出版

台湾・文化部が進める読書・出版に関する5つの事業(記事紹介)

台湾・文化部の2019年9月12日付けのニュースにおいて、同日に行われた第43回「金鼎奨」(Golden Tripod Awards、出版業界を対象とする賞)の授賞式の様子と、授賞式における鄭麗君文化部長のスピーチが紹介されています。

鄭氏はスピーチの中で、台湾・文化部が進めている読書・出版に関する主要事業として以下の5点を挙げています。

・「文化內容策進院」(Taiwan Creative Content Agency)を設立したこと

・若年層の創作支援のため、補助金の予算を4倍にしたこと

・2019年の世界読書デーにあわせて“Literary Walking Tours of Taiwan”(走讀臺灣)を初めて開催したが、2020年にも開催し、読書人口の拡大を図ること

・“Taiwan Residency Project for International Translators”(譯者來臺駐村計畫)を拡大し、台湾文学の翻訳に関心を持つ人々のネットワークを構築すること

・文芸作品を支援し、創作者により資する環境を提供するために、2020年に文化部と教育部が共同で“Public Lending Right (PLR) Pilot Project”(公共出借權試辦計畫)を実施すること

MDPI、論文に「いいね」ができる新機能を追加

2019年9月20日、オープンアクセスジャーナルプラットフォームMDPIが、掲載論文に読者が「いいね」(Endorse)をつけられる新機能を追加したことを発表しました。

MDPIの発表では、同社は「研究評価に関するサンフランシスコ宣言」(DORA)の署名機関であり、論文ごとの被引用数やダウンロード数、Altmetricスコア等のMDPIでも取り入れている様々な指標には限界があることを認識している、としています。この限界を克服するには、研究コミュニティ主導の指標が必要であるとの認識から、研究コミュニティに対しおすすめしたい論文に「いいね」をつける機能を実装した、とのことです。

実際に「いいね」を付けるにはMDPIプラットフォームへのログインが必要で、また「いいね」した後にも反映されるには運営者による承認プロセスが必要になります。

MDPI Now Gives Scholars the Possibility to Endorse and Recommend Articles(MDPI、2019/9/20付け)
https://www.mdpi.com/about/announcements/1690

Enago、AIを用いた原稿評価・編集サービス”AuthorONE”を立ち上げ

論文校正・校閲サービス等を手掛けるEnagoが、AIを用いて投稿原稿を評価し、編集も自動で行う出版者向けサービス”AuthoreONE”の提供を開始すると発表しました。

同サービスはAPIを用いて編集システムに組み込む等、出版者自身のWebページや現在使用しているシステムに組み込むことが可能とのことです。原稿評価サービスについては当面、無料で提供するとされています。

Enago Launches AuthorONE - An AI-powered Manuscript Assessment And Automated Copy-editing Solution For Publishers(Enago、2019/9/11付け)
https://www.enago.com/news/enago-launches-authorone

仏・高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)、オープンサイエンスに関する国家計画の一環として「書誌多様性」を発展させる出版プロジェクトへ総額260万ユーロの助成を実施

2019年9月2日、フランスの高等教育・研究・イノベーション省(Ministère de l'Enseignement supérieur, de la Recherche et de l'Innovation:MESRI)は、「書誌多様性(bibliodiversité)」を発展させる出版・科学出版のプロジェクトの公募を発表しました。公募プロジェクトに対しては総額260万ユーロの助成が実施される予定です。

フレデリック・ヴィダル大臣がオープンサイエンスに関する国家計画の下で創設されたことを発表した310万ユーロのオープンサイエンス国家基金の一部が公募プロジェクトに対して割り当てられます。応募されたプロジェクトは専門家のパネルによって評価され、2018年に設置されたオープンサイエンス運営委員会によって選定されます。

オープンサイエンス委員会(Le comité pour la science ouverte)の同プロジェクト公募に関する発表によると、国家計画のロードマップに含まれ出版活動に関係している研究インフラストラクチャー、ロードマップに含まれないデジタルプラットフォーム、オープンアクセス(OA)を念頭に置いた図書・雑誌に関連する全ての編集イニシアチブの3種類が、公募対象として想定されています。

米・カリフォルニア大学デービス校が2020年秋から実施予定の定額制教科書・授業教材提供サービス“Equitable Access”の展望(記事紹介)

学術出版系ブログ“The Scholarly Kitchen”の2019年9月4日付の投稿において、米・カリフォルニア大学デービス校が2020年秋から実施する定額制の教科書・授業教材提供サービス“Equitable Access”に関して、購買部(Campus Stores)でExecutive Directorを務めるJason Lorgan氏へインタビューを実施した記事が掲載されています。

カリフォルニア大学デービス校は、キャンパス規模で出版社と契約を結び学生全体に均等にコストを配分することで、同校の学生が教科書やその他の授業教材を利用するためのコストを大幅に削減することを意図した新プログラム“Equitable Access”実施の準備を進めています。Lorgan氏はインタビュー記事の中で質問への回答の形で“Equitable Access”実施の背景や展望を説明しています。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)、持続可能で分散型のオープンな出版フレームワーク“Pubfair”に関するホワイトペーパーを公開

2019年9月3日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、持続可能で分散型のオープンな出版フレームワーク“Pubfair”に関するホワイトペーパーを公開し、内容へのフィードバックを求めていることを発表しました。

Pubfairは2017年11月以来展開されているCOARの次世代リポジトリワーキンググループにより示されたビジョンやユースケースからの触発により考案されたフレームワークです。モジュール化されたオープンソースの出版フレームワークとして、リポジトリの分散ネットワーク上に構築され、プレプリントやデータ、ソフトウェアも含む幅広い研究成果の品質保証・普及・発見サービスに関してリポジトリの機能を強化するものである、としています。

ホワイトペーパーではPubfairの概念モデルやアーキテクチャが概説されており、COARは機能とアーキテクチャの改善のため2019年9月30日まで、ホワイトペーパーに対するコミュニティからのフィードバックを求めています。

米国出版協会(AAP)、2019年上半期の参加出版社の収益を公表:前年同期比6.9%増の約60億ドル

2019年8月28日、米国出版協会(AAP)は2019年上半期の参加出版社の収益が前年同期比で6.9%増となる60億ドル近くに達したことを発表しました。

2019年上半期の収益の特徴として以下のようなことが報告されています。

・消費者向け出版物(Trade)については、前年同期比で2.5%増となる25億ドルに達し、72.1%が紙媒体の書籍によるものであった。

・電子書籍の収益は4億9,300万ドルで、前年同期比で3.8%減となった。

・オーディオブックのダウンロードによる収益は前年同期比で33.8%増となる2億7,900万ドルに達し、消費者向け出版物の売り上げの内8.1%を占める結果となった。

・児童書・ヤングアダルト向け出版物は、前年同期比で7.4%増となる9億1,900万ドルであった。

・専門書の収益は前年同期比1.1%増の2億7400万ドルでほぼ横ばいであった。

・PreK-12(高校生以下)向けの教育資料が教育部門では最大の伸びを見せ、前年同期比31.4%増となった。

米国図書館協会(ALA)と米・公共図書館協会(PLA)、州立図書館・地域図書館向けにMacmillan社の新しい電子書籍貸出モデルへの反対声明等として利用可能なテンプレートを公開

2019年8月23日、米国図書館協会(ALA)と米・公共図書館協会(PLA)は、州立図書館・地域図書館がMacmillan社の新しい電子書籍貸出モデルに対して反対声明等を表明する際に活用可能なテンプレートを公開したことを発表しました。

大手出版社のMacmillan社は、図書館に対して新刊書は各館1冊までしか購入できず、2冊目以降の購入は刊行から8週間のエンバーゴが設ける新しい電子書籍貸出モデルを2019年11月1日から導入予定です。

公開されたテンプレートは、Word形式で作成されており、ALA会長・PLA会長の同社の新モデルへの反対声明、情報アクセスの保証者・出版社と著者の広報媒体としての図書館の役割等が予め明記されています。州立図書館・地域図書館はこれを編集することにより、Macmillan社の新しい電子書籍貸出モデルへの反対決議・反対声明・書簡等を作成することが可能です。

中国化学会(CCS)と日本化学会(CSJ)が化学分野のプレプリントサーバーChemRxivの共同運営に参加

2019年8月23日、米国化学会(ACS)・英国王立化学会(Royal Society of Chemistry:RSC)・ドイツ化学会(Gesellschaft Deutscher Chemiker:GDCh)は共同して、化学分野のプレプリントサーバーChemRxivの戦略的・財政的発展を支援する共同運営者として、中国化学会(Chinese Chemical Society:CCS)と日本化学会(Chemical Society of Japan:CSJ)の二者と提携したことを発表しました。

この提携の結果、ChemRxivは世界の化学研究コミュニティを代表する学会によって支援・開発・運営が行われることになり、サービスの持続可能性の保証等が実現する、としています。

この提携によって、ChemRxivが最近になって導入したACS・RSC・GDCh刊行の雑誌へ簡易に投稿できる機能“Direct Journal Transfer”がCCSやCSJが刊行する雑誌へも近く導入される予定です。

岐阜市立中央図書館、郷土文化を学ぶ講座「みんなの図書館 おとなの夜学」の内容をブックレットにして販売

2019年8月15日、岐阜市立中央図書館は、同館が主催する、郷土文化にまつわるあれやこれやを学ぶ講座「みんなの図書館 おとなの夜学」のなかから、選りすぐりの4講座の内容をブックレットにし販売を開始したと発表しています。

「おとなの夜学」では、岐阜の地域文化に通じた様々な分野のプロフェッショナルを招き、対談やディスカッションを行っています。

販売価格は1冊300円(税込)で、限定各100冊です。

僕たちはまだ知らない。本当の岐阜のこと。「おとなの夜学ブックレット」販売開始!(岐阜市立図書館からのお知らせ, 2019/8/15)
https://g-mediacosmos.jp/lib/information/2019/08/post-690.html

みんなの図書館 おとなの夜学
https://otonanoyagaku.net/

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