Jisc

英・Jisc、デジタルコレクション購入に関する出版社との契約交渉に携わる図書館員向けのガイドを公開

2020年6月15日、英国のJiscは、デジタルコレクション購入に関する出版社との契約交渉に携わる図書館員向けのガイドとして、“Purchasing digital archives:Guidelines for librarians when negotiating with publishers”を公開したことを発表しました。

英国の高等教育機関において、一次資料をアーカイブしたデジタルコレクションは学習・教育・研究の場で活用が進んでいます。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で教育のオンライン化が進展したため需要がさらに増加することが見込まれる一方、感染症がもたらした機関への財政的影響を受ける可能性も懸念され、大学図書館・研究図書館による経済的に持続可能なデジタルコレクション提供の重要性はこれまで以上に高まっています。

過去の調査によると、英国の半数近くの大学図書館・研究図書館では、こうしたコレクションの購入1回当たりに10万ポンド以上の費用を費やしていることが明らかになっています。また、デジタルコレクションをホスティングする出版社が図書館向けに設定する価格に透明性がないこと、買い切り契約したコンテンツのプラットフォーム維持費として継続した費用負担が発生することに図書館が不満を抱いていること、などが報告されています。

英・Jisc、SHERPA RoMEO・Sherpa Factのリニューアル版を公開

2020年6月18日、英・Jiscのオープンアクセス(OA)チームは、JiscのサービスSHERPA RoMEOのリニューアル版を公開したことを発表しました。

SHERPA RoMEOは、世界中の出版社のOAポリシーを集約・分析し、ジャーナルごとにOAによるセルフアーカイブの許諾条件・権利条件の概要を提供するオンライン情報源です。リニューアル版では、各ジャーナルの様々なOAポリシーの概略表示など、ユーザビリティ向上に関する大きな改善が行われました。また、APIの機能拡張や、将来の迅速なサービス展開を可能にする基礎データの改善も行われています。

今回のSHERPA RoMEOのリニューアルは、OAポリシーを取り巻く環境の変化への積極的な対応として実施されました。出版社が出版プロセスのさまざまな段階で提供している複雑なOAポリシーのバリエーションをより明確に示すことができるようになっています。Jiscはリニューアル版への移行を支援するため、ユーザー向けの参考資料を多数用意しています。

なお、ジャーナルが助成機関のOAポリシーに従っているかどうかを確認するためのサービスSherpa Factについても、SHERPA RoMEOとともにリニューアル版が利用可能であることが併せて発表されています。

英・Jiscと英国大学協会(UUK)、主要学術出版社に対して新型コロナウイルス感染症により各機関が直面する財政危機を考慮して全ての契約料金の25%削減を要請

2020年6月17日、英・Jiscは、英国大学協会(UUK)が招集しJiscの主要な学術出版社との契約交渉の支援を行う“UUK/Jisc content negotiation strategy group”が、主要学術出版社に対して新型コロナウイルス感染症により各機関が直面する深刻な財政危機を考慮して、全ての契約料金を25%削減するように要請したことを発表しました。

“UUK/Jisc content negotiation strategy group”は、学術出版社へ提出した共同書簡の中で、感染症拡大の早期の時点から学術出版社がコンテンツやコレクションを開放し、高等教育機関へ多大な支援を提供していることを認識しつつ、現在各機関の焦点は学期が開始する2020年9月のコンテンツのオンライン配信に向けた準備と、配信に必要な予算の効率性を考慮した上でアクセス維持が可能なデジタルコンテンツを検討することにあることを訴えています。その上で、各機関にとって有意義な選択肢を与える柔軟な価格設定を提示できるように、Jiscと協力して料金の削減を実施するように促しています。

英・JiscのPublications RouterとElsevier社の研究情報管理システム“Pure”がシステム連携を開始

2020年6月9日、英・Jiscは、論文のメタデータおよびフルテキストを出版社等から各大学の機関リポジトリ等へ通知・転送するためのシステムPublications Routerが、Elsevier社の提供する研究情報管理システム“Pure”と連携を開始したことを発表しました。

両システムの連携により、Pureを利用して論文のオープンアクセス(OA)状況を管理している英国の約50の機関が、Publications Routerが提供するコンテンツ・アラート等の自動配信等のサービスを利用可能になっています。

両システムの連携は、JiscとElsevier社のオープンサイエンスに関する枠組である“Jisc-Elsevier Open Science Forum”が2019年2月に公開した声明を履行するものとして実施されます。

英・Jiscと米・LYRASIS、米国の機関リポジトリへ全国規模で標準利用統計Institutional Repository Usage Statistics(IRUS)を導入するため提携

2020年5月5日、英・Jiscと米国の図書館等のネットワークLYRASISは、米国において全国規模で機関リポジトリの標準利用統計であるInstitutional Repository Usage Statistics(IRUS)を導入するため提携することを発表しました。

IRUSは米国のリポジトリについての標準的な利用統計を提供する初めてのサービスとなり、米国のリポジトリに関する比較可能なデータの提供・収集が可能となるほか、利用統計の国際的な比較の際の基準を提供するものになることが見込まれています。

米国の大学及び研究機関は、2020年7月1日からLYRASISの担当者に連絡することでIRUSへの登録が可能になります。

英・Jisc、加盟機関を対象にShibboleth認証システムのヘルスチェック実施を発表

2020年4月20日、英・Jiscは、加盟機関を対象にShibboleth認証システムのヘルスチェックを無料で実施することを発表しました。

英国では新型コロナウイルス感染症の影響により、教育機関が遠隔学習へ大きく依存する状況が継続しています。様々なオンライン資料へのアクセスにおいてシングルサインオン(SSO)認証を提供するShibbolethのシステムは、高等教育機関が都市封鎖(lockdown)中も継続して教育機能を果たすにあたって重要な基盤となっています。

Jiscのヘルスチェックは、機関が利用者認証のために設置するShibboleth Identity Provider(IdP)が完全かつ安全に機能しているかを確認する目的で、専門のTrust and identity consultancy teamによって遠隔により行われます。ヘルスチェックの内容には、サポート期間内のバージョンのShibbolethを利用しているか、オペレーティングシステム(OS)が安全で正しくパッチが適用されているか、IdPが正しい属性情報を発信しているかなどが含まれています。

Jiscはメールで加盟機関からヘルスチェックの申し込みを受付しており先着順で実施する、としています。

OAリポジトリのレジストリOpenDOARがアップデートを実施:OA方針サポートページのリニューアル及びCOREからの新規のリポジトリレコード900件の登録

2020年4月3日、英・Jiscは、オープンアクセス(OA)リポジトリのレジストリOpenDOARが約半年間の2つのプロジェクトの成果により、アップデートされたことを発表しました。

OpenDOARはこれまで“Policy Tool”として提供していた、リポジトリ向けのOA方針サポートページについて内容のレビューを行い、コンテンツ更新と利用しやすく迅速なアクセスの容易な情報源が提供できるように機能改訂を行いました。リニューアルされたOA方針サポートページ“Policy Support”では、OA方針に関わる主要5項目として、登録される研究成果物のメタデータ・研究成果物の本文等のデータ・研究成果物の種類やバージョン等を示すコンテンツ・リポジトリへ研究成果物の登録・研究成果物のリポジトリ上での保存を挙げ、最低限のレベルの推奨方針と最適なレベルの推奨方針の2パターンの文案を提供しています。コピーアンドペーストや編集が容易となるように、文案はHTML版及びプレーンテキスト版で利用可能です。

また、英国の機関リポジトリアグリゲーターCOREのAPIを利用して、リポジトリのレコードの大規模なインポートを実施し、重複の削除や登録資格の審査等を経て、最終的に900件のリポジトリのレコードが新たにOpenDOARへ登録されたことが発表されています。

英国内の複数の図書館・高等教育関係組織が連名により新型コロナウイルス拡大危機の中での教育研究活動維持のため出版社等へ求める行動を示した共同声明を発表

2020年3月20日、英・Jiscは、新型コロナウイルス拡大危機の中で、機関が教育研究活動を維持できるように、デジタルコンテンツやソフトウェアを提供する全てのプロバイダーへ求める行動を示した、英国内の複数の図書館・高等教育関係組織との連名による共同声明を、英国出版協会(The Publishers Association)と学会・専門協会出版協会(ALPSP)へ提出したことを発表しました。

共同声明は、Association of Colleges(AoC)、英国図書館(BL)、Jisc、Southern Universities Purchasing Consortium(SUPC)、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、英国大学協会(UUK)の連名で発されました。この声明は、出版社・アグリゲータ・ベンダー等に対して、新型コロナウイルス拡大危機の中、教育機関を支援するための行動を求めたもので、国際図書館コンソーシアム連合(ICOLC)が発表済の声明とも密接に連携していることに言及しながら、出版社等が実施可能な行動のリストとして次の内容を挙げています。

英・Jisc、定期購読料の収益を利用して購読誌をオープンアクセス(OA)誌へ転換するAnnual Reviews社のプログラム“Subscribe to Open”への支援を表明

2020年3月10日、英・Jiscは、非営利出版社Annual Reviews社が展開するプログラム“Subscribe to Open”を支援することを表明しました。

“Subscribe to Open”は既存の定期購読料による収益を利用して、特定の購読誌をオープンアクセス(OA)誌へ転換するためのプログラムです。Annual Reviews社は刊行する51誌のうちの5誌を2020年の試験プログラムの対象とし、一定の金額の定期購読による収益が確保できた場合、対象誌はCC BYライセンスでコンテンツを出版するOA誌に転換する、としています。Jiscは、Jisc Collections経由で契約を締結した英国のAnnual Reviews社の雑誌の購読機関は、このモデルに対する支援を実施済であることを報告しています。

ページ