資金調達

英国図書館(BL)、17世紀に作成された詩人ジョン・ダンによる『メルフォード・ホール手稿』を蔵書として受入:デジタル化画像の公開も実施

2020年12月7日、英国図書館(BL)は、チューダー朝からスチュアート朝初期の英国における代表的な詩人ジョン・ダンによる130点以上の作品を収録した『メルフォード・ホール手稿(Melford Hall Manuscript)』を同館蔵書として受入したことを発表しました。

『メルフォード・ホール手稿』は、2018年にサフォーク州のメルフォード・ホールで発見された資料です。17世紀初めに作成されたことが推定され、約400ページ相当の手稿には、ダンの代表的な詩が収録される一方、これまで十分な研究が進められていない作品も多数含まれ、英国の文化遺産として重要な価値を持っていることを紹介しています。

2019年に英国のデジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)は、約46万ポンドで競売にかけられていた同資料について、英国内で保存する必要性から海外への輸出を一時的に禁止する通告を発表しています。BLによる同資料の受入は、National Heritage Memorial Fund(NHMF)等の基金による資金援助の結果として実現しました。

『メルフォード・ホール手稿』の内容はデジタル化され、BLがオンライン上で公開しています。また、2021年には閲覧室で研究者が現物を利用可能となる予定です。

オランダ科学研究機構(NWO)、オープンサイエンスに関するプロジェクトに助成を行うプログラム“Open Science Fund”の立ち上げを発表

2020年12月1日、オランダ科学研究機構(NWO)は、“Open Science Fund”の立ち上げを発表しました。

オープンサイエンスに関するプロジェクトに助成を行うプログラムであり、あらゆる分野の研究者が申請可能となっています。助成対象となるプロジェクトの例として、オープンアクセス(OA)出版の革新的方法の開発を目的としたプロジェクト、データやソフトウェアの「FAIR原則」に基づいた共有、必要な文化変革(culture change)をもたらすのに役立つプロジェクトが挙げられています。

プログラムの第1段階では100万ユーロが用意されており、研究者はプロジェクトごとに最大5万ユーロを申請できます。

New funding instrument to stimulate Open Science(NWO, 2020/12/1)
https://www.nwo.nl/en/news/new-funding-instrument-stimulate-open-science

英国国立公文書館(TNA)、“COVID-19 Archives Fund”の立ち上げを発表

2020年12月4日、英国国立公文書館(TNA)は、“COVID-19 Archives Fund”の立ち上げを発表しました。

新型コロナウイルス感染症のパンデミックの中で、コレクション管理上の問題に直面している英国内のアーカイブを対象としたプログラムであり、リスクのある状況に置かれた物理的資料及びボーンデジタル資料を保護するための、緊急の作業を支援するものと位置付けられています。

同プログラムは英国財務省(HM Treasury)から50万ポンドの割り当てを受けており、英国内の申請者は最大5万ポンドの助成申請が可能となっています。申請期限は2021年1月15日であり、その後審査を経て、2021年3月31日までに助成金の配分が行われます。

COVID-19 Archives Fund launched(TNA, 2020/12/4)
https://livelb.nationalarchives.gov.uk/about/news/covid-19-archives-fund-launched/

米国議会図書館(LC)の議会調査局(CRS)、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)による州への助成金プログラムの概要を報告したCRSレポートを公開

2020年11月17日付で、米国議会図書館(LC)の議会調査局(CRS)は、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)による州への助成金プログラム(Grants to States program)について報告したCRSレポートとして、“Institute of Museum and Library Services Grants to States Funding Formula: In Brief”を公開しました。

同レポートは、IMLSによる州への助成金プログラムの概要、州・準州・海外領土等への配分額を決定するための手順、2020会計年度を具体例とした資金配分の実際などを概説しています。

Institute of Museum and Library Services Grants to States Funding Formula: In Brief [PDF:8ページ](CRS,2020/11/17)
https://crsreports.congress.gov/product/pdf/R/R46611

名古屋大学附属図書館、重要文化財「高木家文書」の修復のためのクラウドファンディングプロジェクト「【第2弾】名古屋大学の使命!重要文化財の絵図を守り継ぐ」を開始

2020年11月24日、名古屋大学附属図書館の特定基金ワーキンググループは、同館所蔵の重要文化財「高木家文書」の修復を目的としたクラウドファンディングプロジェクトとして、「【第2弾】名古屋大学の使命!重要文化財の絵図を守り継ぐ」を開始しました。

「高木家文書」は、同館の所蔵する旧旗本交代寄合の西高木家の旧蔵文書群で、2019年7月に国の重要文化財に指定されました。同館は2018年にクラウドファンディングプロジェクト「名古屋大学の使命!東海地方の貴重な古文書を後世に」を実施し、高木家文書の『御用日記』2冊の修復と約500点のデジタル画像化を達成しました。

第2弾のプロジェクトは、高木家文書のうち木曽三川流域を描いた川絵図2点の修復を目的として行われます。目標金額は150万円で、期間は2020年11月24日から12月25日までです。

附属図書館クラウドファンディング「【第2弾】名古屋大学の使命!重要文化財の絵図を守り継ぐ」を開始しました(名古屋大学,2020/11/24)
http://www.nagoya-u.ac.jp/info/20201127_do.html

米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)、2020年の年次会計報告書を公開:新型コロナウイルス感染症対策を目的とした合計約4,500万ドルの国内機関支援等の事業を報告

2020年11月16日、米国の博物館・図書館サービス機構(IMLS)は2020年の年次会計報告書を公開したことを発表しました。

同報告書は、米国行政管理予算局(Office of Management and Budget)の要請に応じて作成された、2019年10月1日から2020年9月30日までの2020会計年度におけるIMLSの財政状況を報告したものです。2020会計年度におけるIMLSの主要な事業として以下の4点が報告されています。

・新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、経済対策法「コロナウイルス支援・救済・経済安全保障法(CARES Act)」に基づき、59の州図書館行政機関に対して合計約3,000万ドルの支援を実施した。また、博物館・図書館・先住民団体等に対して、医療上の緊急事態対応のため、同法の助成金から合計約1,500万ドルの支援を実施した。

・博物館や図書館の感染症対策支援のため、柔軟な運用の可能な助成金制度を採用した。

・OCLC、バテル記念研究所との共同事業REALM Project実施のため200万ドルを調達した。また、同事業に対して、米国議会図書館(LC)、アンドリュー W.メロン財団、ニューヨーク・カーネギー財団からの支援を獲得した。

小樽商科大学、附属図書館等全16施設のネーミングライツ・パートナーを募集

2020年11月2日、小樽商科大学が、附属図書館等全16施設のネーミングライツ・パートナーを募集すると発表しています。

協定の期間は原則3年以上(延長可能)です。

「ネーミングライツ・パートナー」の募集を開始します(小樽商科大学,2020/11/2)
https://www.otaru-uc.ac.jp/news/93846/

ネーミングライツ・パートナー募集(小樽商科大学)
https://www.otaru-uc.ac.jp/site_info/namingrights/

参考:
大阪教育大学、東京書籍とネーミングライツに関する協定を締結:附属図書館の「まなびのひろば」の名称を「東京書籍 Edu Studio」に
Posted 2020年9月8日
https://current.ndl.go.jp/node/41941

愛知県日進市、子ども向け書籍購入を目的としたクラウドファンディングを実施中:市内の保育園・放課後児童クラブ・子ども教室・小中学校図書室・公共図書館の蔵書充実のため

愛知県日進市の発行する『広報にっしん』2020年10月号で、日進市が2020年10月5日から2021年1月3日まで、子ども向け書籍の購入を目的としたクラウドファンディングを実施することが発表されています。

日進市は、ふるさと納税インターネットサイト「ふるさとチョイス」内クラウドファンディングサイト「ガバメントクラウドファンディング」で、プロジェクト「子どもたちのために、保育園、放課後児童クラブ・子ども教室、小中学校図書室、図書館の本を充実させたい!」を実施します。同プロジェクトは、2020年7月にコロナ禍でも活動を続けていた市内の東小学校児童クラブ・子ども教室に対して、子ども達に本を読む楽しさを知ってもらいたいという願いから匿名の書籍寄附が行われたことをきっかけに企画されました。

寄附者は寄附先として、図書館・小中学校、保育園、児童クラブ・子ども教室の計34施設を選択することができます。目標金額は300万円ですが、目標に達しない場合でも寄附の全額が、絵本・児童書・紙芝居・図鑑など各施設で必要な子ども向け書籍の購入へ充当されます。

寄附者全員に書籍購入リストが送付されます。また、市外からの寄附者には返礼品が用意されています。

松竹大谷図書館、「松竹大谷図書館特別資料閲覧システム」を公開

2020年10月22日、公益財団法人松竹大谷図書館が、「松竹大谷図書館特別資料閲覧システム」を公開しました。

現在、同館が所蔵する「川上音二郎・貞奴一座欧米公演関係資料アルバム」が閲覧できるようになっています。同資料のデジタルアーカイブ化は、同館が2018年に実施したクラウドファンディング・プロジェクト「【第7弾】世界へ翔んだ、川上音二郎・貞奴の軌跡を未来へ。」で募集した支援金をもとに行われました。

システムの開発および公開は、同館と立命館大学アート・リサーチセンター間の協定に基づき、立命館大学アート・リサーチセンターが実施しています。

《松竹大谷図書館特別資料閲覧システム》を公開しました(松竹大谷図書館,2020/10/22)
https://www.shochiku.co.jp/shochiku-otani-toshokan/news/201022.html

米・テキサス大学オースティン校、アンドリュー W.メロン財団の助成金を活用して視聴覚資料のデジタル保存・アクセス向上を目的としたプロジェクトを実施

2020年10月7日、米・テキサス大学(UT)は、同大学オースティン校英語学部(Department of English)のクレメント(Tanya Clement)准教授の代表する研究チームが、アンドリュー W.メロン財団による45万ドルの助成金を活用して、視聴覚資料のデジタル保存・アクセス向上を目的としたプロジェクトを実施することを発表しました。

クレメント准教授によるプロジェクト“AudiAnnotate Audiovisual Extensible Workflow(AWE)”は、人文科学分野における重要なデジタル視聴覚コレクションについて、アクセス促進・研究や教育における利用の拡大・理解の増進等を目的として取り組まれます。クレメント准教授はお知らせの中で、視聴覚資料へのアノテーションの付与とオンライン共有がプロジェクトの基本的な取り組みであり、デジタル人文学専門のコンサルタント会社Brumfield Labsや、ソフトウェア開発会社のAVP等と提携し、オープンソースのツールを用いて作成・共有を容易に進めるワークフローの開発を計画していることなどを説明しています。

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