学術出版

英・Emerald社、同社のプラットフォームEmerald Insightに機関外からの簡便なアクセス認証を提供するサービス“SeamlessAccess”を導入

2021年9月14日、英・Emerald社は、同社の提供する学術文献のオンラインプラットフォームEmerald Insightに、“SeamlessAccess”を導入したと発表しました。

SeamlessAccessは、ユーザーの所属機関による既存のシングルサインオン(SSO)基盤を活用し、個人情報とプライバシーを保護しつつ、機関外からの簡便なアクセス認証を提供するサービスです。

同サービスは、過去にユーザーが機関認証を行った際に選択した機関情報を保持する仕組みとなっており、再度Emerald Insightにログインする際に機関名を検索・入力しなおす手間を省略できます。また、同サービスを導入している全ての出版社プラットフォームで機能するため、一度機関認証を受けたユーザーがサービス導入済みの別プラットフォームに移動した場合も、自動的に当該機関のメンバーとして識別されます。

英国王立化学協会、“Open Access Switchboard”への支援を発表

2021年9月7日、英国王立化学協会(Royal Society of Chemistry)は、オープンアクセス学術出版協会(OASPA)が主導する“Open Access Switchboard”(OA Switchboard)を支援することを発表しました。

OA Switchboardは、OA出版物に関する助成機関、研究機関、出版社間のコミュニケーションを合理化する情報交換ハブとして開発されました。2020年12月には、英・Jisc、英国研究・イノベーション機構(UKRI)、英・ウェルカム財団も支援を発表しています。

英国王立化学協会のClaudia Heidrich氏のコメントも掲載されており、OA Switchboardの導入によりレポートサービスの改善が見込まれ、関係者間でOA出版契約をよりよく管理できるようになると述べています。

プレプリントへの査読行為と「重複査読」の問題(記事紹介)

学術情報流通に関連した多様な話題を提供する学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)運営のブログ“The Scholarly Kitchen”に、2021年9月9日付けで記事“The dawn of the age of duplicate peer review”が掲載されています。筆者は研究データ共有支援ツールの開発企業の創設者・プロジェクトリーダーであるTim Vines氏です。

プレプリントを査読する取組の存在に触れつつ、当該のプレプリントが学術誌での査読プロセスにある場合、査読者の労力浪費につながる「重複査読」(duplicate peer review)となりうるケースがあると指摘しています。ただ、当該のプレプリントについての正当な議論と重複査読とを区別する明確な基準はないとし、プレプリントの台頭が、従来行われてきた「順を追った」(sequential)査読プロセスの変容をもたらす可能性に言及しています。

本記事の下に設けられたコメント欄では、内容に関する様々な意見が寄せられており、著者本人も回答しています。著者の回答によれば、本記事は重複査読を擁護したものではなく、重複査読を抑制していた壁が崩れつつあり、プレプリントへの査読行為がさらにそれを加速させていることを述べています。

学術出版協会(SSP)、ハゲタカジャーナルに関するCabells社提供のデータベース“Predatory Reports”に掲載されたタイトル数が1万5,000を超えたと発表

2021年9月1日、学術出版界の部門間のコミュニケーション促進等を目的に活動する非営利団体・学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)は、米・Cabells社提供のデータベース“Predatory Reports”に掲載されたタイトル数が1万5,000を超えたと発表しました。

“Predatory Reports”にはハゲタカジャーナル(predatory journal)のデータベースであり、2017年に提供開始されました。開始時点では4,000タイトルであったものの、現在では約4倍に増加したと述べています。

欧州委員会(EC)、Horizon 2020のオープンアクセス要件の遵守状況に関する調査レポートを公開

2021年9月6日付で、欧州委員会(EC)が、Horizon 2020のオープンアクセス(OA)要件の遵守状況等に関する調査 “Monitoring the open access policy of Horizon 2020”の最終レポートを公開しています。

出版物と研究データについて、Horizon 2020のOA方針の機能した部分と機能しなかった部分や、Horizon 2021の助成を受けたプロジェクトがOA方針をどの程度満たしているかを把握すること、モニタリング手法の試行を目的として、同調査が行われました。

主な結果として、Horizon 2020の学術出版に関するOA要件遵守率は83%と推定され、研究データは95%であることが挙げられています。また、報告書の中では、出版物は49%、データセットは65%がクリエイティブ・コモンズ・ライセンスで公開されていたこと、95%が永続的識別子(PID)をメタデータに含む等、機関リポジトリはFAIR原則に沿ったアクセスの提供に取り組んでいたこと等が述べられています。

産経デジタル、デジタル領域の学術論文を集約したオンラインジャーナル「Journal of Digital Life」を創刊

2021年9月1日、株式会社産経デジタルは、デジタル領域の学術論文を集約したオンラインジャーナル「Journal of Digital Life」を創刊し、同日にウェブサイトを公開したことを発表しました。

「Journal of Digital Life」では、ライフサイエンス、医学、工学、人文科学、社会科学といった様々な学問分野に関するデジタル領域の学術論文が掲載されます。日本発の国際オンラインジャーナルとして存在感を高めることを目指しており、海外からの投稿を受付けるほか、ウェブサイト及び掲載論文は全て英語表記となっています。

【PRESS RELEASE】デジタル領域の学術論文サイト「Journal of Digital Life(ジャーナル・オブ・デジタル・ライフ)」が本日9月1日公開(産経デジタル, 2021/9/1)
https://www.sankei-digital.co.jp/news/2021/09/8649/

E2416 - Open Research Europeについての考察

   2021年3月,欧州委員会(European Commission)はOpen Research Europe(以下「ORE」)の公開を発表した。OREは,研究・イノベーション支援プログラムであるHorizon Europeとその前身であるHorizon 2020による助成を受けた研究の成果物を対象としたオープンアクセス出版プラットフォームであり,成果物の完全・即時公開という同プログラムの目標を実現するために導入された。

arXiv、sciteの「スマート引用」機能をarXivLabsに追加:当該論文が他の出版物でどう引用されているかを表示する機能

プレプリントサーバーarXivは、2021年8月26日付けのブログ記事において、引用分析プラットフォームsciteの「スマート引用」機能をarXivLabsに追加したことを発表しました。

「スマート引用」とは、論文の被引用回数だけでなく、他の出版物での引用におけるコンテキストや、引用された主張を支持しているかまたは異議をとなえているかの分類等の情報を提供することにより、どのように引用されているかを示す機能です。

arXiv内の論文ページ下部に表示されるarXivLabsの“Bibliographic Tools”タブ内にあるスイッチ“scite Smart Citations”を有効化すると、当該論文の被引用情報を表示できるsciteのページへのリンクが表示されます。

プレプリントの引用を削除するよう求められた時の対処方法(記事紹介)

生命科学分野の出版の加速に取り組む非営利団体ASAPbio(Accelerating Science and Publication in biology)が、2021年8月19日付けでブログ記事“What to do if you’re asked to remove a citation to a preprint”を公開しています。

記事では、プレプリントの引用を明示的に許可する出版社もあれば、禁止する出版社もあることを紹介しつつ、プレプリントの引用禁止が著者や科学全体にもたらす不利益の大きさを指摘しています。その上で、学術誌の編集者から引用を削除するよう求められた時の対処法として、次のような内容を紹介しています。

・当該論文を引用することの重要性を説明する
・プレプリントであることを明記し、読者に注意を促すといった代替策を提案する
・学術誌のポリシー変更を要求する

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