デジタル化

オーストラリア政府、著作権法を改正予定であることを発表:デジタル環境での資料へのアクセス支援のため

2020年8月13日、オーストラリア・インフラ・運輸・地方開発・通信省が、著作権法を改正予定であることを発表しました。

発表によると、今回の改正では、オーストラリアの国民および公共機関のデジタル環境での資料へのアクセスを支援することが目的とされています。また、新型コロナウイルス感染症感染拡大により、著作権の改正へのニーズがより高まったことに触れています。

改正草案は2020年の後半に公開する予定であり、改正予定の項目として次の5点が挙げられています。

1.オーファンワークスの利用に関する枠組み
調査が行われたものの著作者が不明であり、著作が著者に帰属していることが明確な著作物の利用を許可する項目の追加。

2.非営利目的の引用に関するフェアディーリングの例外規定
非営利目的の引用またはサービスや製品にとって商品的価値を持たない引用であり、文化・教育・政府機関、公益や個人的研究に関わる個人により、引用に関する公正な慣習に従って行われるものに対するフェアディーリングの例外規定の追加。

3.図書館および公文書館に関する例外規定の改正
図書館および公文書館に関して定められている例外規定について、全ての著作物に適用され、技術的に中立となるように簡略化、更新を行う。

米国議会図書館(LC)、1790年から1870年にかけて著作権申請時に提出された標題紙のデジタルコレクションを公開:1870年著作権法150周年

2020年8月13日、米国議会図書館(LC)が、現代的な著作権法が成立した1870年著作権法の150周年を記念し、1790年の著作権法制定から1870年までの期間に、著作権申請で使用された標題紙のデジタルコレクションを公開したと発表しました。

同コレクションは、1790年著作権法および1831年著作権法に則って、著者や出版者から送付された標題紙の画像約5万件で構成され、コメディや演劇、ハウツー本等が含まれています。また、絶版となっている資料や、著作権申請が出版の前に行われていたために実際に出版された著作とは異なるものがあるとしています。

記事の中では、初期の著作権申請に関する資料はワシントンD.C.の連邦地方裁判所や政府機関に保管されていましたが、1870年の著作権改正時にまとめてLCに移管されたということが述べられています。

次のフェーズとしては、政府職員により作成、維持管理されていた手書きの著作権台帳のデジタル化が挙げられています。

米国国立公文書館(NARA)、大統領図書館ごとの電子化の進捗状況や利用可能なコンテンツ等を案内する“Presidential Library Explorer”を公開

2020年8月11日、米国国立公文書館(NARA)が、“Presidential Library Explorer”を公開したことを発表しました。

同サービスは、2019年に公開された“Record Group Explorer”に続く二番目の情報探索支援ツールです。NARAが運営する大統領図書館ごとに、デジタル化作業状況を可視化するグラフ、オンラインで閲覧可能なコンテンツへの資料種別毎のリンク、デジタル化が完了していない資料の一覧へのリンク、市民アーキビスト(citizen archivist)のページへのリンクがまとめられています。

Introducing the Presidential Library Explorer(NARA, 2020/8/11)
https://narations.blogs.archives.gov/2020/08/11/introducing-the-presidential-library-explorer/

米・ニューヨーク公共図書館(NYPL)の米国におけるユダヤ人向け新聞のコレクション(記事紹介)

2020年8月12日付で、ニューヨーク公共図書館(NYPL)が、同館の米国で発行されたユダヤ人向けの新聞のコレクションに関するブログ記事を公開しました。

同コレクションには、英語、ヘブライ語、イディッシュ語、ドイツ語、ポーランド語等で書かれた新聞が含まれ、19世紀から20世紀にかけて北米に移住したユダヤ人が話していた言語のほとんどを網羅しています。

記事では、2012年から、NYPLと米・コロンビア大学、米・ニューヨーク大学のコンソーシアム“Manhattan Research Libraries Initiative”が、イスラエル国立図書館主導のプロジェクト“Historical Jewish Press Project”へ参加していることが述べられています。同プロジェクトは、ユダヤ人向けに様々な国、言語で、様々な時代に発行された新聞のデジタルコレクションを構築するものです。NYPLが所蔵する英語、イディッシュ語、ラディ―ノ語の新聞17タイトル、70万6,000ページがデジタル化され、そのうちの15タイトルがオンラインで公開されています。

国立教育政策研究所教育図書館、戦後教育資料デジタルアーカイブを公開

2020年8月6日、国立教育政策研究所教育図書館が、戦後教育資料デジタルアーカイブを公開したことを発表しました。

同デジタルアーカイブでは、1945年の第二次世界大戦終戦から1952年の講和条約までの教育改革に関する資料のうち、著作権調査等が完了した約1,200点の資料が公開されています。

ニュース(国立教育政策研究所教育図書館)
https://www.nier.go.jp/library/
※2020年8月6日付で、戦後教育資料デジタルアーカイブの公開に関するお知らせが掲載されています。

戦後教育資料デジタルアーカイブ
https://www.nier.go.jp/library/sengo/index.html

ジョージ・イーストマン博物館(米国)、フィルム撮影された映画23タイトルをデジタル化しオンライン公開

米国CBS系列の放送局WROC-TVの公式ウェブサイト“RochesterFirst.com”の2020年7月28日付けニュースとして、ニューヨーク州ロチェスターに所在するジョージ・イーストマン博物館(George Eastman Museum)が、フィルム撮影された映画23タイトルをデジタル化しオンライン公開したことが報じられています。

同館がデジタル化した映画はウェブサイト上で自由に視聴することが可能で、ほとんどの作品について内容の紹介文が付されています。公開された作品には、20世紀前半の映画製作者で『風と共に去りぬ(Gone with the Wind)』等に携わったセルズニック(David O. Selznick)の作品のスクリーンテストや、世界的な写真用品等のメーカーでロチェスターに本拠を置くイーストマン・コダック社に関する映画“Highlights and Shadows”などが含まれています。

同館は、このフィルム撮影された映画のオンライン公開事業について、2010年に50タイトル以上の公開を行ったものの、事情により終了したウェブサイトを引き継いだ新プロジェクトとして実施していることや、保存されたフィルムのみをデジタル化公開することで同館の保存事業のショーケースの役割を担っていることなどを説明しています。

米・コーネル大学図書館、ヒップホップに関する写真のアーカイブ“Ernie Paniccioli Photo Archive”を公開

2020年8月4日、米国のコーネル大学のニュースサイトである“Cornell Chronicle”で、同大学図書館が、写真家のアーニー・パニッチョーリ(Ernie Paniccioli)氏が撮影したヒップホップに関する写真のアーカイブ“Ernie Paniccioli Photo Archive”を公開したと発表されました。

1980年代から2000年代初期にかけてのヒップホップミュージックと文化を記録した約2万枚の写真の画像が提供されています。発表によると、ヒップホップ文化に関する資料を収集した同大学のコレクション“Cornell Hip Hop Collection”で提供されている10万以上のコンテンツのうち、同氏が撮影した写真のデジタル化コンテンツがまとめられたものです。

高山市(岐阜県)、デジタルアーカイブ事業において「写真で残していきたい風景や慣習」を定点観測するための撮影協力者を募集

2020年8月1日、岐阜県の高山市が、同市が行うデジタルアーカイブ事業において「写真で残していきたい風景や慣習」を定点観測するための撮影協力者を募集しています。

撮影候補地は現在募集中で、2020年度は約200か所を撮影予定ですが、広大な市域の中の「大切にしていきたい風景・慣習」を確実に記録するために、協力者を募集するものです。

募集人数は10人程度で、一人当たり約20箇所撮影します。撮影機材の貸与はありません。

写真撮影(定点観測)協力者を募集します(高山市,2020/8/1)
https://www.city.takayama.lg.jp/shisei/1005951/1012525/1012855.html

米・ハーバード大学ホートン図書館、2020年度はアフリカ系アメリカ人に関する資料に焦点を当てデジタル化を実施

2020年7月30日、米国のハーバード大学ホートン図書館が、2020年度(学年度)は、アフリカ系アメリカ人に関する資料に焦点を当て、デジタル化を実施することを発表しました。同プロジェクトに注力するため、2020年度はその他のデジタル化プロジェクトを全て一時停止するとしています。

デジタル化作業により、アフリカ系アメリカ人の歴史に関するオンラインのコレクション“Slavery, Abolition, Emancipation, and Freedom: Primary Sources from Houghton Library”が作成される予定です。また、デジタル化を行う資料の候補には奴隷の売渡証や、奴隷制度廃止論者の手紙、会議の議事録、写真等が含まれています。

発表によると、2021年の夏には、同コレクションのウェブページが作成され、資料の説明やコレクションにおける主要な黒人の作家の伝記、メタデータ等が提供される予定です。

欧州研究図書館協会(LIBER)、ドイツ連邦司法・消費者保護省(BMJV)による改正EU著作権指令の国内法化案へのパブリックコメント募集に対して回答を提出

2020年7月27日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、ドイツ連邦司法・消費者保護省(Bundesministerium der Justiz und für Verbraucherschutz:BMJV)が実施中の「デジタル単一市場における著作権指令(the Directive on Copyright in the Digital Single Market)」国内法化案へのパブリックコメント募集に対して、回答を提出したことを発表しました。

LIBERは、BMJVの公開した法案について、絶版著作物の利用・大量のデジタル化に関連して2点の懸念を指摘しています。1点目の懸念として、文化遺産機関が集中管理団体(CMO)をいつ利用すべきか、例外的に利用しなければならない場面はどのようなものかについて、原案では明確でないことを挙げています。LIBERはこの懸念へ対応するために、CMOが関与してライセンスを提供すべき事例、「代替的な著作権の例外規定」(fall-back exception)が提供されるべき事例の明確化、CMOの決定プロセスへの期限の設定などの提言を行っています。

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