2011年11月21日から12月2日にかけて、世界知的所有権機関(WIPO)の第23回の著作権・著作隣接権常任委員会(SCCR)が開催されました。今回のSCCRでは、視覚障害者等の利用のための著作権制限や、図書館・文書館における著作権制限に関する議論が行われたようです。後者に関しては、各国の見解等をまとめた'Draft Compilation on Limitations and Exceptions for Libraries and Archives’という文書が作成されており、2012年2月29日までの期限でコメントを求め、それを基に第24回SCCRで議論を行うとのことです。
世界知的所有権機関(WIPO)が2010年12月付けで、“Intellectual Property and the Safeguarding of traditional cultures : Legal Issues and Practical Options for Museums, Libraries and Archives”と題するレポートを刊行しています。執筆者は、WIPOのMolly Torsen氏とJane Anderson氏です。レポートでは、「伝統的文化表現」(Traditional Cultural Expression)の保護と保存、そして促進を取り巻く法的問題を分析し、特に知的所有権による伝統的文化表現の保護が、博物館、図書館、文書館に対して引き起こす課題に焦点を当てているようです。また、参照事例も紹介しているとのことです。
世界知的所有権機関(WIPO)の著作権及び著作隣接権に関する常設委員会(SCCR:Standing Committee on Copyright and Related Rights)は2009年12月14日から18日に開催された会議において、著作権保護期間中の作品への視覚障害者等のアクセスを高めるため、著作権の例外規定や制限について改めて検討していくことで合意したということです。