コンソーシアム

“ORCID DE”プロジェクト、2020年から2022年までを期間とする新たなプロジェクトフェーズを開始

2020年1月30日、ドイツ国内におけるORCIDの導入促進を図る“ORCID DE”プロジェクトは、ドイツ研究振興協会(DFG)の助成により2016年に開始したプロジェクトフェーズが終了し、新たに2020年から2022年までを期間とするプロジェクトフェーズを開始したことを発表しました。

ドイツでは、2016年から2019年まで実施された同プロジェクトを通して、ORCID iDの登録数が2016年4月の約4万4,000から2020年1月には約16万8,000へ増加しています。また、プロジェクトの一環として設立されたドイツのORCIDコンソーシアムには、2020年1月時点で56機関が加盟しています。

独・ネットワーク情報イニシアチブ(DINI)の主導により2020年に開始する第二フェーズでは、ORCIDをインフラとして統合済の研究機関ネットワークの拡大と安定化が進められる予定です。また、30か月のプロジェクト期間中、出版社・研究助成機関などORCIDへ関心を持つ組織や利用している組織への支援拡大、及び機関用のORCIDとリンクした識別システムの開発に特に重点を置く、としています。

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)に“Read & Publish”モデル契約を提案

2020年1月28日付の大学図書館コンソーシアム連合(JUSTICE)のお知らせで、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)がオープンアクセス(OA)出版モデルへの「転換契約(transformative agreement)」として、“Read & Publish”モデル契約の提案をJUSTICEに行ったことが発表されています。

JUSTICEのお知らせによると、CUPからのモデル契約の提案は2019年8月29日に行われ、提案期間は2020年から2022年までの3年間です。同契約はオプトイン方式であり、JUSTICEに加盟する500以上の大学図書館・研究図書館は、従来の「購読料モデル」と新たに提案された「Read & Publishモデル」のいずれかを選択することができます。「Read & Publishモデル」を選択した機関が、FTE(フルタイム換算値)ごとに定められた購読費とOA出版のための追加経費を支払うことで、その機関に所属する著者は、契約コレクションの対象タイトルに無制限でOAの論文を出版することが可能になります。

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)とスペイン国立研究協議会(CSIC)、3年間の“Read & Publish”契約を締結

2020年1月15日、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)とスペイン国立研究協議会(CSIC)、3年間の“Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。

この“Read & Publish”契約は大学出版社とスペインの研究機関が締結した初めての契約であると同時にCUPが南欧で締結した初めての契約となります。2020年からCSICに所属する約120機関の著者は、公的資金を受けた論文をCUPのハイブリッド誌及び完全オープンアクセス(OA)誌にOAで掲載可能になります。また、科学・技術・医学・人文科学・社会科学等にまたがる400タイトル以上のCUPの完全な学術雑誌コレクションにアクセス可能になります。

スウェーデン・Bibsamコンソーシアム、国際光工学会(SPIE)と3年間の“Read & Publish”契約を締結

2020年1月13日付の国際光工学会(SPIE)のお知らせにおいて、スウェーデンのBibsamコンソーシアムとSPIEが、2020年から2022年までの3年間を契約期間とする“Read & Publish”契約を締結したことが発表されています。

この契約はSPIEが署名した初めての“Read & Publish”契約となり2020年1月1日から契約が開始されます。契約によりBibsamコンソーシアムの構成員は、SPIE発行の会議録や雑誌論文50万点以上を収録した“SPIE Digital Library”の全てのコンテンツへのアクセスが可能になります。また、論文処理費用(APC)を支払うことなく、無制限にSPIE発行の学術雑誌で研究成果をオープンアクセス(OA)化することができます。

独・プロジェクトDEAL、Springer Nature社との“Read and Publish”契約に最終合意

2020年1月9日、Springer Nature社と独・プロジェクトDEALを代表して交渉を担当している独・Max Planck Digital Library(MPDL)は、“Read and Publish”契約が正式に締結されたことを発表しました。

この契約は2019年8月22日に署名された覚書(Memorandum of Understanding)を引き継いだものです。プロジェクトDEALを構成する700以上のドイツの研究機関に所属する著者が、Springer Nature社のハイブリッド誌、及び完全オープンアクセス(OA)誌に受理された研究成果を即時OA化することが可能になります。年間1万3,000件以上の論文のOA出版が期待されています。

英国初の“Read & Publish”契約となった2016年から2018年の“Springer Compact”試験契約に関する英・Jiscの評価(文献紹介)

英・Jiscの研究や活動の成果物等を保存するデジタルアーカイブJisc Repositoryに、2020年1月1日付で、論文“Transitioning to open access: an evaluation of the UK Springer Compact Agreement pilot 2016-2018”のプレプリント版が公開されています。

同論文はJiscのMafalda Marques氏、Graham Stone氏の共著により執筆され、2020年9月刊行の米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.81, no.6に掲載予定の論文です。英国にとって初めての“Read & Publish”契約となった、2016年から2018年の3年間を契約期間とする“Springer Compact”試験契約の分析を内容としています。

論文では、この契約によりオープンアクセス(OA)で出版された論文数、著者が論文のOA化をオプトアウトした件数、契約の条件に不適格であったためOA化が拒否された件数等のデータが分析に使用されています。機関の費用抑制、OA化のオプトアウトや拒否によって発生する財政的な影響についても言及されています。

スウェーデン王立図書館(NLS)、学術出版社との「転換契約」におけるBibsamコンソーシアム内での新しい費用配分モデルを検討した委託調査報告書を公開

2019年12月19日、スウェーデン王立図書館(NLS)は、コンサルタント会社への委託により実施した調査の報告書として、“Introducing pay-to-publish in cost distribution models of ‘The Bibsam Consortium, Sweden’”の公開を発表しました。

この調査は、近年Bibsamコンソーシアムがオープンアクセス(OA)出版モデルへの「転換契約(transformative agreement)」として、複数の学術出版社と“Read & Publish”契約締結を実現していることを背景に、こうした新しい種類の契約に関するコンソーシアム内部での費用配分の課題の検討を目的として実施されました。完全なOA出版の状況下における費用配分について、将来にわたって有効な基礎とすることが意図されています。報告書では、将来的な費用配分のシナリオ、国際的な状況との比較、費用配分モデルの変更がコンソーシアム参加機関へ与える財政上の影響の推定などの内容が扱われています。

カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)・カナダ研究図書館協会(CARL)が2020年1月1日からナショナルコンソーシアムDataCite Canadaを所管

2019年12月5日、カナダ研究知識ネットワーク(CRKN)は、CRKNとカナダ研究図書館協会(CARL)の研究データ管理に関するプロジェクトPortageが、Dataciteのコンソーシアムメンバーとして承認されたと発表しています。

2020年1月1日から、CRKNとCARLがDataCite Canadaを所管します。

現在所管しているカナダ国家研究会議(National Research Council of Canada)からCRKNとCARLへの移管計画は現在策定中としています。

CRKN and CARL Portage to Manage DataCite Canada as of January 1, 2020(CRKN, 2019/12/5)
https://www.crkn-rcdr.ca/en/crkn-and-carl-portage-manage-datacite-canada-january-1-2020

スウェーデン・Bibsamコンソーシアム、Wiley社と3年間の“Read & Publish”契約を締結

2019年12月17日、Bibsamコンソーシアムを代表してライセンス契約の交渉を行っているスウェーデン王立図書館(NLS)は、Wiley社とオープンアクセス(OA)出版モデルへの「転換契約(transformative agreement)」として、“Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。

この契約にはスウェーデン国内45の機関が参加しています。契約参加機関に所属する研究者は、同社の約1,500タイトルの購読誌へ引き続きアクセス可能になる一方、同社の約1,550タイトルのゴールドOA誌・ハイブリッドOA誌で、追加費用を支払うことなく自身の研究成果のOAによる出版が可能になります。

Wiley社のプレスリリースによると、この契約は2020年1月1日に発効する3年間の契約です。この契約により、同社の学術雑誌で追加費用を支払うことなく研究成果をOA出版する資格がある全ての研究者・学生は自動的に特定され、研究成果をOA化する機会を利用できる旨が通知されます。また、契約に参加する45機関には、資金管理や詳細なレポート作成等が可能な専用のオープンアクセスアカウントダッシュボードが用意されます。

米・SPARCによるElsevier社がオープンアクセス(OA)要項受諾の見返りに同社のデータ分析製品の購入を研究機関へ要求している問題への警鐘(記事紹介)

米・SPARCは2019年12月10日付で、“Leaked Dutch Contract with Elsevier Raises Significant Alarm Bells”と題した記事を投稿しました。

同記事は、Elsevier社とオランダ大学協会(VSNU)との契約交渉漏洩の報道により明らかとされた、同社が学術雑誌契約におけるオープンアクセス(OA)要項を受諾することの見返りに、同社のデータ分析製品購入をVSNUへ要求している問題について、重大な警鐘を鳴らす目的で発されたものです。契約内容の正確な詳細は不明でありElsevier社は報道には誤りがいくつか含まれていると主張しているものの、SPARCは大筋では信頼できるものであるとして、このような契約に署名することは非常に問題があり、研究機関やコンソーシアムは短期的な利益を追求する前にその影響をよく検討すべきであると警告しています。

SPARCはこうした契約の問題点として以下の5点を挙げています。

1. 出版に関する契約とデータに関する契約が結び付けられることは、一方のみの解約などの柔軟性が制限される可能性があり問題である。

2. データ分析事業において出版コンテンツを持つ事業者への独占・寡占を促す可能性がある。

ページ