図書館員

英・Libraries Connected、図書館スタッフの功績を称える“Libraries Connected Award”の第1回受賞者を発表

2021年10月20日、英・Libraries Connectedは、2021年の“Libraries Connected Award”受賞者を発表しました。

“Libraries Connected Award”は、過去1年間における図書館スタッフの功績を称える賞と位置付けられています。図書館・学校向けの電子書籍提供サービス等を展開しているOverDrive社の後援を得て2021年7月に創設された賞であり、今回が初の受賞者発表となります。

同賞には6つのカテゴリが設けられており、個人又はチームを受賞対象としています。各カテゴリと第1回の受賞者は次のとおりです。

・Health & Wellbeing Award
死についての対話を支援する、力強く思いやりのある空間としての図書館の役割を推進したことを理由として、“Death Positive Library”プロジェクトの関係者らが受賞

・Reading Award
“What Next? Book Recommendation Quiz”を作成して電子書籍を推薦し、図書館における電子書籍貸出を大幅に増加させたことを理由として、ロンドン市図書館の図書館実習生Laura Smith氏が受賞

日本私立大学連盟、提言「ポストコロナ時代の大学のあり方」における図書館等の記述に関する日本図書館情報学会宛の説明文書を公開

2021年10月21日、日本私立大学連盟が、提言「ポストコロナ時代の大学のあり方~デジタルを活用した新しい学びの実現~」(2021年7月付け)における図書館等の記述に関して、日本図書館情報学会宛の説明文書を公開しました。

同提言は、デジタルを活用した新たな学びの可能性を示すとともに、その実現に必要な大学設置基準の見直し、質保証のあり方等について、私立大学の考えを提示したものと位置付けられています。

2021年9月22日には、日本図書館情報学会が、同提言に含まれる大学設置基準「第38条(図書等の資料及び図書館)」削除の提案や司書の能力への言及に関し、看過できない内容であり、他の組織・団体と連携しつつ問題に対応していく所存であると発表していました。

今回の説明文書の中で、大学における図書館は重要な存在であり、機能・目的が高度化・多様化し、司書の役割も専門職員として更に大きな意味を持つ一方、現行の大学設置基準の条文では不十分であるため、同提言では、大学設置基準第38条の削除ではなく抜本的な改訂を提案していると述べられています。日本図書館情報学会は、同文書を受け取ったことを10月22日付でウェブサイトに掲載しており、今後は第38条の改訂の中身や大学図書館員に必要な知識やスキルについて議論を行っていくと述べています。

フランス図書館員協会、ワクチン接種やPCR検査陰性等を証明する“pass sanitaire”への図書館での対応等についての調査結果を公開

2021年10月18日、フランス図書館員協会(ABF)が、“pass sanitaire”(衛生パス)への図書館での対応等についての調査結果を掲載しました。

“pass sanitaire”は、ワクチン接種証明や、PCR検査または抗原検査での陰性証明、検査での陽性判定から11日以上6か月以内である回復証明書等が該当します。フランスでは、2021年7月から一部を除き図書館への入館時に“pass sanitaire”の提示が義務付けられています。

調査は、ABFにより、9月15日から10月2日にかけて実施され、2,868件の回答が寄せられました。選択式の質問項目への回答の集計結果の他、自由記述への回答750件も併せて公開されています。

集計結果の抜粋の中では、回答者の多くは利用者と接する部門であるため“pass sanitaire”の影響を受けており、96%は市立図書館員であったと述べられています。また、人員の増強なく“pass sanitaire”の運用が開始したと90%が回答したことや、運用開始後に利用者とのトラブルが発生したと回答したのは約60%であったこと等がまとめられています。

北米の研究図書館センター(CRL)、学術図書館の欧州関係コレクション等に関するフォーラム“New Shape of Sharing”の報告書を公開

2021年9月15日、北米の研究図書館センター(CRL)が、学術図書館の欧州関係コレクション等に関するフォーラム“The New Shape of Sharing: Networks, Expertise, Information”の報告書を公開していました。

同フォーラムは、CRLと国際的な図書館サービスプロバイダーCasalini Libriとの共催により2021年1月から4月にかけてオンラインで開催され、北米・欧州の図書館員、出版関係者らによる発表及びディスカッションが行われました。その内容は多岐にわたりますが、主なテーマは次の3点に整理できるとしています。

・共同でのコレクション構築とサービスのための新たなモデル
・コンテンツとフォーマットの種類の増加が図書館及び研究者にもたらす意義
・研究プロセスにおける図書館・図書館員の役割の変化

発表によれば、報告書にはフォーラムの主な成果と今後の活動のためのアイデアが含まれているほか、欧州関係コレクションや、より一般的なコレクションを扱う図書館員のためにさらなる共同作業への道筋を示したものとなっています。

【イベント】シンポジウム「資料・情報資源管理組織のミッションと専門職人材」(11/27・福岡、オンライン)

2021年11月27日、九州大学中央図書館(福岡県福岡市)において、シンポジウム「資料・情報資源管理組織のミッションと専門職人材」が開催されます。

21世紀の新しい資料・情報管理を、その管理の場、およびそれを担う司書・アーキビストといった専門職の人材養成(キャリア形成)という観点から再検討するシンポジウムです。

参加無料であり、対面参加(定員25人)に加えオンラインでも同時配信(申し込み要)が行われます。なお、オンラインのみの開催に変更する可能性がある旨が付記されています。

当日のプログラムは次のとおりです。

・趣旨説明
岡崎敦氏(九州大学大学院人文科学研究院)

・報告
「デジタル時代に求められる司書の専門性とは」
大沼太兵衛(国立国会図書館)
「アーキビストは資料・情報管理の専門職なのか」
平野泉氏(立教大学共生社会研究センター)

・コメント
渡邊由紀子氏(九州大学附属図書館)

・パネルディスカッション

英国図書館らによる大学院教育プログラム開発プロジェクト“Computing for Cultural Heritage”(記事紹介)

英国図書館(BL)は、2021年9月23日付けのブログ記事において、BLらによる大学院教育プログラム開発プロジェクト“Computing for Cultural Heritage”の成果を紹介しています。BLと英国国立公文書のスタッフらは実際にプログラムのテスト受講を行っており、その報告書を公開していること等が述べられています。

“Computing for Cultural Heritage”の紹介ページによれば、同プロジェクトは、文化遺産の専門家に役立つコンピューター・スキルを養うための大学院履修証明プログラム(PGCert)の開発を行うものです。英国のコンソーシアム“Institute of Coding”から約22万ポンドの助成を受けており、2019年から2021年2月にかけて、BL、英国国立公文書館、英・ロンドン大学バークベック校(主に夜間に開講)が協同で実施しました。プロジェクト実施の背景として、次のような点を挙げています。

フランス・国民議会、図書館および公読書の発展に関する法案を可決:書籍の経済を見直し、関係者間の公平性・信頼を強化する法案も同日に可決

2021年10月6日、フランスの国民議会(Assemblée nationale、下院)で、図書館および公読書の発展に関する法案が全会一致により可決されました。同法案は、文化・情報・教育・研究・知識・娯楽への平等なアクセスを保証し、読書活動を推進するという地方公共団体の図書館の使命等に言及しています。

また、同日、書籍の経済を見直し、関係者間の公平性・信頼を強化する法案も全会一致で可決されました。同法案には、小売業者はいかなる場合でも書籍の配送サービスを無料で提供してはならず、文化・経済の担当大臣により定められた最低料金に則って価格を設定すること等が規定されています。

Adoption de 2 propositions de loi(Assemblée nationale, 2021/10/6)
https://www.assemblee-nationale.fr/dyn/actualites-accueil-hub/adoption-de-2-propositions-de-loi

オーストラリア図書館協会(ALIA)とキャンベラ大学、図書館員・情報専門職の技能向上によるフェイクニュースや誤情報対策のためのパートナーシップを締結

2021年10月11日、オーストラリア図書館協会(ALIA)が、オーストラリア・キャンベラ大学のNews and Media Researchチームと、図書館員・情報専門職の技能向上によるフェイクニュースや誤情報対策のためのパートナーシップを締結したと発表しました。

サービスの中にメディアリテラシー教育プログラムを組み込むことを考えている図書館・情報専門職のための、調査やツール・学習機会の提供を行うとしています。発表の中では、オーストラリア内で最初となる、図書館職員や情報サービス関連職員を対象とした、メディアリテラシーやメディアに関する態度・ニーズ・認識のオンライン調査を実施中であると述べています。

図書館スタッフへのセクハラ・脅迫・暴力:カナダ・トロント大学の調査(記事紹介)

カナダ放送協会(CBC)による2021年10月2日付けの記事で、図書館スタッフへのセクハラ・脅迫・暴力に関するカナダ・トロント大学の調査結果が報じられています。

トロント大学情報学部教授のSiobhan Stevenson氏が調査プロジェクトを主導し、2020年1月から2021年4月にかけて、オンタリオ州内4都市の図書館スタッフ計527人を調査しました。記事では、回答者(女性が大半を占める)のうちほぼ全員が、図書館での勤務時に暴力・脅迫・ハラスメントを目撃したり経験したりしていること、3分の2を超える回答者が月に数回以上職場で危険を感じていること等、調査結果の概要が紹介されています。

なお、記事では調査対象者として「司書」(librarian)という表現を用いていますが、カナダの図書館関連団体Librarianship.caは2021年10月3日付けのTwitter投稿においてこの記事を引用し、同調査は司書に限定したものでなく、公共図書館の全ての現場スタッフが対象であったことを強調しています。

【イベント】日本図書館研究会創立75周年記念式典および2021年度図書館学セミナー(10/30・オンライン)

2021年10月30日、日本図書館研究会が、創立75周年記念式典および2021年度図書館学セミナーを、オンラインで開催します。

参加費は会員が2,000円、非会員が3,000円、学生が1,000円で、事前の申し込みが必要です。

当日の主なプログラムは以下の通りです。

●創立75周年記念式典
・開会挨拶:原田隆史氏(日本図書館研究会理事長)

・来賓挨拶:植松貞夫氏(日本図書館協会理事長)、岸田和明氏(日本図書館情報学会会長)

・祝辞(ビデオメッセージ):陳超氏(上海図書館館長)

・記念講演「日本図書館研究会75年の歩みを通して思うこと」
塩見昇氏(大阪教育大学名誉教授,元・日本図書館研究会理事長)

●2021年度図書館学セミナー
・講演「コロナ禍における地方自治と図書館」
片山善博氏(早稲田大学政治経済学術院教授)

・鼎談「これからの図書館と図書館員の専門性」
植松貞夫氏、岸田和明氏、原田隆史氏
コーディネーター:呑海沙織氏(筑波大学情報学群知識情報・図書館学類長)

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