ライセンス契約

欧州のアカデミー組織連盟“All European Academies”、オープンアクセスにおける公平に関する声明を発表

2021年10月25日、欧州のアカデミー組織連盟である“All European Academies”(ALLEA)が、オープンアクセス(OA)における公平に関する声明“Equity in Open Access”を発表しました。

発表の中では、同声明は、2021年10月25日から30日にかけてのオープンアクセスウィーク(International Open Access Week)のテーマ“Open with Purpose: Taking Action to Build Structural Equity and Inclusion”を踏まえたものであること等が述べられています。

声明では、論文処理費用(APC)が必要なゴールドOAは、アクセスにおける障壁を参加への障壁に置き換えるものであると指摘しています。また、図書館コンソーシアムと商業出版者の間での転換契約は、大手商業出版者の市場支配力を強め、小規模な出版者が不利になるリスクがあること、対象に含まれない分野の研究者や若手研究者、グローバル・サウスの研究者のニーズが考慮されていないこと等を述べています。

米・Ithaka S+R、北米の学術図書館におけるストリーミングメディアへの対応に関する大規模調査を開始

米・Ithaka S+Rは、2021年10月21日付けのブログ記事において、北米の学術図書館におけるストリーミングメディアへの対応に関する大規模調査を開始したことを発表しています。ストリーミングメディアの定義については、ビデオ・オーディオコンテンツを含む広範なもの、と述べています。

発表によれば、今回の調査は「高等教育におけるストリーミング」に関するこれまでで最も包括的な調査であり、米国の各4年制大学の代表者と、カナダ研究図書館協会(CARL)の各図書館の代表者に直接招待状を送付しています。調査内容は図書館のストリーミングメディア戦略であり、調査結果は2022年春に公開される予定です。

今回の調査は、Ithaka S+Rが2021年夏に発表した新プロジェクトの一環です。このプロジェクトは、ストリーミング市場の動向評価や、ストリーミングメディアを用いた授業に関する指導方法や支援ニーズの調査を行うものであり、米国等の大学図書館24館と協力して実施しています。

フランス・ロレーヌ大学、同大学のIEEEおよびSpringer Nature社との学術誌購読契約キャンセルについてコミュニティでのアンケート結果を公開

2021年10月19日、フランスのロレーヌ大学が、同大学によるIEEEおよびSpringer Nature社との学術誌購読契約キャンセルに関して、コミュニティ内で実施したアンケートの結果を掲載しました。

同大学は、価格高騰を受け、2018年にSpringer Nature社、2019年にIEEEとの学術誌のパッケージ契約の更新を行わないことを決定しました。同アンケートは、2020年9月14日から10月19日にかけて、研究活動における契約キャンセルの影響と、同大学の対応についての研究者からの意見を知ることを目的に行われました。寄せられた回答の内の393件をもとに、結果がまとめられています。

70%が契約キャンセルによる影響を全く受けていない、あるいは軽度な影響のみであったと回答したと述べられています。代替手段としては、HALやarXivをはじめとしたオープンアクセスリポジトリやSci-Hubが多く用いられていると指摘しています。また、73%は同大学の学術誌に関する契約やオープンサイエンスへの取組を支持すると回答したとあります。

Springer Nature社、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)と転換契約を締結

2021年10月20日、Springer Nature社は、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)と転換契約を締結したと発表しました。

同社にとってはアジア・太平洋地域で初となる転換契約であり、CAULにとってはこれまでで最大規模の転換契約です。参加機関の研究者は、学術誌2,000誌以上において研究成果をオープンアクセス(OA)で公開できるようになるほか、Springer、Palgrave、 Macmillan、Adisのポートフォリオに含まれる学術誌2000誌以上やnature.com上の学術誌にアクセス可能となります。

発表によれば、この枠組みはコンソーシアムレベルで合意されたものであり、CAULのメンバー(オーストラリア及びニュージーランドの47大学)と、外部の7機関が適用対象になります。

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)と転換契約を締結

2021年10月14日、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)は、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)と転換契約(transformative agreement)を締結したと発表しました。2022年の同出版局刊行学術誌におけるオープンアクセス(OA)出版を支援するものです。

オプトイン方式の契約であり、CAULに加盟する39大学とニュージーランド大学図書館員協議会(CONZUL)に加盟する8大学は、2022年の契約への参加を選択できます。契約参加機関の所属研究者は380誌以上の学術誌に論文が掲載できるようになるほか、機関が現在購読している同出版局の学術誌コレクションへのアクセスが可能になります。

CAULのBob Gerrity氏は、今回の契約により、オーストラリア・ニュージーランドの大学に所属する研究者にとってOA出版の機会が大幅に増加したとコメントしています。

米・アイオワ州立大学におけるオープンアクセス契約と研究者の機会の拡大(記事紹介)

米・アイオワ州立大学(ISU)図書館は、2021年10月13日付で、オープンアクセス(OA)契約と研究者の機会の拡大について述べた記事を公開しました。

ISUは、2019年にDe Gruyterと初めてオープンアクセス契約を締結しました。以降、PLOS、Frontiers、オックスフォード大学出版局(OUP)、Wiley等の10を超える出版者とOA契約を取り交わしてきました。

初期のオープンアクセス契約のインパクトは僅かでしたが、2020年にはISU教員による200報以上のジャーナル論文の出版をサポートしました。インパクトが大きくなった要因として、より多くの研究者が大学図書館の宣伝とオープン・スカラーシップ・サービスに関する新ウェブサイトを通じて、OA契約について学んだことが挙げられています。200報以上のジャーナル論文の半分近くは動物科学学科と獣医学部によるものであり、契約を締結しているOUPとFrontiersが動物科学、遺伝学、獣医学の分野で優れたジャーナルを有することが主な要因として挙げられます。

Wileyと新たにOA契約を締結したことと、Frontiersの人気によって、2021年にOA契約によって出版される論文は2020年の約2倍になるとしています。

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、「学術コミュニケーションセミナー(月刊JPCOAR)」を開催

2021年9月27日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)が、学術コミュニケーションセミナー(月刊JPCOAR)の第1回から第3回の申込受付を開始したことを発表しました。

同セミナーは、2020年に開催された連続オンライン講座「学術コミュニケーション技術セミナー(JPCOAR Monday)」の後継セミナーであり、月1回程度開催される予定です。

開催時期およびテーマは以下の通りです。

・第1回:学術情報流通の情報収集に役立つサイト紹介(10月19日)
・第2回:チャプターレベルのメタデータ流通(11月17日)
・第3回:研究データ管理・利活用とNII研究データ基盤(NII Research Data Cloud)(12月7日)
・第4回:学術情報流通周辺話題(2022年1月)
・第5回:学術情報流通のオープン化をめぐる諸問題(2022年2月)
・第6回:デジタルアーカイブとメタデータ流通(2022年4月)
・第7回:事例報告1(2022年5月)
・第8回:電子ジャーナル契約とオープンアクセス(2022年6月)
・第9回:事例報告2(2022年7月)

英・Jiscら、電子書籍とデジタル教科書への公平で持続可能なアクセスに関する共同声明を発表

2021年10月6日、英国のJiscが、電子書籍とデジタル教科書へのアクセスに関する共同声明を発表しました。

高等教育・継続教育に関わる学生・教員が、電子書籍とデジタル教科書に公平で持続可能なアクセスを確保できるよう支援するとしています。そのために、より良い条件の交渉に共同で取り組み、教職員と協力して手頃な代替策を講じ、方針に影響を与えると述べています。加えて、建設的・積極的に出版者やコンテンツ提供者と協力して、学生や学術的ニーズを支援する手頃で持続可能なモデルを導入し、サプライチェーン全体の効率を最大化するとあります。

発表時点では、Jiscの他に、英国図書館情報専門家協会(CILIP)、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)をはじめとした8機関が署名しています。

また、具体的に取り組む内容を示したブリーフィングペーパー2件とポジションペーパー1件も併せて公開されています。

EBSCO社、2022年の学術雑誌価格上昇の予測値を個別タイトルで3%から5%、パッケージで1%から3%と発表

2021年9月30日、EBSCO社が、“Serials Price Projection Report 2022”を発表し、2022年の大学・医学図書館向けの学術雑誌の価格上昇の予測値を公表しています。これによると、外国為替レートを考慮しない場合、個別タイトルでは3%から5%の、パッケージでは1%から3%の上昇になると予測されています。

その他、同レポートでは、新型コロナウイルス感染症やオープンアクセス(OA)といった価格設定に影響する要因等についてまとめられています。

米・SPARC、学術図書館における新型コロナウイルス感染症の財政的影響や対応等についての調査結果を公開

2021年9月20日、米・SPARCが、学術図書館における新型コロナウイルス感染症の財政的影響や対応等についての調査結果の公開を発表しています。

同調査は、パンデミックによりもたらされた予算面での課題や対応について、それらがコンテンツ・コレクション・オープンアクセス(OA)に関する取組等へのアプローチに及ぼした影響に焦点を当てつつ、明らかにするために実施されました。調査期間は2021年1月19日から2月26日までで、米国・カナダ・オーストラリアの機関から、117件の完全な回答と20件の部分的な回答が寄せられました。

主な結果として、以下をはじめとした内容が挙げられています。

・80%近くの図書館が、新型コロナウイルス感染症による予算削減を余儀なくされ、多くが継続的な予算削減となる可能性が高いと考えている。

・多くの図書館が、出版者との契約に関する再交渉や、ビッグディール契約の見直し(個別契約への変更)を行っている、または、行うことを検討していると回答した。

・OAに関する取組への次年度の投資は、50%が現状維持、35%が増加すると回答した。

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