利用者

E2344 - ドイツ・ベルリン国立図書館における日記調査

ドイツ・ベルリン国立図書館(以下「同館」)は,2020年初めに同館ポツダム通り館(以下「本施設」)で利用者を対象とする日記調査を実施し,同年8月にその報告書を公表した。様々な図書館利用者調査の中でも,本調査は特に利用者の内面に踏み込んでそのニーズの分析を試みたものである。本稿では本調査の目的と方法を中心にその概要を紹介する。

公共図書館員の意欲低下経験に関する質的研究(文献紹介)

2020年12月14日付で刊行された、カナダ国内の図書館協会のネットワーク“The Partnership”の“Partnership: the Canadian Journal of Library and Information Practice and Research” Vol. 15 no.2に、公共図書館員の意欲低下経験に関する論文“The Public Librarian Low-Morale Experience: A Qualitative Study”が2021年1月4日付で公開されました。

同論文は、米国のウィンスロップ大学に所属するKaetrena Davis Kendrick氏によるもので、現役の公共図書館員または元公共図書館員20人を対象に実施した半構造化インタビューの分析結果がまとめられています。意欲の低下が進む過程や、公共図書館員の意欲低下経験に特有の影響因子を明らかにすることが研究課題として挙げられています。

E2340 - 感情労働者たる図書館職員を保護するための指針(韓国)

日本においては,以前から,利用者対応に関わって,図書館職員の疲弊・困惑・憤りや,退職に追い込まれた事例の報告・紹介が行われている。そのような現場での問題を受け,この間,図書館界の専門誌では,図書館職員のメンタルヘルス・感情労働(感情を管理して職務を遂行する労働)・カスタマーハラスメント(カスハラ)に関する記事も現れ始めてきている。そこでは,日本の図書館界においても,米国と同様,図書館学・図書館情報学の見地からの図書館職員のストレス緩和等に関する研究・考察の拡充(理論)や,組織全体でのメンタルヘルスの体制の整備(実践)の必要性等も指摘されている。

埼玉県教育委員会、県政サポーターへのアンケート「埼玉県内の図書館利用について」の結果を公表

2020年11月5日、埼玉県教育委員会は、県政サポーターへのアンケート「埼玉県内の図書館利用について」の結果を公表しました。

埼玉県では、インターネットを活用して県政課題への意見を聴取し県政に反映させるため、「県政サポーター」制度を設け、サポーターに対しインターネットアンケートへの協力を依頼しています。県政課題に関する様々なテーマのもとアンケートを実施しており、第64回アンケートのテーマは「埼玉県内の図書館利用について」でした。

アンケートは2020年8月20日から31日にかけて実施され、回答者は2,207人でした。結果公表のお知らせでは、回答者の属性と、以下に関する質問の回答結果が紹介されています。

ベルリン国立図書館(ドイツ)、利用者行動研究プロジェクト“StaBi 2030”の一環として行われた利用者16人による図書館滞在中の日記記録実験の報告書を公開

ドイツのベルリン国立図書館(Staatsbibliothek zu Berlin)は、2020年8月5日付で公開したブログ記事において、利用者行動研究プロジェクト“StaBi 2030”の一環として2020年初頭に同館が実施した、利用者16人による図書館滞在中の日記記録実験の結果を紹介しています。

ベルリン国立図書館は、築40年以上が経過した建物の大規模改修において、利用者の要望やニーズを十分に反映させるための利用者行動研究プロジェクト“StaBi 2030”を2019年10月から2021年9月までの2年間実施しています。同プロジェクトの一環として、2020年初頭に図書館滞在中の様子を日記(Tagebuch)形式で利用者に記録させる実験が行われました。公募で集まった16人の利用者が実験に参加し、それぞれ3日間の図書館滞在中の「日記」を残しています。同館は「日記」の内容から得られた結果として、以下のようなことを紹介しています。

・ベルリン国立図書館は静かな雰囲気を湛えた勉強のための場所としての評価が高いが、自由に電話ができるスペースの要望など、改善のためのアイデアも数多く見られた

リサーチ・リファレンス・リソース・リザーブ……図書館独特の専門用語を学生は正しく理解しているか?:米・ペンシルベニア州立大学図書館員による報告(文献紹介)

米国ペンシルベニア州のピッツバーグ大学図書館システムが刊行するオープンアクセスジャーナル“Pennsylvania Libraries: Research and Practice”の第8巻第1号(2020年)に、図書館でよく使われる独特の専門用語(library jargon)について調査した、ペンシルベニア州立大学図書館員による実践報告が掲載されています。

報告の中心として検討されているのは、リサーチ・リファレンス・リソース・リザーブの「リ(Re)」で始まる4語です。著者らは、同大学学生の「「リサーチ」は教授のすることだから図書館ウェブサイト上で「リサーチ」と書かれたリンクやタブはクリックしない」という反応や、別の学生による「「リソース」という単語は、ほぼ全ての物事を意味し得るような定義の安定しない単語だ」といった指摘などからこの調査を思い立ちました。2019年4月に同館のリファレンスデスクで、これら4語について、同大学に所属する18歳から22歳までの志願した学生30人に対して2種類の実験が行われています。

職員が利用者から受ける暴力・暴言の増加:カナダ・トロント公共図書館(TPL)の事例(記事紹介)

2020年2月2日、カナダ放送協会(CBC)が、トロント公共図書館(TPL)において、職員が利用者から受ける暴力・暴言が増加している問題を取り上げています。

報道では、同館職員は、唾を吐かれたり、言葉による脅迫や、物を投げつけられるといった、暴力・暴言を受けており、2011年には103件の暴力的で人を罵倒する行為と262件の脅迫的な言動がありましたが、2018年には、各々249件と623件へと増加していることが紹介されています。

TPLの職員組合からの声として、過去20年間で人員配置が15%減少したことによる分館における職員の少なさが問題の一部であるという意見や、2,100人の組合員を対象とした2018年の調査で、39%が仕事上安全ではない/37%が時々安全でないと感じると回答したことや、60%がTPLが安全な職場を提供していない、と回答したことを紹介しています。

E2225 - 図書館に関する意識:2014年,2019年の調査結果から

国立国会図書館(NDL)では,2014年に「図書館利用者の情報行動の傾向及び図書館に関する意識調査」を実施した(E1667参照)。それから約5年が経過し,最新の情報行動の傾向を把握することでNDLを含む今後の図書館の検討に資することを目的としてNDL総務部企画課では2019年に前述の調査の後継調査を実施した。

【イベント】講演会「“あなた”はなぜ、図書館に行くのか ~図書館利用の決定要因と図書館像・利用者像~」(3/14・神戸)

2020年3月14日、神戸市立中央図書館において、神戸・図書館ネットワークが主催する講演会「“あなた”はなぜ、図書館に行くのか ~図書館利用の決定要因と図書館像・利用者像~」が開催されます。講師は同志社大学免許資格課程センター准教授の佐藤翔氏です。

「図書館に行こう」「図書館を使おう」と考える際に働く要因や、図書館の利用者像を検証する内容であり、様々な実験、調査の結果を踏まえて「なぜ図書館に行くのか」の分析が行われます。

参加費無料、定員40人(事前申し込み要)です。

佐藤翔氏講演会「“あなた”はなぜ、図書館に行くのか」ご案内(神戸・図書館ネットワーク)
http://toshokannet.blog10.fc2.com/blog-entry-491.html

参考:
図書館利用者の情報行動の傾向及び図書館に関する意識調査(令和元年度)
https://current.ndl.go.jp/FY2019_research

【イベント】日本情報教育学会第1回研究会「未来を拓く情報教育」(3/9-10・東京)

2019年3月9日・10日に、山形大学東京サテライトにおいて、日本情報教育学会の第1回研究会が開催されます。テーマは「未来を拓く情報教育」とのことです。

同学会は2017年4月に、情報教育と関連分野の進歩普及をはかること等を目的に設立されたものです。初回となる今回の研究会では、1日目に東京大学の橋元良明氏による基調講演「若年層における情報行動の変化」が行われるほか、情報コミュニケーション、ICT活用、情報リテラシーに関する研究発表が行われます。また、2日目にはプログラミング教育に関するワークショップが開催されるとのことです。

日本情報教育学会 第1回研究会
https://sites.google.com/view/jaie

日本情報教育学会 第 1 回研究会のご案内(プログラム付き案内)
https://drive.google.com/file/d/1h4TufknlSQW1B2ZE_pX2VtWxCHNTfYLR/view

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