アクセシビリティ

図書館ウェブサイトのWCAG2.1準拠状況を試験する方法(文献紹介)

2021年7月24日付で、オープンアクセスの査読誌“Weave: Journal of Library User Experience”のVolume4 Issue1に、米・テキサス工科大学のRachel Rayl氏による論文“How to Audit Your Library Website for WCAG 2.1 Compliance”が掲載されました。

2020年春に同大学図書館のウェブサイトを対象に行われた、Web Content Accessibility Guidelines (WCAG)2.1準拠状況の試験プロジェクトについてまとめられています。同プロジェクト用の予算は割り当てられなかったものの、Rayl氏がコーディングとWCAGに精通していたため、外部に委託しない形で実施し、無料のツールを用いることで費用を抑えたとあります。また、プロジェクトは、特定の期限を設定せずに、フルタイムの職員1人とパートタイムの学生1人で実施されました。

試験は、以下の4段階のプロセスで行われました。

フランス国立図書館(BnF)、2021年から2023年にかけてのアクセシビリティに関する方針等を示した計画を公開

2021年7月12日、フランス国立図書館(BnF)が、2021年から2023年にかけてのデジタル環境におけるアクセシビリティに関する方針等を示した計画“Schéma pluriannuel d'accessibilité numérique 2021 – 2023”の公開を発表しました。

発表によると、フランスにおいて、オンラインの公衆向けの通信サービスにおけるアクセシビリティに関する2019年7月24日のデクレ(行政命令)や、2005年2月11日に制定された障害者の権利と機会の平等、参加と市民権のための法律等で定められた法的義務に基づき作成されました。

同計画の中では、主に以下の内容についてまとめられています。

・アクセシビリティ方針
・アクセシビリティに関する人的・財政的リソース
・アクセシビリティに配慮するための組織体制
・管理、検証のプロセス
・技術、機能関係
・各年の計画

また、複数年を対象とした同計画の他に2021年の計画も策定されています。

フランス図書館員協会、図書館のトイレに関するコンクール“Chouettes Toilettes”の結果を発表

2021年6月24日、フランス図書館員協会(l'Association des Bibliothécaires de France:ABF)が、図書館のトイレに関するコンクール“Chouettes Toilettes”の結果を、ウェブサイトで発表しました。

同コンクールは、アクセシビリティとインクルージョンの原則を図書館のトイレで実現する方法を示すこと等を目的として開催されました。授賞式は6月17日にオンラインで実施されました。

「美しさ(L'ESTHÉTIQUE)」や「提供するサービス(SERVICES OFFERTS)」を表彰する賞、「審査員特別賞(PRIX SPÉCIAL DU JURY)」、「最優秀プロジェクト賞(PRIX DU MEILLEUR PROJET)」について、それぞれ小規模な館と大規模な館が1つずつ選出されています。受賞館はいずれもフランスの館であり、以下の通りです。

●美しさ
・Atelier de Pechbonnieu
特に青少年を対象とした、一連の施設や活動が評価されたとあります。

・Bibliothèque des Champs Libres
利用者参加型でのトイレの装飾をはじめとした取組が評価されたとあります。

【イベント】講演会「デジタル社会に必要な情報アクセシビリティ」(7/30・オンライン)

2021年7月30日、日本DAISYコンソーシアムと日本電子出版協会(JEPA)の共催により、講演会「デジタル社会に必要な情報アクセシビリティ」がオンラインで開催されます。

電子書籍のアクセシビリティについて、当事者の報告を基にどのような電子書籍が必要かを考え、EPUBアクセシビリティ仕様が電子書籍の作成・流通にもたらしている国際的な影響や日本でなすべきことについて検討が行われます。

参加費は無料であり、事前の申し込みが必要です。参加方法は、YouTube Live(定員なし)とZoom(定員100人)の2つがあります。

当日の主な内容は以下の通りです。

・基調講演:すべての人のためのアクセシブルな電子書籍とは
石川准氏(静岡県立大学 国際関係学部教授)

・当事者の立場からディスレクシアとは
神山忠氏(日本DAISYコンソーシアム個人会員、ディスレクシア当事者)
小澤彩果氏(支援技術開発機構研究員、ディスレクシア当事者)

・EPUBアクセシビリティのJIS規格化について
村田真氏(慶應義塾大学政策・メディア研究科特任教授)

・JDC技術委員会のEPUBに関する取り組み
工藤智行氏(サイパック取締役社長)

Library Publishing Coalition(LPC)、図書館における出版活動のプロセスを表彰する“Publishing Practice Award”の2021年受賞者を発表

2021年6月22日、図書館による出版活動を進める大学図書館によるイニシアティブ“Library Publishing Coalition”(LPC)が、“Publishing Practice Award”の受賞者を発表しました。

出版されたコンテンツではなく出版プロセスを表彰するものであり、「アクセシビリティ」と「公正・多様性・包摂性」の2つのカテゴリーがあります。今回が初めての実施であり、受賞館は以下の通りです。

・アクセシビリティ:テキサス大学アーリントン校図書館

・公正・多様性・包摂性:ケープタウン大学図書館

Announcing the 2021 Publishing Practice Award Recipients(LPC, 2021/6/22)
https://librarypublishing.org/announcing-2021-ppa-recipients/

日本DAISYコンソーシアム、EPUBの縦組・横組、ルビ、分かち書き等のアクセシビリティメタデータの提案仕様を公開

2021年5月13日、日本DAISYコンソーシアム技術委員会が、EPUBの縦組・横組、ルビ、分かち書き等のアクセシビリティメタデータに関する提案仕様11件を公開しました。

発表の中では、今後、実証実験を行いつつ、World Wide Web Consortium(W3C)をはじめとした関連団体への提案を行うとしています。

EPUBの縦組・横組、ルビ、分かち書き等のアクセシビリティメタデータの提案仕様を公開(日本DAISYコンソーシアム, 2021/5/13)
https://blog.normanet.ne.jp/jdc/?q=node/8

参考:
日本DAISYコンソーシアム、「EPUB アクセシビリティ 1.1」および「達成方法集 1.1」の日本語訳を公開
Posted 2021年4月12日
https://current.ndl.go.jp/node/43779

国際図書館連盟(IFLA)、非印刷著作物のアクセシブルなフォーマットでの利用可能性に関する欧州連合(EU)のアンケートに回答

2021年5月6日、国際図書館連盟(IFLA)は、欧州連合(EU)が2021年2月11日から4月30日にかけて実施していた、非印刷著作物(映画、写真、音楽、コンピュータプログラム、ビデオゲーム等)のアクセシブルなフォーマットでの利用可能性に関するアンケートに回答したことを発表しました。回答内容も公開されています。

EUのアンケートは、非印刷著作物が障害者にとって利用可能かどうかの情報収集を目的として実施されました。EUでは2017年に、マラケシュ条約に対応するための規則・指令を採択しており、同指令の第9条の規定がアンケート実施の契機となっています。

同指令では、印刷物の判読に障害がある人々がアクセシブルなフォーマット(点字、大活字、対応した電子書籍等)で印刷著作物を利用することについて、著作権に対する制限を規定しています。第9条では、同指令の対象範囲に含まれない著作物の利用可能性や、同指令の対象範囲を拡大する潜在的な必要性について評価を行うよう、欧州委員会(EU)に求めています。

IFLAの発表によれば、回答に当たりIFLAの「特別なニーズのある人々への図書館サービス分科会」との協力を通じ情報収集を行いました。回答内容として、以下のような点等を紹介しています。

フランスの高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)、高等教育機関の図書館と公共図書館における障害者に関する取組のレポートを公開

2021年3月26日、フランスの高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)が、高等教育機関の図書館と公共図書館における障害者に関する取組についてのレポートを公開したと発表しました。

2020年4月から11月にかけて実施された調査の結果をまとめたものです。調査に当たっては、300以上の図書館にアンケートを送付し、そのうち、高等教育機関の図書館からは105館中50館ほど、公共図書館は120館中40館弱から回答がありました。発表の中では、図書館において障害者への対応を向上させる取組が数多く進行中・計画中であるものの、図書館ごとに状況が異なり、不平等であることが指摘されています。

レポートでは、博士課程の学生にアクセシブルな電子版論文の公開を促すこと、図書館やITサービス、コミュニケーションサービスにおいて、アクセシビリティに関する研修を実施すること等の推奨事項27個が示されています。同推奨事項は、優良事例の体系を踏まえたものであり、アクセシブルな出版物、図書館員のトレーニング、組織・定形化、国の支援の4つに分類されています。

日本DAISYコンソーシアム、「EPUB アクセシビリティ 1.1」および「達成方法集 1.1」の日本語訳を公開

2021年4月9日、日本DAISYコンソーシアムが、同コンソーシアム技術委員会が「EPUB アクセシビリティ 1.1(EPUB Accessibility 1.1)」とその関連文書「達成方法集 1.1(EPUB Accessibility Techniques 1.1)」の日本語訳を公開したと発表しています。

あわせて、World Wide Web Consortium(W3C)が公開した、EPUB 3.2の概要をまとめた文書(EPUB 3 Overview)の日本語訳も公開しています。

EPUBのアクセシビリティ仕様である「EPUB アクセシビリティ 1.1」とその関連文書「達成方法集 1.1」の日本語訳を公開します。 (日本DAISYコンソーシアム,2021/4/9)
https://blog.normanet.ne.jp/jdc/?q=node/5

徳島県、「徳島県読書バリアフリー推進計画(骨子案)」に対するパブリックコメントを実施中:読書バリアフリー法第8条第1項に基づく計画策定

徳島県が2021年3月10日から4月9日まで、「徳島県読書バリアフリー推進計画(骨子案)」に対するパブリックコメントを実施しています。

2021年1月、徳島県は、視覚障がい者等の読書環境を整備・充実させることにより、全ての県民が等しく文字・活字文化の恵沢を享受できる社会の実現を図るため、「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」第8条第2項に基づいて学識経験者・福祉関係者・障がい者団体等関係者・教育関係者・ICT関係者・図書館関係者・ボランティア関係者で構成する「徳島県読書バリアフリー推進協議会」を設置しました。徳島県教育委員会は、同協議会の協議・提言等を取り入れながら、同法第8条第1項に基づく徳島県における読書バリアフリー推進計画の策定を進めています。

公開された同計画の骨子案は、計画の概要・視覚障がい者等の読書に係る現状・計画の基本方針・施策の方向性などを示しています。

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