出版

図書印刷株式会社、2019年8月1日付で凸版印刷株式会社の完全子会社となる

2019年5月13日、図書印刷株式会社は、株式交換締結により2019年8月1日付で凸版印刷株式会社の完全子会社となり、2019年7月30日付で上場廃止予定であることを発表しました。

両社は1970年に業務提携契約を締結し、2007年10月に図書印刷は凸版印刷の連結子会社となっていました。今回の完全子会社化は、図書印刷の顧客の課題解決に凸版印刷のデジタル化支援能力等のサービスやソリューションを活用することなどによる事業領域の拡大や製造体制の効率化、リソース配分の最適化実現による、両社の顧客基盤・事業基盤・財務基盤などの経営資源の相互活用・高付加価値化・効率化を目的としています。

凸版印刷株式会社による図書印刷株式会社の完全子会社化に関する株式交換契約締結のお知らせ(図書印刷株式会社,2019/5/13)
https://www.tosho.co.jp/news20190513-03/

日本出版インフラセンター(JPO)、2018年10月に実施した「ドイツ出版産業視察調査」の報告書を公開

2019年5月14日、日本出版インフラセンター(JPO)は文化通信社と共催で実施した「ドイツ出版産業視察調査」について報告書を公開しました。

この調査は、フランクフルト・ブックフェアの会期に合わせて2018年10月8日から10月14日に実施され、業界統一の書籍データベースの運用をはじめとするドイツの出版産業の現状やそれに基づく書籍の取引・流通の状況の調査することを目的としています。

調査では、独立系書店大手のオジアンダー(OSIANDER)、最大手書店のタリア(Thalia)、業界団体のドイツ図書流通連盟(Börsenverein des Deutschen Buchhandels)、取次最大手のリブリ(Libri)、ドイツ図書流通連盟の子会社として書籍データベースVLB(Verzeichnis Lieferbarer Bücher)を運用するMVB(MVB GmbH)等を対象に視察とヒアリングが行われ、VLBと大手取次が独自作成する書籍データベースの競争状況や各書店のサービス・取り組みなどが調査結果として報告されています。

100年超分の論文引用データを機械的に抽出・整形 BMJとScholarcyの取り組み

論文閲読補助サービスScholarcyが、BMJ社の依頼を受け同社の発行する雑誌に掲載された100年超分の論文の引用データを機械的に抽出・整形したプロジェクトの概要を紹介しています。

BMJ社はI4OCに提供・公開する引用データを作成するために、Scholarcyにデータの抽出・整形を依頼したとのことです。I4OCで引用データを公開するにはCrossRefのXML形式で引用データを持つ必要がありますが、BMJ社が刊行する雑誌の過去分については、PDFデータしか存在しないものが多数ありました。そこでBMJ創刊当時の1840年代から1998年までの約20万件の論文について、Scholarcyに対しPDFからの引用データの自動抽出と、XML形式への整形が依頼されたとのことです。

「眠れる森の美女」の比喩の妥当性をめぐって科学計量学者と情報科学技術協会(ASIS&T)が論戦

長期間引用されていなかったにもかかわらず、ある時期から急に被引用数が増加する論文は、計量書誌学分野においてしばしば”sleeping beauty”(「眠れる森の美女」)論文と呼ばれてきましたが、この比喩の妥当性についてオランダ・ライデン大学の科学計量学者Ton van Raan氏と、米国の情報科学技術協会(ASIS&T)の雑誌編集部との間で論戦が起こっていることが、英The Guardian紙等で報じられています。

議論の契機はvan Raan氏がASIS&Tの雑誌JASISTに投稿した、医学分野における「眠れる森の美女」論文に関する研究論文が、「眠れる森の美女」という比喩が受け入れられない、という理由で却下されたことにある、とのことです。同誌の編集者はvan Raan氏に対し、この比喩の使用は特に説明を助けるものではなく、また「眠れる森の美女」という比喩が国や文化によって通じない可能性も問題であると述べました。さらに、「眠れる森の美女」という比喩の存在が、論文の引用に女性の純潔性を結びつけるニュアンスをもたらしたことが、他の研究者にも影響し、例えば出版後即座に引用されるもののその後、急激に被引用数が落ちる論文に”smart girl”というラベルを付けた例などが出てきていることも問題である、とされています。

岸和田市立図書館(大阪府)、子ども向け郷土資料シリーズの第5弾を発行

2019年4月13日、大阪府の岸和田市立図書館が、子ども向け郷土資料シリーズの最後、第5弾として、『岸和田発見5 岸和田のくらしとまつり~郷土の暮らしを見つめよう~』を発行したと発表しています。

子どもの郷土への愛着の涵養を目的に発行したもので、『岸和田城』、『岸和田の昔話』、『岸和田ゆかりの人』、『岸和田の産業』に続くものです。

同書は、市内の小中学校に配布するほか、市内6つ図書館で貸出・販売(500円・税込)されます。

子ども向け郷土資料『岸和田発見5 岸和田のくらしとまつり~郷土の暮らしを見つめよう~』を発行しました(岸和田市立図書館,2019/4/13)
http://www.city.kishiwada.osaka.jp/site/toshokan/hakken-kodomo5.html

Hindawi社が研究者向けウェブサービスKudosとのパートナーシップ締結を発表:著作のさらなる可視化・読者層拡大のため

2019年4月8日、オープンアクセス(OA)出版を手掛けるHindawi社は、同社が出版する著作のさらなる可視化・読者層拡大のため、研究者向けウェブサービスKudosとパートナーシップを締結したことを発表しています。

Hindawi社のプレスリリースでは、Kudosが有する、研究を平易な言葉で説明するためのプラットフォーム及び研究コミュニケーションの共有・追跡・評価を可能にするサービスは、研究者のことを最優先に、そして科学の発見・共有・理解を容易にするというHindawi社の方針と戦略的に一致していると述べています。

また、Hindawi社のChief Publishing Officer であるSarah Greaves氏は、このパートナーシップにより同社のコンテンツの流通範囲が広がり、より多くの研究者がコンテンツにアクセスし、その内容を理解することが可能になる旨のコメントを行っています。

各務原市立中央図書館(岐阜県)、「図書館だより」で市内在住の小説家による小説の連載を開始

岐阜県の各務原市立中央図書館が、毎月発行している「図書館だより」において、2019年4月号から、市内在住の小説家・さとみ桜氏による小説「池に棲むあやかしの怪」の連載を開始しました。

地元紙の報道によると、連載は1年間の予定とのことです。

図書館だより4月号(リニューアル最新号)(各務原市立中央図書館)
http://ufinity08.jp.fujitsu.com/kakamigahara/index.php?action=pages_view_main&active_action=journal_view_main_detail&post_id=301&comment_flag=1&block_id=95#_95

日本出版販売株式会社・株式会社トーハン、雑誌・書籍の返品等に関する協業に合意

2019年4月9日、日本出版販売株式会社(日販)と株式会社トーハンが、雑誌返品処理業務・書籍返品処理業務・書籍新刊送品業務の3業務について協業を行うことに合意し、2020年度以降順次、該当業務について両社の物流拠点の統廃合を行い、効率的な出版物流の実現を目指すことを発表しました。

また、協業実行委員会と該当業務それぞれを担当する実行委員会を設け物流協業の具体化のため検討を進めること、雑誌送品業務については、物流拠点の統廃合や相互活用だけでは協業効果を生み出しにくいため、引き続き両社で供給体制全体の効率化を目指して検討していくことも併せて発表されています。

物流協業に関するお知らせ(日販,2019/4/9)
https://www.nippan.co.jp/news/20190409/

物流協業に関するお知らせ(トーハン,2019/4/9)
https://www.tohan.jp/news/20190409_1386.html

米国情報標準化機構(NISO)、TRANSFER実務指針 Version 4.0を公開

2019年4月8日、米国情報標準化機構(NISO)が、TRANSFER実務指針(TRANSFER Code of Practice)Version 4.0を公開しました。

TRANSFER実務指針は、学術雑誌の出版元が変わる際に、移行元・移行先の出版社が実施すべき事項をまとめたガイドラインであり、図書館や利用者が引き続き円滑にアクセスできるよう保証することを目指したものです。今回のVersion 4.0では、旧版の公開以降に寄せられたフィードバックが反映されており、有料アクセス権を持つ顧客の分類、オープンアクセス、恒久的なアクセス保障、ライセンス情報の提供、ジャーナルURLのリダイレクトに関する事項について追加や改訂が加えられています。

NISO Publishes Updated Transfer Code of Practice(NISO,2019/4/8)
https://www.niso.org/niso-io/2019/04/niso-publishes-updated-transfer-code-practice

ハゲタカ出版社に5,010万ドルの支払い命令 米ネバダ州連邦地裁が判決

2019年3月29日、米国ネバダ州連邦地方裁判所は、いわゆるハゲタカオープンアクセス雑誌の出版等を手掛けるOMICS Group社等と、その所有者であるSrinubabu Gedela氏に対し、5,010万ドルの支払いを命じる略式判決を下しました。訴訟の提起者である連邦取引委員会(FTC)等がプレスリリースを出しています。

FTCによる告訴は2016年に行われたもので、OMICS Group社、iMedPub社、Conference Series社およびそれらの所有者であるGedela氏を対象とするものです。Gedela氏の所有企業では多数の学術雑誌を刊行し、国際会議を開催していましたが、実際には査読が行われていない雑誌にもかかわらず査読が存在すると虚偽の記載をしたり、承諾を得られていない研究者の名前を編集委員や国際会議の発表者として掲載するなどしていました。また、投稿後に著者に対し高額の出版料を要求したり、投稿の取り下げを認めず他の雑誌へ投稿しなおすことを妨害していました。

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