2012年5月9日に、W3Cが、ウェブにおけるLinked Dataの利用を促進することを目的として「Linked Data Platformワーキンググループ」を立ち上げたことを発表しました。Linked Dataを扱うためのRESTfulなAPI等から構成されるLinked Data Platformに関するW3C勧告(recommendation)を2014年3月に公開するという目標に向けて活動を行うそうです。
図書館におけるITやウェブの活用をテーマとした書籍シリーズ“The Tech Set”の続編が近々出版されるそうです。今シリーズで刊行されるのは以下の10点で、それぞれ、クラウド、モバイル、位置情報に基づくサービスとQRコード、Drupal、ソーシャルメディア、次世代図書館リデザイン、スクリーンキャスト、ユーザエクスペリエンス(UX)、インスタントメッセンジャーによるレファレンス、セマンティックウェブとソーシャル検索、というトピックスが扱われています。ALA TechSourceによる紹介記事には、まとめ買い用の割引クーポンのコードも掲載されています。なお、2010年に出版された前シリーズは米国図書館協会(ALA)の“ABC-CLIO/Greenwood Award for the Best Book in Library Literature”を受賞しており、また、出版元の米Neal-Schuman社は2011年12月にALA Publishingの傘下に入っています。
・Cloud Computing for Libraries
・Building Mobile Library Applications
・Location-Aware Services and QR Codes for Libraries
・Drupal in Libraries
The Wall Street Journal紙が2012年3月15日付け記事で、Google社が今後数か月でウェブ検索の方式を改良すると報じています。その内容は、同社の上席副社長であるシンガル(Amit Singhal)氏とのインタビューによるもので、「セマンティック検索」技術を取り入れることで検索結果の向上を目指すとされています。シンガル氏はGoogle+上で同誌記事を受けたコメントを発表しており、それによると、Googleは2010年に買収したFreebase社のナレッジグラフという技術を活用しようとしているようです。
米国議会図書館(LC)は,2011年10月31日付けで,書誌フレームワークの変革に向けた取組みの全体計画を示す文書“Bibliographic Framework Initiative General Plan”を公表した。この取組みに関してLCは,MARCフォーマットの見直し等の検討課題を示した声明を2011年5月に発表しており,今回の文書は,新たなフレームワークに求められる要件や取組みの方法を示したものである。
文書の序文において,LCの図書館サービス担当副館長マーカム(Deanna B. Marcum)氏は,LCのワーキンググループによる2008年の報告書“On the Record”や,2011年のRDA導入テストの結果報告(E1191参照)での指摘内容を踏まえ,LCは,関係者とともに,将来にわたり役立つフレームワークの構築に取り組むとしている。...
2011年10月25日、World Wide Web Consortium(W3C)の“Library Linked Data Incubator Group”が執筆した報告書最終版が公開されました。7月にドラフト版に対するパブリックコメントが募集されていたものです。報告書本体に加え、書誌データなどを公開する際にセマンティックウェブの標準やLinked Dataを採用することの利点などを述べた“Use Cases”と、Linked Data形式の図書館データを作成するための情報源をまとめた“Datasets, Value Vocabularies, and Metadata Element Sets”が含まれているようです。
Google社が提供するデータクリーニングツール“Google Refine”を活用して、メタデータのクリーニングやリンキングを行い、Linked Data形式のデータを作成するというプロジェクト“Free Your Metadata”が行われているようです。これはベルギーのゲント大学とブリュッセル自由大学の合同プロジェクトとのことです。プロジェクトのウェブサイト及びそこで公開されている論文では、サンプルデータを用いて、空白の除去や重複の解消といったクリーニング作業(cleaning)と、メタデータ中に含まれる語をウェブ上の統制語(ここではLCSH)とリンクさせる作業(reconciliation)を行う方法が具体的に紹介されています。
PREMISの『保存メタデータのためのデータ辞書』(“Data Dictionary for Preservation Metadata”)バージョン2.1用のOWLオントロジーが公開されたようです。これまでXMLスキーマとして公開されていたデータ辞書が、RDF形式でも利用できるようになったとのことです。