図書館員

E2272 - データサイエンス,機械学習,AIの責任ある運用のために

2019年12月,OCLC Researchはポジションペーパー “Responsible Operations: data science, machine learning, AI in libraries” を発表した。近年,データサイエンス,機械学習,人工知能(AI)といった大量のデータに基づいた判断処理を可能とするアルゴリズムによる手法への注目が集まっている。これらの技術は,例えば蔵書点検業務の自動化や,利用者の情報発見支援などの領域で用いられ始めている。本ペーパーは,図書館コミュニティでのデータサイエンス,機械学習,AIの運用方針決定に貢献することを目的としており,米国を中心とした70人を越える図書館員や大学・美術館・博物館などの組織の専門家からなるグループの協力のもとで作成された。

第22回図書館サポートフォーラム賞の表彰者が発表される

図書館サポートフォーラムが、2020年6月12日付のニューズレターで、ユニークで社会的に意義のある各種図書館活動を表彰する「図書館サポートフォーラム賞」の第22回の結果を発表しました。

受賞者は次の通りです。
・矢野陽子氏(公益社団法人 全国市有物件災害共済会 防災専門図書館)
・鳥海恵司氏((株)トッカータ)
・林淑姫氏(近代洋楽史研究者/旧日本近代音楽財団日本近代音楽館)

図書館サポートフォーラム LSF News Letter no.84(図書館サポートフォーラム, 2020/6/12)[PDF:2ページ]
http://www.nichigai.co.jp/lib_support/pdf/n84.pdf

★第22回 図書館サポートフォーラム賞表彰決定(図書館サポートフォーラム)
http://www.nichigai.co.jp/lib_support/index.html

学術出版協会(SSP)、学術出版界において役割ごとに必要とされる専門職としてのスキル等をマッピングしたキャリア開発のためのツール“Professional Skills Map”を公開

2020年6月17日、学術出版界の部門間のコミュニケーション促進等を目的に活動する非営利団体・学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)は、学術出版界において役割ごとに必要とされる専門職としてのスキル等をマッピングしたキャリア開発のためのツール“Professional Skills Map”を公開したことを発表しました。

“Professional Skills Map”は、どのようなキャリア段階にいるユーザーであっても、その役割を発見し、キャリアアップに必要な要素を直接比較可能になるツールとして、学術出版界では初めての試みとして開発されました。ツールは会員メンバー等235人に対して、SSPが電子メールやソーシャルメディア上で実施した、それぞれの役割に求められる専門的技能に関する調査に基づいて作成されています。調査は、所属組織の種類、現在の役割が扱う領域、肩書き、学術出版界での所属年数や、現在までのキャリアアップと将来のキャリア開発に関連する複数の個人的特性とスキルの回答を求めて、2019年後半に実施されました。

スコットランド国立図書館(NLS)で44年間資料の保存・修復等を担当した図書館員が引退(記事紹介)

スコットランドの日刊紙“Scotsman”に、2020年6月13日付で、スコットランド国立図書館(NLS)で44年間資料の保存・修復等を担当し、新型コロナウイルス感染症によるロックダウン中に60歳で同館を退職した図書館員Gordon Yeoman氏を採りあげた記事が掲載されています。

Yeoman氏は1976年からNLS所属の製本担当として、後には展示資料等の保存修復担当として、数千冊以上の同館資料の保存修復に携わりました。同氏は在職中に『グーテンベルク聖書』やスコットランド女王メアリーが最後にしたためた書簡など、数多くの貴重資料を取り扱っていますが、扱う資料の価値が100万ポンドでも1ポンドでも常に同じように最善の仕事を行うことを目指していたので、資料の貴重さが重圧になることはなかった、と記事の中で答えています。

記事の中では、最も印象深い仕事が2009年の展覧会に向けた18世紀の詩人ロバート・バーンズ(Robert Burns)の詩集原本の修復であること、貴重資料を伴う移動時にはジェームズ・ボンドのようなスパイ並のセキュリティが必要で、飛行機による移動の場合には資料専用のビジネスクラスの席を用意していたこと、など同氏のNLS在職中のエピソードが紹介されています。

飛鳥未来プロジェクト実行委員会(奈良県)、飛鳥地域の本好きな子どもにオンライン読書を提供するためのクラウドファンディングを実施中:同地域の図書館の司書とも連携

2020年6月11日、飛鳥未来プロジェクト実行委員会(奈良県)が、飛鳥地域の本好きな子どもにオンライン読書を提供するためのクラウドファンディングを開始しました。

新型コロナウイルスの感染拡大のため、子どもの図書館利用にも制限があることから、その課題を解消するために行われるものです。文部科学省のGIGAスクール構想により、飛鳥全地域の小・中学生にタブレット端末が付与される機運が高まっていることをうけ、そのタブレットで利用可能なKindleアプリを利用しKindle Unlimitedとの契約を行なって、約1年間のオンライン読書環境を提供します。利用者は、クラウドファンディングの実行後、小・中学生を対象に募集を行なって決定されます。

飛鳥未来プロジェクトは、飛鳥地域(橿原市、三宅町、田原本町、高取町、明日香村)に係るプロジェクトで、田原本町・橿原市・明日香村が後援しています。同事業は同地域の図書館の司書と連携して行うとし、司書は、子どもの興味関心や、今後読んでいったらより良い書籍の推薦などを行います。また1年間のプロジェクト終了時には発表機会(ビブリオバトルやプレゼンテーションなど)が設けられます。

目標金額は100万円で期限は6月30日です。

日本図書館協会(JLA)非正規雇用職員に関する委員会、「公共図書館における非正規雇用職員に関する実態調査結果」を公表

2020年6月8日、日本図書館協会(JLA)の非正規雇用職員に関する委員会が、「公共図書館における非正規雇用職員に関する実態調査結果」を公表しました。

同委員会では、2018年12月から2019年1月にかけて神奈川県で全非正規雇用職員を対象とした調査を行い、その集計結果を2019年5月に「公共図書館における非正規雇用職員に関する実態調査調査結果(速報)」として公表しましたが、今回、クロス集計をもとに分析を加えた結果を公表したものです。

日本図書館協会 非正規雇用職員に関する委員会 お知らせ・報告
https://www.jla.or.jp/tabid/805/Default.aspx
※「公共図書館における非正規雇用職員に関する実態調査結果(2020.6.8)」とあります。

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)のマークス館長、新型コロナウイルス感染症拡大下における図書館のデジタルサービス拡充の必要性をNew York Times紙上で主張

2020年5月28日付の米・New York Times紙のOpinion面に、ニューヨーク公共図書館(NYPL)のマークス(Anthony Marx)館長による寄稿“Libraries Must Change”が掲載されています。

同寄稿は、新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中でも、図書館が自らの使命に忠実であり続けるため、図書館はデジタルサービスの提供をより一層拡充すべきであると主張する内容です。マークス館長は、図書館はあらゆる人々にその背景や環境によらず、機会を提供し、社会の一員となるために必要な道具や知識への自由なアクセスを提供するという使命があり、この使命に忠実であり続けるために、全ての図書館は根本的な変化を受け入れなければならないと主張しています。また、未曽有の課題に直面した人々のために、図書館はサービスの場を仮想空間上に移行し、人々の物理的な距離が隔てられていても、公共へ奉仕し人々を結び付けられるような新しい方法を模索する必要があると説いています。

オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)、新型コロナウイルス感染症に関する規制の緩和を受けた会員館の再開館計画等についてアンケート調査を実施

2020年5月27日、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)は、オーストラリア・ニュージーランドにおいて新型コロナウイルス感染症に関する規制が緩和されたことを受けて、会員館を対象に図書館の再開館計画や再開館に向けての取り組みについてアンケート調査を実施したことを発表しました。

CAULのアンケート調査は、再開館の時期・主な課題・安全に開館するための対策・柔軟な職場環境・職員の人員配置・最優先事項・共有すべき情報の7項目について実施され、会員館47館中32館から回答がありました。アンケート調査の結果として、職員の職場復帰を段階的・当番形式とした管理体制がよく採用されていることや職員の健康状態を多くの会員館が優先事項に挙げていることなどを紹介しています。また、他館にも役立つと思われる再開館に向けた留意点や取り組みとして、学生の来館を管理するための予約システムの活用、オンラインセッションへ参加する学生用の学習スペースのより一層の提供・オーストラリア図書館協会(ALIA)が発表した図書館再開のためのガイドライン等が挙がったことを紹介しています。

CAULは実施したアンケート調査の質問項目をウェブサイト上で公開しています。調査の最終的な結果は、2020年6月に機関名を匿名化した上で公開される予定です。

E2263 - 吉永元信国立国会図書館新館長インタビュー

2020年3月31日付けで国立国会図書館(NDL)の羽入佐和子館長(E1811参照)が退任し,翌4月1日付けで吉永元信新館長が第17代の館長に就任した。NDLの元職員が館長となるのは,第15代館長を務めた大滝則忠元館長(E1289参照)に続き二人目となる。今後どのようにNDLを運営していこうと考えているのか。いまの想いについて吉永館長にインタビューを行った。

北米の研究図書館における男女の給与格差の経時的変化(文献紹介)

2020年5月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.81, no.4に、米・パデュー大学のハワード(Heather A. Howard)准教授を筆頭著者とする論文“The Gender Wage Gap in Research Libraries”が掲載されています。

米国における男女間の給与格差は過去数十年で縮小したとはいえ依然として健在であり、米国国勢調査局の近年の調査でも女性の給与は平均して男性の8割程度であることが報告されています。男女間の給与格差の傾向は、伝統的に女性が多くを占める研究図書館にもあてはまります。論文では、米国・カナダの研究図書館における男女間の給与格差はどの程度か、時間の経過により給与格差の問題の改善が見られたか、などについての調査結果を報告したものです。

調査には北米研究図書館協会(ARL)が発行する給与調査レポートが使用され、1976-1977年度から2018-2019年度までのデータに基づく分析が行われました。分析はレポートの内容に基づき、役職・権限に応じて、館長レベル・副館長レベル・分館長レベル・部門長レベル・その他の実務者レベルの5段階の階層別に行われています。

ページ