プライバシー

【イベント】公開シンポジウム「市民が作る・市民が使うアーカイブズ——アクセスをめぐる課題」(10/10・オンライン)

2021年10月10日、立教大学共生社会研究センターの主催により、公開シンポジウム「市民が作る・市民が使うアーカイブズ——アクセスをめぐる課題」が、オンラインで開催されます。

労働運動・反公害運動・環境保護運動等の資料を所蔵する機関の担当者を招き、様々な資料へのアクセスを巡る問題についての講演が行われます。また、運動当事者の権利を尊重しつつ、現在・将来の市民に最大限のアクセスを提供するために市民・アーキビスト・研究者ができることやすべきことについて議論したいとあります。

登壇者は以下の3人です。

・川田恭子氏(法政大学大原社会問題研究所環境アーカイブズ 専門嘱託(アーキビスト))
・林美帆氏(公益財団法人水島地域環境再生財団 研究員)
・谷合佳代子氏 (公益財団法人大阪社会運動協会常務理事 エル・ライブラリー館長)

参加を希望する場合は、事前の申し込みが必要です。

E2405 - 学術論文における著者名表記の変更:主に性自認をめぐって

●氏名の変更と著者名表記

 氏や名は,必ずしも不変のものではない。氏については,例えば婚姻の際,日本のように夫婦同氏制を採用する国では一方当事者の氏が変わるし,同氏・別氏選択制を採用する国であっても同氏を選択したカップルは一方当事者の氏が変わる。名についても,変更の原因となる事情はいくつか考えられる。自分自身の性別に関する認識,すなわち性自認(Gender Identity)は,そのような事情のひとつである。

Springer Nature社、著者名変更方針の導入を発表

2021年6月29日、Springer Nature社が、包括的な著者名変更方針を導入することを発表しました。これにより、研究者は、過去に同社のジャーナル・書籍・会議録で発表した論文の最終公開版およびメタデータに記載された著者名について、遡及的に変更することが可能となります。

氏名の変更を非公開で実施するか、変更を通知するかどうかは、著者が選択できます。

今回の発表は、おもにトランスジェンダーの研究者のニーズを満たすことを目的としていますが、宗教上の理由などによる変更も認められます。

著者名に加え、著者の人称代名詞や著者の写真などの経歴の情報も必要に応じて修正されます。

シュプリンガー・ネイチャー、トランスジェンダー包括的な氏名変更方針を導入(Nature Asia, 2021/6/29)
https://www.natureasia.com/ja-jp/info/press-releases/detail/8853

米・テキサス州、教科書費用の自動請求プログラムに対し透明性向上を求める法律を制定

2021年6月21日、米・SPARCは、教科書費用の自動請求プログラムに対し透明性向上を求める米国初の法律が、テキサス州で制定されたことを歓迎する声明を発表しています。

教科書費用の自動請求プログラムは、デジタル教科書の費用を学生の授業料等に課金するものであり、“inclusive access”という呼称が用いられることもあります。記事では、自主的な「オプトイン」ベースで実施されるものもあれば、学生の同意なしで実施されることもあるとし、その問題点として、学生側での予期せぬ費用負担の発生や、出版社側のサービス利用規約への同意が事実上強制され、個人データの広範な収集・処理につながることを挙げています。

記事では、今回制定された法律の概要も紹介しています。テキサス州の公立大学に対し、コーススケジュール上で、費用が自動請求される教材に関してその金額、学生データの利用規約、オプトアウト手順を、その他の関連料金とともに明示すること等を求めるものであることや、同州の既存の「教科書透明化法」(textbook transparency law)に基づくものであり、2022年の秋学期から適用されること等を述べています。

Hindawi社、著者名の表記変更に関する新方針を発表

2021年6月10日、Wiley社傘下のオープンアクセス出版社であるHindawi社は、著者名の表記変更に関する新方針を発表しました。

同社での論文出版後に氏名を変更した著者は、書類の提出・訂正通知の掲載・共著者への通知を経ずに、論文上の氏名を更新することができます。また、同社は当該論文を収録するデータベース等(indexers)に対しても同様に、変更を明示しないかたちでの更新(silent change)を行うよう依頼します。

今回の新方針策定は、Wiley社による著者名表記変更の新方針発表(2021年1月)や、出版倫理委員会(COPE)による、トランスジェンダーの研究者の著者名表記変更に関する基本原則の発表(2021年1月)を受けて行われたものです。

JSTOR、著者の名前変更に関する新たなポリシーを発表

2021年6月2日、JSTORが公式Twitterアカウントで、あらゆる理由による著者の名前変更を支援する新たなポリシーを策定したと発表しました。

当該著者の著作物のメタデータに、変更後の名前を追加するという対応を取るとしています。変更前と変更後の名前を併記するメリットとして、利用者がどちらの名前でも検索可能であることが挙げられています。また、変更前の名前の記載を控えたい場合は、JSTORが提供するメタデータやコンテンツのPDF、PDFの光学文字認識(OCR)結果から、変更前の名前を削除するとしています。

発表の中では、著者名変更の対応に際しては、関連する出版者らと協力し、アプローチに齟齬が無いか確認すると述べています。

@JSTOR(Twitter, 2021/6/2)
https://twitter.com/JSTOR/status/1399821811748061184

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、著者名等の表記変更に関する新方針を発表:著者の求めに応じて発表済文献の表記を更新可能に

2021年4月21日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)は、著者名等の表記変更に関する新方針について発表しています。オープン・協力的・包摂的な研究環境の実現に向けた同社の取組の一環として、研究コミュニティとの協議を経て策定されたものです。

新方針では、著者の求めに応じて、発表済文献における著者名、代名詞、著者の写真、電子メールのアドレス(アドレスが著者名を反映している場合)の変更が可能となります。雑誌論文、プロシーディング、電子書籍を含め、同社が出版した全コンテンツに適用されます。

また、プライバシーに関する著者の権利を尊重するため、著者名の変更を公示(public notice)なしに行うことが可能となっています。さらに、変更の申請に当たり、申請理由を示す必要や、氏名の変更を証明する書類を提出する必要もないと述べています。

米国情報標準化機構(NISO)、学術出版物のレコードに含まれる著者名の変更に関する推奨事項を策定へ:ワーキンググループの設立を発表

2021年4月6日、米国情報標準化機構(NISO)は、新たなワーキンググループの設立がNISO内で承認されたことを発表しました。このワーキンググループでは、学術出版物のレコードに含まれる著者名について、著者のアイデンティティ変更に伴い出版後に更新する必要がある場合の推奨事項策定のための検討が行われます。

発表では、出版物の著者として正しく識別されることの重要性を指摘し、改名・結婚・離婚・再婚・性別変更・筆名などの様々な理由により著者名の変更が生じうること、出版後の著作物に関しても、その情報を著者の状況と同期させる必要があることに言及しています。

Elsevier社、著者名表記の変更に関する方針を発表:トランスジェンダーの研究者の著者名表記変更に関する出版倫理委員会(COPE)の基本原則に準拠

2021年3月29日、Elsevier社が、著者名表記の変更に関する方針“Inclusive author name change policy”を発表しました。これにより、研究者は、過去に発表した論文の著者名について、遡及的に現在の名前へ変更することが可能となります。

発表の中では、1月13日付で出版倫理委員会(COPE)が発表した、トランスジェンダーの研究者の著者名表記変更に関する基本原則に準拠することが述べられています。

トランスジェンダーの研究者に加え、結婚・離婚、改宗等の理由で改名した研究者も対象としています。

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