出版

米・ニューヨーク州議会で、出版社に「合理的な条件」下で図書館への電子書籍ライセンス提供を求める法案が可決

米国の出版情報誌“Publishers Weekly”の2021年6月11日付の記事で、米国のニューヨーク州の法案(S2890B/A5837B)が、州議会において全会一致で可決されたことが紹介されています。

同法は、一般向けに電子書籍のライセンス提供を行う出版者に対し、「合理的な条件」(reasonable terms)下での図書館へのライセンス提供を求める内容となっており、メリーランド州に続く2例目です。記事によると、州知事が法案へ署名してから19日後に発効します。なお、議会可決後10日の間に州知事が署名をしない又は拒否権を行使しなかった場合、法案は自動で法律となると述べられています。

また、記事の中では、米国出版協会(AAP)が、メリーランド州の法案に関して反対の意思を表明していたこと、ニューヨーク州ではニューヨーク図書館協会(NYLA)が同法案への賛成を議員に求める意見をSNS上で募集していたこと等に触れられています。

全国学校図書館協議会(全国SLA)、第23回学校図書館出版賞の受賞者を発表

2021年6月4日、全国学校図書館協議会(全国SLA)が、第23回学校図書館出版賞の受賞者を発表しました。

同賞は、学校図書館向け図書の優良な出版企画を顕彰し、学校図書館向きの優良な図書の出版を充実させることを目的としています。今回は、出版賞大賞は該当なし、出版賞は4社(株式会社岩崎書店、株式会社偕成社、株式会社小峰書店、株式会社理論社)が受賞しています。

学校図書館賞のニュース(全国SLA)
https://www.j-sla.or.jp/news/cn/ln/
※2021年6月4日付で「第23回学校図書館出版賞が決まりました」と掲載されています。

第23回学校図書館出版賞が決まりました(全国SLA)
https://www.j-sla.or.jp/news/cn/ln/22-4.html

韓国・ソウル特別市教育庁、コロナ禍により苦境にある零細書店を支援する「図書館と近所の書店のネットワーク事業」を開始:同庁所管の図書館および生涯学習館による共生プロジェクト

2021年5月31日、韓国・ソウル特別市教育庁が、同庁所管の図書館および生涯学習館による共生プロジェクト「図書館と近所の書店のネットワーク事業」を6月から開始すると発表しています。

同庁所管の図書館および生涯学習館がコロナ禍により苦境にある書店とネットワークを構築し、書店が実施するプログラムの支援、施設利用による書店への賃料の支払い、図書の購入、といった形式で、零細書店の運営を支援するものです。2021年は鍾路図書館・開浦図書館など12館を中心に行われます。

書店が実施するプログラムの支援事業では、著名な書評家から書評の書き方を学ぶ講座(江南図書館・チェインア書店)、デザイナーによる初心者のためのイラストレーター講座(龍山図書館・解放村独立書店)、ミニマリスト(銅雀図書館・大陸書店)・ブックデザイナー(龍山図書館・解放村独立書店)・絵本作家(永登浦生涯学習館・絵本レストラン)による講演などが6月・7月に開催されます。

【イベント】日本電子出版協会・電子書籍を考える出版社の会共催ウェブセミナー 村瀬拓男弁護士「著作権入門セミナー1」(6/23・オンライン)

2021年6月23日、日本電子出版協会(JEPA)と電子書籍を考える出版社の会(eBP)の共催により、「著作権入門セミナー1」がオンラインで開催されます。

弁護士の村瀬拓男氏(用賀法律事務所)を講師とした、3週連続で開催されるセミナーの1回目です。第1回は「近時の法改正と出版契約」をテーマとして著作権法の最新動向についての解説が行われ、第2回・第3回では著作権の基礎について解説が行われます。

参加費は無料で、事前の申し込みが必要です。

2021年6月23日 JEPA・eBP共催Webセミナー 村瀬拓男弁護士「著作権入門セミナー1」(JEPA, 2021/6/4)
https://www.jepa.or.jp/seminar/20210623/

参考:
改正著作権法が成立:図書館関係の権利制限規定の見直し等
Posted 2021年5月26日
https://current.ndl.go.jp/node/44070

株式会社Lentrance・凸版印刷株式会社・株式会社紀伊國屋書店、大学向けデジタル教科書・教材の供給体制構築に向けて協業

2021年6月2日、株式会社Lentranceと凸版印刷株式会社、株式会社紀伊國屋書店が、大学向けデジタル教科書・教材の供給体制構築に向けて協業を開始したと発表しました。

背景として、これまで専門書籍は電子化が進まず、高等教育現場での要求度は高くはなかった一方、新型コロナウイルス感染症感染拡大によるオンライン講義の増加や、文部科学省の「GIGAスクール構想」等の教育におけるデジタル化推進に伴い、電子書籍・デジタル教科書へのニーズが拡大したことを挙げています。

発表の中では、日本の高等教育におけるデジタル教科書の導入を各方面から推進し、発展させることを企図していると述べられています。

Lentrance、凸版印刷及び紀伊國屋書店、大学向けデジタル教科書・教材の供給体制構築に向けて協業を開始(株式会社Lentrance, 2021/6/2)
https://www.lentrance.com/news/1217/

米・メリーランド州で、出版社に「合理的な条件」下で図書館への電子書籍ライセンス提供を求める法律が成立

Library Journal誌の2021年6月1日付け記事で、米・メリーランド州の法案(House Bill 518 /(SB432))が6月1日に成立し、2022年1月から施行されることが紹介されています。

同法は、一般向けに電子書籍(electronic literary product)のライセンス提供を行う出版社に対し、同州の図書館が利用者に当該電子書籍へのアクセスを提供できるよう、「合理的な条件」(reasonable terms)下での図書館へのライセンス提供を求める内容となっています。記事では、同様の法案は米・ニューヨーク州やロードアイランド州でも提出されているものの、州法として成立したのは初めてのことと述べています。

記事では、米国出版協会(AAP)が2021年3月に、同法案が米連邦著作権法や合衆国憲法に抵触する可能性に言及したことに触れ、今後法廷での課題に直面する可能性があることも紹介しています。

オーストラリア図書館協会(ALIA)、公共図書館の分館が少額の年間使用料を支払うことで出版社がオンラインの読み聞かせでの絵本の利用を許可する取組(試行)に係る最初の四半期の報告書を公表

2021年5月12日、オーストラリア図書館協会(ALIA)が、公共図書館の分館が少額の年間使用料を支払うことで出版社がオンラインの読み聞かせでの絵本の利用を許可する取組(試行)に係る最初の四半期(2021年1月から3月)の報告書を公表しています。

報告書によると、同期間において、全国の約3分の1にあたる115の図書館が取組に参加し、5万オーストラリアドルを超す金額が出版社・著者・イラストレーターに分配されました。また、290以上のレコーディング、1万7,000以上の視聴があり、使用料に加え、965冊の図書が参加館で購入され、ある出版社ではリストに掲載された図書が226冊も購入されました。

参加館からは同取に対して好意的な意見が寄せられています。

米国デジタル公共図書館(DPLA)、Amazon Publishingとの契約締結を発表:同社の電子書籍・オーディオブックが図書館で提供可能に

2021年5月18日、米国デジタル公共図書館(DPLA)は、Amazon Publishingとの契約締結を発表しました。図書館のための電子書籍市場“DPLA Exchange”を通じて、Amazon Publishingの電子書籍・オーディオブック(約1万点)全てを図書館で提供可能とする契約です。

Amazon Publishingのタイトルが図書館向けに提供されるのは、今回が初めてです。2021年夏に4種類のライセンスモデルの下で提供が開始され、2021年末には全タイトルの提供が行われる予定です。図書館利用者は、米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)が開発に携わった電子書籍アプリ“SimplyE”を通じ、Amazon Publishingのタイトルにアクセスできるようになります。

図書館向けの電子書籍貸出モデルに関し、より多くの選択肢・柔軟性の確保のためにDPLAは複数の出版社と協力しており、Amazon Publishingもその中の一社です。DPLAの発表では、協力関係にある他の出版社と同様に、Amazon側では利用者データを受け取らない仕組みになっていると述べています。

一般社団法人日本出版者協議会(出版協)、「著作権法の一部を改正する法律案」に対する見解を公開

2021年4月28日、一般社団法人日本出版者協議会(出版協)が、「著作権法の一部を改正する法律案」に対する見解を公開しました。

今回の著作権法改正の経緯や改正項目に関する検討がまとめられており、改正の必要性や制度設計に関し、国会での慎重な審議を要望することや、主要な点についての見解が表明されています。

また、5月14日に、同見解の作成に関して、出版協理事の成澤壽信氏の記事「「著作権法改正案に対する出版協の見解」をまとめるにあたって(ほんのひとこと)」が掲載されています。

第204回国会提出「著作権法の一部を改正する法律案」に対する見解(出版協, 2021/4/28)
https://www.shuppankyo.or.jp/post/seimei20210428

中国国家図書館、北京出版集団と戦略協定を締結

2021年5月7日、中国国家図書館(NLC)は、4月29日にNLCの古典籍館において、北京出版集団と戦略協定の締結式を行ったことを発表しています。北京出版集団は、北京市に属する国有の出版企業グループです。

協定では、次のような点において協力を実施する旨が示されています。

・資源の構築・利用、相互利益の達成
・NLCの古典籍と北京出版集団の経験等を活用した、新しいタイプの古典籍出版
・古典籍を利用したグッズ(文化創造産品)の開発
・利用者向けの学習コースの開発
・図書・展示・セミナー等の機能を一体化した「文化複合型空間」の開発・運営
・5G・人工知能等の技術を活用した、未来の新しい読書のあり方を探る試み

国家图书馆与北京出版集团签署战略合作协议(NLC, 2021/5/7)
http://www.nlc.cn/dsb_zx/gtxw/202105/t20210507_201391.htm

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