ディスカバリインターフェース

E2302 - 2019年から2020年の図書館システムの市場動向は?

図書館システムコンサルタントであるブリーディング(Marshall Breeding)氏による2つのレポートが公開されている。1つは氏の運営するウェブサイト“Library Technology Guides”上で2020年3月に公開された“Library Perceptions 2020: Results of the 13th International Survey of Library Automation”,もう1つは米国図書館協会(ALA)の刊行するAmerican Libraries誌2020年5月号掲載の“2020 Library Systems Report : Fresh opportunities amid consolidation”である。ともに継続的に発行されているもので,図書館システムの動向に関するマイルストーンとなっている(E1563ほか参照)。本稿ではこの2つの内容を概観する。

株式会社サンメディア、Ex Librisのディスカバリーサービス“Summon”の日本語による動画マニュアルを公開

2020年8月28日、株式会社サンメディアは、同社が代理店として取り扱うProQuest社傘下の図書館システムベンダEx Librisのディスカバリーサービス“Summon”について、動画マニュアルを作成したことを発表しました。

動画マニュアルでは、Summonの概要・基本検索・検索結果の絞り込み・フルテキストへのリンク・検索結果の利用・詳細検索・雑誌内検索の7つのテーマについて、日本語による紹介が行われています。

動画マニュアルは同社のウェブサイト上で公開されており、Summonの契約の有無にかかわらず視聴することができます。

《Summon》利用者向け動画マニュアルのご案内(サンメディアのオンラインサポート,2020/8/28)
https://www.sunmedia.co.jp/e-port/online-support/news/2020/08/summon.html

新型コロナウイルス感染症拡大下の社会の記憶をアーカイブするチリ大学の取り組み“Memoria COVID-19”:Ex LibrisのPrimoとAlmaを活用して構築(記事紹介)

2020年8月13日、ProQuest社傘下の図書館システムベンダEx Librisは、新型コロナウイルス感染症拡大下の社会の記憶をアーカイブするチリ大学の取り組みを紹介したブログ記事を公開しました。

チリ大学では、新型コロナウイルス感染症が社会に拡大する中で、遠隔学習・在宅勤務・必要とされるソーシャルディスタンシングやフィジカルディスタンシング・課外活動・強制的な制限事項など、人々が日常生活や活動においてどのような変化を経験しているかについて、情報を収集し公開する取り組みを実施しています。取り組みは同大学の哲学・人文科学部歴史学科と情報サービス・図書館本部が共同で進めており、新型コロナウイルス感染症に関する個人的な体験談を写真・動画・手紙・携帯電話で作成したテキスト・音声・画像などの形で広く募集しています。Ex Librisの“Primo”を用いた同大学図書館のディスカバリーサービス内に専用ページとして“Memoria COVID-19”が作成され、同ページ上でGoogleフォームから体験談を投稿したり投稿された体験談を閲覧することが可能になっています。

オープンソースのディスカバリーサービス“VuFind”のバージョン7.0が公開

米・ヴィラノヴァ大学図書館が開発しているオープンソースのディスカバリーサービス“VuFind”のVersion 7.0が、2020年7月20日に公開されました。

セキュリティの向上、ArchivesSpaceやKohaのRESTful APIといったいくつかのシステムとの統合のサポート、EBSCO Discovery ServiceやFOLIOとの互換性の向上、プラグイン生成ツールの強化等が行われています。

VuFind 7.0 Press Release(VuFind, 2020/7/20)
https://vufind.org/wiki/changelog#release_70_-_7_20_2020

参考:
オープンソースのディスカバリーサービス“VuFind”のバージョン6.0が公開
Posted 2019年7月16日
https://current.ndl.go.jp/node/38594

米国情報標準化機構(NISO)、ディスカバリーサービスの透明性向上のための推奨指針(改訂版)を公表

2020年6月24日、米国情報標準化機構(NISO)の図書館のディスカバリーサービスに関する規格・標準の開発や優良事例の推奨等に関するOpen Discovery Initiative(ODI)常設委員会が、2014年に策定したディスカバリーサービスの透明性向上のための推奨指針の改訂版“NISO RP-19-2020, Open Discovery Initiative: Promoting Transparency in Discovery”を公表しました。

ODI: Open Discovery Initiative(NISO)
https://www.niso.org/standards-committees/odi
※「The latest Open Discovery Initiative Recommended Practice, NISO RP-19-2020, Open Discovery Initiative: Promoting Transparency in Discovery, was approved June 22 and published June 24, 2020.」とあります。

デ・ラ・サール大学(フィリピン)、Ex Librisの図書館サービスプラットフォーム“Alma”、ディスカバリーサービス“Primo VE”、及び授業リーディングリストのソリューション“Leganto”を採用

ProQuest社傘下Ex Librisは、2020年5月19日付けのプレスリリースで、フィリピンのデ・ラ・サール大学が図書館サービスプラットフォーム(LSP)“Alma”、ディスカバリーサービス“Primo VE”、及び授業リーディングリストのソリューション“Leganto”を採用したことを発表しました。

プレスリリースでは、デ・ラ・サール大学が図書館サービスをアップグレードするにあたって、多様な情報リソースの統合的・効率的な管理、スタッフのワークフローの合理化、ユーザーエクスペリエンスの向上を達成するため、クラウドベースのSaaS(Software as a Service)型ソリューションが必要と判断したことが紹介されています。

Ex Librisは、Alma、Primo VE、Legantoを組みわせて利用することによって、デ・ラ・サール大学のスタッフは遠隔で図書館の管理が容易となり、学生はキャンパス内外に関わりなく図書館提供のリソースへアクセスが可能となる、としています。また、Legantoの提供するソリューションによって、教員はどこからでも学生へ最新の授業教材を入手可能とし、オンライン学習や従来型授業とオンライン学習を組み合わせた「ブレンディッド・ラーニング」を支援できる、としています。

米国国立医学図書館(NLM)、Ex Librisの図書館サービスプラットフォーム“Alma”とディスカバリーサービス“Primo VE”を採用

2020年3月27日、米国国立医学図書館(NLM)は、同館の情報基盤刷新の一環として、1998年から運用している統合図書館システム(ILS)“Voyager”をProQuest社傘下Ex Librisの図書館サービスプラットフォーム(LSP)“Alma”へリプレースすることを発表しました。また、検索システムについてディスカバリーサービス“Primo VE”へのリプレースも合わせて発表されています。

NLMは2020年3月以降、12か月から15か月をかけてシステム移行を進める予定です。NLMは情報基盤の刷新・システム統合・ワークフローの合理化は、同館の「戦略計画2017-2027」に沿ったものである、としています。

BiblioCommons社をVolaris社が買収

2020年2月10日、図書館向けのソーシャル・ディスカバリー・システムなどを手掛けてきたBiblioCommons社を、ソフトウェア企業Volaris社が買収したことが発表されました。

BiblioCommons社は同名の、他の図書館システム上で機能し、所蔵資料に利用者がタグやコメント、評価等を付与できるようになるシステム等を手掛けています。Volaris社はソフトウェア企業の買収・強化等を主として行っている企業です。

BiblioCommons Acquired by Volaris Group(BiblioCommons、2020/2/10付け)
https://www.bibliocommons.com/news/2020/2/10/bibliocommons-acquired-by-volaris-group

米国情報標準化機構(NISO)のOpen Discovery Initiative常設委員会、ディスカバリーサービスの透明性向上を目的とした推奨指針改訂案の草案を公表しパブリックコメントを募集

2020年1月24日、米国情報標準化機構(NISO)に設置された図書館のディスカバリーサービスに関する規格・標準の開発や優良事例の推奨等に関するOpen Discovery Initiative(ODI)常設委員会は、“Open Discovery Initiative: Promoting Transparency in Discovery”の改訂案の草案を公表し、パブリックコメントを募集していることを発表しました。

ODIは、ディスカバリーサービスの透明性向上を目的とした推奨指針として、2014年に“Open Discovery Initiative: Promoting Transparency in Discovery”を作成しました。同指針は、データ形式・配信方法・利用統計・更新頻度等のディスカバリーサービスのデータ交換に関する技術的推奨により、コンテンツプロバイダーのディスカバリーサービスへの関与に関する評価手段や公正で偏りのないインデクス形成・リンク形成の保証の提供を意図して作成されています。

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