WIPO(世界知的所有権機関)

オバマ大統領、米国上院にマラケシュ条約批准についての教書を提出

2016年2月10日、オバマ大統領が、マラケシュ条約(盲人,視覚障害者及び読字障害者の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約)への批准について「助言と同意」を求めるため米国上院に教書(Message)を提出しました。

米国は2013年10月にマラケシュ条約に署名しています。

Message to the Senate -- The Marrakesh Treaty to Facilitate Access to Published Works for Persons Who Are Blind, Visually Impaired, or Otherwise Print Disabled(The White House,2016/2/10)
https://www.whitehouse.gov/the-press-office/2016/02/10/message-senate-marrakesh-treaty-facilitate-access-published-works

President Obama Sends Marrakesh Treaty to Senate for Ratification(Association of Research Libraries,2016/2/11)

EIFL、マラケシュ条約に関する図書館向けのガイドの改訂版を発表

2015年12月3日、途上国において図書館を通じてデジタル情報へのアクセスを推進しているEIFL(Electronic Information for Libraries)が、「盲人,視覚障害者及び読字障害者の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約」(Marrakesh Treaty) の図書館向けのガイド“The Marrakesh Treaty: an EIFL Guide for Libraries”の改訂版を発表しました。

これまでの英語版、フランス語版、ロシア語版に加えて、セルビア語版も追加されたとのことです。

改訂に辺り、条約の遂行のためにEIFLの提言が2ページの要約にまとめられており、2部構成の第1部では、条約そのものや主要な概念、条約の目的に貢献するための図書館の役割について簡単に説明されているとのことです。第2部では、知識へのアクセスを可能にするという公共の利益の目標に沿って技術的な条項の実務的な適用方法が提言がされているとのことです。

また、このガイドは、クリエイティブコモンズのAttributionライセンスで公開されており、翻訳・再利用が推奨されています。

EIFL Guide to the Marrakesh Treaty: new design and new translation(EIFL,2015/12/3)

特許庁、日本の登録意匠に関する情報をWIPOが保有する世界的な意匠情報データベース“Global Design Database”に提供することを発表

2015年7月30日、特許庁は、世界知的所有権機関(WIPO)が保有する世界的な意匠情報データベース“Global Design Database”に、日本の登録意匠に関する情報が掲載されている「意匠公報」の提供を8月1日から開始することを発表しました。

“Global Design Database”に日本の意匠公報が掲載されることで、我が国の質の高い審査を経た意匠権の情報が世界に発信されます。また、日本の利用者が“Global Design Database”上で諸外国の公報と一括で検索できるようになり、グローバルなデザイン戦略を策定する上で有効に活用されることが期待されます。

2015年2月に日本は「意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定」(Hague Agreement Concerning the International Registration of Industrial Designs)に加入し、5月13日から協定締約国での簡便、低廉な意匠権の取得と管理が可能になっていたとのことです。

国際連合で科学と文化に関する権利の観点から著作権について検討した報告が発表され、国際図書館連盟(IFLA)等が支持する声明を発表

2015年3月11日、第28回国際連合人権理事会において、国連の文化的権利に関する特別報告者Farida Shaheed氏による、科学および文化への権利の観点から著作権について検討した報告が発表されました。同日、国際図書館連盟(IFLA)がこの報告を支持するとの声明を発表しました。

声明では、デジタル環境下における国際的な著作権の枠組みが、公益よりも産業的なニーズを優遇し、バランスを欠き、図書館や文書館など非営利の文化的機関に対して、必要な保護を行っていないとする報告の観点について、支持が表明されたようです。また、世界知的所有権機関(WIPO)の加盟国が、図書館及び教育での利用を促進するための著作権の権利制限についての国際的な文書を採択すべきであるという同報告の勧告について強く支持する考えが表明されているようです。

この声明には、米国図書館協会(ALA)、オーストラリア図書館協会(ALIA)、欧州図書館・情報・ドキュメンテーション協会連合(EBLIDA)、米国アーキビスト協会(SAA)などあわせて14機関が署名を行っています。

EIFL、マラケシュ条約に関する図書館向けのガイドを発表

2013年6月27日に採択されたマラケシュ条約(Marrakesh Treaty to Facilitate Access to Published Works for Persons who are Blind, Visually Impaired, or otherwise Print Disabled:盲人、視覚障害者およびプリントディスアビリティ(印刷物を読むことが困難)のある人々の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約)に関して、図書館を通じた情報へのアクセス向上に取り組んでいる国際的な非営利組織“Electronic Information for Libraries(EIFL)”が、2014年12月4日、図書館向けのガイド“The Marrakesh Treaty: an EIFL Guide for Libraries”を発表しました。

図書館には、長くプリントディスアビリティのある人々や視覚障害者向けのサービスを提供してきた歴史があり、また、図書館やその他の「公認機関(Authorized Entity)」によってアクセシブルな形式の資料の国際的な交換が可能であるため、マラケシュ条約の成功には図書館が重要な役割を果たすとされています。

第29回世界知的所有権機関(WIPO)著作権等常設委員会(SCCR)の資料として、世界各国の著作権法における図書館や文書館に関する権利制限についての調査報告書が公開

2014年12月8日から12日まで、スイスのジュネーブで第29回世界知的所有権機関(WIPO)著作権等常設委員会(SCCR)の開催が予定されています。この委員会の資料として、世界各国の著作権法における図書館や文書館に関する権利制限についての調査報告書“STUDY ON COPYRIGHT LIMITATIONS AND EXCEPTIONS FOR LIBRARIES AND ARCHIVES”が、2014年11月5日に公開されました。

この報告書は、クルーズ(Kenneth D. Crews)氏によるもので、2008年の第17回SCCRで発表された報告書の更新版とのことです。2008年には149か国について調査を行ったとのことですが、今回の報告書では、186か国を対象としているとのことです。Part1で2008年には対象とされていなかった37か国を取り上げ、Part2では2008年でも対象とした国について、情報を更新しているとのことです。

STUDY ON COPYRIGHT LIMITATIONS AND EXCEPTIONS FOR LIBRARIES AND ARCHIVES, SCCR/29/3, 2014.11.5.(WIPO, 2014/11/5)

CA1831 - マラケシュ条約―視覚障害者等への情報アクセスの保障に向けたWIPOの取り組み / 野村美佐子

 2013年6月27日に、世界知的所有権機構(WIPO)が開催したモロッコのマラケシュにおける外交会議において、「盲人、視覚障害者およびプリントディスアビリティ(印刷物を読むことが困難)のある人々の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約(仮訳)」が採択された(1)E1455参照)。6月28日には、129の加盟国が最終文書を採択し、条約には51の加盟国が署名した(2)。この条約の背景には、アクセシブルな形態の複製物の製作・頒布およびこれらの複製物の国境を越えた流通の促進に向けた世界盲人連合(WBU)のWIPOへの働きかけがあった。また障害者団体や図書館団体だけでなく、著作権者団体や出版社団体を巻き込んだ「ステークホルダー・プラットホーム(Stakeholders Platform)(3)」の取り組みがあった。...

世界盲人連合(WBU)、各国政府にマラケシュ条約の批准を呼びかけ

2014年9月8日の世界識字デー(International Literacy Day)にあわせて、世界盲人連合(WBU)がマラケシュ条約(Marrakesh Treaty to Facilitate Access to Published Works for Persons who are Blind, Visually Impaired, or otherwise Print Disabled:盲人,視覚障害者及び読字障害者の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約)の批准を各国政府に呼びかける文書を公開しています。

マラケシュ条約は、2013年6月にモロッコのマラケシュで開催された世界知的所有権機関(WIPO)の外交会議で採択された条約で、20の国等が批准すると発効するとのことです。2014年9月現在、同条約には80か国が署名しているようですが、批准した国は、インドの1か国のみ(2014年6月24日に批准)のようです。

なお、WBUは、2014年3月6日のWorld Book Dayの際にも同様の呼びかけを行っているようです。

Sept. 8th International Literacy Day - support Marrakesh Treaty(WBU, 2014/9/5)

第28回世界知的所有権機関(WIPO)著作権等常設委員会(SCCR)が開催、図書館やアーカイブにおける著作権の権利制限等について議論

世界知的所有権機関(WIPO)の第28回の著作権・著作隣接権常任委員会(Standing Committee on Copyright and Related Rights:SCCR)が2014年6月30日から7月4日にかけて、スイスのジェノバで開催されました。

第27回の成果に基づき、図書館とアーカイブに関する著作権の権利制限について議論が行われましたが、EUを含む多数の参加国は、各国の著作権の権利制限と既存の国際的な枠組みで対応できると考えており、合意には至らず、条約案の公開もなされなかったようです。

Standing Committee on Copyright and Related Rights: Twenty-Eighth Session(第28回SCCRのページ)
http://www.wipo.int/meetings/en/details.jsp?meeting_id=32092

Standing Committee on Copyright and Related Rights (SCCR) | Twenty-eighth Session | Geneva, July 4, 2014
Chair’s Conclusions

プリントディスアビリティのある人たちがアクセス可能な本の増加をめざし、世界知的所有権機関(WIPO)等が“Accessible Books Consortium”を立ち上げ

2014年6月30日、Accessible Books Consortium(ABC)が、世界知的所有権機関(WIPO)等複数の機関により立ち上げられました。アクセシブルなフォーマットの本の数を増加させることをめざすものであり、2013年6月にWIPOの外交会議で採択されたマラケシュ条約(Marrakesh Treaty to Facilitate Access to Published Works for Persons who are Blind, Visually Impaired, or otherwise Print Disabled:盲人,視覚障害者及び読字障害者の出版物へのアクセス促進のためのマラケシュ条約)の目的の遂行を支援するものとのことです。

ABCのウェブサイトによると、以下の組織が理事会メンバーとなっています。
Canadian National Institute for the Blind (CNIB)
DAISY Consortium
Dorina Nowill Foundation for the Blind
Elsevier
International Authors Forum (IAF)

ページ