Jisc

英・Jiscら、電子書籍とデジタル教科書への公平で持続可能なアクセスに関する共同声明を発表

2021年10月6日、英国のJiscが、電子書籍とデジタル教科書へのアクセスに関する共同声明を発表しました。

高等教育・継続教育に関わる学生・教員が、電子書籍とデジタル教科書に公平で持続可能なアクセスを確保できるよう支援するとしています。そのために、より良い条件の交渉に共同で取り組み、教職員と協力して手頃な代替策を講じ、方針に影響を与えると述べています。加えて、建設的・積極的に出版者やコンテンツ提供者と協力して、学生や学術的ニーズを支援する手頃で持続可能なモデルを導入し、サプライチェーン全体の効率を最大化するとあります。

発表時点では、Jiscの他に、英国図書館情報専門家協会(CILIP)、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)をはじめとした8機関が署名しています。

また、具体的に取り組む内容を示したブリーフィングペーパー2件とポジションペーパー1件も併せて公開されています。

英・ケンブリッジ大学図書館の「プランB」:学術出版社との交渉決裂時に取り組む代替策(記事紹介)

英・ケンブリッジ大学のOffice of Scholarly Communicationによるブログ“Unlocking Research”に、2021年9月2日付けで、同大学図書館のコレクション開発・管理責任者であるMichael Williams氏による投稿が掲載されています。

英国の大学連合では、2021年末にElsevier社との電子ジャーナル契約更新を控えており、現在契約条件に関する交渉を進めています。本記事では、仮に交渉が決裂した場合に同大(及び同館)が「プランB」としてどのような代替策の準備を行っているかを説明しています。

記事によれば、Elsevier社との交渉に際し同大の研究者コミュニティにも参加してもらうよう最善を尽くしており、契約やプランBに関する決定は全て、研究者コミュニティとのやりとりや参加を経た上で行うこととしています。また、Elsevier社との交渉に関する情報は同大のウェブサイト上でまとめられており、研究者向けに意見の提出方法も案内しています。

英・Research England(RE)、研究を8つの要素に分解して公開できるプラットフォーム“Octopus”の開発支援への資金提供を合意

2021年8月6日、英国の大学の研究活動や知識交換活動への助成等を担当するResearch England(RE)が、研究を自由に公開・閲覧できるプラットフォーム“Octopus”の開発支援のため、Octopus Publishing Community Interest Company (CIC)と“Octopus”を支援するJiscに対して、65万ポンドの助成を行うことを発表しました。

“Octopus”は研究を、問題(problem)、仮説または理論的根拠(hypothesis or rationale)、メソッドまたはプロトコル(methods or protocol)、データまたは結果(data or results)、分析(analysis)、解釈(interpretation)、実際の実装(real-world implementation)、ピアレビュー(peer review)の8つの要素に分解して公開することができるプラットフォームで、そのことで、迅速な共有を促すとともに、査読を含む研究プロセスのすべての段階で個々の著作にクレジットを付与することができます。

助成は、“Octopus”を実験的ツールから世界中で利用可能なサービスに移行するために必要な技術開発のために用いられるとしています。

英・Jisc、Plan Sが定めるリポジトリに関する要件への対応状況の自己評価ツールをOAリポジトリのレジストリOpenDOARに追加

2021年8月3日、英国のJiscが、Plan Sのリポジトリの要件に関する自己評価ツールを、オープンアクセス(OA)リポジトリのレジストリOpenDOARに追加したと発表しました。

同ツールを用いて、リポジトリ担当者は、Plan Sが定めるリポジトリに関する必須要件5つと、リポジトリはOpenDOARに登録あるいは登録申請中でなくてはならないという要件の合計6つについて、自身が担当するリポジトリの対応状況を確認できます。また、6つの要件に関する解説、要件を満たすための方法の案内、優良事例の紹介も提供するとあります。

英・Jisc、米国科学アカデミー(NAS)と2年間の“Publish and Read”契約を締結

2021年7月7日、英・Jiscは、米国科学アカデミー(NAS)と“Publish and Read”契約を締結したことを発表しました。契約期間は2021年7月から2023年6月までの2年間となっており、NASにとって国レベルのコンソーシアムとの転換契約締結は初めてとなります。

参加機関に所属する英国の責任著者(corresponding authors)は、出版費用を負担することなく、『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)にオープンアクセス(OA)論文を掲載することができます。また、参加機関の研究者は、1915年までさかのぼるPNASの全コンテンツに無料でアクセスできるようになります。

発表には、PNASの発行人でありNASのexecutive directorでもあるKen Fulton氏のコメントも掲載されています。同氏は、この契約を通じ、英国の大学に属する研究者はPlan Sに準拠した方法によりPNASでOA出版を行うことが可能になったとしています。さらに、この契約でのデータを分析してOAのビジネスモデル検討を進めること、フルOA誌の“PNAS Nexus”を2022年に立ち上げる予定であることにも言及しています。

英国の永続的識別子コンソーシアムについての費用便益分析に関する報告書が公開

2021年6月21日、MoreBrains Cooperative のJosh Brown氏らによって執筆された報告書“UK PID Consortium: Cost-Benefit Analysis”が公開されました。この報告書は、オープンリサーチへの移行における摩擦を減少させるために永続的識別子(PID)をどのように使用できるか調査する複数年プログラムの一環として、2021年初頭に英・Jiscにより委託されたものです。

この報告書では、PIDの採用と使用の現在のレベル、それらがもたらした可能性のある利点、および実現されていない潜在的な利点に関する調査結果を示しています。コスト削減に関する計算の大部分については、広く使用されているPIDであるORCID IDとDOIに焦点を当てています。

報告書のエクゼクティブサマリとして、以下を含めた事項が挙げられています。

・現在の論文と人へのPID付与のレベルに基づくと、国のPIDコンソーシアムを設立することには、5年間で567万ポンドと推定されるコスト削減を含めた大きなメリットがある。これは、3年目までに67%、5年目までに85%というPID付与の目標を達成できた場合である。

英国国立・大学図書館協会(SCONUL)と英・Jisc、学術誌購読契約の評価のためのダッシュボード・サービス“Unsub”のSCONUL所属機関の利用に関しOur Research社と契約

2021年5月17日、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)と英・Jiscは、学術誌購読契約評価のためのダッシュボード・サービス“Unsub”利用に関するナショナルサイトライセンスを、同サービスを開発したOur Research社と締結した発表しました。

“Unsub”は現在、英国ではケンブリッジ大学とランカスター大学で個別に使用されていますが、今回の締結により、SCONUL所属機関も“Unsub”を使用できるようになります。

また、今回の締結により、SCONUL所属機関とJiscの間で交渉シナリオ(タイトル選択のシナリオ)を双方向で共有する機能が開発・提供される予定です。同機能では、Jiscによるコンソーシアムレベルでの交渉シナリオが各館アカウント宛に通知され、各館では送られてきたシナリオを各館のデータでフィルタリングし、各館での影響を分析・評価することができます。また、各館で修正したシナリオをダッシュボードに送る機能もあり、そのことで、Jiscはコンソーシアム全体の修正内容を分析・評価することが可能であり、Jiscによるコンソーシアムの運営や契約交渉を支援するものになると紹介されています。

英・JiscとTaylor & Francisグループ、3年間の転換契約を締結

2020年3月2日、英・JiscとTaylor & Francisグループは、3年間の転換契約を締結したことを発表しました。契約への参加メンバーには、3年経過後にさらに2年の延長を可能とするオプションも提供されます。

発表によれば、契約には以下の内容が含まれています。

・英国の著者へのOA出版。Taylor & Francisグループの“Open Select journals”において、合意された上限まで、先着順で著者の費用負担なしにOA出版できる。
・現在の蔵書数に応じた購読コンテンツへの読み取りアクセス。
・参加メンバーが自館のOA成果物をモニターできる“Taylor & Francis Research Dashboard”を含む、OAインフラの提供。

Taylor & Francisグループは英国における全研究の9%を出版する最大の人文・社会科学系出版社とあり、そのため今回の契約締結は、科学・技術・医学(STM)分野の研究者ほどの資金を得られていない人文・社会科学分野の研究者向けのOAルートとして特に重要なもの、と述べています。

Wiley社、英JiscのPublications Routerに対しオープンアクセス論文のフルテキストのデータ提供を開始

2021年4月13日、英・Jiscは、Wiley社がJiscのPublications Routerに対しオープンアクセス(OA)論文のフルテキストのデータ提供を開始したことを発表しました。なお、Publications Routerとは、論文のメタデータおよび全文を出版社等から各大学の機関リポジトリ等へ通知・転送するためのシステムです。

JiscとWiley社は2020年3月に4年間の“Read and Publish”契約を締結したことを発表しており、同契約により英国の研究者がWiley社の学術誌でOAの論文を公表する割合は、1年目に27%から85%へ上昇し2022年には100%に達し得る、としていました。今回の発表では、Publications Routerへの提供開始はこの契約を踏まえたものであると述べています。

英・Jisc、英国の大学における学術誌購読契約の評価のためにダッシュボード・サービス“Unsub”を使用することを発表

2021年3月30日、英・Jiscは、英国の大学における学術誌購読契約の評価のために、ダッシュボード・サービス“Unsub”を使用することを発表しました。

“Unsub”は、非営利のソフトウェア企業Our Research社が2019年に作成しました。“Unsub”は様々な学術誌購読シナリオの予測を生成でき、これによりJiscは各大学やコンソーシアム全体での購読パッケージのコストとメリットに関する洞察を得ることが可能となる、とあります。

発表によれば、Unsubは現在、世界中の400以上の研究図書館のほか、米・LYRASISやカナダ研究知識ネットワーク(CRKN)等のコンソーシアムでも利用されています。Jiscは、今回のUnsubの利用開始により、Unsubによるデータに基づいた洞察を英国の高等教育セクター全体に拡大できるとしています。

ページ