デジタル人文学

英国芸術・人文科学研究会議(AHRC)、革新的な技術を用いて英国の文化遺産コレクションへのオンラインアクセス方法を変革する5つのディスカバリープロジェクトへの1,450万ポンドの助成を発表

2021年9月21日、英国研究イノベーション機構(UKRI)を構成する評議会の1つである英国芸術・人文科学研究会議(AHRC)が、革新的な技術を用いて英国の文化遺産コレクションへのオンラインアクセス方法を変革する5つのディスカバリープロジェクトに5年間で1,450万ポンドの助成を行うと発表しました。AHRCが主導する国家プログラム“Towards a National Collection” に基づくものです。

採択された5つのプロジェクトは以下の通りです。

・The congruence engine: digital tools for new collections-based industrial histories
英国の産業史に関心のある人が、前例のない範囲で国内のコレクションから資料を結び付けて伝えたいストーリーを伝えるためのデジタルツールボックスのプロトタイプを構築するもの。

人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)、AIくずし字認識アプリ「みを(miwo)」を公開

2021年8月30日、人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)が、AIくずし字認識アプリ「みを(miwo)」を公開しました。

カメラで資料を撮影し、ボタンを押すことで、人工知能(AI)がくずし字を現代の文字に変換するアプリです。CODHが開発した画像に含まれるくずし字を現代の文字に変換する(翻刻する)機能を備えたAIくずし字認識技術を誰でも気軽に使えることを目指して作成されました。『源氏物語』第14帖「みをつくし」にちなんだ名前で、Android版とiOS版があります。

AIくずし字認識については、CODHが開発したくずし字認識モデルKuroNet、および、Kaggleくずし字認識コンペで1位となったtascj氏が開発したくずし字認識モデルが用いられており、AIモデルの学習には国文学研究資料館が作成しCODHが公開する日本古典籍くずし字データセットを活用しています。

ニュース(CODH)
http://codh.rois.ac.jp/news/
※「2021-08-30 みを(miwo) - AIくずし字認識アプリを公開しました。ア」とあります。

【イベント】Japanese Association for Digital Humanities 2021(9/6-8・オンライン)

2021年9月6日から8日まで、日本デジタル・ヒューマニティーズ学会第11回年次国際シンポジウム(Japanese Association for Digital Humanities 2021:JADH2021)が、オンラインで開催されます。

今回のテーマは、“Digital Humanities and COVID-19”です。6日は2つのワークショップ、7日と8日は合計10のセッションやポスター発表等が行われます。

●9月6日
・ワークショップ1「歴史学におけるデータ共有,統合化,多角的協働」
・ワークショップ2「海外DH教育動向調査」
※日本語でのワークショップです。

●9月7日
・Opening
・Long Paper 1: Visuality/Long Paper 2: Literature and poetry
・Board meeting
・Plenary talk I: Kyoko Haga
・Long Paper 3: Architecture/Short Paper 1: Text analysis
・Poster
・Free Talk

米・イリノイ大学シカゴ校図書館と同校人文学研究所、多民族デジタル人文学プロジェクトの実施を発表:デジタル人文学と人種・民族が交わる研究活動への支援等

2021年8月8日、米国のイリノイ大学シカゴ校図書館と同校人文学研究所(Institute for the Humanities)が、“Multiethnic Digital Humanities Project”を実施すると発表しました。

デジタル手法やプラットフォームと世界各地の人種・民族・コミュニティが交わる研究活動に関するプロジェクトで、最先端のデジタル人文学の成果を紹介することや、研究者やコミュニティのパートナーとの連携の促進を目的としています。

発表の中では、活動内容として、学生や教職員にデジタル・プロジェクトについての相談の機会を提供すること、教職員が大学院生のアシスタントからの支援を受けられるようにすること、新たな研究支援体制、多民族デジタル人文学に関するワークショップやカンファレンスが挙げられています。

米・カリフォルニア大学バークレー校図書館、テキスト・データ・マイニングのための法的リテラシーに関するオープン教育資源を公開

2021年7月26日、米国のカリフォルニア大学バークレー校図書館が、テキスト・データ・マイニング(TDM)のための法的リテラシーを育成するためのオープン教育資源(OER)の公開を発表しました。

2020年6月に同校に設置された、Building Legal Literacies for Text Data Mining(Building LLTDM)の取組の成果を、より広く届けるためのものです。Building LLTDMは、TDMに関係する法律・政策・倫理・リスクについて、確信をもって対応できるようにすることを目的として、2020年6月23日から6月26日まで、32人のデジタル人文学の研究者や専門家を対象とした研修を行っていました。

OERには、国内外の著作権法、技術的保護手段、ライセンス、プライバシー、倫理的配慮事項の他、Building LLTDMの組織構築や取組について、同テーマに関する短時間での研修例等がまとめられています。クリエイティブ・コモンズ・ライセンスのCC0のもと、PDFやEPUB等の形式で提供されています。

併せて、Building LLTDMのプロジェクトや今後の展望等をまとめたホワイトペーパーも公開されています。

米国議会図書館(LC)、キャプションや描画等で注釈を付与できる“Speculative Annotation”を公開

2021年7月29日、米国議会図書館(LC)が、LC Labsにおいて“Speculative Annotation”を公開したと発表しています。

同館の2021年のイノベーター招聘プログラムInnovator-in-Residenceにおいて、アーティストのマクレラン(Courtney McClellan)氏が学生や教員による利用を念頭において作成した無料のアプリで、LCのコレクションから選定された資料を選択し、キャプションや描画等で注釈を付与する機能があります。

図書館員が付与した注釈例やリンクされた資料を用いて、資料に関するさらなる調査が可能なほか、自身での調査に基づいて同館のオンラインレファレンスサービスAsk a Librarianでレファレンスサービスを受ける事もできます。

マクレラン氏は、教員が、“Speculative Annotation”で作成したものをハッシュタグ#annotateLOCを付与してソーシャルメディア上で共有し、当該資料とその今日との関係についての全国規模での議論に参加することを期待すると述べています。

8月26日には、マクレラン氏や現代芸術の専門家等によるウェビナーも開催されます。

人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)、「edomi - 江戸をみる/みせるデータポータル」を公開

2021年7月29日、人文学オープンデータ共同利用センター(CODH)が、「edomi - 江戸をみる/みせるデータポータル」を公開しました。

edomiは、江戸をみる/江戸をみせるデータが集まる江戸に関するデータポータルとなることが想定されています。さまざまなデータをカテゴリごとに公開する仕組みとなっており、今回のポータルサイトの公開に合わせて、トラベルとショッピングのカテゴリを中心としたデータが掲載されました。

edomi - 江戸をみる/みせるデータポータルを公開しました。最初の公開として、トラベルとショッピングのカテゴリを中心にデータを掲載しています。(CODH,2021/7/29)
http://codh.rois.ac.jp/news/#20210729

edomi - 江戸をみる/みせるデータポータル(CODH)
http://codh.rois.ac.jp/edomi/

米・ブリガムヤング大学、女性向け新聞に掲載された広告の画像を検索・閲覧できるデータベースを公開

2021年7月20日、米国のブリガムヤング大学(Brigham Young University:BYU)が、女性向け新聞“Woman's Exponent”に掲載された広告のデジタル化画像を検索・閲覧できるデータベース“Exponent Advertisements”の公開を発表しました。

“Woman's Exponent”は、1872年から1914年にかけてユタ州のソルトレークシティで発行された新聞であり、地域や一般のニュース、家事のコツや教育に関する情報を掲載していました。

データベースでは、約4,000の広告画像について、キーワード等による検索、年・広告を出している事業者・産業ごとにまとめられた画像の閲覧、広告画像数の経年変化を示したグラフの表示といった機能が提供されています。画像はパブリックドメイン、グラフや検索結果等の画像以外のコンテンツはクリエイティブ・コモンズ・ライセンスCC BYで公開されています。

E2400 - 人文学資料デジタル化の国際的な枠組みが日本語ルビを導入

2021年2月25日,人文学のテキスト資料を構造化するための国際的な取り決めとして30年来欧米諸国のデジタル人文学において基盤となってきたTEI (Text Encoding Initiative)ガイドラインのP5 version 4.2.0 において,日本語のルビが文書構造の一つとして導入された。これにより,国際的な人文学研究データを共有するネットワークにおいて日本語テキスト資料がより適切な形で利活用されることとなった。

東洋文庫、「『大正新脩大蔵経』底本・校本データベース」と「酉蓮社(旧増上寺報恩蔵)蔵嘉興版大蔵経目録データベース」を公開

2021年7月6日、公益財団法人東洋文庫が、「『大正新脩大蔵経』底本・校本データベース」と「酉蓮社(旧増上寺報恩蔵)蔵嘉興版大蔵経目録データベース」の公開を発表しました。

「『大正新脩大蔵経』底本・校本データベース」は、『大正新脩大蔵経勘同目録』と『大正新脩大蔵経』の脚注に記載される第1巻から第55巻の底本・校本に関する情報を対照して一覧するためのデータベースとあります。

「酉蓮社(旧増上寺報恩蔵)蔵嘉興版大蔵経目録データベース」は、酉蓮社が所蔵する『嘉興版大蔵経』のうち、『大正新脩大蔵経』が底本・校本として採用した経典をスキャンし、IIIF化して書誌データとリンクさせたと述べられています。

【リサーチ】『大正新脩大蔵経』底本・校本データベース、酉蓮社(旧増上寺報恩蔵)蔵嘉興版大蔵経目録データベース公開のお知らせ(東洋文庫, 2021/7/6)
http://www.toyo-bunko.or.jp/oshirase/oshirase_showeach_db.php?tgid=226

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