SPARC

教科書費用の自動請求モデル“Inclusive Access”に関するイニシアチブ“InclusiveAccess.org”(記事紹介)

2021年10月5日、米・SPARCが、教科書費用の自動請求モデル“Inclusive Access”に関するイニシアチブ“InclusiveAccess.org”に関する記事を掲載しました。

記事の中では、大学で使われる教科書の価格は高騰しており、90%の学生は教科書がないことで学習に影響が出ることを不安に感じている一方、3分の2の学生は教科書の購入を遅らせていることを述べています。また、80%の教職員は教材費が深刻な問題であると認識しているとあります。

この状況を踏まえて始まったモデルとして、“Inclusive Access”を挙げています。同モデルは、教科書費用を学生の学費に含めて自動的に請求するもので、過去5年間で教科書業界において主要となったものの、選択肢の縮小・複雑な手続き等についての懸念が示されてきたと述べられています。

“InclusiveAccess.org”は、コミュニティ主導のイニシアチブで、SPARCにより開始されました。パートナー機関としてクリエイティブ・コモンズ等が参加しており、“Inclusive Access”に関する認識を向上する取組を行うとしています。“InclusiveAccess.org”のウェブサイトでは、管理職、教職員、学生、意思決定者向けの情報・ツール等を提供するとあります。

情報機関による教育・研究目的での著作物への無制限のアクセスを可能とする著作権法や実務の改革の達成・実行を目的とした欧州での3年間のプログラム“Knowledge Rights 21(KR21)”が開始

2021年9月23日、国際図書館連盟(IFLA)・欧州研究図書館協会(LIBER)・SPARC Europeが、欧州における学習・研究・文化的生活のための知識へのアクセスを促進するための新しいプログラム“Knowledge Rights 21(KR21)”の開始を発表しました。教育・研究目的で、情報機関による著作物への無制限のアクセス提供を可能とする著作権法や実務の改革の達成と実行を目的としたものです。

アルカディア基金が、IFLAの活動を支援するStichting IFLA Foundation (SIF)に対して3年間で300万ユーロの助成することを受けてのもので、SIFでは、IFLA・LIBER・SPARC Europe等と協力して行うとしています。

主な活動として「公共・国立・教育・研究図書館利用者の電子書籍への公正なアクセスの推進」「契約による無効化や著作権法の例外規定を弱める技術的保護手段からの著作権法に基づいた利用者の権利の保護」「研究・教育・学習を支援するために欧州でのオープンで柔軟な著作権の基準の導入の推進」「欧州における著作者の権利保持活動とオープンライセンシングへの理解の促進」等が挙げられています。

米・SPARC、学術出版界に関する現況分析と現況を踏まえた学術機関向けの行動のためのロードマップの2021年更新版を公開

2021年9月22日、米・SPARCが、学術出版界に関する現況分析と現況を踏まえた学術機関向けの行動のためのロードマップの2021年更新版“2021 Update to Landscape Analysis & Roadmap for Action”の公開を発表しました。

発表によると、今回の改訂では研究・教育市場や主要な個別の企業における影響を検証しています。市場集中の進展や学術機関とベンダー間の利害のさらなる乖離といった以前からの懸念事項の最新の状況と、学生の選択肢を狭める「包括的アクセス」の支持の増加といった新たに生じた懸念事項の解説等が行われています。

また、戦略的・倫理的課題に取り組むための学術機関における組織改編の実施や、個人やコミュニティのニーズを把握できるツール・データの整備等、2019年に公開された“Roadmap for Action”を補完する推奨事項の追加を行ったとあります。

加えて、過去1年に見られた動きは、学術コミュニティにとって、利益を追求し、公平性・包摂性・学問の自由の保護という価値観を守り、促進するために、自身のコンテンツとインフラの管理を行うことが急務であると示していると述べています。

米・SPARC、学術図書館における新型コロナウイルス感染症の財政的影響や対応等についての調査結果を公開

2021年9月20日、米・SPARCが、学術図書館における新型コロナウイルス感染症の財政的影響や対応等についての調査結果の公開を発表しています。

同調査は、パンデミックによりもたらされた予算面での課題や対応について、それらがコンテンツ・コレクション・オープンアクセス(OA)に関する取組等へのアプローチに及ぼした影響に焦点を当てつつ、明らかにするために実施されました。調査期間は2021年1月19日から2月26日までで、米国・カナダ・オーストラリアの機関から、117件の完全な回答と20件の部分的な回答が寄せられました。

主な結果として、以下をはじめとした内容が挙げられています。

・80%近くの図書館が、新型コロナウイルス感染症による予算削減を余儀なくされ、多くが継続的な予算削減となる可能性が高いと考えている。

・多くの図書館が、出版者との契約に関する再交渉や、ビッグディール契約の見直し(個別契約への変更)を行っている、または、行うことを検討していると回答した。

・OAに関する取組への次年度の投資は、50%が現状維持、35%が増加すると回答した。

2021年のオープンアクセスウィークのテーマは“It Matters How We Open Knowledge: Building Structural Equity”

2021年8月12日、米・SPARCが、2021年のオープンアクセスウィーク(International Open Access Week)のテーマを“It Matters How We Open Knowledge: Building Structural Equity”と発表しました。

ユネスコの「オープンサイエンスに関する勧告」を踏まえて設定されたものであり、同勧告で求められている、知識の生産者・利用者全員の公平な参加に焦点を当てています。

オープンアクセスウィークは毎年10月に、世界各地でオープンアクセスに関連する様々なイベントを開催する取り組みで、今年は10月25日から31日にかけて行われます。

米・SPARC、火災被害を受けた南アフリカ共和国・ケープタウン大学図書館への支援実施を発表

2021年5月18日、米・SPARCが、火災被害を受けた南アフリカ共和国・ケープタウン大学図書館への支援の実施を発表しました。

ケープタウン大学図書館は、同館“Jagger Library”の閲覧室が火災被害を受けたことを4月18日に発表していました。SPARCは、同大学の特別コレクションの写真やスキャン画像の募集、寄付金の募集を行っています。

Assisting in Recovery from the UCT Library Fire(SPARC, 2021/5/18)
https://sparcopen.org/news/2021/assisting-in-recovery-from-the-uct-library-fire/

米・SPARCが組織する“OER Discovery Working Group”、オープン教育資源(OER)の発見可能性を高めるためのメタデータのフレームワークを提案した文書を公開

2021年3月12日、米・SPARCは、米国・カナダの図書館員・情報専門職のワーキンググループが、オープン教育資源(OER)を検索で容易に発見可能とするための基準を作成したことを発表しました。

SPARCはオープンエデュケーションプログラムの一環として、最適なタグの欠如等のためOERの検索による発見が困難な状況を改善するため、米・フロリダ州立大学図書館のトーマス(Camille Thomas)氏を中心とするワーキンググループ“OER Discovery Working Group”を組織しました。ワーキンググループでは、ベストプラクティスの情報収集やメタデータ標準に関する議論・検討が進められました。

ワーキンググループは、MARC21・ダブリンコア・Schema.orgといった既存のメタデータ標準の語彙を、OERで求められるニーズに適用・翻訳した文書として“OER Metadata Rosetta Stone”を作成しGoogleドキュメント上で公開しました。OERのメタデータを、タイトル・著者・主題・ライセンスを示したURLなどの「必須」レベル、受講対象者・貢献者・編集者など情報源から確認できる場合には記述が必要な「推奨」レベル、ページ数・出版者・場所などの「任意」レベルの3種類の要素に分けて提案しています。

オープンアクセス(OA)と著者の権利:米・ハーバード大学OA方針の批判的検討(文献紹介)

2020年10月20日付で、英国逐次刊行物グループ(UKSG)が刊行するInsights誌に、米・ペンシルベニア大学出版局のPatrick H. Alexander氏の論文“Open Access and Author Rights: Questioning Harvard’s Open Access Policy”が掲載されています。

同論文は、多くの大学や研究機関のオープンアクセス(OA)方針のモデルとなっている米・ハーバード大学のOA方針を中心的に取り上げながら、OAと著者の権利を論じた内容です。OA運動に関する中心的な理論家Peter Suber氏の著書“Open Access”や、米・SPARCの発表した「著者の権利」の留保モデル、米国著作権法(合衆国法典第17編)等から、OA運動においても研究者は著者として自身の成果物の著作権を完全に保持すべきであることを確認した上で、同大学及び後続する様々な機関のOA方針が、大学・機関へ著者が著作権に基づく権利を譲渡する内容になっていることを指摘しています。

2020年のオープンアクセスウィークのテーマは“Open with Purpose: Taking Action to Build Structural Equity and Inclusion”

2020年8月31日、米・SPARCが、2020年のオープンアクセスウィーク(International Open Access Week)のテーマを“Open with Purpose: Taking Action to Build Structural Equity and Inclusion”と発表しました。

2018年(テーマ“Designing Equitable Foundations for Open Knowledge”)及び2019年(テーマ“Open for Whom? Equity in Open Knowledge”)開催時の議論に基づき、2020年も3年連続で公平性と包摂性に関する行動が急務であることに焦点を当てており、この事業を中心に据え続けることの緊急性を強調しています。

オープンアクセスウィークは毎年10月に、世界各地でオープンアクセスに関連する様々なイベントを開催する取り組みで、今年は10月19日から25日にかけて行われます。

米・SPARC、Internet Archive(IA)による“Controlled Digital Lending”に基づく事業への支持を表明

2020年6月29日、米・SPARCはウェブサイト上で、Internet Archive(IA)による“Controlled Digital Lending”に基づく事業への支持を表明しました。

SPARCの声明は、2020年6月に複数の出版社がInternet Archive(IA)に対する著作権侵害訴訟を提訴したことを受けて発されました。SPARCはIAが世界中の知へのアクセスの民主化にとって重要な役割を果たしていることを指摘した上で、冊子体の図書館の貸出を模して電子的な複製物を「1部1ユーザー」で貸出するIAの“Controlled Digital Lending”は、新型コロナウイルス感染症による危機の中で学生・教員・研究者を支援する学術図書館にとっても特に重要な意義を持つものとして言及しています。

SPARCは、IAの“Controlled Digital Lending”に基づく事業を擁護する立場表明(Position Statement)へ他の図書館コミュニティとともに署名済であり、未署名の図書館関係者へも署名を奨励することを明らかにしながら、“Controlled Digital Lending”への支持を表明しています。

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