オーラルヒストリー

9.11記念博物館、ソーシャルメディアを通じた9.11のオーラルヒストリーの収集と提供へ

2011年1月18日、米国の9.11記念博物館(National September 11 Memorial and Museum)が、Broadcastrと提携し、9.11に関するオーラルヒストリーの収集と提供を開始すると発表しました。これは、位置情報に基づくソーシャルメディアのプラットフォームであるBroadcastrを通じて、9.11記念博物館がレスキュー隊員やボランティア、地域住民からこれまでに収集した、9.11にまつわるオーラルヒストリーを提供するというもののようです。また、利用者はBroadcastrを通じて、自身の9.11に関する体験談を記録して共有したりすることも可能になるとのことです。なお、Broadcastrの一般公開は2月を予定しているとのことで、スマートフォンのアプリを通じても利用できるようです。

Broadcastr
http://www.broadcastr.com/

National September 11 Memorial & Museum And Social-Media Platform Broadcastr Announce Partnership (2011/1/18付け September 11 Memorial & Museumのプレスリリース)

東京電機大学が戦後の著名な技術者を対象としたオーラルヒストリーの報告書を完成させる

2010年9月30日、東京電機大学は、「オーラルヒストリーによる戦後技術の調査研究-電気技術について-」と題した研究報告書を完成したと発表しました。この研究は、科学技術では論文や特許など成果は記録されるものの、それを担った人物の人格面からのアプローチが従来ほとんど行なわれてこなかったことを踏まえ、戦後の技術者に焦点をあてることで、その思いや精神を記録することを目指したとのことです。調査では、大学、企業、研究所等の日本を代表する技術者63名に対してヒアリングを実施し、生の声をインタビュー型式で録音、録画、編集を行なったとのことで、報告書ではそのエッセンスを集約し1人数ページでまとめているとのことです。

著名技術者のオーラルヒストリー報告書完成  飯島澄男氏、岡村總吾氏、白川英樹氏、中村修二氏、西沢潤一氏など63名 (2010/9/30付け 東京電機大学のプレスリリース)
http://atom.dendai.ac.jp/release/100930_5418.html

英国図書館、科学の躍進に貢献した英国の科学者のオーラルヒストリーを集めるプロジェクトを開始

英国図書館(BL)が、科学の躍進に貢献した英国の科学者に対し、10~15時間に及ぶインタビューを実施し、彼らのオーラルヒストリーを収集するプロジェクト“Oral History of British Science”を開始するということです。世界の科学に貢献した英国の偉大な科学者の音声資料はほとんど存在しておらず、健在の著名な科学者に対するインタビューもほとんど行われたことがありません。そこでBLでは、将来に渡って、科学者たちの個人的な記憶や経験を保存していくため、今回のプロジェクトを開始することにしたということです。インタビューの対象となるのは、著名な科学者だけでなく、これまであまり注目されてこなかった技術者や女性の科学者も含まれます。

なおこのプロジェクトには、科学博物館(Science Museum)などが協力し、Arcadia基金が資金提供を行っています。

An Oral History of British Science(プレスリリース)
http://www.bl.uk/news/2010/pressrelease20100223.html

米国ヒューストン公共図書館、オーラルヒストリーのウェブサイトを開設

米国テキサス州のヒューストン公共図書館は、ヒューストンのオーラルヒストリーをデジタル化して記録・保存するプロジェクトの一環として、コンテンツを提供するウェブサイトを開設しています。ビル・ホワイト市長のインタビューや市民の生活についてのインタビュー、1970年代と80年代のオーラルヒストリーなどが提供されています。

Houston Public Library Launches Oral History Site(Library Journal 2009/10/2付けの記事)
http://www.libraryjournal.com/article/CA6699865.html

Houston Oral History Project
http://www.houstonoralhistory.org/

加賀市立図書館、「オーラルヒストリー文庫」を発刊

石川県の加賀市立図書館が、口述記録を作成・編集した「オーラルヒストリー文庫」の第1号を発行しています。同市の「オーラルヒストリー図書館プロジェクト」は、地域独自の知的資産をオーラルヒストリーとして収集することで市立図書館の振興を促進することを目的として、2006年に開始されたとのことです。第1号は、図書館員や地域のサークルのメンバー等による勉強会が、加賀市の名産「吸坂飴」の製造販売者にインタビューしたものを物語風にまとめたものとのことです。

加賀で「オーラルヒストリー文庫」発刊-地域の人々が語る歴史を冊子に(2009年6月2日付け金沢経済新聞の記事)
http://kanazawa.keizai.biz/headline/551/

加賀市立図書館
http://www.kagalib.jp/toshow/index.html

LC、戦没者追悼記念日にちなみ、新しいオーラルヒストリーコレクション「癒えない傷」を公開

米国議会図書館(LC)では2000年から、米国の退役軍人に生活史を語ってもらい、それ(オーラルヒストリー)を録音・録画したり書き取ったりして、写真等とともに資料として保存するプロジェクト“Veterans History Project”を行っています。このほど、2009年の戦没者追悼記念日(5月25日)を前に、このプロジェクトで公開しているデジタルコンテンツを編集したコレクションとして、新たに「癒えない傷(The Unhealed Wounds)」が加えたと発表されています。

Disabled Veterans: the Unhealed Wounds (Stories from the Veterans History Project of the Library of Congress)
http://www.loc.gov/vets/stories/ex-war-disabledvets.html

LC、アフリカ系米国人に関するオーラルヒストリーの寄付を受ける

LCが、米国史に名を残したアフリカ系米国人に関する記録を作成・保存・提供している非政府組織“National Visionary Leadership Project”から、オーラル・ヒストリーの記録の寄贈を受けると発表しました。今回寄贈されるオーラル・ヒストリーの記録は、アフリカ系米国人200名以上に及ぶもので、LC内に設置されている、米国民俗センター(American Folklife Center)に収蔵され、数年後に公開する予定とのことです。

Library of Congress Receives Collection of Oral Histories from Prominent African Americans

http://www.loc.gov/today/pr/2007/07-193.html

参考:
LCアメリカ民俗センターのオーラルヒストリー収集プロジェクトStoryCorps

米国外交官のオーラル・ヒストリー、ウェブで公開(LC)

米国議会図書館が構築を進めているアメリカン・メモリーのコンテンツとして、外交官のオーラルヒストリーの筆記録が公開されました。米国の著名な外交官のインタビューのコレクションを、オンラインで利用することができます。

1920年代、30年代のものも若干含まれますが、ほとんどのものは第2次世界大戦後の1940年代から90年台までのもので、21世紀になってからのものも今後追加を予定しているとのことです。

なお、公開されている1,301の筆記録は、非営利団体の“Association for Diplomatic Studies and Training” (ADST)にから寄贈されたものとのことです。

Frontline Diplomacy
http://memory.loc.gov/ammem/collections/diplomacy/

Online Collection Presents Oral Histories of U.S. Diplomats(プレスリリース、2007年2月21日)

CA1345 - BLの新収オーラルヒストリーコレクション / 齋藤健太郎

最近数十年の間に,現代史の研究で,オーラルヒストリーと呼ばれる史料が用いられるようになった。現代史では,紙に記された文書史料に加えて,「歴史の生き証人」に対する面接調査もまた,情報源となりうる。そのため,研究対象を文書史料に限るべきでない,と主張する現代史家が現れ…

カレントアウェアネス
No.254 2000.10.20

 

CA1345

BLの新収オーラルヒストリーコレクション

最近数十年の間に,現代史の研究で,オーラルヒストリーと呼ばれる史料が用いられるようになった。現代史では,紙に記された文書史料に加えて,「歴史の生き証人」に対する面接調査もまた,情報源となりうる。そのため,研究対象を文書史料に限るべきでない,と主張する現代史家が現れた。そして,面接調査の記録や,記録を用いた研究を指してオーラルヒストリーと呼び,文書史料に対置したのである。

LCアメリカ民俗センターのオーラルヒストリー収集プロジェクトStoryCorps

StoryCorps launches two mobile recording booths from the American Folklife Center at the Library of Congress to travel the U.S. capturing stories of ordinary Americans.
http://storycorps.net/about/pressroom/press_releases/pr20050426/

LCのアメリカ民俗センター(AFC)は、草の根のユニークな物語を市民から集める全米規模のオーラルヒストリープロジェクトStoryCorpsを2003年から開始している。現在までに2千の語りをデジタル形式で録音した。今後10年間で25万のインタビューを行う計画。

このたび、全米各地のオーラルヒストリーを収集するために、トレーラーに録音ブースをのせ、全国を周るツアーを開始すると発表した。5月から、LCを起点に2台のトレーラーが全米をめぐる。

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