ブラジル

英国図書館の消滅の危機に瀕した文化遺産アーカイブプロジェクトEndangered Archives Programme、新たに4コレクションをオンライン公開

2020年7月3日、英国図書館(BL)の消滅の危機に瀕した文化遺産アーカイブプロジェクトEndangered Archives Programme(EAP)は、新たに4つのコレクションがオンライン上で利用可能になったことを発表しました。

EAPが今回公開した4つのコレクションとその概要は以下のとおりです。

・ブラジル第2の文書館であるバイーア州立公文書館から寄託された1664年から1910年までの1,329冊・30万6,416ページに相当する公正証書のコレクション“Notary Books of Bahia, Brazil, 1664-1910”。バイーアは1763年までポルトガル植民地政府において中心的な地位を占めた地域であり、公開された文書類は19世紀末までの同地域の社会経済史の研究において最も信頼のおける情報源である。

Latin American Digital Initiatives(LADI)リポジトリのリニューアル版が利用可能に:ラテンアメリカ7機関のアーカイブコレクションから6万点以上の画像を提供

2020年6月8日、米国のテキサス大学図書館は、ラテンアメリカ7機関のアーカイブコレクションから6万点以上の画像を提供するLatin American Digital Initiatives(LADI)リポジトリのリニューアル版が利用可能になったことを発表しました。

LADIリポジトリは人権問題・少数コミュニティの記録に特に重点を置いて、ラテンアメリカの提携機関のネットワークからユニークなアーカイブ資料を保存し、デジタルアクセスを提供する共同プロジェクトです。LADIリポジトリのリニューアルは、2018年から2019年にアンドリュー W.メロン財団の支援の下、ラテンアメリカ研究に関する同大学オースティン校の学際プログラム“Teresa Lozano Long Institute of Latin American Studies(LLILAS)”と同校の主要図書館の一つであるベンソン・ラテンアメリカコレクションの提携による“LLILAS Benson Digital Initiatives”、及びテキサス大学図書館のソフトウェア開発チームによって実施されました。

米国化学会(ACS)とカンピーナス大学(ブラジル)がオープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結:ACSとラテンアメリカの機関による同種の契約の締結は初めて

2020年6月4日、米国化学会(ACS)は、ACSの出版部門とブラジルのカンピーナス大学が、ACSにとってラテンアメリカ地域で初めてとなるオープンアクセス(OA)出版等に関する契約を締結したことを発表しました。

締結された契約に基づき、カンピーナス大学に所属する研究者は、ACSの刊行する65以上のジャーナルへの自身の論文のOA出版等が可能になります。

ACSはOA出版等に関する契約への世界的な関心の高まりの支援に取り組んでおり、プレスリリースの発表時点で、17か国・300以上の機関とOA出版等に関する提携関係を結んでいます。

国・大学レベルのオープンアクセス状況の調査(文献紹介)

2020年5月21日、英Open Universityの機関リポジトリにおいて、国・大学レベルのオープンアクセス(OA)状況調査の論文”Open Access 2007 - 2017: Country and University Level Perspective”のプレプリントが公開されました。著者は同大学のBikash Gyawali氏ら3名です。同論文は2020年8月開催のACM/IEEE Joint Conference on Digital Libraries (JCDL)に採択されています。

調査は8カ国(オーストリア, ブラジル, ドイツ, インド, ポルトガル, ロシア, 英国, 米国)と、それらの国の約400大学を対象とし、Microsoft Academic Graph(MAG)と英国の機関リポジトリアグリゲーターであるCOREのデータを使用して実施されました。

Library Publishing Coalition(LPC)、大学・研究図書館の出版活動に関するダイレクトリーの2020年版を公開

2020年2月10日、図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”(LPC)が、大学・研究図書館の出版活動に関するダイレクトリー“Library Publishing Directory”の2020年版の公開を発表しました。

PDF版、EPUB版での公開のほか、掲載情報を検索できるオンラインデータベースも提供されています。

米国・カナダを中心に、ニュージーランド・ウクライナ・アイルランド・インド・オーストラリア・ドイツ・英国・ブラジル・南アフリカ・ナイジェリアを含む計153の大学・研究図書館での出版活動が紹介されており、各館ごとの担当部署、ウェブサイト、SNS、出版活動の概観、職員数、財源、OA・有料・ハイブリッドのタイトル数、出版媒体、分野、査読誌の割合、APCが必要な学術雑誌の割合、連携先、出版プラットフォーム、デジタル保存戦略等がまとめられています。

中国・テンセント、ブラジル国立博物館のデジタルコレクションを公開

2019年9月27日付けの新華網の記事で、中国・テンセントによるブラジル国立博物館のデジタルコレクション公開が報じられています。2018年9月にブラジル国立博物館が火災被害を受けたことから、2018年11月、テンセントは同館と協力しデジタル博物館を構築することを発表していました。

デジタルコレクションはテンセントのソーシャルメディアプラットフォーム・Wechat(微信)上での公開とあります。同館の火災前の所蔵資料に関する約700点のデジタル情報を収録し、そのうち約400点は一般から提供を受けたものです。

Mini-program launched to showcase fire-ravaged National Museum of Brazil(新華網, 2019/9/27)
http://www.xinhuanet.com/english/2019-09/27/c_138428704.htm

E2159 - ジャーナルプラットフォームの連合体“GLOALL”の結成

ユネスコが提唱する“Inclusive Knowledge Societies”という概念がある。全ての人々は,各々に合った言語や形式により,情報やコミュニケーション手段にアクセスすることが可能で,またそれらを解釈し活用するためのスキルを備えている,という状態を指し,ユネスコはそのような社会の実現を目指さなければならないとしている。科学技術・学術情報の流通も,この概念で言うところの「情報」及び「コミュニケーション手段」に含まれると考えられるが,現在の学術ジャーナルを巡る情勢は,いわゆるオープンアクセス(OA)に関する議論を踏まえても,理想的な状態からは程遠いと言わざるを得ない。特に2018年に欧州の助成機関が発表した,公的助成による研究の成果論文の即時OAを義務化する計画である“Plan S”と,それに関して世界的に展開された激しい議論は,立場による見解の相違はあるものの,科学技術・学術情報流通が多くの問題を抱えた状態にあることの明確な証左として共通認識されたのではないだろうか。

5つの国際的オープンアクセスイニシアティブがオープンアクセスに関するサンパウロ声明を公表

2019年5月1日、ブラジル・サンパウロで開催中であったGlobal Research Council(GRC)の2019年総会において、African Open Science Platform、AmeLICA、cOAlition S、OA2020、SciELOの5つの国際的オープンアクセス(OA)イニシアティブが会合を開き、OAに関するサンパウロ声明(São Paulo Statement on Open Access)を公表しました。

声明では以下の5点が述べられています。

・5機関は科学的知識は国際的な公共財であると考えている。公的資金によって生み出された科学的知識への自由なアクセスは普遍的な権利である。

・5機関は学術情報に対する普遍的で、制限のない、即時のOA(人および機会による利用・再利用を含む)を提供する、という究極の共通目的を共有している。

・5機関はこの共通目的はさまざまなアプローチを通じて達成できる、という信念を共有している。

・5機関はそれぞれのアプローチ間の整合性と、共通目的を達成するために協力する方法を追求していく。

Association of University Presses(AUPresses)、ブラジル国立博物館の火災で資料が失われた図書館に図書を寄贈

2019年1月28日、世界各国の140あまりの大学出版局が参加するAssociation of University Presses(AUPresses)は、図書の寄贈を通じて、2018年9月の火災で失われたブラジル国立博物館の図書館の再建を支援すると発表しました。

報道によると、ブラジル国立博物館の所蔵資料50万冊の図書館は別館にあったため火災を免れました。しかし、ブラジルおよびラテンアメリカの文化人類学において重要な、Francisca Keller Libraryの4万点以上の資料が今回の火災により失われました。

同協会では、北米、西インド諸島、欧州、オーストラリアの50以上の会員が協力し、図書館の目録に基づいて、失われた資料のうち各出版局が発行する入手可能な図書を寄贈する手配を進めています。火災以前のコレクションには含まれていなかった、関連する主題の資料についても寄贈する準備を行っています。寄贈図書は既に2,000冊以上が同館に到着しており、さらに4,000冊以上が現在輸送中とのことです。同協会のウェブサイトによると、2019年末までに火災以前と同規模の蔵書数になるようにし、2019年3月末に新たな建物が完成予定で6月までに図書館機能を復活させたいと同館関係者が述べています。

Digital Science社、2000年以降のオープンアクセス(OA)の動向を分析した報告書を公開

2019年1月24日、Digital Science社が、2000年以降のオープンアクセス(OA)の動向を分析してまとめた報告書“The Ascent of Open Access”を公開しました。

同社の研究ディスカバリープラットフォーム“Dimensions”及びOA論文へのリンクを提供するブラウザ拡張機能Unpaywallのデータを用いて、2000年から2016年までのOAの動向を分析したものです。

得られた知見として、

・助成を受け国際協力による研究の成果として発表されたOA論文は全研究成果の6.3%、引用の15.2%を占める。

・英国の持続的なOAへの取り組みは重要な戦略的有意性となっており、OAの学術成果において高位置を占め続けることを可能とした。英国の学術成果の約52%がOAであり、全体の学術成果の7%を占める。

・ブラジルは英国に続く成功者であり、51.2%の学術成果をOAで入手できる。

・中国は2010年から2番目に多く学術論文を発表する国となり、2016年にはOA論文で3番目となった。

・米国は2012年から2016年にかけてOA率41%をピークに停滞し、OA論文に占める割合は、中国をはじめとした学術論文の世界的な増加により4%減少した。

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