障害者

フランス・Hadopi、視覚障害者等の電子書籍利用に関するレポートを公開

2020年12月4日、フランスの「インターネットにおける著作物の頒布及び権利の保護のための高等機関(Haute Autorite pour la diffusion des oeuvres et la protection des droits sur Internet:Hadopi)」が、視覚障害者等の電子書籍利用に関するレポートの公開を発表しました。

公開されたレポートは、視覚障害や学習障害等を持つ人にとって電子書籍利用時に制約となっていることについてと、その内容を踏まえた、障害者が利用可能な電子書籍の提供における改善に関する評価と展望についての2本です。

視覚障害や学習障害等を持つ人にとって電子書籍利用時に制約となっていることに関するレポートは、2018年の6月から7月にかけて実施された質的調査をもとにしています。同調査では、視覚障害当事者10人、統合運動障害当事者1人、有識者4人へのインタビューが行われました。結論の箇所では、利用可能な書籍の充実、デジタルサービスにおけるアクセシビリティ対応、書籍の入手方法、電子書籍のリーダーやフォーマット等における互換性をはじめとした改善点が挙げられています。

日本建築協会による「第66回工高生デザインコンクール(設計課題:『現代』の茶室)」で「読まない図書館」をテーマとした作品が最優秀賞を受賞

2020年11月15日、三重県立四日市工業高等学校は、同校の2年生の在校生が「第66回工高生デザインコンクール」で最優秀賞を受賞したことを発表しました。

「工高生デザインコンクール」は、高校生の設計技能の向上を目的として、日本建築協会の主催により1955年から毎年開催されているコンクールです。2020年は『現代』の茶室を設計課題として開催され、119点の応募作品から入選作品が選出されました。

2020年の同コンクールでは「読まない図書館」をテーマとした作品が最優秀賞に選出されています。同作品は、図書館が障害を持つ人々にとって、公共建築として機能していないという設計者の経験をもとに制作されました。もてなす側ともてなされる側の一体感を非日常の空間で形成するという茶室の考え方に着想を得た、既存の図書館の敷地内に「一冊の本を通して、もてなす側ともてなされる側の一体感を感じられる非日常空間」である、と説明しています。

同作品は、既存の図書館に隣接した空間で障害を持つ人々がホストとなり、手話・点字・要約筆記等の様々な表現方法によって、図書館で本を借りた一般の人々に多様な体験を提供する場として設計されています。

同コンクールの入選作品は、日本建築協会の会誌『建築と社会』の2021年1月号に掲載される予定です。

燕市立図書館(新潟県)、「かんたんな手話を使った絵本の読み聞かせ講座」を開催

2020年12月12日、新潟県の燕市立図書館が、市内の中央公民館2階第1会議室で、「かんたんな手話を使った絵本の読み聞かせ講座」を開催します。

燕市聴覚障がい者協会が講師となり、手話による簡単なあいさつと手話を使った絵本の読み聞かせについて学ぶ講座です。参加するためには燕市立燕図書館への申し込みが必要で、定員は30人です。参加費は無料で誰でも参加することができます。

かんたんな手話を使った絵本の読み聞かせ講座(燕市立図書館,2020/12/4)
http://www.lib-city-tsubame.niigata.jp/event/event.html#20201212
http://www.lib-city-tsubame.niigata.jp/event/img/20TSU.pdf
※2つ目のリンクはチラシです。[PDF:117KB]

イタリアの視覚障害者の読書支援団体Fondazione LIA、電子書籍のアクセシビリティ向上に関する情報を提供するホワイトペーパーのドイツ語訳作成を発表

2020年11月27日、イタリア・ミラノに本拠を置く視覚障害者の読書支援団体Fondazione Libri Italiani Accessibili(LIA)は、電子書籍のアクセシビリティ向上に関する情報を提供するホワイトペーパーとして英語で作成した“E-Books for all: towards an accessible publishing ecosystem”について、ドイツ語訳化することを発表しました。

ホワイトペーパーのドイツ語訳化は、Fondazione LIAと、ドイツ図書流通連盟(Börsenverein des Deutschen Buchhandels)・ドイツ読書バリアフリーセンター(dzb lesen)の間で締結された合意に基づいて進められます。ドイツ語版のホワイトペーパーは2021年秋までに提供される予定です。

株式会社紀伊國屋書店、大学・公共図書館向け電子図書館サービスKinoDenに本文音声読み上げ機能を追加

2020年12月3日、株式会社紀伊國屋書店は、大学・公共図書館向け電子図書館サービスKinoDenにおいて、電子書籍の本文閲覧に際しインターネットブラウザを利用して音声読み上げができる機能を追加したと発表しました。発表では、「読書バリアフリー法」に基づく図書館での「アクセシブルな電子書籍」提供への期待の高まりに応えるもの、と述べています。

KinoDenが収録する電子書籍のうち、EPUBリフロー型フォーマットのタイプの中で出版社が許諾した電子書籍約3,000点が本文音声読み上げの対象となります。この機能は、現在はインターネットブラウザからの閲覧のみに限定しているものの、2021年前半にはKinoDenが採用する電子書籍アプリbREADER Cloud上でも実現する予定とあります。

株式会社ポニーキャニオン、視覚障害者・学習障害者向けの新しい読書支援サービス「YourEyes」を発表:2021年2月にサービス開始予定

2020年11月26日、株式会社ポニーキャニオンは、視覚障害者・学習障害者向けの新しい読書支援サービスとして、「YourEyes」を発表しました。

「YourEyes」は、アプリをスマートフォンにダウンロードし、本の書面を撮影することで、スマートフォンがその書面に書かれた内容を読み上げるサービスです。OCR(光学文字認識)技術とテキストデータの音声読み上げ機能(TTS)の組み合わせにより実現しています。読み上げには、HOYA株式会社の最新の音声合成エンジンReadSpeakerを採用しています。連続で本の書面を撮影することで、連続したページ読み上げが可能であり、読み上げ速度はアプリの画面に表示されたボタンで簡単に変更することもできます。

また、同社はボランティアに向けた本の読み上げ修正ツールも同時に発表しました。このツールによって、あらかじめボランティアがこのツールを使って読み上げ修正を行うと、YourEyesアプリは修正データを優先して読み上げるためOCRにおける文字の誤変換の問題を回避することができます。ボランティアツールはYourEyesのポータルサイトでWindows版、Mac版とも無償配布されます。

YourEyesアプリは、2021年2月にiOS版のサービスが開始する予定です。

独・ベルリン中央州立図書館(ZLB)、2020年の「ベルリン・インクルージョン賞」を受賞:重度障害を持つ職員の積極的な雇用が評価

2020年11月13日、ドイツのベルリン中央州立図書館(ZLB)は、同館が2020年の「ベルリン・インクルージョン賞(Berliner Inklusionspreis)」を受賞したことを発表しました。

「ベルリン・インクルージョン賞」は重度障害者への職業訓練や雇用において優れた取り組みを行う事業者を、ベルリン州が表彰する制度であり2003年から実施されています。ZLBは中規模事業者のインクルーシブな雇用部門で、2020年の「ベルリン・インクルージョン賞」に選出され、副賞として1万ユーロが授与されています。

ZLBの受賞理由として、重度障害を持つ職員を全職員の約1割に当たる34人雇用し法定要件を大きく上回っている点が、インクルーシブな労働市場の発展に特筆すべき貢献を行っていると評価されたことが挙げられています。

2020年度「北海道福祉のまちづくり賞」の公共的施設部門に釧路市中央図書館の入居する新釧路道銀ビルが受賞:複合建物の中に楽しみながら学ぶ新しい形の図書館として評価

2020年10月9日付の北海道の報道発表資料で、「令和2年度(2020年度)北海道福祉のまちづくり賞」の受賞者が発表されており、公共的施設部門に釧路市中央図書館(北海道)の入居する新釧路道銀ビルが受賞しています。

「北海道福祉のまちづくり賞」は、福祉的配慮に優れた事例を広く道民・関係事業者へ紹介することで普及啓発を図ることを目的として、1998年度から開始し2020年度で22回目を迎えます。

図書館の入居するフロアが分かりやすく構成され細やかな福祉的な配慮がなされていることや、複合建物ならではの動線確保・セキュリティー・災害時の安全性を重視しつつ多目的な利用を目指す街なかの図書館として「複合建物の中に楽しみながら学ぶ新しい形の図書館」であることなどが、新釧路道銀ビルの受賞理由に挙げられています。

日本図書館協会、文部科学省委託事業「読書バリアフリーに向けた図書館サービス研修」障害者サービス初級講座「すべての図書館で行ってほしい障害者サービスの実際」を実施

2020年9月30日、日本図書館協会(JLA)は、文部科学省委託事業「読書バリアフリーに向けた図書館サービス研修」障害者サービス初級講座「すべての図書館で行ってほしい障害者サービスの実際」を実施することを発表しました。

同講座は、JLA障害者サービス委員会の企画・運営により実施されます。都道府県立図書館等の職員を対象に、地域の障害者サービスをゼロから進展させるための研修会を体験し、そのノウハウを次年度以降の開催につなげるため、障害者サービスの理念・実際のサービス方法・障害者への配慮・機器の操作支援など、障害者サービスを初歩から学ぶ講座として開催されます。

同講座は、ウェブ会議サービスZoomを用いたウェブ参加と日本図書館協会2階研修室(東京都中央区)での直接参加を併用して行われます。全3日間の講座を2回実施し、第1回は2020年11月17日から19日、第2回は2021年2月1日、8日、15日の開催です。

ドイツ読書バリアフリーセンター(dzb lesen)、DAISY 2.02規格に対応しWindows 10で利用可能なDAISY図書再生用ソフトウェア“DAISY-Leser 2.1”を公開

2020年9月28日、ドイツ読書バリアフリーセンター(Deutsche Zentrum für barrierefreies Lesen:dzb lesen)は、DAISY 2.02規格に対応しWindows 10で利用可能なDAISY図書再生用ソフトウェア“DAISY-Leser 2.1”を公開したことを発表しました。

“DAISY-Leser 2.1”はマウスやキーボードで操作可能なDAISY図書再生用のソフトウェアです。図書内の特定の位置への移動、ページ番号の入力、任意の位置へのブックマークの設定、音声の速度や音量の調整、脚注の表示・非表示の切り替えといったDAISYの仕様が提供する多くの機能を利用することができます。ソフトウェアはdzb lesenのウェブサイトからインストール用ファイルをダウンロードすることで、無料で利用することができます。

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