“SDG Publishers Compact”は、国際連合と国際出版連合(IPA)が中心となって作成し、2020年10月に開催されたドイツのフランクフルト・ブックフェア2020で公開されました。公開以来、出版関係者に対して署名が呼びかけられており、署名した出版社等は、2020年から2030年までの「行動の10年(Decade of Action)」の期間に、SDGsの実践、SDGs支援者としての活動、SDGsの促進等に有益な図書・雑誌の出版などが求められます。
Taylor & Francisグループは、この署名が同グループのSDGsに対する継続的な取り組みの一環であることや、特に気候変動に関する目標を重視しており関連コンテンツの充実を行う予定であること、SDGsについて積極的な活動を行う親会社のInforma社の方針とも協調していることなどを説明しています。
2020年11月27日、イタリア・ミラノに本拠を置く視覚障害者の読書支援団体Fondazione Libri Italiani Accessibili(LIA)は、電子書籍のアクセシビリティ向上に関する情報を提供するホワイトペーパーとして英語で作成した“E-Books for all: towards an accessible publishing ecosystem”について、ドイツ語訳化することを発表しました。
ホワイトペーパーのドイツ語訳化は、Fondazione LIAと、ドイツ図書流通連盟(Börsenverein des Deutschen Buchhandels)・ドイツ読書バリアフリーセンター(dzb lesen)の間で締結された合意に基づいて進められます。ドイツ語版のホワイトペーパーは2021年秋までに提供される予定です。
オーストラリア・メルボルン大学のマルチメディアプラットフォーム“Pursuit”において、2020年11月22日付けで絶版書電子化プロジェクトに関する記事“Rescuing Australia's lost literary treasures”が公開されています。筆者はオーストラリア・メルボルン大学の准教授ギブリン(Rebecca Giblin)氏です。
本記事で紹介されている絶版書電子化プロジェクト“Untapped: the Australian Literary Heritage Project”は、ギブリン氏が率いる研究者チームと、オーストラリア作家協会、オーストラリアの公共図書館が連携して実施するものであり、2020年11月に立ち上げられました。図書館コレクションの専門家チームとの協力により文化的に重要な絶版書をリスト化した上で、それらを電子書籍化し、販売や図書館でのデジタル貸出を行うという内容です。