“NERL Demands a Better Deal”を発表しました。

同声明はNERLが出版社との契約交渉に臨むにあたって、健全な学術出版のエコシステムを実現するために、採用すべき望ましい価値基準を明確化する目的で発表されました。NERLが契約交渉で反映すべき中核的な価値基準として以下の5点を示しています。

・透明性:交渉プロセスの可視化・学術図書館に対するリーダーシップを発揮するため、NERLは可能な限り交渉内容・結果・コストを共有する。契約交渉においては、NERLの透明性に関する取組みに理解を示すベンダーを優先する。

・持続可能性:NERLは持続可能性を最大限確保できる条件で交渉し、共同インフラストラクチャー・共同所有支援の機会を追求する。透明性が高く不要なコンテンツを提供しない小規模な条件を奨励するなど、過去の価格設定モデルや前例にとらわれない契約を優先する。

Microsoft Academic Graph(MAG)の約30年分の定量的なデータに基づくオンラインプレプリントサービス発展の軌跡(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2021年2月17日付で、Microsoft社の基礎研究部門Microsoft Researchの研究者3人の共著による文献“Is preprint the future of science? A thirty year journey of online preprint services”が公開されています。

同文献はarXivがサービスを開始した1991年から2020年までを対象に、Microsoft社の書誌情報データMicrosoft Academic Graph(MAG)に基づいて、プレプリントサービスの経時的な発展の概要を報告する内容です。主に次のようなことを指摘しています。

・1991年の1年間に公開されたプレプリント文献の数は3,000件程度であったが、2019年には約22万7,000件、2020年には最初の9か月だけで約19万2,000件と急増している。しかしそれでもなお、全学術文献に占めるプレプリント文献の割合は2020年時点で6%程度である。

・プレプリント文献の公開日と査読を経て雑誌論文として公開される日を比較すると、平均して14か月の開きがあり、特に経済学分野ではプレプリント文献の早期アクセスの恩恵が大きい。

cOAlition S、研究者を対象に「プランS」が研究成果の公開やオープンアクセス(OA)への見解に与えた影響に関するアンケート調査を開始

2021年3月2日、cOAlition Sは、助成した研究成果の完全即時オープンアクセス(OA)実現に向けて、研究者を対象に「プランS」が学術出版やOAへの見解に与えた影響に関するアンケート調査を開始したことを発表しました。

同調査は「プランS」の影響をモニタリングするcOAlition Sの取組の一環として行われます。アンケートは簡易調査を定期的に繰り返す「パルス・サーベイ」として2021年を通して実施され、第1回の調査期間は2021年3月1日から16日までです。

cOAlition S calls researchers to complete Plan S impact survey(cOAlition S,2021/3/2)
https://www.coalition-s.org/coalition-s-calls-researchers-to-complete-plan-s-impact-survey/

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