資金調達

図書館利用の変化に対応するための建物やテクノロジーの更新のために利用可能な基金“Libraries Improvement Fund”の申請受付が開始へ(英国)

英国において“Libraries Improvement Fund”の申請受付が2021年7月26日から開始されます。

コロナ禍により2020年3月開始予定が保留となっていた、イングランド全域の既存の文化基盤の改善と新規の文化基盤の提供を支援することを目的とする文化投資基金(Cultural Investment Fund)が設立されたことによるもので、文化開発基金(The Cultural Development Fund)・博物館不動産開発基金(The Museums Estate and Development Fund) ・図書館改善基金(Libraries Improvement Fund)の3種類の基金があります。

基準は、デジタル・文化・メディア・スポーツ省(DCMS)とイングランド芸術評議会(ACE)が定めており、助成金はDCMSから拠出され、ACEが管理・授与・検査を行います。

図書館改善基金(Libraries Improvement Fund)の2021年・2022年度の助成総額は500万ポンドで、人々の図書館利用の変化に対応するための建物やテクノロジーの更新のためのさまざまな取組に利用可能であり、

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、一定の売上を達成した学術単行書をオープンアクセス化するパイロットプロジェクト“Flip it Open”を開始

2021年6月30日、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)は、古典・政治・歴史分野等の学術単行書25タイトル以上を対象とした新たなパイロットプロジェクト“Flip it Open”の開始を発表しました。最初のタイトルは2021年7月中に出版される予定です。

同プロジェクトの対象書籍が一定の販売売上を達成した場合、CUPは当該書籍をオープンアクセス(OA)化し、CUPの学術プラットフォームCambridge Core上で提供します。また、OA化と同時に、印刷版を必要とする読者向けに手頃な価格のペーパーバック版も刊行すると述べています。

“Flip it Open”モデルでは、著者や助成機関でOA出版費用を負担する必要はありません。そのため、OA出版のための助成を得られない著者も含めた全ての著者に対し、OA化へのルートを提供するものとなります。一方、購入者側(主に大学図書館)では、OA化される可能性のある書籍を購入していると事前に知ることができます。このことから、学術コミュニティに利益をもたらすOA化のための資金調達に、大学図書館らの積極的な参加を呼び掛ける方法でもあるとしています。

カナダ国立図書館・文書館(LAC)、70のユダヤ関係資料を新たに入手:LAC財団の資金援助により

2021年6月22日、カナダ国立図書館・文書館(LAC)が、LAC財団の資金援助により、新たに70のユダヤ関係資料を入手したと発表しました。

同館は、15世紀のインキュナブラをはじめとした、ヘブライ関係・ユダヤ関係の3,000以上の貴重資料で構成されるコレクション“Jacob M. Lowy Collection”を所蔵しています。

今回同館が入手したのは、英語・ヘブライ語・イディッシュ語で、カナダのモントリオールやトロント、米国のニューヨーク等で1906年以降に出版されたものです。カナダのユダヤ人コミュニティ内外の文化的・教育的事項に関連する資料であり、カナダや他国のエフェメラも含んでいると述べられています。

英文学史上の貴重資料を多く含む私立図書館の蔵書がオークションに:図書館・博物館らが購入のため協力(英国)

英・Guardian紙による2021年6月17日付けの記事で、“Honresfield Library”の蔵書がサザビーズのオークションに出品されることになり、英国の図書館・博物館らが購入のため協力していることが報じられています。

“Honresfield Library”は、英国ヴィクトリア朝時代の実業家であるWilliam LawとAlfred Lawによって収集された資料からなる私立図書館(private library)です。1939年以来、ほぼその蔵書にはアクセスできない状態となっていたことから、記事では「失われた」図書館であったと形容しています。同館の蔵書には、ブロンテ姉妹、ジェイン・オースティン、ウォルター・スコット、ロバート・バーンズなど、英国の著名な文学者による手稿が含まれています。

同館の蔵書が個人コレクターに分割売却されることを防ぐため、購入価格の1,500万ポンドを用意すべく、英国の図書館・博物館らによるコンソーシアムが結成されました。英国の慈善団体Friends of the National Libraries(FNL)による主導の下、英国図書館(BL)、スコットランド国立図書館、ジェイン・オースティン・ハウス、ブロンテ牧師館博物館などが参加しています。

中国文物保護基金会・中国国家図書館(NLC)・バイトダンスが古典籍保存のため協力:バイトダンスからの寄付により特別基金を設立

中国国家図書館(NLC)は、2021年6月18日付けのお知らせにおいて、6月17日にNLCで開催された、NLCと中国文物保護基金会とのパートナーシップ締結及びバイトダンス(字節跳動)による古典籍保存特別基金の設立を記念するセレモニーの様子を紹介しています。バイトダンスは中国のIT企業であり、動画投稿アプリ「TikTok」の運営元としても知られています。

NLCと中国文物保護基金会は、今回のパートナーシップ締結を通じ、古典籍の保存・研究・デジタル化・人材育成・利活用等の面で協力を深めます。このパートナーシップによる成果創出を促進するために、中国文物保護基金会はバイトダンスと協力し、古典籍保存のための特別基金を設立しました。バイトダンスは、同基金への初回寄付分として1,000万元を提供しています。

中国新聞網による2021年6月18日付けの記事でも、同セレモニーの開催を報じています。記事では、今回の基金が「インターネット企業」(互聯網企業)による資金援助を受けた初の古典籍保存基金であることや、初回寄付分1,000万元が、NLC所蔵『永楽大典』をはじめとした古典籍の修復と、古典籍修復の専門人材育成に活用されることを紹介しています。また、バイトダンスが、同社のサービスを活用し古典籍の保存・文化の継承を支援することにも言及しています。

神田明神、歴史資料のオンライン博物館開設のためクラウドファンディングを実施

2021年6月10日、神田明神(東京都千代田区)が、オンライン博物館開設のためクラウドファンディングを実施することを発表しました。

所蔵する歴史資料を未来に継承することを目的としており、発表の中では、未公開資料も公開するとあります。

歴史資料を未来へ!クラウドファンディング初挑戦(神田明神, 2021/6/10)
https://www.kandamyoujin.or.jp/infoblog/detail/?pid=22

参考:
京都府立京都学・歴彩館、「京都学デジタル資料閲覧コーナー」で閲覧できるデジタル資料に「賀茂別雷神社文書」が加わったと発表
Posted 2021年5月25日
https://current.ndl.go.jp/node/44065

欧州連合(EU)による文化・創造産業支援のためのプログラム“Creative Europe 2021-2027”が開始

2021年5月26日、欧州委員会(EC)は、文化・創造産業支援のためのプログラム“Creative Europe 2021-2027”について、初年度の作業プログラムが採択されたことを発表しています。これにより、“Creative Europe 2021-2027”が開始されることになります。

“Creative Europe”は次の2点を主な目的とし、文化・創造産業支援のための助成を行います。

・欧州の文化的・言語的多様性と遺産を保護し、発展させ、促進する。
・文化・創造セクター、特に視聴覚セクターの競争力と経済的可能性を高める。

今回開始された“Creative Europe 2021-2027”は、“Creative Europe 2014-2020”の後継プログラムとなります。“2014-2020”の予算は14億7,000万ユーロでしたが、“2021-2027”では24億4,000万ユーロの予算規模となる見込みであり、60%を超える増加となっています。なお、“2014-2020”では、図書館が関係するプロジェクトへの助成も多くなされました。

日進市立図書館(愛知県)、同市が実施したクラウドファンディングによる寄付金を活用し、多言語の絵本156冊を購入:おはなし会の実施も予定

愛知県の日進市立図書館は、多言語の絵本156冊を購入し、2021年4月21日から利用できるようにしたと発表しています。

同市が、コロナ禍だからこそ子どもが本に出合う機会を増やすことを目的に、保育園・放課後児童クラブ・子ども教室・小中学校図書室・公共図書館における子ども向け書籍を購入するために実施したクラウドファンディングで集まった寄付金のうち、図書館宛てに寄せられた43万5,633円を活用して購入されたものです。

今後、これらの本を活用したボランティア団体にによる英語のおはなし会や、名古屋外国語大学グローバル共生社会研究所と連携した英語以外の言語によるおはなし会の開催が予定されています。

報道によると、英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、タイ語、ベトナム語の9か国語版の絵本や児童書が購入されており、英語版が半分以上を占めるものの、市内に多く住むブラジル系・中南米系・ベトナム系・タイ系の住民のことも考えて言語を選定したとのことです。

Research4Life、新たな非営利団体“Friends of Research4Life”の発足を発表

2021年4月22日、途上国向けに無料・安価に学術情報を提供することを目的とした官民連携パートナーシップであるResearch4Lifeは、米国に拠点を置く新たな非営利団体“Friends of Research4Life”の発足を発表しました。Friends of Research4Lifeの発足により、組織・個人からのResearch4Lifeへの直接的な寄付が可能になったとあり、すでに複数の出版社・個人から寄付があったことを紹介しています。

Research4Lifeは過去20年間においてデジタル格差の解消に取り組んできた一方、資金不足により、認知度向上や効果的な利用等の面において潜在能力を十分に発揮できていないと述べています。Friends of Research4Lifeの発足はそのような状況を受けてのものであり、設立の目的として、支援対象国の研究者・医療従事者・政策立案者・教員に向けた、エビデンスに基づく質の高い情報の提供機会拡大を挙げています。

米・イリノイ大学が主導する助成プロジェクト““Email Archives”の第1期採択プロジェクトが発表される:図書館等の機関が電子メールを歴史記録として収集・保存する能力の構築に関するプロジェクト

2021年4月17日、米・イリノイ大学図書館は、同大学がAndrew W. Mellon財団の支援を受けて実施している4年間の助成プロジェクト“Email Archives: Building Capacity and Community”(EA:BCC)について、第1期採択プロジェクトのリストを公表しています。

同プロジェクトは、図書館・博物館・文書館における、電子メールを歴史記録として収集・保存する能力の構築を目指しています。2期に分けての採択プロジェクト選定が予定されており、採択されたプロジェクトには2万5,000ドルから10万ドルまでの助成金が授与されます。今回発表された第1期採択プロジェクト(計5件)の内容は次のとおりです。

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