図書館事情

ロシア国立図書館(モスクワ)とロシア書籍院の統合が決定

2021年2月1日、ロシア国立図書館(モスクワ)は、同館とロシア書籍院(Rossiiskaia knizhnaia palata)との統合に向けたロードマップが、2021年1月26日付のロシア政府命令によって承認されたことを発表しました。ロシア書籍院がロシア国立図書館(モスクワ)に吸収合併されることになります。

ロシア書籍院は、1917年にペトログラード(現在のサンクト・ペテルブルグ)に創設された「書籍院」を前身とし、2013年からは国営通信社イタル・タス(現在のTASS)傘下の一支局となって、ロシア連邦における義務納本の窓口として、全国書誌の作成やISBN・ISSNの付与等を担っていました。

これまで、書誌作成や納本出版物の保存は、ロシア国立図書館(モスクワ)とロシア書籍院のそれぞれにおいて重複して行われており、業務の非効率や納本を義務づけられている出版者の負担等が問題視されていました。

今回の統合によって、そうした問題が解消されることに加え、総資料点数が2億点を超えることが見込まれ、ロシア国立図書館(モスクワ)によれば、同館は統合によって蔵書面で「世界最大の図書館となる」とされています。

オランダ・ユトレヒト公共図書館、世界各地の図書館事情を紹介した単行書“Living libraries, the House of the community around the world”を刊行:同館ウェブサイト上で電子版を公開

欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)のニュースレター2021年2月号で、オランダ・ユトレヒト公共図書館(Utrecht Public Library)による単行書“Living libraries, the House of the community around the world”の刊行が紹介されています。なお、ユトレヒト公共図書館のウェブサイト上で、同書のPDF版及びEPUB版が公開されています。

同書は、Ton van Vlimmeren氏(EBLIDA会長)が20年間務めたユトレヒト公共図書館の館長職を退任するに当たり、その記念として編集・刊行されたものです。世界各地の図書館関係者からの寄稿文を収録しており、各国の図書館事情を紹介する内容です。なお、400ページを超える大部の書籍となっています。

EBLIDAのニュースレターでは、ほぼ全ての寄稿者が「サード・プレイス」としての図書館の役割を強調していることに触れており、そのことは“the House of the community around the world”という同書の副題の説明になっている、と記されています。

E2354 - アンフォーレと安城市図書情報館の挑戦

2017年にオープンした「安城市中心市街地拠点施設アンフォーレ(以下「アンフォーレ」)」およびその中核施設である安城市図書情報館(愛知県)は,この度「Library of the Year 2020」のオーディエンス賞を受賞した。本稿では,特に評価されたポイントを中心に,当館の取組みを紹介したい。

E2358 - ロックダウン下の英国公共図書館レポートに見る図書館の貢献

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大により,英国では2020年3月から6月まで最初のロックダウン体制が敷かれ,公共図書館も少なくとも4か月の休館を余儀なくされた。ロックダウン期間中の公共図書館サービスについて,図書館関連慈善団体であるLibraries ConnectedおよびCarnegie UK Trustが調査レポートを公開した。本稿では両レポートについて概要を紹介する。

フランス・Normandie Livre & Lecture、コロナ禍におけるノルマンディー地方の図書館の状況に関する調査結果を公開

2021年1月12日、フランスのノルマンディー地方における書籍に関する協力機関“Normandie Livre & Lecture”が、2020年3月半ばから10月半ばにかけての、同地方の図書館の状況に関するアンケート調査結果の公開を発表しました。

同調査は、2020年9月21日から10月17日まで、227の図書館を対象に実施されました。

結果をまとめた報告書によると、アンケート実施時点では、55%の図書館は施設内の全スペースが利用可能と回答しました。コレクションにおける新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響に関しては、81.5%の図書館がデジタルサービスの拡充を行わず、18.5%は電子書籍の購入やポータルサイト作成等を行ったと回答しました。また、73.5%の図書館がSNSやメール・ニュースレター、電話等を通して利用者との結びつきを維持していたと回答した一方、86%が再開館後も来館者数が以前と同じ水準には戻っていないと回答しています。多くの図書館が、大人の来館者数は回復が見られるものの、子ども、ティーンエイジャーの来館者数は戻っていないこと等を指摘していると述べられています。

その他、開館時間の変更状況や、図書館における文化活動に関する回答等がまとめられています。

韓国図書館協会(KLA)、「2020年韓国図書館界の10大ニュース」のアンケート調査を実施

2021年1月20日、韓国図書館協会(KLA)が、「2020年韓国図書館界の10大ニュース」を選定するため、オンラインでのアンケート調査を実施すると発表しました。期間は1月26日までです。

19の候補から7つを選んで投票するもので、候補は以下の通りです。

香港大学図書館の人気セラピードッグ・ジャスパーが亡くなる(記事紹介)

香港に拠点を置く英字紙South China Morning Postは、ウェブサイト上で公開した2021年1月13日付け記事で、香港大学(HKU)図書館の人気セラピードッグ・ジャスパーが12歳で亡くなったことを報じました。

記事では、ジャスパーのソーシャルメディアアカウントからの引用として、脚の手術が成功した後に年齢と体格に起因する合併症を罹患していたこと、最後の瞬間は安らかであったことを記しています。

オールド・イングリッシュ・シープドッグのジャスパーは、2009年に動物保護施設から引き取られ、2017年からは試験期間中の学生のストレス・不安軽減を目的としたパイロットプログラムによりHKU図書館のセラピードッグとなりました。

「図書館セラピードッグ」という施設利用カードも与えられたジャスパーは、そのフレンドリーで情熱的な性格から、職員や学生の人気を得ていました。HKUが2017年にパイロットプログラムの参加者を対象として行った調査によれば、ほぼ全員がジャスパーとの触れ合いを楽しんだと回答し、ジャスパーによるセラピー・セッションの参加者のうち98%超がリラックスできたと述べたとあります。

【イベント】大図研関東地域グループ合同例会「ドイツの日本専門図書館の取り組み(仮)」(1/23・オンライン)

2021年1月23日、ウェブ会議サービスZoomによるオンライン形式で、大学図書館問題研究会(大図研)関東地域グループ合同例会として、「ドイツの日本専門図書館の取り組み(仮)」が開催されます。

ドイツの国際交流基金ケルン日本文化会館図書館の蓮沼龍子氏を講師として、同館の提供サービス紹介、利用者・研究者向けサポート、ドイツ国内及び日本・欧州連合(EU)諸国等の国外機関との協力体制に関する講演や、新型コロナウイルス感染症拡大下におけるドイツ図書館界の状況の情報提供が行われます。

参加費は無料で、大図研の非会員も参加可能ですが、事前の申し込みが必要です。

@dtk_tokyo(Twitter,2020/12/27)
https://twitter.com/dtk_tokyo/status/1343126740281880578

公共図書館員の意欲低下経験に関する質的研究(文献紹介)

2020年12月14日付で刊行された、カナダ国内の図書館協会のネットワーク“The Partnership”の“Partnership: the Canadian Journal of Library and Information Practice and Research” Vol. 15 no.2に、公共図書館員の意欲低下経験に関する論文“The Public Librarian Low-Morale Experience: A Qualitative Study”が2021年1月4日付で公開されました。

同論文は、米国のウィンスロップ大学に所属するKaetrena Davis Kendrick氏によるもので、現役の公共図書館員または元公共図書館員20人を対象に実施した半構造化インタビューの分析結果がまとめられています。意欲の低下が進む過程や、公共図書館員の意欲低下経験に特有の影響因子を明らかにすることが研究課題として挙げられています。

American Libraries誌による2020年の振り返り(記事紹介)

2021年1月4日付けのAmerican Libraries誌(オンライン)が、2020年に図書館に影響を及ぼした事柄についての振り返り記事を掲載しています。

・米国図書館協会(ALA)の本部の移転

・ALAの10代目の事務局長として初のアフリカ系アメリカ人で女性のホール(Tracie D. Hall)氏が就任

・図書館が国政調査の実施を支援

・ALA、黒人・先住民・有色人種や抗議デモへの参加者・ジャーナリストへの警察の暴力を非難

・公民権運動家・作家で図書館の擁護者でもあった下院議員のルイス(John Lewis)氏の逝去

・マクミラン社、1図書館システムにつき電子書籍は1点のみ購入可能で利用可能期間は8週間とする条件を解除

・ALA、人種差別および差別を支持するシステムに加担してきたことを認める

・ハリケーン・山火事といった自然災害により図書館が被害をうける

・ALA、トランスジェンダーの人々の諸権利を支持

・ALA、既存の3部会を統合し新たな部会Coreを創設

・女性参政権100周年記念イベントの実施

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