リテラシー

公共図書館で少数言語で書かれた子ども向け資料を作成する取組み(フィリピン)

公共図書館を通じた経済・社会的発展を目指す"Beyond Access"のウェブサイトに、米国を基盤とした教育支援団体IREXと共同で行っている、フィリピンの少数言語の子供向け教材作成プロジェクトが紹介されています。

3年前の教育省の方針で、標準語の英語・フィリピン語に加えて、フィリピンの175の少数言語のうち19の言語が学校で教えられることになったが、子ども向けの教材となりうるそれらの言語の資料が不足していることがプロジェクト開始の背景にあります。

先週、アーダネータ市図書館で行われたワークショップでは、図書館員20名や、教師などが参加し、多言語の書籍を簡単に作成できるソフト“Bloom”を用いて、イロカノ語・パンガシナン語・ヒリガイノン語の図解辞典(picture dictionary)の作成や、フィリピン語の書籍の翻訳が行われ、2ダース以上の本が完成したとのことです。

Creating local language materials through libraries in the Philippines(Beyond Access,2016/6/9)

1日20分の読書を:ニューヨーク公共図書館、今年の夏休み読書チャレンジのテーマは“Get in the Game:Read”

ニューヨーク公共図書館(NYPL)の今年の夏休み読書チャレンジ(Summer Reading Challenge)が、“Get in the Game:Read”をテーマに、2016年6月9日から開始されました。

児童・生徒の夏休みの学力低下(summer slide)の防止を目的としており、子どもを含めて家族全員が、1日に少なくとも20分は読書をすることが呼びかけられています。

NYPLでは、20分読書用のカレンダーを配布しており、20分読書や図書館の行事への参加などへの「皆勤」を達成すると、ヘッドフォン・鉛筆・財布などの賞品がもらえるほか、書評コンテストへの参加資格を得ることができます。また、書評コンテストの優勝者は、8月17日のヤンキースタジアムで試合前に行なわれるセレモニーに招待されます。

The New York Public Library Challenges Kids and Parents To Read 20 Minutes A Day This Summer(NYPL,2016/6/6)
http://www.nypl.org/press/press-release/june-6-2016/new-york-public-library-challenges-kids-and-parents-read-20-minutes

参考:

2016年、大学・研究図書館のトレンド(記事紹介)

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)が刊行している“College & Research Libraries News”(C&RL News)の2016年6月号に,2016年における大学・研究図書館のトレンドを紹介した記事“2016 top trends in academic libraries”が掲載されています。

紹介されているトレンドは以下の通りです。

・Research data services (RDS)
・Data policies and data management plans
・Professional development for librarians providing RDS
・Digital scholarship
・Collection assessment trends
・ILS and content provider/fulfillment mergers
・Evidence of learning: Student success, learning analytics, credentialing
・Digital fluency in the Framework
・Critical information literacy in the Framework
・Altmetrics

米・シカゴ公共図書館長、ビジネス誌の「ビジネスの世界でもっとも創造的な100人」に選ばれる

米国のビジネス誌ファストカンパニーが選ぶ“The Most Creative People in Business for 2016”の1人に、シカゴ公共図書館の館長バノン(Brian Bannon)氏が選ばれました。

ポータブルWi-Fiやタブレットの貸出し、オン/オフラインを組み合わせた「学習サークル」の運営、STEM分野の早期教育センターの設置といったような、「学び」や新しい技術への民主的なアクセスにリーダーシップを発揮したことが評価されたようです。

Twitter (@ChicagoPublicLibrary,2016/5/17)
https://twitter.com/chipublib/status/732334065471397889

The Most Creative People in Business for 2016
Brian Bannon Commissioner, Chicago Public Library | Chicago
http://www.fastcompany.com/person/brian-bannon

参考:
シアトル公共図書館(SPL)の無料Wi-Fiホットスポット貸出の現状(記事紹介)
Posted 2015年7月14日

低所得者層ほどオンラインの学習資源を活用できていない:米・Georgia Institute of Technologyによる調査

2016年5月7日から12日まで、米・カリフォルニア州サンノゼで開催されていた、米国コンピュータ学会(ACM)のCHI(コンピュータ・ヒューマン・インタラクション)2016のカンファレンスで、Georgia Institute of TechnologyのBetsy DiSalvo氏らによるグループが、貧富の差による学力差やデジタル格差を解消するための試みとして行なわれている、無料のオンライン教育プログラムの提供が、かえって格差が拡大させているとの調査結果を発表しています。

高所得者層では、親が、学校外の学習機会を調べ、それを子どもに提供する機会が多いのに対して、低所得者層は、そのようなリソースに関心がなかったり、関心があったとしても、調べるための技術的なスキルが低かったりすることが背景にあると指摘されています。

DiSalvo氏は、オンライン学習資源によって低所得層の子どもたちの学習を支援すると考えるのであれば、彼らの両親にオンライン学習リソースに関心を持ってもらうとともに、教育資源へのアクセス機会を提供することが必要であると述べています。

Lower Income Families Less Likely to Use Online Learning Tools (Georgia Institute of Technology,2016/5/12)

韓国・ソウル大学合格者の読書傾向(記事紹介)

2016年4月27日付の韓国・中央日報の江南通新に、ソウル大学に、内申点やサークル活動、ボランティア活動、読書活動などで評価する「随時募集」(推薦入試)で合格した82名の、それらの活動内容について分析した記事が掲載されています。

ソウル大学の「随時募集」では、志願者は、提出する自己紹介書に、高校在学中に読んだ印象深い本を3冊以内であげ、読んだ契機・本の評価・読んだことによる影響を記述することになっており、記事によると、合格者は平均35冊の本を読んでおり、その内容も、進路に関係する本を中心に、特定分野に偏らずに、人文・社会・自然科学各分野を幅広く読んでいる学生が多かったとされています。

人文系の合格者では『世界の半分が飢えるのはなぜ?』(ジャン・ジグレール)等を読みつつ、自然科学系の書籍も読んでおり、自然科学系の合格者は自然科学系では『利己的な遺伝子』(リチャード・ドーキンス)を、人文・社会科学系では『世界の半分が飢えるのはなぜ?』が良く読まれているとのことです。

韓国・国立子ども青少年図書館、2種類のセット貸出サービスを開始

韓国・国立子ども青少年図書館が、2種類のセット貸出サービスを開始しています。

2016年4月21日には、子ども図書館、学校図書館、多文化家族支援センターの読書活動を支援するため「外国児童資料機関貸出」を開始しました。

これは、同館所蔵の約49,800冊の外国児童資料を「海外文学賞受賞作」「世界の絵本」「多文化資料」等の分野別のセットとして構成したもので、申請機関は、それらのセットを読書活動・授業の教材・展示等で活用することができるようになっています。

現在は、ソウル特別市・京畿道・仁川広域市のみが対象ですが、今年後半には全国に拡大する予定となっています。

また、2016年5月2日からは、農漁村の中学校・分校などの青少年の読書水準の格差を解消することを目的とした、訪問カスタマイズ型読書文化プログラム「図書館の宝箱」への利用申請を開始しています。

教師による読書文化プログラムを支援するために、テーマ別の選定図書や読後活動に必要な物品を入れたボックスを貸出すもので、現在は「図書館」「想像力」「友人」など16のテーマが用意されており、5月から12月まで14校を対象に貸出しを実施する計画となっています。今後は4テーマを追加し来年は20テーマで実施する予定とのことです。

公共図書館でケーブルテレビ視聴サービスを提供するか否か(米国)

米・カンザス州のトペカ郡・ショウニー郡公共図書館が、メディアルームでのケーブルテレビの視聴を中止したことを受け、同館で地元の野球球団カンザスシティーロイヤルズの試合を仲間と視聴してきたTom Shadoin氏が請願を行なう予定であることが、2016年5月7日付けの地元紙“Topeka capital journal”で報じられています。

2014年の住民調査での、図書館はリテラシー・生涯学習・コミュニティー支援に力を入れるべきだとの回答を受けて解約することになったという館側の説明に対して、Shadoin氏は、図書館が実施している美術や工芸のワークショップや古典映画の上映等が、リテラシーに役立っているか不明であり、また、それらが含まれるのであれば情報センターである図書館で、ニュースを伝えるケーブルテレビの視聴も認めないのはダブルスタンダードであると主張しています。

同館のCEOであるGina Millsap氏は、メディアルームでのケーブルテレビの視聴が少ない現状や、多くの番組があり住民各々で好みが分かれるなかで提供することの難しさをあげる一方、作業を開始している同館の新しい施設計画においてケーブルテレビを視聴できる場所が除外されていないことが報じられています。

韓国・ソウル特別市陽川区で英語専門図書館が開館

2016年4月19日、韓国・ソウル特別市陽川区が、同区のヘヌリタウン7階に英語専門図書館を開館したと発表しています。

既存の子ども英語図書館と英語体験センターを改修したもので、約5万冊の図書があり、そのうち3万5千冊が英語関連書籍で、子どもが理解しやすい絵本から大人用の英語の原書まで、多様なテーマの書籍が備えられています。

また、3万5千冊のうち2,530冊は、地域の住民・企業・宗教団体からの寄贈によるもので、寄贈本をもとにして、「参加型書架コーナー」も作成したとのことです。

書籍以外にも、子ども英語資料室、語学室(2部屋)、プログラム室(2部屋)、ストーリーテリングルーム、海外姉妹都市資料室(中国・北京市朝陽区、日本東京都・中野区、オーストラリア・ニューサウスウェールズ州バンクスタウン)などがあり、語学室では子どもたちのために英語教育空間として整備する計画となっています。

来月からは地域の小学校や地域児童センターなどの推薦を受けて、

・アニメを活用した英語ベースキャンプ
・書籍や視聴覚資料を活用した英語体験教室
・キッズドリーム英語教室

などを無料で提供するとのことです。

양천구 영어특성화도서관 개관(陽川区,2016/4/20)

米OverDrive社、小学生に電子書籍コレクションを提供する“K-5 QuickStart”を開始

2016年3月14日付で、米OverDrive社は、子どもたちの読書促進とデジタル学習を推奨し、リテラシーの養成する取組として、“K-5 QuickStart”を開始することを発表しています。

“K-5 QuickStart”では、電子書籍はブラウザベースの電子書籍リーダー“OverDrive Read”を通じて提供され、利用に制限はなく、1つの学校当たり499ドルが使用料となるとのことです。

プロのナレーターによる読み上げを流すことが可能な “Read-along”の電子書籍を含め、5つの出版社と提携し、200冊の電子書籍コレクションが提供され、これらは教室だけでなく家でも電子書籍へのアクセスが可能となるとのことです。

eBooks for K-5 Students Now!(OverDrive)
http://company.overdrive.com/education/k-5-quickstart/

OverDrive Launches QuickStart eBook Collection to Promote Reading in Elementary Schools(OverDrive, 2016/3/14)

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