図書館員

韓国・ソウル特別市、公共図書館の司書の労働者としての権利と処遇改善のための対策を実施すると発表:条例の制定・賃金標準案の策定・感情労働に関するガイドラインの作成等

2020年1月29日、韓国・ソウル特別市は、「図書館発展5か年(2018年から2022年)総合計画」に基づいて国内で初めて実施した「公共図書館運営・雇用実態調査」の結果を受け、公共図書館の司書の労働者としての権利と処遇改善のための対策を実施すると発表しました。

実態調査では、ソウル地域の公共図書館の施設・運営委託率は78%で、全国の広域自治体の中で最も高かったこと、委託された図書館の労働者の30.9%は非正規雇用であり、そのうちパートタイム労働者の割合は21.9%であったこと、勤務年数は4.3年で民間の勤務平均より短く、月平均賃金は3年以上の勤務でないと200万ウォンを超えないことが分かったとしています。さらに、ソウル地域の公共図書館全体の労働者の3人に1人が、失業対策のための公共勤労事業・兵役の代わりに公的機関で勤務する社会服務要員・ボランティアといった補助的人員で構成されており、正職員・非正規雇用職員・補助的人員といった多層的な雇用形態により、市民が望む専門的な情報サービスを提供することが困難で、サービス満足度が低下していることが分かったとしています。また、70.8%が女性であり、69.7%が利用者からの暴言を経験し、45%が施設・運営委託機関の要求で契約外の業務に動員されたと回答するなど、不安定な労働環境にあるとしています。

【イベント】大図研関西3地域グループ合同例会「ALPS履修証明プログラム受講体験談を通して考える、大学図書館員のこれからの学び」(4/18・神戸)

2020年4月18日、兵庫県神戸市のこうべまちづくり会館6階会議室において、大学図書館問題研究会関西3地域グループ合同例会「ALPS履修証明プログラム受講体験談を通して考える、大学図書館員のこれからの学び」が開催されます。

大学図書館に学修・教育支援の役割が期待される中、個々の大学図書館員がその実践のための専門的知識を得ていく必要があること、学修・教育支援に限らず、専門性を持って大学の運営を支えることも期待されていることを背景として、同例会は開催されます。例会では、千葉大学が提供する教育・学修支援の専門性を高めるための体系的な研修プログラム「ALPS履修証明プログラム」の受講体験談が講演として実施されます。講演を通して、学修・教育支援における大学図書館の役割を考えるとともに、学修・教育支援に限らない幅広い視点から個々の大学図書館員が今後どのように学び続けていくかを考える契機とする、としています。

参加費は無料ですが、定員は40人で事前申込が必要です。当日の主な内容は次のとおりです。

・開会・趣旨説明

・講演「ALPS履修証明プログラム受講体験談」
 宮澤豊和氏(神戸大学医学部管理課物流管理係)

・質疑

オーストラリア図書館協会(ALIA)、図書館情報学の教育と技能・雇用に関するレポートの2019年版を公表

2020年1月29日、オーストラリア図書館協会(ALIA)が、図書館情報学(LIS)の教育と技能・雇用に関するレポート“ALIA LIS Education, Skills and Employment Trend Report”の2019年版の公表を発表しました。

同報告書は、ALIAの認定を受けた機関の数が2010年の31機関から2020年には23機関へ、ALIAの認定を受けた図書館情報学コースの数が2010年の50コースから2020年には34コースへ減少することを予測するなど、10年間でオーストラリアにおける図書館情報学教育が退潮傾向にあること等を示しています。その他、以下のような状況にあることを指摘しています。

米国国立衛生研究所(NIH)、データサイエンス・オープンサイエンスに従事する図書館員に必要なスキルセット特定を目的とした2019年4月開催ワークショップの報告書を公開

米国国立衛生研究所(NIH)が2020年1月17日付で、非営利団体Center for Open Science(COS)の提供するオープンソースプレプリントサービスOSF Preprints上に、報告書“Developing the Librarian Workforce for Data Science and Open Science”を公開しました。

同報告書は、2019年4月15日・16日に、NIHの一部門である米国国立医学図書館(NLM)で開催されたデータサイエンス・オープンサイエンスに従事する図書館員に必要なスキルセットの特定を目的としたワークショップについて、その議論や主要テーマを要約したものです。ワークショップにはデータサイエンス・オープンサイエンスに関するサービスを提供する実務者や学術研究の場におけるデータサイエンス・オープンサイエンスの推進に携わる図書館情報学分野の教員等が参加しました。

ワークショップでは、主に次の5つのテーマに関する議論が行われています。

国立大学図書館協会、「オープンサイエンスの推進に向けた協会の行動計画」を公表

2020年1月15日、国立大学図書館協会(JANUL)は、「オープンサイエンスの推進に向けた協会の行動計画」及び別紙「オープンサイエンスの推進に向けた協会の行動計画の具体的なイメージ」を公表しました。

オープンサイエンスのうち、研究データ管理、オープンリサーチデータの推進のため、会員館の取り組みを支援することを公表の目的としています。

アドボカシー活動の推進、人材の育成、先導的事業の推進の3項目について、短期(1~2 年)と中期(3~5 年)それぞれの事業計画が示されています。

お知らせ(JANUL)
https://www.janul.jp/ja/news
※2020年1月15日付けのお知らせに「「オープンサイエンスの推進に向けた協会の行動計画」を公表しました」とあります。

「オープンサイエンスの推進に向けた協会の行動計画」を公表しました(JANUL)
https://www.janul.jp/ja/news/20200115

館内コミュニケーション促進を目的としたソーシャルプラットフォームの導入結果:スウェーデン・カロリンスカ研究所図書館の事例(文献紹介)

米国大学・研究図書館協会(ACRL)が発行する“College & Research Libraries News”Vol 81, No 1 (2020年1月)に、 館内コミュニケーションの促進を目的として、スウェーデン・カロリンスカ研究所図書館が、Facebookの企業向けソーシャルプラットフォームWorkplaceを導入した結果に関する記事が掲載されています。

同館では、イントラネットのリプレースにあたって、館内コミュニケーション改善の5つの目標が掲げられ、その目標達成のための1つとしてWorkplaceが導入されました。

インターフェースがFacebookとほぼ同じであることから職員になじみ深いこと、動画配信やビデオチャット等の機能を含むものを内製するよりもインターフェースなどが優れていること、教育機関は無料で利用できることが採用した理由として説明されています。

導入にあたっては、まずは館内の2つの部署で試験導入した結果を受けて、潜在的な肯定的な成果が否定的な成果を上回ると見なすことができたため、全館的に導入されました。また、ポリシーやガイドラインを定めるとともに、Workplaceに関する質問を投稿できるグループも作成されています。

IFLA Journal、2019年12月号が発行

2019年12月30日、国際図書館連盟(IFLA)が刊行する“IFLA Journal”の45巻4号(2019年12月)が公開されました。

ガーナの研究者のハゲタカ出版への認識や影響に関する調査、IFLA倫理綱領とData Science Associationのデータサイエンス専門職行動綱領の比較等、ケニアの読み書きができる環境の調査、南アジアの高等教育機関におけるナレッジマネジメントの実践、タンザニアの図書館における財源を多様化するための状況の有無についての調査、気候変動に関する情報を開発途上国に伝達する障壁を改善する方法、スウェーデンの学校図書館に影響を与えた法律・政治・実践の複雑さやダイナミクス、等に関する論考が掲載されています。

Out Now: December 2019 issue of IFLA Journal(IFLA, 2019/12/30)
https://www.ifla.org/node/92742

米・シカゴ大学図書館学生スタッフの職員組合結成を巡る学生と大学の法廷闘争(記事紹介)

米・シカゴ大学の学生新聞“The Chicago Maroon”の2019年12月28日付の記事において、連邦第7巡回区控訴裁判所が同大学図書館学生スタッフの団体交渉権を認める判決を下し、学生図書館スタッフは「パートタイム労働者(temporary workers)」であるので団体交渉権から除外されるべきであるとする大学側の主張が否定されたことが報じられています。

シカゴ大学図書館の学生スタッフは2017年6月に組合結成のための選挙に勝利し、Student Library Employees Union (SLEU)を結成しましたが、大学側が同意しなかったため法廷闘争が開始されました。その後、法廷闘争の開始から18か月を経過した2018年12月に全米労働関係委員会(NLRB)が学生図書館スタッフによる組合結成の権利を認める決定を下しましたが、大学はこの決定に対して連邦第7巡回区控訴裁判所へ控訴していました。

第22回図書館サポートフォーラム賞、推薦受付中

図書館サポートフォーラムが、ユニークで社会的に意義のある各種図書館活動を表彰する「図書館サポートフォーラム賞」について、第22回の候補者の推薦を受け付けています。推薦募集の締切は、2020年2月28日となっています。

表彰式は「図書館サポートフォーラム総会2020」とともに、2020年4月21日に開催される予定です。

★第22回図書館サポートフォーラム賞推薦募集 〆切迫る!(図書館サポートフォーラム)
http://www.nichigai.co.jp/lib_support/index.html

図書館サポートフォーラム LSF News Letter no.83 [PDF:2ページ](図書館サポートフォーラム,2019/12/18)
http://www.nichigai.co.jp/lib_support/pdf/n83.pdf

オーストラリア図書館協会(ALIA)、職業教育機関の図書館の現状を調査した報告書を公開

2019年12月17日、オーストラリア図書館協会(ALIA)が、TAFE(職業教育機関)の図書館の調査報告書“ALIA TAFE library survey 2019”を公開しました。

構造や予算の変化がTAFEの図書館と図書館職員にもたらした影響を理解するために、ALIAの職業教育図書館諮問委員会(Vocational Education and Training Libraries Advisory Committee)が実施した調査です。

調査では、58%の図書館職員が、著作権の判断・教育と学習への関与・IT支援・新技術の支援などの面においてこの1年間で大きな役割の変化を感じたとしています。また、49%の職員が大きな組織再編を経験したと回答しています。

また、専門性向上のために機会の減少(52%)、閉館を経験(18%)、年間予算の減少(62%)等も指摘されています。

諮問委員会の委員長は、同調査により、サービスを持続可能とするために必要な人材や設備の投資もなく、TAFEの図書館と図書館員が、学生に必要なサービスを提供するために努力しているという厳しい現状が明らかになったとしています。

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