図書館経営

E2388 - 大学の図書館と博物館の協力関係構築のポイント:米国の事例

  2020年11月,米国の非営利団体Ithakaの調査部門Ithaka S+Rは,大学の図書館と博物館との連携促進に関する調査報告書“Structuring Collaborations:The Opportunities and Challenges of Building Relationships Between Academic Museums and Libraries”を公開した。この報告書では,米国の30の大学の図書館長と博物館長等に,大学内での両者の連携に関するインタビューを行い,その結果として連携促進に重要な側面をまとめるとともに,効果的な連携が見られた3つの事例を取り上げている。

国立図書館のコレクション構築に関する会議“National Libraries Now 2021”が2021年9月にオンラインで開催予定

2021年9月16日から17日にかけて、国立図書館のコレクション構築に関する会議“National Libraries Now 2021”がオンラインで開催されます。

同会議は、英国図書館(BL)、ベルギー王立図書館(KBR)、ジャマイカ国立図書館のコレクション担当職員が主催者となっており、開催にあたり欧州国立図書館員会議(CENL)からの助成を受けています。

開催のねらいとして、国立図書館のコレクションに直接携わる図書館関係者が集まり、キュレーターとしての現在の実践と新しいアプローチを共有すること、そして、国際連携につながる長期的なネットワークの確立を挙げています。特に、国立図書館における職務とコレクション上で「包摂性」(インクルージョン)がどのように表現されているのかを検討したいと述べています。

同会議の主要言語は英語となっており、発表やワークショップ等が予定されています。2021年6月19日まで、発表に関する提案資料の提出を受け付けています。

国立大学法人大阪大学が指定管理者として運営する箕面市立船場図書館(大阪府)、2021年5月1日にオープン:緊急事態宣言の発出にともない5月11日までは臨時休館

大阪府の箕面市立船場図書館が、2021年5月1日の13時にオープンすると発表されました。ただし、大阪府への緊急事態宣言の発出にともない、他の箕面市立図書館と同じく5月11日まで休館であり、入館・貸出はできませんが、ウェブ・電話・ファクスでの予約の受付、図書の返却等は可能となっています。

同館は、国立大学法人大阪大学が指定管理者として運営する図書館で、箕面市立図書館の蔵書11万冊と多言語・多文化研究に係る大阪大学の蔵書60万冊を備えています。箕面市の蔵書がある2階フロアは「にぎやかエリア」と「一般エリア」に分かれており、3階・4階には、大阪大学の蔵書が配置されています。

【お知らせ】船場図書館は5/1(土)13時にオープンします(ただし、5/11(火)までは入館・貸出ができません)(箕面市立船場図書館,2021/4/27)
https://www.library.osaka-u.ac.jp/news/20210427a_minohsemba/

公共図書館が人々にもたらす影響:デンマーク・ロスキレ中央図書館による調査とその報告書(記事紹介)

デンマーク・ロスキレ市で図書館・市民サービス部門のディレクターを務めるChristian Lauersen氏のブログ“The Library Lab”の2021年4月19日付け記事“A haven in our community: The impact and value of public libraries”において、ロスキレ中央図書館の主導により2020年秋に実施された調査が紹介されています。

公共図書館がデンマークの人々にもたらす影響に関する調査であり、全国的なアンケート調査をベースにしています。特に、安息所としての図書館、様々な視点を提供する図書館、創造性を涵養する図書館、コミュニティの形成・維持を支援する図書館という4つの側面に注目しています。

記事では、図書館の価値を語る際の言葉を「図書館は何冊の本を貸し出したか」から「市民にとって本を貸すことはどんな意味があったか」に変えていきたい、という考えが調査の背後にあったと述べています。調査の報告書は最初にデンマーク語版で公開されましたが、国外から寄せられた大きな関心を受けて、英訳を作成・公開したことが紹介されています。

北米の都市図書館協議会(ULC)、反人種差別的な公共図書館の管理職のリーダーシップに関する文書を公開

2021年4月20日、北米の都市図書館協議会(ULC)が、反人種差別的な公共図書館の管理職のリーダーシップに関する文書“Anti-Racist Executive Leadership for Public Libraries”を公開したことを発表しました。

発表によると、構造的人種差別の根本と弊害を調査し、反人種差別的な機関として図書館を強化するうえで、管理職が積極的・意識的に役割を果たすことを求める文書です。

同文書では、ULCの人種と社会的平等に関する声明“Statement on Race and Social Equity”に署名している206の図書館のうち、米国とカナダの13館の管理職に焦点を当てています。また、組織改革、職員育成、偏見や人種差別的行動の識別・対処等に関する推奨事項が記載されています。

都立図書館在り方検討委員会、「都立図書館在り方検討委員会最終報告~AI時代の都立図書館像~」を公表

東京都教育委員会のウェブサイトにおいて、都立図書館在り方検討委員会が「都立図書館在り方検討委員会最終報告~AI時代の都立図書館像~」(令和3年3月付け)を公表しています。

検討委員会での議論をまとめ、今後の検討を進めていくための論点を整理したものとあります。主な章立ては以下のとおりです。

1. 検討の背景・目的
2. 都立図書館の現状と課題
3. 他図書館の参考事例
4. 今後求められる都立図書館の役割

都立図書館に関する施策等(東京都教育委員会)
https://www.kyoiku.metro.tokyo.lg.jp/lifelong/facility/library/measure.html
※「令和3年3月」の欄に「都立図書館在り方検討委員会最終報告~AI時代の都立図書館像~」が掲載されています。

国立国会図書館、「国立国会図書館ビジョン2021-2025 -国立国会図書館のデジタルシフト-」を公表

2021年4月1日、国立国会図書館(NDL)は、「国立国会図書館ビジョン2021-2025 -国立国会図書館のデジタルシフト-」を公表しました。

NDLは、2021年度から2025年度までの5年間を「国立国会図書館のデジタルシフト」推進期間と位置づけています。基本的役割である「国会活動の補佐」、「資料・情報の収集・整理・保存」、「情報資源の利用提供」、「各種機関との連携協力」の遂行に加え、情報資源と知的活動をつなぐ、以下の重点事業に取り組むとしています。

・国会サービスの充実
・インターネット提供資料の拡充
・読書バリアフリーの推進
・「知りたい」を支援する情報発信
・資料デジタル化の加速
・デジタル資料の収集と長期保存
・デジタルアーカイブの推進と利活用

韓国国立中央図書館(NLK)、ISSUE PAPER『COVID‐19以降の国家図書館運営戦略』を発刊

2021年3月30日、韓国国立中央図書館(NLK)が、『COVID‐19以降の国家図書館運営戦略(COVID-19 이후 국가도서관 운영 전략)』をテーマとするISSUE PAPERの第2号を発刊しました。

各国の国立図書館のウェブサイト、および、国際図書館連盟(IFLA)をはじめとするいくつかの図書館団体が実施したアンケート調査の結果や報告書をもとに、コロナ禍の1年間の世界中の図書館の変化(動向・対応)を調べたもので、コロナ禍以降の国立図書館の運営戦略の変化として、デジタルサービス・デジタルリテラシー能力の強化、調査研究機能の強化、物理的サービス環境の変化、資源の再配分の4点を示しています。

群馬県、「県有施設のあり方見直し最終報告」を公表:群馬県立図書館も検討対象

群馬県のウェブサイト上で、「県有施設のあり方見直し最終報告」(2021年3月25日付)が公開されています。

群馬県では、県有施設91施設のうち、次の視点により見直し対象とする10施設を選定し、あり方見直しの検討を実施しました。その中には群馬県立図書館も含まれています。

・県の支出超過が大きいもの
・近い将来に多額の改修費が見込まれるもの
・他県の見直し事例などから民間活力の活用等が見込まれるもの
・利用者数が低迷しているもの

群馬県立図書館に関する検討結果では、施設の今後のあり方に関し「県有施設としての必要性」「見直しの方向性」が示されています。「県有施設としての必要性」では、「必要な施設であるが、市立図書館とのサービスの重複は解消すべき」と指摘しています。

また、「見直しの方向性」には、「前橋市と連携し、市立図書館とのサービス重複の解消に向けた具体的な取組を進める」とあります。さらに、老朽化した前橋市立図書館の整備が課題となっていることに触れ、「高知県や長崎県での事例のように、市立図書館との合築による整備についても検討する」としています。

米・ITHAKA S+R、大学図書館の指導者層を対象に2020年秋に実施した多様性・公平性・包括性、及び反人種主義に関する調査の報告書を公開

2021年3月17日付で、米国のIthaka S+Rは、大学図書館の指導者層を対象とした多様性・公平性・包括性、及び反人種主義に関する調査結果の報告書を公開しました。

Ithaka S+Rは2010年から、米国の非営利4年制大学の図書館長等を対象として、大学図書館の戦略に関する調査を3年ごとに実施しており、最新の調査は2019年秋に行われました。しかし2020年には、大学図書館において組織の構成員やコレクションの多様性・公平性・包括性の向上が長年の課題である中で、黒人男性ジョージ・フロイド氏の殺害事件とその後の“Black Lives Matter”運動による反人種主義の機運が高まったことを受けて、大学図書館に与えた影響を把握するために3年の周期を待たずに今回の調査が行われました。2020年9月に多様性・公平性・包括性及び反人種主義問題の課題・戦略等について、2019年秋以降の1年間の進展に関する調査が行われ、対象者全体の43%に当たる638件の回答を得ています。調査結果に基づく報告書は主に次のような所見を示しています。

・公平性・多様性・包括性を組織内で養成する能力について、大学図書館の指導者層が持つべき特に重要な能力とする回答が、2019年の調査時と比べて大幅に増加している

ページ