農業が基幹産業である地域にとって,農家の生活や所得の向上は重要な課題である。農業発展への取組みのパートナーとして,公共図書館に着目する動きがある。国際NGOであるEIFL(Electronic Information for Libraries)の公共図書館イノベーションプログラム(PLIP)では,ICTを活用して農業支援プログラムに取り組む各国の図書館に着目し,複数の革新的なプログラムに対し資金提供をするなどして,支援している。2011年から2012年にかけて行われたEIFLから1万5,000米ドルの助成金が提供された5つの事例について,それらが農家の生活・所得向上に貢献したことが報告されている。その中には,ベーシックなICTの利活用の研修プログラムから,日本にはあまり見られない実践も含まれており,興味深い。...
助成図書館として紹介しているのは、農家支援を行なった5つの公共図書館です。その5館とは、オーガニック農法とオンライン販売への関心を高める農家にモバイルでのICT研修を提供したアルメニアのBerd Public Library、遠隔地の農家に対してインターネット等の使い方支援をしたコロンビアのPublic Library Laboratorio del Espiritu、ウェビナーを利用して農家と農業の専門家との橋渡しをしたラトビアのKlintaine Public Library、農家向けにモバイルでの情報提供とビジネス支援サービスを提供したリトアニアのPasvalys Marius Katiliskis Public Library、INFOBUSという図書館バスで農村をめぐり農家が助成金を得る支援をしたマケドニアのRegional public and university library Goce Delcev-Stipです。
欧州の“European Year of Volunteering 2011”に併せて、リトアニア国内の350館以上の公共図書館が、図書館のボランティアを呼び掛けているようです。この“Bibliotekos pažangai”(イノベーションのための図書館)と名付けられたプログラムは、リトアニア国立図書館のイニシアティブのもとで進められているもので、書架整理やイベント運営、利用者のICTスキルの支援のほか、図書館員に対してコンピューターのデザインスキルを教えるボランティアも求められているようです。プログラム参加館へのボランティア協力者は、2011年末までに3,000名を超えると予想されているようです。
U.S. Embassy Donates 1000 Books to Lithuanian Libraries to Mark Lithuania’s Millennium(BNS Spaudos centras 2009/11/30付けの記事) http://sc.bns.lt/index.php?item=84235