オープンアクセス

独・プロジェクトDEAL、Springer Nature社との“Read and Publish”契約に最終合意

2020年1月9日、Springer Nature社と独・プロジェクトDEALを代表して交渉を担当している独・Max Planck Digital Library(MPDL)は、“Read and Publish”契約が正式に締結されたことを発表しました。

この契約は2019年8月22日に署名された覚書(Memorandum of Understanding)を引き継いだものです。プロジェクトDEALを構成する700以上のドイツの研究機関に所属する著者が、Springer Nature社のハイブリッド誌、及び完全オープンアクセス(OA)誌に受理された研究成果を即時OA化することが可能になります。年間1万3,000件以上の論文のOA出版が期待されています。

オランダ大学協会(VSNU)、改正著作権法第25fa条(“Taverne Amendment”)による学術成果のオープンアクセス(OA)化の実施拡大に対する支援を決定

オランダのオープンアクセス(OA)に関する情報を提供するウェブサイト“open access.nl”の2020年1月7日付の記事で、オランダ大学協会(VSNU)が2019年末に、改正著作権法第25fa条(“Taverne Amendment”)の実施拡大に対する支援を決定したことが紹介されています。このVSNUの決定は2020年までに学術成果の全てをOA化するという目標を再加速させるためである、と説明されています。

“Taverne Amendment”は、オランダの公的助成を受けた学術論文や図書の一部は、公表後、合理的な期間を経るとOAで公開可能になるという内容の条項です。VSNUはこれによる学術成果のOA化を加速させるため、2019年1月に公表から6か月を経た学術成果の出版社版を、著者らが機関リポジトリによりOA化することを支援するパイロットプロジェクト“You share, we take care”を開始しました。2019年中、“You share, we take care”には600人以上の研究者が参加し、2,800件以上の学術成果がOA化されています。

IFLA Journal、2019年12月号が発行

2019年12月30日、国際図書館連盟(IFLA)が刊行する“IFLA Journal”の45巻4号(2019年12月)が公開されました。

ガーナの研究者のハゲタカ出版への認識や影響に関する調査、IFLA倫理綱領とData Science Associationのデータサイエンス専門職行動綱領の比較等、ケニアの読み書きができる環境の調査、南アジアの高等教育機関におけるナレッジマネジメントの実践、タンザニアの図書館における財源を多様化するための状況の有無についての調査、気候変動に関する情報を開発途上国に伝達する障壁を改善する方法、スウェーデンの学校図書館に影響を与えた法律・政治・実践の複雑さやダイナミクス、等に関する論考が掲載されています。

Out Now: December 2019 issue of IFLA Journal(IFLA, 2019/12/30)
https://www.ifla.org/node/92742

英国のウェルカム・トラスト、研究機関向け「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)の原則の実施ガイダンス草案を公開:コメント・フィードバックを募集

英国のウェルカム・トラストがウェブサイト上で、研究機関向け「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)の原則の実施ガイダンスである“Guidance for research organisations on how to implement the principles of the San Francisco Declaration on Research Assessment”の草案を公開しています。

公開された実施ガイダンスの草案は次の4つのセクションで構成されています。

・DORAの原則、原則の実施がウェルカム・トラストのオープンアクセス(OA)ポリシーの要件であること等を示した“The DORA principles”
・2021年1月までにウェルカム・トラストから助成を受けた研究機関に期待される行動等を示した“What we expect”
・実施にあたって考慮すべき分野として、実施を約束した声明の発表、実施計画の検討、実施状況の監視や報告プロセスの確立の3点を示した“Three areas to consider”
・実施ガイダンスの策定に至る経緯等を示した“Background”

英国初の“Read & Publish”契約となった2016年から2018年の“Springer Compact”試験契約に関する英・Jiscの評価(文献紹介)

英・Jiscの研究や活動の成果物等を保存するデジタルアーカイブJisc Repositoryに、2020年1月1日付で、論文“Transitioning to open access: an evaluation of the UK Springer Compact Agreement pilot 2016-2018”のプレプリント版が公開されています。

同論文はJiscのMafalda Marques氏、Graham Stone氏の共著により執筆され、2020年9月刊行の米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.81, no.6に掲載予定の論文です。英国にとって初めての“Read & Publish”契約となった、2016年から2018年の3年間を契約期間とする“Springer Compact”試験契約の分析を内容としています。

論文では、この契約によりオープンアクセス(OA)で出版された論文数、著者が論文のOA化をオプトアウトした件数、契約の条件に不適格であったためOA化が拒否された件数等のデータが分析に使用されています。機関の費用抑制、OA化のオプトアウトや拒否によって発生する財政的な影響についても言及されています。

英国の機関リポジトリアグリゲーターCORE、提供コンテンツの閲覧画面をリニューアル:PDFのアウトライン・サムネイル表示機能や関連論文推薦機能等を実装

2019年12月16日、英国の機関リポジトリアグリゲーターCOREは、ポータルサイトから提供しているコンテンツの閲覧画面をリニューアルし、新機能が追加されたことを発表しました。

リニューアルにより、COREポータルサイト上でコンテンツを閲覧する際に、画面左上隅に新たに2つのボタンが追加されています。左側のボタンを押すと、コンテンツがアウトライン化されたPDFである場合には、論文の章立て等のアウトラインを表示させることができます。右側のボタンを押すと、PDFをサムネイル表示させてページ間を高速で移動することが可能になります。

また、リポジトリ・ジャーナルシステム等向けに関連論文を推薦するプラグイン“CORE Recommender”の機能も閲覧画面に統合されており、数千規模のオープンアクセスデータプロバイダのネットワークの中から、閲覧中のコンテンツに類似した論文を発見することが可能になっています。

カナダ研究図書館協会(CARL)、機関リポジトリに関する報告書“Institutional Repository Statistics: Reliable, Consistent Approaches for Canada”を公開

2019年12月17日、カナダ研究図書館協会(CARL)が、機関リポジトリに関する報告書“Institutional Repository Statistics: Reliable, Consistent Approaches for Canada”を公開しています。

同国のリポジトリの実践と、リポジトリの利用に関してより効果的に追跡・監視できる新しいツールとプロセスをよりよく理解するための情報収集を行なったものです。

また、カナダの全リポジトリを対象とした信頼でき比較可能な統計を共同で実現するための方法を提案しています。

オープンリポジトリーズワーキンググループ(ORWG)による一連の報告書の最初のものと説明されています。

CARL Releases Report on Institutional Repository Statistics Tracking(CARL, 2019/12/17)
http://www.carl-abrc.ca/news/report-on-ir-statistics-tracking/

CHORUS、出版者向けの実務指針“Publisher Implementation Guide”の v2.3を公開

2019年12月18日、公的助成研究成果のパブリックアクセスに向けた官民連携イニシアティブCHORUSが、出版者向けの実務指針“Publisher Implementation Guide”のv2.3を公開しています。

CHORUS Publisher Implementation Guide v2.3 Released(CHORUS, 2019/12/18)
https://www.chorusaccess.org/chorus-publisher-implementation-guide-v2-3-released/

Publisher Implementation Guide v2.3(CHORUS)
https://www.chorusaccess.org/publisher-implementation-guide-v2-3/

米国政府が政府助成研究の即時オープンアクセス(OA)義務化を検討?:出版関係者等に様々な反応(記事紹介)

2019年12月20日付のNature誌のNewsにおいて、“Rumours fly about changes to US government open-access policy”と題した記事が公開されています。

同記事は、米国政府が政府助成研究の12か月以内の公開を定めた現行の方針について、全ての研究を即時オープンアクセス(OA)化する内容に改訂することを検討しているという風説の出版関係者等への影響を紹介したものです。出所は不明ながら、広範囲で議論されている風説によると、トランプ政権は出版慣行の変更を要求する大統領令の草案を作成しており、その内容は政府助成研究を自由に利用可能なライセンス条件により即時OA化することを義務付けるなど、欧州で始まったPlan Sに倣ったものである、とされています。出版関係者らはこの風説に対して様々な反応を示しています。

米・カリフォルニア大学ロサンゼルス(UCLA)校、日本語学習者のためのオープン教育資源として同校学生の日本語創作文芸を編集した「リレー小説集」を公開

2019年12月18日、米・カリフォルニア大学ロサンゼルス(UCLA)校図書館と同校のアジア言語文化学部は、同校学生による日本語創作文芸を編集した『日本語学習者による創作文芸コレクション:リレー小説集(“Collection of Creative Writing by Learners of Japanese Relay Essay”)』の公開を発表しました。

この作品は同校アジア言語文化学部のハヤシ(Asako Hayashi Takakura)講師の下で、日本語研究を専攻する3年生から4年生の学生が創作した8編の日本語文芸の編集作品です。K-12(幼稚園から高校まで)向けの教材がごく限られたものしかない日本語学習の分野において、将来の日本語学習者の活用可能な教材を提供することが、作品の制作・公開の背景として挙げられています。

『日本語学習者による創作文芸コレクション:リレー小説集』は、CC-BY-SA 4.0のライセンスが付与され、同大学の機関リポジトリeScholarshipで公開されています。

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