著作権法

図書館におけるデジタル化についてのEU司法裁判所の法務官意見が公開

2014年6月5日、欧州連合(EU)司法裁判所のJääskinen法務官が、著作権に関するEU指令(Directive 2001/29/EC)における、加盟国の図書館におけるデジタル化についての意見を発表しました。

ドイツ連邦裁判所におけるダルムシュタット工科大学とドイツの出版社Eugen Ulmer KG社の裁判(Case C-117/13)において、
(1)同大学が、その図書館の蔵書である同社の出版物をデジタル化すること。
(2)同大学の図書館の利用者が、同大学の図書館内で提供されている専用端末から、その資料を印刷し、あるいはUSBメモリスティックに保存し、図書館外に持ち出すこと。
の2点について争われており、EU指令における図書館の権利制限の範囲が問われていました。

Jääskinen法務官の見解によれば、権利者からの合意がなくても、EU加盟国の図書館は蔵書のデジタル化を行い、利用者の求めに応じて専用端末から提供することができるとのことです。また、EU指令では、専用端末で得られる資料の紙媒体への印刷は、図書館における権利制限では認めていないとしながら、私的利用に関する権利制限などで保護されるものであるとしているようです。

文化庁、平成26年通常国会での著作権改正について解説するページを公開、改正法に関するQ&A等を掲載

2014年6月3日、文化庁のウェブサイトに、平成26年通常国会での著作権改正について解説するページが公開されました。

第186回通常国会において2014年4月25日に成立し、5月14日に平成26年法律第35号として公布された「著作権法の一部を改正する法律」について、その概要、条文、新旧対照表を示し、改正の趣旨や、概要、改正法に関するQ&A等を掲載しています。

平成26年通常国会 著作権法改正について(文化庁)
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/26_houkaisei.html

参考:
電子書籍に対応した出版権の整備等を含んだ改正著作権法が成立
Posted 2014年4月25日
http://current.ndl.go.jp/node/26026

英国政府が孤児著作物の利用に関する制度について募集した意見への回答を公開

2014年1月10日から2014年2月28日までの期間で、英国国内における孤児著作物の利用許諾の枠組みについて、また、欧州連合の指令に基づく孤児著作物の利用についての意見募集が行われていました。2014年5月30日、英国政府からの回答として、寄せられた意見の概要と、それらに基づく利用許諾の枠組み案が示されています。

権利者不明著作物のデジタル化と国境を越えた流通を促進するため、2012年10月にEUは孤児著作物指令を成立・発効させました。指令第9条では、加盟国に対し、2014年10月29日までに同指令に従うために必要となる法律、規則、行政規定を施行することを義務付けており、英国における孤児著作物の利用についての検討の背景となっているようです。

Copyright: UK orphan works licensing scheme(gov.uk, 2014/5/30更新)
https://www.gov.uk/government/consultations/copyright-uk-orphan-works-licensing-scheme

Government response to the technical consultation on orphan works

図書館等における例外規定を含む改正英国著作権法が施行

2014年6月1日、図書館等における例外規定の変更を含む英国改正著作権法が施行されました。図書館、アーカイブズ、博物館においては、保存のための複製の範囲が全ての種類の著作物へと拡大されたとのことです。

デジタル時代にあわせて法の枠組みを改正し、不要な規制を撤廃するもので、今後の10年間で、英国に2万5000ポンドの経済効果をもたらすと見積もられています。

New exceptions to copyright reflect digital age(IPO, 2014/6/1付)
https://www.gov.uk/government/news/new-exceptions-to-copyright-reflect-digital-age

the Copyright and Rights in Performances (Research, Education, Libraries and Archives) Regulations 2014
http://www.legislation.gov.uk/ukdsi/2014/9780111112755

Changes to copyright law and guidance(Intellectual Property Office)

文部科学省、著作権者不明の場合の裁定制度における権利者捜索のための「相当な努力」の見直しに関してパブリックコメントを募集中

文部科学省は、権利者が不明な著作物を含む過去のコンテンツ資産の利用を促進するため、権利者が不明等の場合の裁定制度における権利者捜索のための「相当な努力」について、見直し(平成21年文化庁告示第26号の一部改正)を予定しているとのことです。

2014年5月19日から2014年6月17日までの期間、「見直し案」についてのパブリックコメントが募集されています。

裁定制度は、著作権者が不明の場合、「相当な努力」を払っても著作権者と連絡することができないときは、文化庁長官の裁定を受け文化庁長官が定める額の補償金を供託することにより、著作物を利用できるようにするものです。

現行制度では、「相当な努力」の具体的な内容として、「権利者の名前や住所等が掲載されている名簿・名鑑類の閲覧」など、提示された6つの要件すべての方法を行う必要がありますが、「見直し案」では、その要件の一部が緩和され、手続きの簡素化、迅速化が図られているとのことです。

権利者不明の場合の裁定制度における権利者捜索のための「相当な努力」の見直し(平成21年文化庁告示第26号の一部改正)に関するパブリックコメント(意見公募手続)の実施(e-Gov, 2014/5/19付)

文部科学省、電子書籍に対応した出版権の整備等を含んだ改正著作権法の概要等を掲載

2014年5月16日、文部科学省のウェブサイトに、「著作権法の一部を改正する法律」の概要、条文、新旧対照表が公表されました。

電子書籍に対応した出版権として、(1) 出版権の設定(第79条関係)、(2) 出版権の内容(第80条関係)、(3) 出版の義務・消滅請求(第81条、第84条関係)について整備が行われたとのことです。また、視聴覚的実演に関する北京条約の実施に伴う規定の整備(第7条関係)も行われたとのことです。2015年1月1日から施行されます。なお、視聴覚的実演に関する北京条約の実施に伴う規定の整備については、視聴覚的実演条約が我が国について効力を生ずる日が施行期日となるとのことです。

著作権法の一部を改正する法律(概要)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/kakutei/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/05/16/1347819_01.pdf

著作権法の一部を改正する法律(条文)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houan/kakutei/detail/__icsFiles/afieldfile/2014/05/16/1347819_02.pdf

著作権法の一部を改正する法律(新旧対照表)

電子書籍に対応した出版権の整備等を含んだ改正著作権法が成立

2014年4月25日に開かれた参議院本会議で「著作権法の一部を改正する法律」が可決され、成立しました。第186回通常国会に3月14日に提出され、4月24日に衆議院で可決されていたものです。

電子書籍の出版権認める法律成立(NHK, 2014/4/25付)
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140425/k10014024061000.html

※内閣提出時の著作権法の一部を改正する法律案(衆議院)
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g18605073.htm

第186回国会(常会)著作権法の一部を改正する法律案(参議院)
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/186/meisai/m18603186073.htm

議案名「著作権法の一部を改正する法律案」の審議経過情報(衆議院)
http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DB8242.htm

参考:
文部科学省、「著作権法の一部を改正する法律案」をウェブサイトに掲載

CA1816 - 電子書籍を活用した図書館サービスに係る法的論点の整理 / 間柴泰治

紙書籍と電子書籍。いずれも「書籍」という語を含むが、図書館サービスを実施する上での取扱いは同じだろうか。例えば、図書館で電子書籍を購入したとして、紙書籍と同様に貸出やコピー(プリントアウト)はできるだろうか。そもそも電子書籍を「購入」するとはどういうことを意味するのであろうか。図書館で長期に保存することはできるのであろうか。本稿は、このような電子書籍を活用した図書館サービスに係る論点を法的観点から整理しようとするものである。...

米国著作権局、追及権に関するレポート“Resale Royalties: An Updated Analysis”を公表

米国著作権局(U.S. Copyright Office)が、2013年12月付けで、画家、彫刻家、写真家等の芸術家(visual artists)の“追及権”に関するレポート“Resale Royalties: An Updated Analysis”を公表しました。このレポートは、2012年に議員からの要望がありまとめられたもので、著作権局に寄せられた様々な意見を踏まえ、議会が協議にあたり考慮することが望まれる著作権局の見解と提言を示している、とのことです。

Copyright Office Releases New Report on Resale Royalties(2013/12/13付け)
http://www.copyright.gov/newsnet/2013/520.html

Resale Royalties: An Updated Analysis(PDF 124ページ)
http://www.copyright.gov/docs/resaleroyalty/usco-resaleroyalty.pdf

参考:
「文化審議会著作権分科会国際問題小委員会報告資料」(小川明子、2012/9/7)

ALRC、著作権法改革に関するディスカッションペーパーを公表(オーストラリア)

2013年6月5日、オーストラリアのALRC(Australian Law Reform Commission)が、著作権法改革に関する42の質問及び提言事項を含むディスカッションペーパーを公表しています。これに対する意見募集を7月31日まで受け付け、その後、意見に基づきALRCは11月30日までにファイナルペーパーを作成し、法務大臣に提出するとのことです。

The Copyright and the Digital Economy Discussion Paper is now available(Australian Library and Information Association, 2013/6/5付け)
http://www.alia.org.au/news/1440/copyright-and-digital-economy-discussion-paper-now-available

Copyright and the Digital Economy (Australian Law Reform Commission, 2013/6/5付け)
http://www.alrc.gov.au/publications/copyright-and-digital-economy-dp-79

ディスカッションペーパー

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