デジタル化

米・ボストン図書館コンソーシアム(BLC)、加盟館内での図書館間貸出に“Controlled Digital Lending”を導入へ:導入に関する推奨事項等をまとめたレポートも公開

2021年9月14日、19の大学・研究図書館が加盟する米・ボストン図書館コンソーシアム(BLC)は、2021年8月に理事会で承認された計画に基づき、加盟館内での図書館間貸出に“Controlled Digital Lending”(CDL)を導入する意向を表明しました。CDLとは、図書館が蔵書をデジタル化し、電子的な複製物を「1部1ユーザー」の制限のもと貸し出す方式です。

BLC内では、2020年9月にCDLワーキンググループの設置が承認され、国内外におけるCDLの状況調査、BLCのステークホルダーとの折衝、CDLに関わる組織との協議を行ってきました。その後、加盟館内の図書館間貸出にCDLを導入するという内容の提言をとりまとめ、理事会に提出しました。ただし、関心のある加盟館のみを対象としたオプトイン方式での導入となっています。

米国政府印刷局(GPO)、連邦政府の出版物のリストや政府文書の索引をデジタル化し公開

2021年9月15日、米国政府印刷局(GPO)、1895年から2004年にかけての連邦政府の出版物のリスト“Monthly Catalog of U.S. Government Publications”や、政府文書の索引をデジタル化し公開したと発表しました。

政府文書の索引には、連邦議会や行政機関が1774年9月5日から1881年3月4日までの間に作成した出版物のリスト“Descriptive Catalogue of the Government Publications of the United States”等が含まれます。デジタル化された資料は、GPOが提供する政府情報に関するデータベース“govinfo”上で閲覧できます。

発表によると、今回のデジタル化は、連邦議会に関するデジタル形式の情報へのアクセスの拡大を目指すプロジェクトの一環として実施されました。

九州大学附属図書館、同館所蔵の「濱文庫」に含まれる中国芝居番付コレクションを電子化しオンライン公開

2021年9月15日、九州大学附属図書館は、同館所蔵の「濱文庫」に含まれる戯単(中国の演劇における芝居番付・プログラム)等190点を電子化し、「九大コレクション」上でオンライン公開したことを発表しました。

「濱文庫」は、同大学の故・濱一衛名誉教授が蒐集した中国戯劇関係の和漢書939点(約2500冊)からなります。今回公開された戯単コレクションでは、1934年から1939年頃の北京を中心とした、中国各地の劇場の戯単・ポスター等及び映画館の小冊子を収録しています。

資料の目次欄に演目及び主なキャストを表記することで、演目・演者等からの検索も可能とするなど、研究者の利便性向上のための工夫も図られています。

中国芝居番付コレクション 画像一挙公開(九州大学附属図書館, 2021/9/15)
https://www.lib.kyushu-u.ac.jp/ja/news/43184
※公開資料のリストも掲載されています。

【イベント】愛知県図書館開館30周年記念講演会「公共図書館の過去・現在・未来」(10/29・名古屋)

2021年10月29日、愛知県図書館が、開館30周年記念講演会として「開館30周年記念講演会~いかにして「知の拠点」となり、コロナ禍を乗り越えていくのか~」を開催します。

地域の「知の拠点」である、同県の公共図書館の原点を改めて確認するととともに、新型コロナウイルス感染症拡大を受け、デジタル化を中心に大きな変化を迎えつつある公共図書館の今後のあり方を考えることを目的としています。

会場は愛知県図書館で、定員は50人です。参加無料で申し込みは不要です。

当日の内容は以下の通りです。

・第1部 講演「近代図書館の先駆け愛知県羽田八幡宮文庫」
岩瀬彰利氏(豊橋市図書館主幹学芸員)

・第2部 講演「愛知県から考える図書館機能の再定置」
講師:福島幸宏氏(慶應義塾大学文学部准教授)

・第3部 シンポジウム「コロナ禍の中の公共図書館におけるデジタルリソースを考える」

マスク着用、手指消毒、換気等の感染症対策を講じて実施され、感染症等の状況により変更又は中止になる場合はウェブサイトでお知らせがされるとのことです。

米国の非営利団体Library Futures Foundation、“Controlled Digital Lending”の利点をまとめたポリシーペーパーを公開

2021年8月25日、米国の非営利団体Library Futures Foundation(LFF)が、ポリシーペーパー“Controlled Digital Lending: Unlocking the Library’s Full Potential”の公開を発表しました。なお、LFFは、知識への公平なアクセス権を擁護する非営利団体“Library Futures Institute”の「並列組織」(parallel organization)であり、法改正及び政策に焦点を当てています。

ポリシーペーパーのタイトルとなっているControlled Digital Lending (CDL)とは、図書館が蔵書をデジタル化し、電子的な複製物を「1部1ユーザー」の制限のもと貸し出す方式です。発表によれば米国・カナダの図書館100館以上がCDLを採用しています。

ポリシーペーパーでは、CDLがもたらす利点をまとめるとともに、議会に対し次の点を要求しています。

米・セント・ジョゼフ郡公共図書館、20世紀後半の地域の写真をデジタル化し公開

2021年9月2日、米国のセント・ジョゼフ郡公共図書館が、地域の写真をデジタル化しオンラインで公開したと発表しました。

公開されたのは、ニュースメディアSouth Bend Tribuneから同館が寄贈を受けた、20世紀後半の写真約100万枚の内の1万枚以上です。同地域の主要な建築プロジェクト、象徴的なビジネスや主要イベント等が記録されているとあります。

発表によると、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)からインディアナ州立図書館が受けた助成を基に、デジタル化が実施されました。

LIBRARY RELEASES EXTENSIVE ONLINE LOCAL PHOTO ARCHIVE(St. Joseph County Public Library, 2021/9/2)
https://sjcpl.org/node/14763

関連:

鳥取県立図書館、とっとりデジタルコレクション活用講座「キーワードを使って地域の資料を探してみよう」をYouTubeで配信

鳥取県立図書館が、2021年9月12日から、とっとりデジタルコレクション活用講座「キーワードを使って地域の資料を探してみよう」をYouTubeで配信すると発表しています。

「とっとりデジタルコレクション」は、鳥取県立図書館・県立博物館・県立公文書館・県埋蔵文化財センターの所蔵資料のデジタル画像を、インターネット上で検索・閲覧できるシステムです。

配信内容は、「鳥取城」「大山」「温泉」などをテーマに、「とっとりデジタルコレクション」の検索方法のアドバイスや、資料の紹介を行うものとなっており、手話通訳もあります。講師は鳥取県立公文書館の専門員が務めます。

【行事】★YouTube配信★とっとりデジタルコレクション活用講座(令和3年9月12日(日)から)(鳥取県立図書館)
http://www.library.pref.tottori.jp/event/2021/09/3912.html

米・コロラド大学における日本人・日本人コミュニティの歴史プロジェクト(記事紹介)

2021年8月27日、米国のコロラド大学ボルダー校が、同校が実施する “CU Japanese and Japanese Community History Project”についての記事を掲載しました。

同大学における日本人・日本人コミュニティの第2次世界大戦から現在までの歴史に関するプロジェクトあり、2019年から実施されています。記事によると、教職員や学生により、数百の文書・写真・音声・録画映像・オーラルヒストリー等が同大学のコレクションに追加されました。

デジタル化された資料は、同大学のデジタルアーカイブ“CU Digital Library”で閲覧可能です。

米・エイブラハム・リンカーン大統領図書館・博物館、イリノイ州立図書館からの助成をうけ、ポスター・写真・広告ビラ等をデジタル化するPicturing Lincolnプロジェクトを開始

2021年8月25日、米国のエイブラハム・リンカーン大統領図書館・博物館が、Picturing Lincolnプロジェクトの開始を発表しています。同大統領関係文書の注釈付きでデジタル化するプロジェクトを補完するものとして位置づけられています。

イリノイ州立図書館からの10万ドルの助成を受けて実施されるもので、ポスター・写真・広告ビラ等7,896点の資料をデジタル化し、州立図書館が運営するIllinois Digital Archivesを通じて公開します。

ブロードサイドと呼ばれる一枚もののビラやポスターから作業を開始するとし、リンカーン大統領の写真アルバムや、一般公開された遺体の現存する唯一の写真などもデジタル化される計画です。撮影作業は2022年初頭から開始予定で、画像は600dpiの解像度で公開されます。

また、同館ではデジタル化画像を用いて、授業計画やティーチングガイドといった教育用の資料も作成するとしています。

韓国国立中央図書館(NLK)、ISSUE PAPER『ニューメディア時代の視聴覚資料デジタル保存戦略』を発刊

2021年8月30日、韓国国立中央図書館(NLK)が、ISSUE PAPERの第5号として『ニューメディア時代の視聴覚資料デジタル保存戦略(뉴미디어 시대의 시청각 자료 디지털 보존 전략)』を発刊しました。急速に変化するデジタル環境下において、視聴覚資料の長期保存方法とその方向性について調べることを目的としたものです。

同館では、1950年代のLPからデジタルファイルまでの約84万点の視聴覚資料を所蔵していますが、再生機器の製造中止や媒体の物理的劣化により、資料が事実上消失する危機に直面していることから、多様な視聴覚資料の長期保存と将来的な活用のため、継続的にデジタル化変換作業を行っています。

現在、デジタル化視聴覚資料の技術メタデータの自動抽出の実証研究を行って、これを業務プロセスに適用する方法を研究しており、今回のISSUE PAPERでは、視聴覚資料のデジタル化と技術メタデータの自動抽出過程を紹介するとともに、視聴覚資料のデジタル化過程の詳細や考慮すべき点についても提示しています。また、デジタル化された視聴覚資料の技術メタデータを自動的に抽出し、これをコンテンツのファイルと一緒に保存する長期保存戦略も説明されています。

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