著作権法

オランダ大学協会(VSNU)、改正著作権法第25fa条(“Taverne Amendment”)による学術成果のオープンアクセス(OA)化の実施拡大に対する支援を決定

オランダのオープンアクセス(OA)に関する情報を提供するウェブサイト“open access.nl”の2020年1月7日付の記事で、オランダ大学協会(VSNU)が2019年末に、改正著作権法第25fa条(“Taverne Amendment”)の実施拡大に対する支援を決定したことが紹介されています。このVSNUの決定は2020年までに学術成果の全てをOA化するという目標を再加速させるためである、と説明されています。

“Taverne Amendment”は、オランダの公的助成を受けた学術論文や図書の一部は、公表後、合理的な期間を経るとOAで公開可能になるという内容の条項です。VSNUはこれによる学術成果のOA化を加速させるため、2019年1月に公表から6か月を経た学術成果の出版社版を、著者らが機関リポジトリによりOA化することを支援するパイロットプロジェクト“You share, we take care”を開始しました。2019年中、“You share, we take care”には600人以上の研究者が参加し、2,800件以上の学術成果がOA化されています。

英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、「ハーグリーヴズ・レビュー」を受けた2014年の著作権法改正による図書館への影響の平易なガイドとしてブリーフィングペーパーを公開

2019年11月22日、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、知的財産制度の見直しに関する報告書「ハーグリーヴズ・レビュー(Hargreaves Review)」を受けて2014年に改正された著作権法による図書館への影響の平易なガイドとして、ブリーフィングペーパーを公開したことを発表しました。

公開されたブリーフィングペーパーは、学術図書館サービスの責任者・図書館間の資料提供やドキュメント・デリバリー・サービスの担当者・著作権の専門家を対象に作成されています。著作権法の改正が、デジタルコンテンツの提供・利用者向けの複写・保存目的の複製といった主要な図書館サービスへ与える影響に焦点を当てた内容となっています。

またブリーフィングペーパーには、何が許可されているのかを明らかにして、学術図書館が効果的なサービスを実現できるように、英国内の3つの大学図書館を取り上げて、改正された著作権法の条項をどのように利用しているかを説明したケース・スタディが含まれています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、改正EU著作権指令で規定された絶版著作物の大量デジタル化に関する例外の適用可否確認のためのチェックリストを公開

2019年11月21日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、2019年4月に欧州連合(EU)理事会で採択された「デジタル単一市場における著作権指令」第8条から11条で規定された、絶版著作物(out-of-commerce work)の大量デジタル化に関する例外の適用可否を確認するためのチェックリストを公開したことを発表しました。

改正された同指令では、図書館等の文化遺産機関による絶版著作物のデジタル化は、著作権者の相当数を代表する集中管理団体(CMO)との利用許諾契約により可能になるとしていますが、最低6か月間EU知的財産庁のウェブサイトに公示して商業的入手可否を確認することを条件に、次のいずれかの場合には著作権の例外とすることを認めています。

・デジタル化を意図した種類の著作物を代表するCMOが存在しない
・デジタル化を意図した種類の著作物の代表団体が政府によってCMOと認められていない
・デジタル化を意図した種類の著作物の代表団体が絶版著作物のオンライン上での公開を図書館に認めるライセンスを付与することができない

欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)、IFLA他2団体とともに図書館・図書館協会向けの改正EU著作権指令国内法化のためのガイドラインを作成

2019年11月25日、欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)は、2019年4月にEU理事会で採択された改正EU著作権指令「デジタル単一市場における著作権指令(the Directive on Copyright in the Digital Single Market)」の国内法化に関する、図書館・図書館協会向けのガイドラインを作成したことを発表しました。

このガイドラインはEBLIDA・IFLA・欧州研究図書館協会(LIBER)・SPARC Europeの4団体が共同作成したものです。ガイドラインは、テキスト・データ・マイニング(TDM)、教育機関の利用、保存、契約、技術的保護手段、絶版著作物、パブリックドメインの視覚芸術著作物、報道出版社の権利、オンラインコンテンツプラットフォームの責任について扱っており、著作権指令の中の12の条項をカバーしています。それぞれの項目に関して、その条項が何を示しているのか、新しい条項は何を意味しているのか、柔軟な運用を行う余地があるのか、などを示す内容となっています。

国際図書館連盟(IFLA)、改正EU著作権指令に関する図書館員の関与の重要性と関与のための手順等を解説した記事を掲載

2019年11月6日、国際図書館連盟(IFLA)は、2019年6月に施行された改正EU著作権指令について、図書館員の関与の重要性と関与のための手順等を解説した記事として、“European Copyright Directive Implementation Advances: How Can You Get Involved?”を掲載しました。

改正EU著作権指令の発効後、オランダ・ドイツでは図書館を含む様々な利害関係者の提言を集めるためにすでに公開協議が開催され、フィンランド・ハンガリー・アイルランドでは、図書館の専門家がそれぞれの政府と協議を開始するなど、実施に向けた準備が進んでいます。IFLAは改正EU著作権指令に含まれる内容と図書館員の関与の重要性、関与のために踏むべき手順等を同記事の中で解説しています。

国立国会図書館、『外国の立法』2019年11月号に、欧州連合(EU)のデジタル著作権指令に関する記事を掲載

国立国会図書館(NDL)は、『外国の立法』No.281-2(2019年11月:月刊版)に、欧州連合(EU)の「デジタル単一市場における著作権指令」に関する記事を掲載しました。

外国の立法 2019年刊行分 No.278-1~(NDL)
https://www.ndl.go.jp/jp/diet/publication/legis/2019/index.html

【EU】デジタル単一市場における著作権指令 [PDF:1127KB]
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11382322_po_02810204.pdf?contentNo=1

2019年1月施行の著作権法の一部改正に対応した「図書館の障害者サービスにおける著作権法第37条第3項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン」が公表される

国公私立大学図書館協力委員会・全国学校図書館協議会(全国SLA)・全国公共図書館協議会・専門図書館協議会・日本図書館協会(JLA)の5団体は、2018年5月に公布・2019年1月に施行された著作権法の一部改正に対応した「図書館の障害者サービスにおける著作権法第37条第3項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン」を2019年11月1日付で公表しました。

公表されたガイドラインはJLAのウェブサイトに掲載されています。また同日付で、ガイドラインに基づき視覚障害者等用資料を販売している出版社等の一覧を提供する「著作権法第37条第3項ただし書該当資料確認リスト」が、ガイドラインの別表3から切り離され、単独でJLAのウェブサイトに掲載されています。

お知らせ(JLA)
http://www.jla.or.jp/home/news_list/tabid/83/Default.aspx
※2019/11/01欄に「図書館の障害者サービスにおける著作権法第37条第3項に基づく著作物の複製等に関するガイドライン(改定版)を掲載しました」とあります

Google、フランスの改正EU著作権指令国内法化に伴いフランス国内におけるニュース記事の検索結果表示方法を変更:記事を抜粋したスニペットやサムネイル画像が非表示に

Google Franceの公式ブログ“Le blog officiel de Google France”に2019年9月25日付で、“Nouvelles règles de droit d’auteur en France : notre mise en conformité avec la loi”と題された記事が投稿されています。2019年10月にフランスで改正EU著作権指令が欧州で初めて国内法化され新しい著作権法が導入されることに伴い、フランス国内ではGoogleの検索結果表示方法が変更される見込みであることを発表したものです。

フランスで新しい著作権法が施行されると、欧州の報道機関が発行するニュース記事を示した検索結果について、フランス国内ではニュース記事を抜粋したスニペットやサムネイル画像が表示されなくなります。これはGoogleが提供する全てのサービスに適用されます。

政治ニュースサイト“POLITICO”が同日付で公開したこのGoogleの意向を扱った記事では、改正EU著作権指令の第15条で報道機関が自機関のコンテンツをオンライン上で表示するGoogleやFacebook等のプラットフォームに対して使用料を求める権利が認められていること、Googleはこの使用料の支払を拒否していること等が解説されています。

米・カリフォルニア大学バークレー校、全米人文科学基金(NEH)からの助成により人文学研究者向けにテキスト・データ・マイニングに関わる法的諸問題解決のための支援事業を実施

2019年8月14日、米・カリフォルニア大学バークレー校は、人文学研究者向けにテキスト・データ・マイニングに関わる法的諸問題の解決を支援する同校の事業に対して、全米人文科学基金(NEH)から16万5,000ドルの助成を獲得したことを発表しました。

この事業はカリフォルニア大学バークレー校を中心とした法律専門家・図書館員・研究者のチームによって実施されます。事業の背景として、人文学分野の研究ではテキスト・データ・マイニングという手法がしばしば用いられますが、研究のためのデータセットを用意するには著作権法・契約法・プライバシー法等に関する法的問題をクリアする必要があること、研究者が複雑な法的問題が発生するものを避けてパブリックドメイン等の容易に利用可能な資料を扱いがちで研究対象に偏りが現れる傾向にあることを挙げています。

英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、英国の大学における教育・学習支援のための著作権ライセンス利用状況の実態に関する調査報告書を公開

2019年8月12日、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)は、英・Jisc Collectionsと英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)とともに作成に寄与した、英国の大学における教育・学習支援のための著作権ライセンス利用状況の実態に関する調査報告書“Understanding the value of the CLA Licence to UK higher education”の公開を発表しました。

この調査は、SCONUL・Jisc Collections・RLUKの支援と英国大学協会(UUK)・高等教育カレッジ連合(GuildHE)からの委託を受け、ロンドン大学シティ校のJane Secker氏らにより2018年後半に取り組まれたものです。高等教育機関向けに教育・学習目的の利用に対して著作物の複製を許可(印刷体、デジタル資料いずれからの複製も可)する、英国の著作権管理団体Copyright Licensing Agency(CLA)の「高等教育ライセンス(HE Licence)」の利用状況の実態が調査されています。

調査報告書では主に以下のようなことが示されています。

・英国と他国の教育関係の著作権制度の比較

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