コンソーシアム

ラテンアメリカ地域におけるビッグディール契約の調査(記事紹介)

研究成果のオープンアクセス(OA)化を推進するラテンアメリカの国際組織LA Referencia の2020年8月27日付け記事において、2019年のラテンアメリカ地域におけるビッグディール契約の調査結果が紹介されています。

調査は2018年10月にチリのサンティアゴで開催された第2回ラテンアメリカ・カリブ海諸国コンソーシアム会議(Segunda Reunión de Consorcios de América Latina y El Caribe)に端を発するもので、学術雑誌のパッケージ契約に対する各国の支出を定量化することを目的として実施され、5つの主要出版社(American Chemical Society、Elsevier、Springer Nature、Taylor&Francis、Wiley)との契約に焦点を当てています。

調査結果のレポートはスペイン語で公開されていますが、記事ではその概要を英語で紹介しており、以下のような内容等が示されています。

EBSCO社、英国の大学コンソーシアムと協力して2020年5月1日に発効した電子出版物の付加価値税をゼロ税率化する法律への対応を実施

2020年7月29日、EBSCO社は、英国の大学コンソーシアムである南部大学共同購買コンソーシアム(Southern Universities Purchasing Consortium:SUPC)の協力の下、2020年5月1日に発効した電子出版物の付加価値税(VAT)をゼロ税率化する英国の法律への対応を実施したことを発表しました。

英国では電子書籍や電子ジャーナルなどの電子出版物について、2020年5月1日以降VATをゼロ税率化する法律が発効しています。2020年分の購読料を法律の適用前に支払いしていた場合、5月から12月分のVATをゼロ税率により再請求することも可能ですが、猶予が45日間と短く、また、事業者に強制するものではないという状況になっていました。

このような中、EBSCO社はSUPCの協力の下、同社の商品のうち法律の適用によりVATのコストが不要となる対象を特定し、SUPCに加盟する契約者に対して合計450万ポンド以上の還元を実現した、と報告しています。

英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、Jiscら、出版社に大学の財政状況逼迫を踏まえた雑誌購読料の値下げを要請

2020年8月13日、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)、Jiscらが、出版社に対する大学の財政状況逼迫を踏まえた雑誌購読料の即時値下げの要請を発表しました。

発表では、大学は、全体的に支出を削減すること、オンライン授業や新型コロナウイルス感染症対策へ資金を割くことが強く求められ、出版社がこの状況を考慮した対応を行わない場合、出版社との契約を取り消す可能性があることが指摘されています。

また、Jiscは、大手出版社に2021年度(学年度)の予算提案を2020年8月半ばまでに再提出することを求めたことに触れています。再提出された提案は、Jiscのコンテンツ専門部会で検討され、大学との協議のため共有する予定であると述べられています。

英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、感染症の影響下で学生・研究者に安定して電子コンテンツを供給するための出版社等への要望を示した声明を公開

英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)は、2020年8月11日付で、英国及び世界中の高等教育機関が新型コロナウイルス感染症の深刻な影響を受ける中で出版社等に求める要望として、図書館が学生・研究者に安定して電子コンテンツを供給するための要件を示した声明“RLUK Content Statement”を公開しました。

RLUKは新型コロナウイルス感染症が高等教育機関に与えた影響により、多くの図書館が次年度予算の大幅削減を余儀なくされ、既存の購読契約の解約や新規コンテンツ契約の凍結を検討しており、今後数年間はコンテンツな合理的な価格と教育・研究のために必要なリソースへのアクセス確保が図書館の中心的な検討課題であることを声明の背景に挙げています。声明は出版社等に対して、研究図書館が直面する財政的な困難を認識し、学術情報流通に関わるシステムをよりオープンにし、持続可能性と透明性を向上させるため協力を求める内容です。

国文学研究資料館、「日本古典籍研究国際コンソーシアム」の立ち上げを発表

2020年7月31日、国文学研究資料館を幹事機関として、「日本古典籍研究国際コンソーシアム」が立ち上げられることが発表されました。

同コンソーシアムは、日本古典籍を対象とする研究のさらなる進化・発展のために国内外の機関が協働し、情報や研究資源を共有できる場の構築を目的としています。

発表によると、参加機関申し込みの受付が開始しており、対象は国内外の教育・研究機関、資料保有機関(部局単位)、学協会です。参加費は不要です。

日本古典籍研究国際コンソーシアム 参加への呼びかけ(国文学研究資料館, 2020/7/31)
https://www.nijl.ac.jp/news/2020/07/post-133.html

参考:
【イベント】第5回日本語の歴史的典籍国際研究集会(11/15・立川)
Posted 2019年8月7日
https://current.ndl.go.jp/node/38752

欧州14大学の共同運営による機関リポジトリを統合して学術成果物を迅速にオープンアクセス(OA)出版するためのプラットフォーム“University Journals”(文献紹介)

2020年6月29日付で、欧州研究図書館協会(LIBER)の季刊誌“LIBER QUARTERLY”の第30巻第1号(2020)掲載の事例研究として、複数の大学の共同運営によって、個々の機関リポジトリを統合し参加大学所属の研究者による成果物をオープンアクセス(OA)出版するために整備中のプラットフォーム“University Journals”設立の経緯や展望を紹介した論文が公開されています。

“University Journals”は、査読を経て商業出版社の購読誌に学術成果を発表する伝統的な学術出版システムがオープンサイエンスの発展を阻害している一方、機関リポジトリによる成果物のOA化は研究者に十分なメリットを示せていないため進展していないという問題意識から設立の検討が始まりました。個々の大学の機関リポジトリと接続し、出版社から独立した効率的・高品質で持続可能性の高い出版プラットフォームを構築するプロジェクトとして、オランダのPICA財団等の助成を受けながら、欧州14大学のコンソーシアムにより共同研究が進められています。

欧州大学協会(EUA)、転換契約と学術出版システムの将来に関する調査報告書を公表

2020年7月15日、欧州大学協会(EUA)は、学術誌の転換契約と学術出版システムの将来に関する調査報告書“Read & Publish contracts in the context of a dynamic scholarly publishing system”の公開を発表しました。

本報告書は、EUAから調査を受託したコンサルタント会社Technopolis Groupが2019年6月から2020年3月にかけて実施した、欧州の大学・図書館関係者等を中心としたステークホルダーへのインタビュー、デルファイ法を用いた調査等によるデータ収集・分析の成果をまとめたものです。調査の実施目的として、転換契約が今後どのように発展し得るか、そのさらなる拡大が学術出版システムにどのような影響を与え得るかをより良く理解することを挙げています。

報告書では、学術出版システムの主なビジネスモデルに基づいて、学術出版システムの将来シナリオを3パターン設定し、参照シナリオとの比較検討を行っています。

スイスの学術出版物アーカイブSONAR、国内の中小規模の高等教育機関を想定した機関リポジトリサービスを近日中に提供開始

2020年7月3日、スイスの学術出版物アーカイブSONAR(Swiss Open Access Repository)は、国内の中小規模の高等教育機関を想定した機関リポジトリサービスの提供をまもなく実施することを発表しました。

SONARは、スイスの公的研究機関所属の研究者による出版物の収集・促進・保存を目的として、西部スイス図書館ネットワーク“RERO”等のコンソーシアムによって運営されるプロジェクトです。スイス国内の機関リポジトリ・分野リポジトリのコンテンツやメタデータを集約するアグリゲータとしての機能と、集約したコンテンツを国内の機関リポジトリやGoogle Scholarをはじめとした学術文献検索エンジン等に発信する機能を担っています。

SONARが初めて提供する機関向けの機関リポジトリ提供サービスは、REROを中心に構築が進められています。複数機関で共有して使用し、共通の検索インタフェースや登録ポリシー等を備えた“Shared portal”と機関独自にカスタマイズされたポリシー等の設定が可能な“Dedicated portal”の2種類のサービスの準備が進められています。“Shared portal”は2020年7月中に、“Dedicated portal”は2020年後半に提供される予定です。

フィンランドのコンソーシアム“FinELib”とTaylor & Francisグループ、Read&Publish契約の締結を発表

2020年7月3日、フィンランドの大学、研究機関、公共図書館等によるコンソーシアム“FinELib”とTaylor & Francisグループが、Read&Publish契約を締結したことを発表しました。

同契約は、2019年から行われていた交渉の結果締結されたものであり、契約期間は2022年12月31日までです。

今回の契約により、契約に参加しているフィンランドの15の機関に所属する研究者は、2020年6月3日から2022年12月31日まで、同社の2,000タイトルを超えるハイブリッドジャーナルで追加費用を支払うことなく論文のオープンアクセス(OA)出版が可能となります。年間で合計442本までが対象です。あわせて、同社が刊行する1,800タイトル以上の雑誌にアクセスできるとしています。

Springer Nature社とスイスの大学の連合団体swissuniversities、“Read and Publish”契約に最終合意

2020年7月1日、Springer Nature社とスイス学術図書館コンソーシアム(Consortium of Swiss Academic Libraries:CSAL)は、2020年4月に取り交わされた覚書を受けて、同社とスイスの大学の連合団体swissuniversitiesとの“Read and Publish”契約が最終合意に至ったことを発表しました。

同契約は2022年12月31日まで有効な3年間の契約です。契約期間中、swissuniversities及びCSALの契約参加機関に所属する著者は、自身の研究成果を2,200誌以上のSpringer Nature社のハイブリッド誌で即時オープンアクセス(OA)化することが可能になります。また、SpringerLink上で公開された全ての研究成果にアクセス可能となります。

同契約はSpringer Nature社にとって、国レベルで転換契約を締結した11番目の事例となります。また、2024年までに研究成果の100%OA化を目指すswissuniversitiesにとって、2020年5月に締結されたElsevier社との契約に続く2番目の大手学術出版社とのOA出版に関する契約となります。

契約書の全文はCSALのウェブサイトで公開されています。

ページ