学術出版

イスラエル科学財団(ISF)、F1000 Researchと提携して同財団の研究助成による成果物をオープンアクセス(OA)出版するゲートウェイ“ISF Gateway”の運用を開始

2020年9月9日付のF1000 Researchのプレスリリースにおいて、イスラエルの研究助成機関であるイスラエル科学財団(Israel Science Foundation:ISF)が、F1000 Researchのオープンアクセス(OA)出版プラットフォームを利用して、同財団の研究助成による成果物をOA出版するゲートウェイ“ISF Gateway”の運用を開始したことが発表されています。

ISF Gatewayにより、ISFの研究助成を受けた研究者は、共有したい研究成果やデータを迅速で透明性のある形でのOA出版等が可能となります。ISFはISF Gatewayについて、策定中のOA方針の実践に向けた重要な節目とみなしており、助成を受けた研究者の成果の意義を最大化するために、オープンリサーチに求められる全ての原則を支持するような専用の出版プラットフォームとなることを意図しています。

国際STM出版社協会、発展途上国を含む包括的で公平なオープンアクセス(OA)への転換を検討するホワイトペーパーを公開

2020年9月7日、国際STM出版社協会は、Elsevier社の研究評価のあり方を検討するための国際センター“The International Center for the Study of Research(ICSR)”が提供するショートレポートシリーズ“ICSR Perspectives”から、ホワイトペーパー“Achieving an equitable transition to open access for researchers in lower and middle-income countries”を公開したことを発表しました。

京都大学東南アジア地域研究研究所(CSEAS)、無料公開が許可された旧東南アジア研究センターの所員による学術書や論文を掲載する「CSEASクラシックス」を公開

2020年9月10日、京都大学東南アジア地域研究研究所(CSEAS)は、「CSEASクラシックス」を公開したことを発表しました。

「CSEASクラシックス」は、京都大学の旧東南アジア研究センターの所員が研究成果として発表した学術書や論文のうち、無料公開が許可されたコンテンツを掲載するウェブサイトとして構築されました。第1弾として、2020年6月に解散した学術出版社である創文社から出版された「東南アジア研究叢書」シリーズのうち、5タイトルが公開されています。公開されたタイトルは、無料でPDFファイル形式による全文をダウンロードすることができます。

@kucseas(Twitter,2020/9/10)
https://twitter.com/kucseas/status/1303883738007265280

CSEASクラシックス
https://cseas-classics.cseas.kyoto-u.ac.jp/

独・ネットワーク情報イニシアチブ(DINI)、オープンアクセス(OA)出版サービスに必要な最低限度の基準の一覧を公開

2020年8月21日付で、ベルリン・フンボルト大学(ドイツ)が運営するオープンアクセス(OA)出版プラットフォーム“edoc-Server”に、ドイツのネットワーク情報イニシアチブ(DINI)による文書“DINI Certificate for Open Access Repositories and Publication Services 2019”が公開されています。

学術研究において、出版は科学的な知識や科学全体の発展にとって重要な柱となる営みです。学術コミュニティにおけるその重要な特徴として、著者及び潜在的な読者を含む研究者間の効果的なコミュニケーションを組織化し学術情報の適切な普及を確保すること、出版物の利用者である研究者に品質や著作権等に関する十分な信頼性の存在を伝達すること、引用・長期的な可用性等により持続可能性と検証可能性を保障することの3点が挙げられます。

オランダ科学研究機構(NWO)、人文科学分野のオープンアクセス(OA)雑誌のプラットフォーム“Open Library of Humanities(OLH)”へ3年間の資金提供を実施

2020年9月1日、人文科学分野のオープンアクセス(OA)雑誌のプラットフォーム“Open Library of Humanities(OLH)”は、オランダ科学研究機構(NWO)がOLHの図書館協力補助金制度(Library Partnership Subsidy system)に参加し、3年間の資金提供を約束したことを発表しました。

OLHはアンドリュー W.メロン財団等の助成により立ち上げられたプラットフォームであり、コストを著者ではなく国際的な図書館コンソーシアムからの出資に依拠するダイヤモンドOAモデルで運営されています。

NWOのPresident Executive Boardであるギーレン(Stan Gielen)氏はOLHへの資金提供に関して、「NWOはOAの実現・転換のためには多様なルートとビジネスモデルが存在すると強く確信している。これには非営利・非APCベースのダイヤモンドOAモデルも含まれている。OLHは極めて革新的なビジネスモデルに基づく人文科学研究者向けの高品質出版プラットフォームとして際立ったものであり、今後3年間支援できることは光栄である」とコメントしています。

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、世界各国の1,200人以上の研究者を対象とした査読に関する意識調査の結果を公開

2020年8月27日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)は、世界各国の1,200人以上の研究者を対象に実施した査読に関する意識調査の結果として、“Peer Review Motivations Report 2020”を公開したことを発表しました。

英国物理学会出版局は、2018年1月から2020年3月に同出版局の雑誌への査読を行った、または査読の依頼を受けたことのある1,200人以上の研究者に対して、査読の動機等に関する意識調査を実施しました。なお、調査対象とした研究者群については、代表標本を構築するため中国の研究者に意図して偏らせたことや、物理学研究者の現状を反映して回答者の86%が男性となったことを留意点として説明しています。調査から得られた主な知見として以下のことを報告しています。

2020年第1四半期に発表された新型コロナウイルス感染症関連文献のオープンアクセス(OA)状況等に関するPubMedを情報源とした調査(文献紹介)

2020年8月12日付で、オープンアクセス(OA)出版プラットフォームを提供するF1000 Researchに、スペインの医学研究者らが共著で執筆した文献として、“Open Access of COVID-19-related publications in the first quarter of 2020: a preliminary study based in PubMed”が公開されています。

新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大に伴い、各出版社は同感染症に関する文献を米国国立医学図書館(NLM)の運営するPubMed Central(PMC)などの適切なリポジトリにおいて、即時OA化することを認める意向を示しています。著者らはNLMの生物医学文献データベースPubMedやOA文献探索のためのブラウザ拡張機能Unpaywall等のツールを用いて、2020年第1四半期に発表された新型コロナウイルス感染症関連文献のOA状況等に関する調査を実施しました。また、過去のコロナウイルス関連文献との比較のために、2000年代前半に中国等で流行した新型肺炎の原因ウイルス「SARSコロナウイルス(SARS CoV-1)」や中東呼吸器症候群(MERS)の原因ウイルス「MERSコロナウイルス(MERS CoV)」に関連する文献のOA状況等も分析しています。

米・Educopia Institute、学術出版インフラ開発プロジェクト“Next Generation Library Publishing”の価値観・原則のフレームワークと評価チェックリストの草案を公開

2020年8月26日、米国のMLAおよびその他の文化資源保存機関の連携促進を目的とする非営利組織Educopia Instituteは、“Next Generation Library Publishing(LGLP)”について、プロジェクトの価値観・原則のフレームワークと評価チェックリストを表したツールとして、“Values and Principles Framework and Assessment Checklist”の草案を公開したことを発表しました。

NGLPはArcadia基金による助成の下、Educopia Instituteや米・カリフォルニア電子図書館(CDL)等が主導するプロジェクトです。図書館による出版活動の支援を目的に、学術出版インフラの強化・統合・拡張等を通して、著者・編集者・読者に提供される出版経路の改善を目指しています。“Values and Principles Framework and Assessment Checklist”は、出版ツール・サービス・プラットフォームと最終的なサービス提供者である学術コミュニティ・出版者との間の強固な連携関係を評価・促進する目的で作成されました。

Karger社、主要学術出版社刊行雑誌に掲載の文献へシームレスなアクセスを提供する無料ソリューションGetFTRへ参加

2020年9月1日、スイスの学術出版社Karger社は、主要学術出版社刊行雑誌に掲載の文献へシームレスなアクセスを提供する無料ソリューション“Get Full Text Research(GetFTR)”へ参加することを発表しました。

GetFTRは、提携するディスカバリーツールやプラットフォームを介して、研究者が場所によらず、必要なコンテンツへ迅速かつシームレスにアクセスすることを支援する無料のソリューションです。米国化学会(ACS)・Elsevier社・Springer Nature社・Taylor & Francisグループ・Wiley社によって立ち上げられたもので、Karger社は創設事業者を除くと、GetFTRへ参加する最初の学術出版社となります。

Karger社のコンテンツへのGetFTRの対応は2020年8月末に完了しており、提携するプラットフォーム等のGetFTRのリンクから、迅速で簡素な認証を経てKarger社のフルテキストのHTML版へ遷移することができます。

Center for Open Science(COS)、オープンアクセス(OA)誌PLOS ONEと共同してオープンで透明性の高い認知発達心理学分野の研究論文の投稿を募集

2020年8月31日、米国の非営利団体Center for Open Science(COS)は、オープンアクセス(OA)誌PLOS ONEとの共同により、2020年11月30日を提出期限としてオープンで透明性の高い認知発達心理学(cognitive developmental psychology)分野の研究論文の投稿を募集することを発表しました。

COSは募集の背景として、心理学分野では、統計上の課題等により研究結果の再現性に限界があることから、研究報告の透明性の向上・メソッドの厳密化への関心が高まっており、研究データやソースコードのオープン化・研究内容の事前登録が特に必要となっていることを挙げています。早期認知発達、言語発達、非定型発達など認知発達心理学分野の幅広いテーマについて、確認的研究・探索型研究・臨床試験・観察研究など様々な研究タイプの論文の投稿が募集されています。

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