オープンアクセス

LA Referenciaと米・LYRASIS、ラテンアメリカのオープンソースコミュニティの進展・促進を目的に覚書を締結

2019年11月1日、米国の図書館等のネットワークLYRASISと、研究成果のオープンアクセス化を推進するラテンアメリカの国際組織La Referenciaが、連携のための覚書を締結したと発表しています。10月31日付で発効しています。

学術コミュニケーション・データ共有・リポジトリを管理するために設計されたオープンソースで、コミュニティ支援型の技術・プログラムへの関与や導入を支援することで、ラテンアメリカのオープンソースコミュニティを進展・促進させることが目的です。

以下の4点を目的として掲げています。

1.ラテンアメリカで導入された新たにリリースされたLYRASISのコミュニティ支援型プログラムに関する研修、オンライントレーニング、ワークショップ、イベントの促進
2.国際標準に準拠した適切なリポジトリの実現の支援、及び、そのための国内や国際的な政策や政策立案者への働きかけ
3.国内のユーザーグループの活動の調整・支援、及び、コミュティー間の連携の支援
4.各々のコミュニティーへの関与、及び、連携活動のための利害関係者の把握と連携の成果の世界への発信

SCOAP3、2022年までの3年間の期間延長を発表

2019年10月31日、SCOAP3は、同プロジェクトを中心となって進めている欧州原子力研究開発機構(CERN)が、オープンアクセス(OA)事業を3年間延長するため、11の出版者と契約を締結したと発表しています。

契約期間は2020年から2022年までです。

これまでと同じ11誌がこの3年間の延長契約に参加し、すべての記事はCC BYのライセンスの下、著者による費用負担なしで、出版者のプラットフォーム及びSCOAP3のリポジトリでOAで公開されます。

これまでの約6年間の活動の成果として、120か国の2万人の研究者の3万を超す論文がOAで公開されたとしています。

SCOAP3 extended until 2022(SCOAP3,2019/10/31)
https://scoap3.org/scoap3-extended-until-2022/

オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)、英国生化学会の完全子会社であるPortland Press社と“Read & Publish”契約を締結

2019年11月1日、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)は、英国生化学会(Biochemical Society)の完全子会社であるPortland Press社と“Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。Portland Press社にとっては初めてのオープンアクセス(OA)への「転換契約」となり、CAULにとっては2例目の「転換契約」となります。

この契約は、ウェルカム・トラスト等による、学会系出版社の即時オープンアクセス(OA)転換とPlan S原則に準拠した「転換契約」締結支援プログラム“Society Publishers Accelerating Open access and Plan S (SPA-OPS)”を契機として締結されました。オプトイン方式による2020年から2022年までの3年間の試験的な契約となります。

契約に基づき、英国生化学会の学術雑誌7誌(完全OA誌2誌含む)について、オーストラリア及びニュージーランドの契約参加機関に所属する研究者は、追加費用を支払することなく研究成果をOAにすることが可能になります。また、契約参加機関からのハイブリッド誌5誌へのアクセス、機関リポジトリ登録用の出版社版(version of record)PDF通知なども含む内容となっています。

米国政府の助成金事業報告義務の簡素化・標準化に関する法案“Grant Reporting Efficiency and Agreements Transparency Act”が米国上院を通過

米・SPARCは2019年10月23日付のお知らせで、前日10月22日に米国政府の助成金事業報告義務の簡素化・標準化に関する法案“Grant Reporting Efficiency and Agreements Transparency Act(GREAT Act)”が米国上院を通過したことを発表しました。SPARCは同法案へ賛同の意を示した上院委員会宛の書簡への署名等によりGREAT Actを支持しています。

Great Actは、米国政府の助成金受領者に義務付けられた報告に含まれる全てのデータ要素を網羅する包括的な標準データ構造の作成等を通して、助成金事業報告作成の簡素化と透明性の強化を意図した法案です。古いドキュメントをオープンデータに置き換えることで、助成機関及び公衆に対する透明性を確保しつつ、助成金受領者の報告作成プロセスを自動化して助成金受領に関するコンプライアンス違反に伴うコストの削減が意図されています。

同法案では、行政管理予算局(OMB)長官と主要な助成機関に対して、報告される助成金事業に関する情報の政府全体としてのデータ標準を2年以内に確立すること、新技術を活用して新しいデータ標準を既存の報告作成プロセスへ導入する方法を示したガイダンスの3年以内の発行等を求めた内容となっています。

ハンガリーのコンソーシアムEISZとElsevier社、オープンアクセス(OA)出版等に関する試験的なナショナルライセンス契約を締結

2019年10月31日、ハンガリーのコンソーシアムEISZ(Electronic Information Service National Programme)とElsevier社は、オープンアクセス(OA)出版等に関する試験的なナショナルライセンス契約を締結したことを発表しました。

契約期間は3年間で、EISZ加盟機関に所属する研究者は、Elsevier社のScienceDirectから2,500誌以上のジャーナルに掲載された1,600万件の文献へアクセス可能になります。また、同社が提供する文献データベースScopusや研究分析ツールSciValへも契約期間中アクセスすることが可能になります。

この試験契約はOA出版に関わる内容も含んでいます。試験契約への合意により、ハンガリー国内44機関に所属する研究者は、Elsevier社が刊行する1,700タイトル以上の学術雑誌で、投稿日が2019年7月1日以降の論文について、論文処理費用(APC)を支払うことなくOA化することが可能になります。

応用科学大学コンソーシアム運営によるリポジトリサービス“Theseus”等のネットワークが展開するオープンな研究成果物公開プラットフォーム(フィンランド)(記事紹介)

ドイツ経済学中央図書館(ZBW)の運営するオープンサイエンス・情報インフラ等に関する話題を扱ったブログ“ZBW MediaTalk”は、2019年10月1日付で、ブログ記事“Open Access in Finland: How an Open Repository becomes a Full Service Open Publishing Platform”を投稿しました。

同記事は、フィンランドの応用科学大学(University of Applied Sciences)コンソーシアム“AMKIT-Konsortio”が共同運営するリポジトリサービス“Theseus”等のネットワークによる、オープンな研究成果物公開プラットフォームの展開を紹介したものです。フィンランドの応用科学大学図書館員で、Theseusのヘルプデスクを担当するTiina Tolonen氏とMinna Marjamaa氏が同記事を共同執筆しています。

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、近刊学術書をオープンアクセス(OA)化するためのクラウドファンディングキャンペーンを開始

2019年10月24日、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)は、近刊学術書をオープンアクセス(OA)化するためのクラウドファンディングキャンペーンを開始したことを発表しました。

キャンペーンはCUPとクラウドファンディングサービスのプラットフォームを提供する出版社Unboundとの提携によって実施されます。CUPにとって単行書に対するクラウドファンディング実施は初めてのことで、Unboundにとっても学術出版社との提携は初めてのことになります。

クラウドファンディングの対象となっているのは、スコットランドのナショナリズムの根源を扱った英・オックスフォード大学Ben Jackson准教授による2020年刊行予定の書籍“The Case for Scottish Independence: The Political Thought of Scottish Nationalism, c. 1960-2014”です。3か月間のクラウドファンディングキャンペーンによりOA化のための費用を調達することが目指されています。

米・ノースカロライナ大学チャペルヒル校図書館、SAGE社とオープンアクセス(OA)出版等に関する試験契約を締結

2019年10月22日、米・ノースカロライナ大学(UNC)チャペルヒル校図書館は、SAGE社とオープンアクセス(OA)出版等に関する試験契約を締結したことを発表しました。

締結された試験契約は同校所属の研究者が、SAGE社の雑誌で追加費用を支払うことなく論文をOAで出版することを可能にするものです。契約に基づき、2020年からSAGE社のコンテンツへ支払う購読料の一部が、同校所属の著者による研究成果物をOAで出版するための費用に充てられます。この試験契約により機関側へ追加費用が発生することはなく、現在SAGE社から購読しているコンテンツへのアクセスはそのまま維持されます。

Library to Debut Open Access Pilot with SAGE Publishing(UNC Libraries,2019/10/22)
https://library.unc.edu/2019/10/sage-pilot/

科学技術振興機構(JST)、2019年度第1回J-STAGEセミナー「国際動向への対応:オープンアクセス(Plan S)」の開催報告書を公開

2019年10月10日、科学技術振興機構(JST)は、2019年6月21日に開催した2019年度第1回J-STAGEセミナー「国際動向への対応:オープンアクセス(Plan S)」について、開催報告書の公開を発表しました。

同セミナーで行われた下記講演の概要、質疑応答の内容等が掲載されています。

・Adapting to a transformative future: Open Access and Plan S
Dugald McGlashan氏(INLEXIO)

・プランSが学術出版に与える影響について~欧州発論文の分析を中心に
野村紀匡氏(クラリベイト・アナリティクス)

・日本の助成・研究機関におけるオープンアクセス方針
李東真氏(JST)

・CC ライセンス・DOAJ の概要
小田島亙氏(JST)

・DOAJ収載・CCライセンス設定に関する取組み①
コミュニティの研究成果を広く、早く、安全に発信するために―日本表面真空学会「e-Journal of Surface Science and Nanotechnology」
松田巌氏(日本表面真空学会)

Taylor & Francis社、研究者を対象とした学術情報流通に関する意識調査のレポートを公表

2019年10月21日、Taylor & Francis社は、研究者を対象とした学術情報流通に関する意識調査のレポートとして、“Taylor & Francis researcher survey 2019”を公開したことを発表しました。

調査は2017年から2019年の間にTaylor & Francis社の雑誌で学術論文を出版したことのある著者を対象として、2019年7月にオンラインアンケートツールSurveyGizmoにより実施されています。公表されたレポートは2,755人の研究者の回答に基づいて作成されました。

レポートはTaylor & Francis社のウェブサイトからダウンロードすることができます。また、研究データ公開プラットフォームfigshareで調査結果の完全なデータセットが公開されています。

公表されたレポートでは調査の結果として、次のようなことが示されています。

・大半の研究者(88%)は、誰もが研究成果にアクセスできることの意義を認めている。

・自身の研究成果が必要とされる全ての人にアクセス可能な状態にあると認識している研究者は半数以下であり、人文社会科学系の研究者に限るとわずか33%であった。

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