文書館

中国の档案法が改正:2021年1月1日から施行

中国新聞網の2020年6月20日付け記事で、同日、第13期全国人民代表大会常務委員会第19回会議において、中国の档案法(Archives Law)の改正案が審議・採択されたことが報じられています。改正法は2021年1月1日から施行されます。

改正法では、6章27条からなる現行法を8章53条に改めるとともに、档案の情報化に関する章(第5章)と監督検査に関する章(第6章)が新設されました。第5章には電子档案や档案の電子化に関する規定が含まれており、例えば第35条では、情報化発展計画の中に档案の情報化を組み込むこと、電子档案を保全すること、電子化した档案等の保存と有効利用について、各級の人民政府が実施すべき事項として規定しています。

また、档案の公開に関する規定も改められ、現行法では作成から満30年後の公開となっている一方、改正法では作成から満25年後に短縮されました。ただし、経済・教育・科学技術・文化等に関する档案は満25年未満でも公開が可能、国家の安全や重大な利益に関わる档案、その他公開に適さない档案は公開期限の延長が可能です。

REALM Project、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する第1回テストの結果を公表:図書館で一般的に見られる資料に用いられる5つの素材において3日後には未検出

2020年6月22日、博物館・図書館・公文書館の職員や利用者への新型コロナウイルスへの影響を軽減するための資料の取扱方法について、科学的根拠に基づいた情報を作成・普及させることを目的としたREALM Projectが、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する第1回テストの結果を公表しました。

米国の公共図書館において一般的に見られる、ハードカバーの表紙(バックラム)、ペーパーバックの表紙、本に用いられている用紙、プラスチック製の本の保護カバー、DVDのケース5つの素材を対象にテストを行った結果で、新型コロナウイルス感染症の原因となるウイルスが3日後には検出されないことを発見したとしています。

実験は、関連する研究文献のシステマティックレビューに基づき、エアコンが効いたオフィスで典型的にみられる標準的な温度・湿度下で行われ、ハードカバー・ペーパーバックの表紙やDVDのケースでは1日後に、本に用いられている用紙やプラスチック製の本の保護カバーでは3日後には未検出であったと説明されています。

今後、6月中に追加の5つの素材の実験を実施し、7月末には結果が出る予定です。また、公共図書館の再開館事例を収集・選定し、今週中にウェブサイトで共有される予定です。

REALM Project、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する研究文献のシステマティックレビューを公開

2020年6月17日、REALM Projectが、紙・プラスチック・布・金属といった一般的にみられる素材におけるウイルスの減衰、ウイルスの伝染方式、予防・除菌方法の有効性に関する研究文献に重点を置いたシステマティックレビューを公開しました。参照した文献の一覧および減衰の結果と方法に関する文献の一覧もあわせて公開されています。

同プロジェクトでは、引き続き、新型コロナウイルスに関する文献の収集とレビューを行って、その知見を図書館・博物館・文書館のコミュニティと共有していくとしています。

REALM Project: Systematic Literature Review(OCLC WebJunction,2020/6/17)
https://www.webjunction.org/news/webjunction/realm-systematic-lit-review.html

美術館・図書館・文書館・博物館がもたらす経済的価値を試算した報告書が公表される(カナダ)

2020年5月15日、カナダ博物館協会のウェブサイトにおいて、報告書“Value Study of GLAMs in Canada”の公開が発表されています。

本報告書は、カナダ博物館協会とカナダ国立図書館・文書館が主導するオタワ宣言ワーキンググループが英・Oxford Economics社に委託して実施した調査の成果です。定量的・定性的評価手法を組み合わせることにより、複数の観点から、カナダにおける非営利のGLAM(美術館・図書館・文書館・博物館)がもたらす経済的価値を試算しています。

数値化できた全ての価値要素を総計した結果として、2019年時点においてGLAMがもたらす価値を、年間117億カナダドルと見積もっています。年間の運用コストである30億カナダドルと比較すると、費用便益比は3.9となり、このことは、1カナダドルの投資に対し社会が4カナダドル近くの利益を受け取ることを意味し、交通インフラのような他の大規模社会投資と比較しても遜色のないもの、と述べています。

国際公文書館会議(ICA)、SNS上でキャンペーン“Archiving #AnArchiveIs”を実施中

2020年6月10日、国際公文書館会議(ICA)が、SNS上でのキャンペーン“Archiving #AnArchiveIs”に関する記事を掲載しました。

同キャンペーンは、ハッシュタグ“#AnArchiveIs”を付与した上で、SNS上でアーカイブに関する投稿を行うことを呼び掛けたものであり、Twitterへの投稿はスペインのアーカイブ活動に関する機関Society of Catalan Archivists and Records Managers(AAC)により作成されたアーカイブに保存されます。

All ICA News
https://www.ica.org/en
https://www.ica.org/en/all-ica-news
※2020年6月10日付で、“Archiving #AnArchiveIs”という記事が掲載されています。

E2267 - 英国図書館が進める音声記録の保存事業

英国図書館(BL)では2015年に,録音資料の保存のために我々に残されているのはあと15年ほどである,という報告がなされた(E1753参照)。それを受けて同館では音声記録の保存プロジェクト“Save our Sounds”を発足し,その一環として,“Unlocking Our Sound Heritage”(UOSH)を2017年から開始した。UOSHの目的は,記録媒体の物理的劣化や旧式化により再生できなくなるおそれがある音声記録50万点を保存することである。BLが地域のハブ機関である国内10機関と連携して希少なコレクションをデジタル化・目録化し,その音源を誰もが自由に聴くことができるウェブサイトを開設する計画である。対象となる音源は録音の歴史が始まった1880年代からの多彩な音声記録であり,媒体はろう管,アナログレコード,オープンリール,カセットテープ等幅広い。なお,この事業は国営宝くじ文化遺産基金(The National Lottery Heritage Fund)からの助成金930万ポンドや,慈善団体や個人からの寄附を受けて運営されている。

REopening Archives, Libraries, and Museums (REALM) Project、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する予備的文献レビューを公開

2020年6月3日、REopening Archives, Libraries, and Museums (REALM) Projectが、新型コロナウイルスの除染手段としての自然減衰に関する予備的文献レビュー“Preliminary Literature Review for the Natural Attenuation of SARS-CoV-2 as a Decontamination Approach”を公開しました。

同レビューは、紙・プラスチック・布・金属といったMLA機関で一般的にみられる素材におけるウイルスの減衰、伝染方法、予防・除染の有効性について焦点を当てたものです。同レビューを読む際には、査読済のものと未査読のものが含まれていること、レビューされている文献は異なる研究者により異なる条件で行われており比較や解釈が難しいこと、医療分野等MLA機関とはかなり異なる制約やリスク要因のもとで運営されている業界のための知見も含まれていることに留意するよう求めています。より体系的な文献レビューは現在作成中で、6月後半には公開予定であるとされています。

信州 知の連携フォーラム、メッセージ「ー過去・現在を未来へと架橋する「知のインフラ」を考えていくためにー」を発表

2020年6月4日、信州 知の連携フォーラムが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、メッセージ「ー過去・現在を未来へと架橋する「知のインフラ」を考えていくためにー」を発表しました。

信州 知の連携フォーラムは、信州大学附属図書館、長野県立歴史館、長野県信濃美術館、県立長野図書館により構成され、長野県内の知と学びに関わる各種文化施設が連携し、地域資源を共有し、新たな知識化・発信を通して地域住民の学びを豊かにすることで、地方創生につなげることを目的として2016年に発足しました。

メッセージでは、MLA(博物館・美術館、図書館、文書館)には過去・現在を未来へと架橋する責務があることを強調するとともに、同フォーラムの成果が「知のインフラ」として形となった「信州ナレッジスクエア」をさらに充実させること、新型コロナウイルス感染症の影響下にあっても、過去・現在の史料・資料を収集、保存、整理、発信する役割を担うMLAとして、連携を通じ新しい「知のインフラ」のあり方を考えていくことを表明しています。

福井県文書館、福井藩士の名簿データ約3,500人分をオープンデータとして公開

2020年6月2日、福井県文書館が、福井藩士の名簿データ約3,500人分をオープンデータとして公開しました。

歴代藩主ごとに作成された藩士名簿「給帳」(江戸時代前期分)のくずし字を解読し、ExcelとPDFの形式にデータ化して、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの表示4.0国際ライセンス(CC BY)のもと公開したもので、藩主の代ごとのものと全体を1つにまとめたものが作成されています。

また、データを利用して作成した成果物(論文やレポートなど)の寄贈を依頼しています。

お知らせ(新着情報)(福井県文書館)
https://www.library-archives.pref.fukui.lg.jp/bunsho/contents/newinfo/index.html
※2020年6月2日欄に「「給帳データセット」を公開しました!」とあります。

国文学研究資料館、アーカイブズ・カレッジ(史料管理学研修会)の地方開催継続を目的としたクラウドファンディングを開始

国文学研究資料館が、アーカイブズ・カレッジ(史料管理学研修会)の地方開催継続を目的としたクラウドファンディングを開始しています。

同館が、歴史記録の保存を担う人材(アーキビスト)の育成を目的に行っている「アーカイブズ・カレッジ」のうち、地方で開催する1週間の短期コースが、予算削減により2020年度から中止せざるを得なくなったことから、その継続のため実施されるものです。

目標金額を達成した場合、それをもとに、2021年から2年間、「アーカイブズ・カレッジ」を秋(10月・11月)に1週間開催するとともに(2021年:松江市、2022年:富岡町(福島県))、地方の危機という現実問題に取り組むために、これまでの蓄積を基にしながら、より現実即応型の人材育成とそのような人材による全国ネットワーク化を目指すとしています。そのうえで、3年目以降のさらなる事業展開を図っていくと説明されています。

また、人材育成に止まらず、開催地での市民向け講演会を開催し、一般社会にもアーカイブズの重要性を伝えていくとのことです。

目標金額は300万円で、期限は2020年8月7日の午後11時です。

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