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世界知的所有権機構(WIPO)は、2016年6月30日、カナダがマラケシュ条約(盲人,視覚障害者及び読字障害者の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約)を批准したことにより、発効に必要な批准国数20か国に到達したと発表しています。
マラケシュ条約は、2016年9月30日に発効することになります。
批准20か国は、インド、エルサルバドル、アラブ首長国連邦、マリ、ウルグアイ、パラグアイ、シンガポール、アルゼンチン、メキシコ、モンゴル、韓国、オーストラリア、ブラジル、ペルー、北朝鮮、イスラエル、チリ、エクアドル、グアテマラ、カナダです。
関係団体もコメントを発表しています。
Canada’s Accession to Marrakesh Treaty Brings Treaty into Force(WIPO,2016/6/30)http://www.wipo.int/pressroom/en/articles/2016/article_0007.html
WIPO-Administered Treaties Contracting Parties > Marrakesh VIP Treaty (Treaty not yet in force)
マリ共和国の都市トンブクトゥは13世紀から16世紀にかけてイスラム文化・学問の中心地であり、現代に至るまでイスラム関連の貴重な文献が多く残る地でした。しかし2012年にアルカイーダ系武装組織に占拠され、彼らによって多くの貴重な文献が損なわれる恐れがありました。
それらの文献を守るべく立ち上がり、秘密裏にトンブクトゥ外に退避される計画を立て、実行した図書館員、Abdel Kader Haidara氏を取材した図書”The Bad-Ass Librarians of Timbuktu”が2016年4月に出版されました。同書の刊行を受け、著者であるJoshua Hammer氏に対して米ナショナル・パブリック・ラジオ(NPR)が行ったインタビューのテキストがNPRのウェブサイトで公開されています。
Joshua Hammer. The Bad-Ass Librarians of Timbuktu. Simon & Schuster, 2016.http://books.simonandschuster.com/The-Bad-Ass-Librarians-of-Timbuktu/Joshua-Hammer/9781476777405
2015年4月21日の米国ミシガン州立大学のニュースによると、キャンディス・ケラー(Candace Keller)氏らの研究グループが全米人文科学基金(NEH)の援助を受け、1940年代以降におけるマリ共和国の写真家が撮影した10万点に及ぶモノクロフィルムをデジタル化し、アーカイブを作成するというプロジェクトを行うようです。
デジタル化で写真資料の保全が図られることに加え、従来のような西洋の写真家によって撮影された写真ではなく、アフリカ現地の写真家が現地の人に向けて撮影した写真をアーカイブするものである点が、このプロジェクトの特徴的な点であるようです。
なお、同研究グループはすでに英国図書館における文化遺産をアーカイブする取組みである“Endangered Archives Programme”(EAP)の承認を受け、すでにマリ共和国に関する28000点の写真をデジタル化した実績があるようです。
New archive creates global access to rare African photos(Michigan State University, 2015/4/21)
紛争を避けるためマリのトンブクトゥから運び出された歴史的文書約30万点を保護するため、クラウドファンディングにより資金調達を行う取組みが開始されています。資料がもともと存在した乾燥地帯よりも湿度の高い地域で保管されており、保存用のケースに入れるなどの活動が必要となっているようです。
Timbuktu Libraries in Exilehttp://www.indiegogo.com/projects/timbuktu-libraries-in-exile
May 20, 2013 marks the launch of global fund-raiser T160K: Timbuktu Libraries in Exilehttp://us5.campaign-archive2.com/?u=0167637e48dda955968a7046e&id=5e7ee029f0
Timbuktu: Ancient Manuscripts in Danger of Extinction(カナダMacGill大学のThe Islamic Studies Library Blog, 2013/5/20付け)
2013年1月30日に、国際図書館連盟(IFLA)は、1月28日にフランス軍とマリ軍によって奪還されたトンブクトゥにおいて、放火の報道もあった歴史的文書がほぼ無事であると発表しています。IFLAは、今後も確認が取れ次第、この件に関する情報提供を行うとしています。
Timbuktu: bulk manuscripts safe! (Blue Shield)http://www.ancbs.org/cms/index.php/en/home/55-institute-d-egypte
Situation in Mali for cultural heritage (IFLA 2013/1/30付けの記事)http://www.ifla.org/news/situation-in-mali-for-cultural-heritage
西アフリカ・マリの武力紛争に関し、軍事介入したフランス軍とマリ軍が、2013年1月28日に北部のトンブクトゥを奪回したことが報じられていますが、これに関し、過激派が同市からの撤退に際し、13世紀以降の歴史的文書を多数所蔵するAhmed Baba Institute等の建物に放火し、これにより文書が焼失した可能性があることが伝えられています。
Islamist rebels torch SA-funded Timbuktu manuscript library: mayor (Times LIVE 2013/1/28付けの記事)http://www.timeslive.co.za/africa/2013/01/28/islamist-rebels-torch-sa-funded-timbuktu-manuscript-library-mayor
Timbuktu mayor: Mali rebels torched library of historic manuscripts (Guardian 2013/1/28付けの記事)http://www.guardian.co.uk/world/2013/jan/28/mali-timbuktu-library-ancient-manuscripts
UNESCOのイリナ・ボコヴァ事務局長が、マリでの武力紛争に関し、同国の文化遺産保護を呼びかけていることを公表しています。
マリとフランスの当局に対し武力紛争の際の文化財の保護に関する条約(1954年ハーグ条約)を尊重べきとする書簡を送り、また関係者に同国内の文化遺産に関する位置情報を提供したとのことです。
「災害」に関する当サイトの記事
調査研究リポート「東日本大震災と図書館」
国立国会図書館 東日本大震災復興支援ページ
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