デジタル人文学

近現代英国エジンバラの住民情報等をマッピングするツール“AddressingHistory”

2010年11月17日、英国情報システム合同委員会(JISC)のニュースによると、“AddressingHistory”というプロジェクトサイトが公開されたようです。この“Addressinghistory”は、1784-5年、1865年、そして1905-6年のそれぞれの時期における、英国エジンバラの住民の人名・住所・職業の情報を、同時代の地図上に表示させるもののようです。人名や地名等の情報は、職業別電話帳(Yellow Pages)の先駆けともいえる“Scottish Post Office Directories”という史料に基づくものとのことです。利用者は、近現代のエジンバラの歴史的な人物や住所、職業等を調べてマップ上に表示させられるほか、利用者登録をすれば、軽微なデータ修正も可能となるようです。プロジェクトに協力しているスコットランド国立図書館のフリート(Chris Fleet)氏は、「“AddressingHistory”は、“Scottish Post Office Directories”から地理上の情報を引き出すための、新しく効果的な方法を示すものである」とコメントしています。

Addressing history
http://addressinghistory.edina.ac.uk/

デジタル形式での歴史研究、その成果の発表場所を欠く(記事紹介)

2010年10月5日の“The Chronicle of Higher Education”に、デジタル形式での歴史研究の発表を巡る問題が掲載されています。記事では、アメリカ歴史学協会の“Robert Townsend”氏による、4,000名の歴史研究者を対象とした調査を紹介しており、その調査対象者の多くがデジタル形式での研究成果(例えば、インタラクティブな地図やオンラインデータベース等)の発表に挑戦したいと考えているものの、それをオンラインで発表できる学会誌がごくわずかしか存在しないことを指摘しています。そのため、現在、デジタル形式で歴史研究を行っている研究者は、その成果の多くを伝統的な学会誌以外の領域で、すなわちブログやWikipediaなどで公開しているとのことです。また記事では、デジタル形式で歴史研究を発表できるようにするためのプロジェクト“Sustaining Digital History Project”や、デジタル形式での歴史研究の成果の具体例として、ヴァージニア大学の“The Texas Slavery Project”やスタンフォード大学の“The Spatial History Project”等を紹介しています。

デジタル人文学に関するQ&Aのウェブサイトが開設される

コンピューターと人文学協会(Association for Computers and the Humanities)という国際的な学会組織が、“Chronicle of Higher Education”の運営する“ProfHacker”とともに、デジタル人文学に関する情報共有の場としてQ&Aのウェブサイト“Digital Humanities Questions & Answers”を開設しています。ウェブサイトでは、デジタル人文学に関する、アプリケーションやツール、データベース、インターフェースなど、それぞれのカテゴリごとに質問と回答が掲載されているとのことです。

Digital Humanities Questions & Answers
http://digitalhumanities.org/answers/

ニューヨーク市立大学、デジタル人文学に関するリソースガイドを公開

ニューヨーク市立大学(CUNY)のアカデミックコモンズのウェブサイトで、デジタル人文学に関するリソースガイドのページが作成・公開されています。このリソースガイドは、CUNYの“Digital Humanities Initiatice”というプロジェクトの一環で作成されたもので、デジタル人文学に関する包括的な情報提供を目的としたものではないものの、デジタル人文学に足を踏み入れようとする研究者に対して、重要な情報と有益なクイックレファレンスを提供するものとのことです。ウェブページは、デジタル人文学に関する定義やサンプルとしてのプロジェクトの紹介の他、「デジタル人文学に関するTwitter」「継続的に見るべきブログ」、「カンファレンス・イベント情報」「研究助成情報」「デジタル人文学の研究センター」「ツール」等、14項目に分けて情報提供を行っています。

ニュージーランドのデジタル人文学のポータルサイト“Humanities Machine”

ニュージーランドのデジタル人文学に関するポータルサイト“Humanities Machine: A New Zealand Digital Humanities Portal”が公開されています。ウェブサイトデザイン及び構築を行っているのは、同国のカンタベリー大学の人文学コンピューティングユニットに所属するJames Smithies氏のようです。ウェブサイトには、ニュージーランドでデジタル人文学を研究するセンターの一覧やデジタルコンテンツあるいは芸術・人文学一般に関する助成・研究支援機関の一覧、デジタルコンテンツの提供ウェブサイトやニュージーランド国内での資料デジタル化等のプロジェクトの一覧等が掲載されています。

Humanities Machine: A New Zealand Digital Humanities Portal
http://www.humanitiesmachine.org.nz/

Humanities Machine -- A New Zealand Digital Humanities Portal (2010/9/12付け James Smithiesの記事)

デジタル人文学の萌芽的研究への助成に関する報告書(米国)

2010年9月7日、米国の全米人文科学基金(National Endowment for the Humanities)内のデジタル人文学事務局(Office of Digital Humanities)が、2007年以来行っている、デジタル人文学の萌芽的研究への助成に関する報告書を公開しました。2007年から2010年までの間、デジタル人文学事務局が助成した研究は145件とのことです。報告書には、これまでの助成研究の一覧(分野別・機関別・年度別等)があるほか、申請と助成対象に関する統計とその分析などが含まれており、特に「図書館学・文書管理・資料保存」の分野では、これまで11件の研究に助成されているようです。

Summary Findings of NEH Digital Humanities Start-Up Grants (2007 - 2010)
http://www.neh.gov/whoweare/cio/odhfiles/Summary.Report.ODH.SUG.pdf

New from ODH: Summary Findings of NEH Digital Humanities Start-Up Grants (2007 - 2010) (2010/9/7付け Office of Digital Humanitiesの記事)

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