2011年3月28日に英国情報システム合同委員会(JISC)は、図書館や博物館、文書館、そして大学等の公的機関が、著作権者が不明となっているいわゆる孤児作品(Orphan Works)にどのように対処したらよいか、また、今後孤児作品を生み出さないために、どのように対応すべきか等を説いた文書“Briefing Paper on Managing Orphan Works”を公開しています。
2011年3月30日に、アイルランドの文化財のデジタルアーカイブポータルサイト“DHO: Discovery”が公開されたようです。Royal Irish Academyのプロジェクトである“Digital Humanities Observatory”等によって開設されたこのポータルサイトでは、アイルランドにある、デジタル化された文化財等6,000点以上を検索することができるものとのことです。デジタル化された文化財の利用に際しては、その検索結果から遷移した各所蔵機関のウェブサイトで行うようで、現在のところ、Chester Beatty Library、Irish Traditional Music Archive、National University of Ireland, Galway、Queen’s University Belfast、Royal Irish Academy等が所蔵する、絵画資料、音楽資料、書簡資料、そして地図資料等が利用可能のようです。
2011年1月14日,欧州デジタル図書館“Europeana”が2011-2015年の戦略計画“Strategic Plan 2011-2015”を発表した。戦略計画の冒頭では,Europeanaの目的を,文化への新たなアクセス方法を提供し,欧州の社会的経済的発展を促すこと,と明確にしている。そしてその目的の達成には,デジタル化における知的所有権法制やデジタル化事業を加速することの必要性,長期的な財政基盤の確保が課題であると指摘し,戦略計画ではそれらの課題に立ち向かうためのアウトラインを示している。戦略計画は,次の4つのキーワードからなる戦略トラックで解説されている。...
2011年1月10日,欧州委員会(EC)情報社会・メディア総局の有識者委員会(Comite des Sages)が,報告書“The New Renaissance”をECへ提出した。報告書では,博物館,図書館,文書館等の文化機関の所蔵資料をデジタル化して公開することが,文化や知識へのアクセス向上につながり,教育面でも大きな効果があること,また,デジタル化の新たな技術とサービスの発展に寄与するとして,経済的な利益をもたらすものであると述べられている。そして報告書では,その環境整備のために,6項目の提言が示されている。各項目の主たる内容は次の通りである。...
英国国立公文書館(TNA)が、“Archives and Records Association ”と“Religious Archives Group”と共同で行なった、英国における宗教関係アーカイブズの調査結果を“Religious Archives Survey 2010”として公表しています。なお、同様の調査は2007年にも実施しているようです。