SPARC

米・SPARC、火災被害を受けた南アフリカ共和国・ケープタウン大学図書館への支援実施を発表

2021年5月18日、米・SPARCが、火災被害を受けた南アフリカ共和国・ケープタウン大学図書館への支援の実施を発表しました。

ケープタウン大学図書館は、同館“Jagger Library”の閲覧室が火災被害を受けたことを4月18日に発表していました。SPARCは、同大学の特別コレクションの写真やスキャン画像の募集、寄付金の募集を行っています。

Assisting in Recovery from the UCT Library Fire(SPARC, 2021/5/18)
https://sparcopen.org/news/2021/assisting-in-recovery-from-the-uct-library-fire/

米・SPARCが組織する“OER Discovery Working Group”、オープン教育資源(OER)の発見可能性を高めるためのメタデータのフレームワークを提案した文書を公開

2021年3月12日、米・SPARCは、米国・カナダの図書館員・情報専門職のワーキンググループが、オープン教育資源(OER)を検索で容易に発見可能とするための基準を作成したことを発表しました。

SPARCはオープンエデュケーションプログラムの一環として、最適なタグの欠如等のためOERの検索による発見が困難な状況を改善するため、米・フロリダ州立大学図書館のトーマス(Camille Thomas)氏を中心とするワーキンググループ“OER Discovery Working Group”を組織しました。ワーキンググループでは、ベストプラクティスの情報収集やメタデータ標準に関する議論・検討が進められました。

ワーキンググループは、MARC21・ダブリンコア・Schema.orgといった既存のメタデータ標準の語彙を、OERで求められるニーズに適用・翻訳した文書として“OER Metadata Rosetta Stone”を作成しGoogleドキュメント上で公開しました。OERのメタデータを、タイトル・著者・主題・ライセンスを示したURLなどの「必須」レベル、受講対象者・貢献者・編集者など情報源から確認できる場合には記述が必要な「推奨」レベル、ページ数・出版者・場所などの「任意」レベルの3種類の要素に分けて提案しています。

オープンアクセス(OA)と著者の権利:米・ハーバード大学OA方針の批判的検討(文献紹介)

2020年10月20日付で、英国逐次刊行物グループ(UKSG)が刊行するInsights誌に、米・ペンシルベニア大学出版局のPatrick H. Alexander氏の論文“Open Access and Author Rights: Questioning Harvard’s Open Access Policy”が掲載されています。

同論文は、多くの大学や研究機関のオープンアクセス(OA)方針のモデルとなっている米・ハーバード大学のOA方針を中心的に取り上げながら、OAと著者の権利を論じた内容です。OA運動に関する中心的な理論家Peter Suber氏の著書“Open Access”や、米・SPARCの発表した「著者の権利」の留保モデル、米国著作権法(合衆国法典第17編)等から、OA運動においても研究者は著者として自身の成果物の著作権を完全に保持すべきであることを確認した上で、同大学及び後続する様々な機関のOA方針が、大学・機関へ著者が著作権に基づく権利を譲渡する内容になっていることを指摘しています。

2020年のオープンアクセスウィークのテーマは“Open with Purpose: Taking Action to Build Structural Equity and Inclusion”

2020年8月31日、米・SPARCが、2020年のオープンアクセスウィーク(International Open Access Week)のテーマを“Open with Purpose: Taking Action to Build Structural Equity and Inclusion”と発表しました。

2018年(テーマ“Designing Equitable Foundations for Open Knowledge”)及び2019年(テーマ“Open for Whom? Equity in Open Knowledge”)開催時の議論に基づき、2020年も3年連続で公平性と包摂性に関する行動が急務であることに焦点を当てており、この事業を中心に据え続けることの緊急性を強調しています。

オープンアクセスウィークは毎年10月に、世界各地でオープンアクセスに関連する様々なイベントを開催する取り組みで、今年は10月19日から25日にかけて行われます。

米・SPARC、Internet Archive(IA)による“Controlled Digital Lending”に基づく事業への支持を表明

2020年6月29日、米・SPARCはウェブサイト上で、Internet Archive(IA)による“Controlled Digital Lending”に基づく事業への支持を表明しました。

SPARCの声明は、2020年6月に複数の出版社がInternet Archive(IA)に対する著作権侵害訴訟を提訴したことを受けて発されました。SPARCはIAが世界中の知へのアクセスの民主化にとって重要な役割を果たしていることを指摘した上で、冊子体の図書館の貸出を模して電子的な複製物を「1部1ユーザー」で貸出するIAの“Controlled Digital Lending”は、新型コロナウイルス感染症による危機の中で学生・教員・研究者を支援する学術図書館にとっても特に重要な意義を持つものとして言及しています。

SPARCは、IAの“Controlled Digital Lending”に基づく事業を擁護する立場表明(Position Statement)へ他の図書館コミュニティとともに署名済であり、未署名の図書館関係者へも署名を奨励することを明らかにしながら、“Controlled Digital Lending”への支持を表明しています。

米・SPARC、学術出版界に関する包括的な現況分析と現況を踏まえた高等教育機関向けの行動のためのロードマップについて2020年更新版を公開

2020年6月22日、米・SPARCは、2019年中に公開済の学術出版界に関する包括的な現況分析“Landscape Analysis”と現況を踏まえた高等教育機関向けの行動のためのロードマップ“Roadmap for Action”について、2020年更新版を作成し公開したことを発表しました。

SPARCが公開した2020年更新版は、2019年中の出来事や新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済的な影響を検証し、学術出版市場の状況・関連主要企業の状況に関する最新情報を提供しています。更新版の現況分析では、注目すべき傾向として以下の3点が挙げられています。

・主要出版社における研究評価分野への進出傾向の深化
・Get Full Text Research(GetFTR)のような主要出版社の共同プラットフォームによる研究成果物の流通
・コンテンツへのライセンス契約がデータ分析サービスの契約に直結する新たな「ビッグディール」契約の出現

更新版の行動のためのロードマップでは、データ分析関連製品・サービスの購入の指針となる原則の確立を特に重視して、コミュニティが検討すべき行動の提案が行われています。

McGraw-Hill社とCengage社の合併計画が中止に

2020年5月4日、教育出版大手のMcGraw-Hill社とCengage社は共同して、2019年5月に発表した両社の対等合併計画の中止について、相互に合意したことを発表しました。

合併計画の中止は両社の取締役会において全会一致で承認され、合併の中止に伴う違約金は相互に発生しないことを確認しています。

両社の合併計画反対を主導してきた米・SPARCも同日付で合併中止を取り上げ、Open Education部門のDirectorを務めるNicole Allen氏が、「学生・教員・教科書価格の競争維持の勝利である。反競争的な慣行の広まった教科書出版業界において、この合併計画の阻止は、教科書価格の上昇・技術革新の阻害・学生のデータの悪用といった好ましくない事態の回避に成功したことを意味する」とコメントしています。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)と米・SPARC、米・OSTPの研究データリポジトリの特性に関する情報提供依頼書(RFI)へ共同回答を提出

2020年3月3日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、米国大統領府科学技術政策局(OSTP)の研究データリポジトリの特性に関する情報提供依頼書(RFI)について、米・SPARCと共同作成した回答を公開しました。

OSTPは2020年1月17日付で、政府助成研究による研究成果物のデータ管理と共有を行うデータリポジトリの望ましい特性に関する草案について、3月6日を期限としてパブリックコメントに付しており、COARとSPARCはこの草案のRFIへ2020年3月3日付で共同回答しています。両者は、リポジトリ上でのデータ管理に関するベストプラクティスを活用することとリポジトリに求める要件が複雑になりすぎないことの間でバランスをとることを意図して回答を作成した、としています。回答では草案に関する全般的なコメントとして以下の5点が示されています。

・草案で示された特性の多くを支持するが、ポリシーの目的(アクセス、公正性など)とその目的達成のための実践(メタデータ、ライセンスなど)とを区別するための再編成を提案すること、及びポリシーが望ましい特性を示しつつ中核的な重要な特性群を含めることができれば、長期的なリポジトリの実践の改善に資すること

ビッグディール契約中止の経緯と対応、中止の影響:フロリダ州立大学の場合(記事紹介)

米SPARCのウェブサイトに、2019年3月にElsevier社とのビッグディール契約を中止したフロリダ州立大学(FSU)の図書館長と契約チームに対し、契約中止に至った経緯や中止決定にあたっての対応、中止の影響等を尋ねた記事”Elsevier Exit: Q&A with Florida State University about their Big Deal Cancellation(s)”が掲載されています。

契約中止にあたってどのように教員を巻き込みつつ意思決定を行っていったかといった経緯に加え、円滑に契約中止への理解を得るために必要なことや、中止によってどの程度の予算の節約ができたのか、中止の影響は、といった内容がまとめられています。同記事によれば、購読契約中止によって100万ドル程度の予算の節約につながり、従来は購入できなかった人文社会系のコンテンツ拡充等につながっているとされています。また、契約中止への対応として記事送信サービスReprint Deskを導入したものの、意外に従来通りの文献複写サービスがよく利用されていると述べられています。

米国政府の政府助成研究の即時オープンアクセス(OA)義務化方針案を支持する利害関係者団体・反対表明を撤回した利害関係者団体の一覧(記事紹介)

米・SPARCは2020年1月27日付で、米国政府で検討されていると噂される政府助成研究の即時オープンアクセス(OA)義務化方針案の最新状況を解説した記事を公開しました。

SPARCは同記事の中で、SPARCが現行のOAに関する方針の改訂を強く支持しておりすでに政府に対してその旨を示した書簡を送付済であることを示した上で、即時OA義務化方針案については、学生、研究者、患者・支援団体、出版社に至るまで幅広い利害関係者が支持を表明していることを指摘しています。SPARCは次のような義務化方針案への支持表明の書簡を紹介し、記事内でリンクを提供しています。また、紹介した以外の団体の支持表明についても確認次第記事内のリストに追加する、としています。

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