SPARC

2020年のオープンアクセスウィークのテーマは“Open with Purpose: Taking Action to Build Structural Equity and Inclusion”

2020年8月31日、米・SPARCが、2020年のオープンアクセスウィーク(International Open Access Week)のテーマを“Open with Purpose: Taking Action to Build Structural Equity and Inclusion”と発表しました。

2018年(テーマ“Designing Equitable Foundations for Open Knowledge”)及び2019年(テーマ“Open for Whom? Equity in Open Knowledge”)開催時の議論に基づき、2020年も3年連続で公平性と包摂性に関する行動が急務であることに焦点を当てており、この事業を中心に据え続けることの緊急性を強調しています。

オープンアクセスウィークは毎年10月に、世界各地でオープンアクセスに関連する様々なイベントを開催する取り組みで、今年は10月19日から25日にかけて行われます。

米・SPARC、Internet Archive(IA)による“Controlled Digital Lending”に基づく事業への支持を表明

2020年6月29日、米・SPARCはウェブサイト上で、Internet Archive(IA)による“Controlled Digital Lending”に基づく事業への支持を表明しました。

SPARCの声明は、2020年6月に複数の出版社がInternet Archive(IA)に対する著作権侵害訴訟を提訴したことを受けて発されました。SPARCはIAが世界中の知へのアクセスの民主化にとって重要な役割を果たしていることを指摘した上で、冊子体の図書館の貸出を模して電子的な複製物を「1部1ユーザー」で貸出するIAの“Controlled Digital Lending”は、新型コロナウイルス感染症による危機の中で学生・教員・研究者を支援する学術図書館にとっても特に重要な意義を持つものとして言及しています。

SPARCは、IAの“Controlled Digital Lending”に基づく事業を擁護する立場表明(Position Statement)へ他の図書館コミュニティとともに署名済であり、未署名の図書館関係者へも署名を奨励することを明らかにしながら、“Controlled Digital Lending”への支持を表明しています。

米・SPARC、学術出版界に関する包括的な現況分析と現況を踏まえた高等教育機関向けの行動のためのロードマップについて2020年更新版を公開

2020年6月22日、米・SPARCは、2019年中に公開済の学術出版界に関する包括的な現況分析“Landscape Analysis”と現況を踏まえた高等教育機関向けの行動のためのロードマップ“Roadmap for Action”について、2020年更新版を作成し公開したことを発表しました。

SPARCが公開した2020年更新版は、2019年中の出来事や新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済的な影響を検証し、学術出版市場の状況・関連主要企業の状況に関する最新情報を提供しています。更新版の現況分析では、注目すべき傾向として以下の3点が挙げられています。

・主要出版社における研究評価分野への進出傾向の深化
・Get Full Text Research(GetFTR)のような主要出版社の共同プラットフォームによる研究成果物の流通
・コンテンツへのライセンス契約がデータ分析サービスの契約に直結する新たな「ビッグディール」契約の出現

更新版の行動のためのロードマップでは、データ分析関連製品・サービスの購入の指針となる原則の確立を特に重視して、コミュニティが検討すべき行動の提案が行われています。

McGraw-Hill社とCengage社の合併計画が中止に

2020年5月4日、教育出版大手のMcGraw-Hill社とCengage社は共同して、2019年5月に発表した両社の対等合併計画の中止について、相互に合意したことを発表しました。

合併計画の中止は両社の取締役会において全会一致で承認され、合併の中止に伴う違約金は相互に発生しないことを確認しています。

両社の合併計画反対を主導してきた米・SPARCも同日付で合併中止を取り上げ、Open Education部門のDirectorを務めるNicole Allen氏が、「学生・教員・教科書価格の競争維持の勝利である。反競争的な慣行の広まった教科書出版業界において、この合併計画の阻止は、教科書価格の上昇・技術革新の阻害・学生のデータの悪用といった好ましくない事態の回避に成功したことを意味する」とコメントしています。

オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)と米・SPARC、米・OSTPの研究データリポジトリの特性に関する情報提供依頼書(RFI)へ共同回答を提出

2020年3月3日、オープンアクセスリポジトリ連合(COAR)は、米国大統領府科学技術政策局(OSTP)の研究データリポジトリの特性に関する情報提供依頼書(RFI)について、米・SPARCと共同作成した回答を公開しました。

OSTPは2020年1月17日付で、政府助成研究による研究成果物のデータ管理と共有を行うデータリポジトリの望ましい特性に関する草案について、3月6日を期限としてパブリックコメントに付しており、COARとSPARCはこの草案のRFIへ2020年3月3日付で共同回答しています。両者は、リポジトリ上でのデータ管理に関するベストプラクティスを活用することとリポジトリに求める要件が複雑になりすぎないことの間でバランスをとることを意図して回答を作成した、としています。回答では草案に関する全般的なコメントとして以下の5点が示されています。

・草案で示された特性の多くを支持するが、ポリシーの目的(アクセス、公正性など)とその目的達成のための実践(メタデータ、ライセンスなど)とを区別するための再編成を提案すること、及びポリシーが望ましい特性を示しつつ中核的な重要な特性群を含めることができれば、長期的なリポジトリの実践の改善に資すること

ビッグディール契約中止の経緯と対応、中止の影響:フロリダ州立大学の場合(記事紹介)

米SPARCのウェブサイトに、2019年3月にElsevier社とのビッグディール契約を中止したフロリダ州立大学(FSU)の図書館長と契約チームに対し、契約中止に至った経緯や中止決定にあたっての対応、中止の影響等を尋ねた記事”Elsevier Exit: Q&A with Florida State University about their Big Deal Cancellation(s)”が掲載されています。

契約中止にあたってどのように教員を巻き込みつつ意思決定を行っていったかといった経緯に加え、円滑に契約中止への理解を得るために必要なことや、中止によってどの程度の予算の節約ができたのか、中止の影響は、といった内容がまとめられています。同記事によれば、購読契約中止によって100万ドル程度の予算の節約につながり、従来は購入できなかった人文社会系のコンテンツ拡充等につながっているとされています。また、契約中止への対応として記事送信サービスReprint Deskを導入したものの、意外に従来通りの文献複写サービスがよく利用されていると述べられています。

米国政府の政府助成研究の即時オープンアクセス(OA)義務化方針案を支持する利害関係者団体・反対表明を撤回した利害関係者団体の一覧(記事紹介)

米・SPARCは2020年1月27日付で、米国政府で検討されていると噂される政府助成研究の即時オープンアクセス(OA)義務化方針案の最新状況を解説した記事を公開しました。

SPARCは同記事の中で、SPARCが現行のOAに関する方針の改訂を強く支持しておりすでに政府に対してその旨を示した書簡を送付済であることを示した上で、即時OA義務化方針案については、学生、研究者、患者・支援団体、出版社に至るまで幅広い利害関係者が支持を表明していることを指摘しています。SPARCは次のような義務化方針案への支持表明の書簡を紹介し、記事内でリンクを提供しています。また、紹介した以外の団体の支持表明についても確認次第記事内のリストに追加する、としています。

米国政府が政府助成研究の即時オープンアクセス(OA)義務化を検討?:出版関係者等に様々な反応(記事紹介)

2019年12月20日付のNature誌のNewsにおいて、“Rumours fly about changes to US government open-access policy”と題した記事が公開されています。

同記事は、米国政府が政府助成研究の12か月以内の公開を定めた現行の方針について、全ての研究を即時オープンアクセス(OA)化する内容に改訂することを検討しているという風説の出版関係者等への影響を紹介したものです。出所は不明ながら、広範囲で議論されている風説によると、トランプ政権は出版慣行の変更を要求する大統領令の草案を作成しており、その内容は政府助成研究を自由に利用可能なライセンス条件により即時OA化することを義務付けるなど、欧州で始まったPlan Sに倣ったものである、とされています。出版関係者らはこの風説に対して様々な反応を示しています。

国際連合(UN)ダグ・ハマーショルド図書館と米・SPARCの主催による「第1回国連オープンサイエンス会議」の発表資料・動画・写真が公開される

国際連合(UN)ダグ・ハマーショルド図書館と米・SPARCの主催により、2019年11月19日に米・ニューヨークの国際連合本部で開催された「第1回国連オープンサイエンス会議」の発表資料・動画・写真が、国連ダグ・ハマーショルド図書館のウェブサイトで公開されています。

第1回国連オープンサイエンス会議は、「グローバルなオープンサイエンスに向けて:国連2030アジェンダを実現させる鍵(Towards Global Open Science: Core Enabler of the UN 2030 Agenda)」をコンセプトに開催されました。オープンサイエンスとオープンリサーチに関する議論をグローバルなレベルに高め、国連「持続可能な開発のための2030アジェンダ」の前進に果たすオープンサイエンスの役割の検討が目的である、としています。会議では「政策立案者」「オープンサイエンスと図書館インフラ」「オープンサイエンスのイニシアチブ」「キャリア初期の研究者・学生らによる“OpenCon”」の4つのパネルからのプレゼンテーション等が行われ、世界各地のオープンサイエンスイニシアチブの代表・キャリア初期の研究者・図書館長・政策立案者等が参加しました。

米・SPARC、高等教育機関向けに学術データとその基盤への出版業界の統制増大に対抗するためのロードマップを公開

2019年11月19日、米・SPARCは、高等教育機関向けに学術データとその基盤への出版業界の統制増大に対抗するためのロードマップとなる報告書として、“A Roadmap for Action : Academic Community Control of Data Infrastructure”の公開を発表しました。

このロードマップは、2019年前半に公開済の学術出版業界の現況に関するSPARCの詳細分析を踏まえて作成されています。筆頭著者である市場アナリストのClaudio Aspesi氏は、ロードマップ作成の背景として、「学術出版業界は大きな変革期にあり、従来までのコンテンツ提供事業だけでなくデータ分析をも事業化しようとしている。この傾向は重要な意味を持つものであり、高等教育機関の財政、中核的使命、重要情報を管理するための機能に深い影響を及ぼす可能性がある。この変化する状況には、隠れてはいるが負の帰結につながりうる対処すべき重大な問題が含まれている。今行動を起こさなければならない」とコメントしています。

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