デジタル化

国際図書館連盟(IFLA)、“Controlled Digital Lending(CDL)”を支持する声明を発表

2021年6月16日、国際図書館連盟(IFLA)は、図書館が蔵書をデジタル化し、電子的な複製物を「1部1ユーザー」の制限のもと貸し出す“Controlled Digital Lending(CDL)”に関する声明を発表しました。

発表の中では、CDLはコロナ禍およびポストコロナにおいて、蔵書へのアクセスを提供する自由を図書館に与えるものであり、IFLAはCDLを支持すると述べられています。同声明は、2021年5月にIFLAの運営理事会(Governing Board)において承認されたものであり、それぞれの国や地域における政策を考慮する必要があるとしつつ、CDLの概要、CDLに関する経済的・法的根拠等を示しています。

経済的根拠について、市場はデジタル資料へのアクセスを一貫して公正な形では提供できないこと等を挙げています。法的根拠については、収集・貸出の自由は図書館機能の核となる、デジタル資料の利用は少なくとも紙媒体の資料と同程度の柔軟性を持つべきである、複数の例外規定や権利制限を同時に適用することは許容できるものであるといった3点が、原則として挙げられています。

ルクセンブルク国立図書館(BnL)、ルクセンブルクのポスター780枚以上がオンラインで検索可能に

2021年6月16日、ルクセンブルク国立図書館(BnL)は、ルクセンブルクのポスター合計780枚以上がオンラインで検索可能になったと発表しました。

発表によると、ルクセンブルクの遺産の大規模デジタル化事業の一環で、今回500件以上のポスターが追加され、合計782件が同国内の図書館所蔵資料の横断検索サービス“a-z.lu”と同館のデジタル化資料のポータルサイト“eluxemburgensia.lu”から検索できます。

1940年以前の歴史的な資料、広告、観光、音楽関連、見本市、スポーツイベントのポスター等が含まれています。

Offre numérique : plus de 780 affiches luxembourgeoises désormais en ligne(BnL, 2021/6/16)
https://bnl.public.lu/fr/actualites/communiques/2021/780_affiches_en_ligne.html

米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)、教員のためのコンテンツを提供するウェブサイト“Museums for Digital Learning”を公開

2021年6月9日、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)が、幼稚園から高等学校(K-12)の教員のためのコンテンツを提供するウェブサイト“Museums for Digital Learning”を公開したと発表しました。

IMLSが米・インディアナポリス美術館及び米・フィールド自然史博物館らと連携し2018年から実施している、多様な博物館が参加し、コレクションを用いたK-12の学校の教員向けの教育資源を開発・共有することを目的とした“Museums for Digital Learning”事業により作成されたプラットフォームです。

発表の中では、K-12の学校の教員と協力してあらゆる博物館にとって入力・追加しやすいテンプレートを作成したことや、29の教育資源を公開しており主題や学年で検索が可能なこと、23館の博物館が参加を表明していること等が述べられています。

北米の研究図書館センター(CRL)、世界の新聞コレクションのデジタル化公開事業“Global Press Archive CRL Alliance”の第2フェーズの開始を発表

2021年5月26日、北米の研究図書館センター(CRL)が、世界の新聞コレクションのデジタル化公開事業“Global Press Archive CRL Alliance”の第2フェーズの開始を発表しています。同事業は、CRLが、East View Information Services社と連携して2019年に開始した事業で、これまで5つのコレクションが公開されています。

2022年中頃までに、アクセスできる新聞を450万ページまで拡大し、そのうち300万ページはオープンアクセスであることを目指しており、2年間の第2フェーズでは、オープンアクセスコンテンツとして200万ページ、会員館のみ利用可能な著作権保護期間中のコンテンツとして100万ページ、のあわせて300万ページが提供される予定です。

対象となるコンテンツは、CRL等で洗い出し、諮問委員会や会員館から選ばれた広範な主題的専門知識を持つ選定チームによって優先順位が決められます。全てのコンテンツは画像および全文テキストで提供され、East View Information Services社のカスタマイズされたGlobal Press Archiveのプラットフォームで公開されます。

東北大学附属図書館、同館が所蔵する「狩野文庫」のうち約4,000点の画像を「新日本古典籍総合データベース」上で公開

2021年6月11日、東北大学附属図書館は、同館が所蔵する「狩野文庫」全10門のうち、第7門(数学)、第8門(理学)、第10門(工学・兵学)に含まれる約4,000点の画像(約27万画像)の公開を発表しました。「狩野文庫」は、明治期の思想家・教育者である狩野亨吉文学博士の旧蔵書からなる、和漢書古典を中心とする古典籍コレクションです。

国文学研究資料館の「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」の一環としてマイクロフィルムからデジタル化されたものであり、国文学研究資料館の「新日本古典籍総合データベース」上で公開されています。

【本館】「狩野文庫」マイクロフィルムから4千点27万画像を公開(第一弾)(東北大学附属図書館, 2021/6/11)
http://www.library.tohoku.ac.jp/news/2021/20210611.html

神田明神、歴史資料のオンライン博物館開設のためクラウドファンディングを実施

2021年6月10日、神田明神(東京都千代田区)が、オンライン博物館開設のためクラウドファンディングを実施することを発表しました。

所蔵する歴史資料を未来に継承することを目的としており、発表の中では、未公開資料も公開するとあります。

歴史資料を未来へ!クラウドファンディング初挑戦(神田明神, 2021/6/10)
https://www.kandamyoujin.or.jp/infoblog/detail/?pid=22

参考:
京都府立京都学・歴彩館、「京都学デジタル資料閲覧コーナー」で閲覧できるデジタル資料に「賀茂別雷神社文書」が加わったと発表
Posted 2021年5月25日
https://current.ndl.go.jp/node/44065

米国のモハメド・アリ・センター、所蔵資料のデジタルアーカイブおよびオンライン展示を公開

2021年6月8日、元プロボクサーのモハメド・アリに関する博物館を備える米国のモハメド・アリ・センター(Muhammad Ali Center)が、所蔵する資料のデジタルアーカイブおよびオンライン展示を公開したと発表しました。

最初のオンライン展示として、“Ali and Neiman: A Friendship in Art”をテーマに、モハメド・アリと友人である芸術家のリロイ・ニーマンが作成した芸術作品に焦点を当てた展示が公開されています。また、発表の中では、資料のデジタル化は現在も継続しており、今後新たなコレクションを公開する予定であると述べられています。

発表によると、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)から5万ドルの助成を受けて構築されました。

フランス・ソルボンヌ大学共同図書館、デジタル化・索引付与等を行ったフランス革命期の議会会議録を提供する新しいウェブサイトの公開を発表

2021年6月2日、フランスのソルボンヌ大学共同図書館(Bibliothèque Interuniversitaire de la Sorbonne:BIS)は、同館のTwitterアカウントで、会議録“Archives parlementaires”のうち、フランス革命期のものを提供する新たなウェブサイトが公開されたと発表しました。

“Archives parlementaires”は、1800年から1860年までの議会の会議録を対象に第二帝政期の1862年から刊行が始まり、その後、1867年にフランス革命期の議会も対象に含まれました。BISらは、1789年春から1794年12月にかけての議会会議録102巻、8万ページについて、デジタル化や索引・タグの付与を行うプロジェクトを2011年から進めています。

今回公開されたベータでは、発表時点で102巻中の41巻分のデータを提供しているとあります。

アーカイブズにおける、利用者からのデジタル化の要望への対応:対応判断のワークフロー(文献紹介)

2021年6月1日付で、Journal of Copyright in Education and Librarianship誌のVol.5 No.1に、米国のノーステキサス大学図書館に所属するKevin S. Hawkins氏とJulie Judkins氏による論文“Formulating a Scalable Approach to Patron-Requested Digitization in Archives”が掲載されています。

論文の中では、同大学を含め、新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴い、利用者からの資料デジタル化・共有の要望が増えたことや、これまでに発表されたワークフローや方策等に触れています。そして、米国著作権法の規定に基づいたリスク評価を踏まえ、利用者から寄せられるアーカイブズ資料のデジタル化要望への対応を迅速に判断するためのワークフローを示しています。

また、コロナ禍以降においてもコレクションをリモートで提供できるようなポリシーの策定を行うため、専門家委員会を設置することを提案しています。

Internet Archive(IA)、蔵書評価の結果除籍されることとなった演劇史に関するコレクションの寄贈をカナダ・ハミルトン公共図書館から受ける:デジタル化しオンライン公開へ

2021年5月26日、Internet Archive(IA)は、カナダ・オンタリオ州のハミルトン公共図書館(HPL)から、18世紀から19世紀にかけての演劇史に関する約1,000冊の図書の寄贈を受けたと発表しています。

同コレクションは、HPLが、演劇文化史に関心を抱いた地元の大学の演劇学の教授から、1984年に寄贈を受けたもので、照明や演出といった演劇の技術的な詳細、演劇界のさまざまな俳優は劇作家、英国や米国の様々な種類の劇場の建築、旅回りの劇団の歴史といった図書が含まれます。

近年、HPLが定期的な蔵書評価を行った際に、米国や英国に関する資料である同コレクションは、ハミルトン地区の作品を重視する同館の業務にそぐわないとされ、同館では、いくつかの大学図書館や劇場アーカイブに問い合わせを行いましたが、多くの人に利用されるとしてIAに寄贈することとなったものです。

同コレクションは、IAでデジタル化しオンラインで公開されることとなっており、デジタル化公開後、図書は長期保存され、デジタル化資料は“Controlled Digital Lending(CDL)”のもとで提供されます。

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