コンソーシアム

フランスの学術機関コンソーシアムCouperin、研究データ管理支援サービスについてのアンケート結果を公開

2021年7月9日、フランスの学術機関コンソーシアムCouperinのオープンサイエンスに関するワーキンググループ“Groupe de Travail Science Ouverte(GTSO)”が実施した、研究データ管理支援サービスについてのアンケート結果が、リポジトリ“Zenodo”上で公開されました。

アンケートは、2020年9月8日から10月6にかけて行われたものであり、提供されているサービスや、困難、今後の計画等について把握することを目的としていました。報告書では、82件の回答について、アンケートの構成に合わせ、サービス提供の組織体制、データの共有と保存、データ管理計画の作成支援、データ管理に関する関心喚起や研修、サービス対象、組織内外の連携等の観点でまとめています。

結論の箇所では、アンケート実施前に立てられた「提供されるサービスは技術的なものよりも関心喚起の物が多い」等の9つの仮説ごとに検証結果を示しています。その他、データ管理支援においては、人材面での課題があること、指導者が部局間の協力を促す必要があること等が述べられています。

また、アンケート結果のデータは、2020年12月9日付けで、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスCC BYのもと公開されています。

英・Jisc、米国科学アカデミー(NAS)と2年間の“Publish and Read”契約を締結

2021年7月7日、英・Jiscは、米国科学アカデミー(NAS)と“Publish and Read”契約を締結したことを発表しました。契約期間は2021年7月から2023年6月までの2年間となっており、NASにとって国レベルのコンソーシアムとの転換契約締結は初めてとなります。

参加機関に所属する英国の責任著者(corresponding authors)は、出版費用を負担することなく、『米国科学アカデミー紀要』(PNAS)にオープンアクセス(OA)論文を掲載することができます。また、参加機関の研究者は、1915年までさかのぼるPNASの全コンテンツに無料でアクセスできるようになります。

発表には、PNASの発行人でありNASのexecutive directorでもあるKen Fulton氏のコメントも掲載されています。同氏は、この契約を通じ、英国の大学に属する研究者はPlan Sに準拠した方法によりPNASでOA出版を行うことが可能になったとしています。さらに、この契約でのデータを分析してOAのビジネスモデル検討を進めること、フルOA誌の“PNAS Nexus”を2022年に立ち上げる予定であることにも言及しています。

アイルランドの高等教育機関のコンソーシアムIReL、IEEEとのRead and Publish契約を締結

2021年6月29日、IEEEが、公的資金に基づく高等教育機関による電子リソース契約のためのアイルランドのコンソーシアムIReLとRead and Publish契約を締結したと発表しました。

同契約により、IReL参加機関の著者は、論文処理費用(APC)の支払い無しに、IEEEが刊行する約160の学術雑誌でのオープンアクセス(OA)出版が可能となります。また、IEEEが提供する“IEEE Xplore Digital Library”から500万以上の記事へのアクセスが可能になること等が述べられています。

英文学史上の貴重資料を多く含む私立図書館の蔵書がオークションに:図書館・博物館らが購入のため協力(英国)

英・Guardian紙による2021年6月17日付けの記事で、“Honresfield Library”の蔵書がサザビーズのオークションに出品されることになり、英国の図書館・博物館らが購入のため協力していることが報じられています。

“Honresfield Library”は、英国ヴィクトリア朝時代の実業家であるWilliam LawとAlfred Lawによって収集された資料からなる私立図書館(private library)です。1939年以来、ほぼその蔵書にはアクセスできない状態となっていたことから、記事では「失われた」図書館であったと形容しています。同館の蔵書には、ブロンテ姉妹、ジェイン・オースティン、ウォルター・スコット、ロバート・バーンズなど、英国の著名な文学者による手稿が含まれています。

同館の蔵書が個人コレクターに分割売却されることを防ぐため、購入価格の1,500万ポンドを用意すべく、英国の図書館・博物館らによるコンソーシアムが結成されました。英国の慈善団体Friends of the National Libraries(FNL)による主導の下、英国図書館(BL)、スコットランド国立図書館、ジェイン・オースティン・ハウス、ブロンテ牧師館博物館などが参加しています。

英・Information Power社、図書館と小規模出版社による転換契約等の締結に関する進捗状況を調査した報告書を公表:cOAlition Sと英国の学会・専門協会出版協会(ALPSP)からの委託による調査

2021年6月9日、英国の研究情報に関するコンサルタント会社Information Power社は、図書館及びコンソーシアムと小規模出版社間での、転換契約等のオープンアクセス(OA)出版に関する契約締結について、2020年から2021年にかけての進捗状況を調査した報告書を公開しました。cOAlition Sと英国の学会・専門協会出版協会(ALPSP)からの委託により実施された調査の成果です。

同調査は、学会系出版社による即時OAへ移行するための契約締結を支援するプロジェクト“Society Publishers Accelerating Open access and Plan S (SPA-OPS)”の成果(2019年秋公表)を受けて、同プロジェクトのフォローアップ調査プロジェクトとして取り組まれたものです。

発表では、報告書の内容に関し次のような点等に言及しています。

Elsevier社のアクセス制限がドイツの研究者の出版行動と引用行動に与えた影響(文献紹介)

プレプリントサーバarXivに2021年5月25日付で、ドイツ経済学中央図書館(ZBW)のNicholas Fraser氏らが共著で執筆した文献“No Deal: Investigating the Influence of Restricted Access to Elsevier Journals on German Researchers' Publishing and Citing Behaviours”が公開されています。

2014年にドイツでは、大手出版社とのナショナルライセンス契約を交渉するプロジェクトDEAL(Projekt DEAL)が設置されました。DEAL とElsevier社の交渉は2016年に開始されましたが、2018年に決裂しました。この結果、約200のドイツの研究機関がElsevier社との契約を取り止め、2018年7月以降これらの機関のElsevier社のジャーナルへのアクセスは制限されました。

アイルランドの高等教育機関のコンソーシアムIReL、英・オックスフォード大学出版局(OUP)と3年間のRead & Publish契約を締結

2021年5月18日、アイルランドの、公的資金に基づく高等教育機関による電子リソース契約のためのコンソーシアムIReLは、英・オックスフォード大学出版局(OUP)と3年間のRead & Publish契約に合意したことを発表しました。契約期間は2021年1月1日から2023年12月31日までです。

この契約によって、参加機関は、OUPが刊行する340以上のタイトルにアクセスすることが可能となります。また、機関の著者は、個別の支払いなしにOUPのオープンアクセスジャーナルおよびハイブリッドジャーナルで、研究をオープンアクセスで出版することが可能となります。

Oxford University Press and IReL agree Read & Publish deal(IReL, 2021/5/18)
https://irel.ie/oxford-university-press-and-irel-agree-read-publish-deal/

英国国立・大学図書館協会(SCONUL)と英・Jisc、学術誌購読契約の評価のためのダッシュボード・サービス“Unsub”のSCONUL所属機関の利用に関しOur Research社と契約

2021年5月17日、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)と英・Jiscは、学術誌購読契約評価のためのダッシュボード・サービス“Unsub”利用に関するナショナルサイトライセンスを、同サービスを開発したOur Research社と締結した発表しました。

“Unsub”は現在、英国ではケンブリッジ大学とランカスター大学で個別に使用されていますが、今回の締結により、SCONUL所属機関も“Unsub”を使用できるようになります。

また、今回の締結により、SCONUL所属機関とJiscの間で交渉シナリオ(タイトル選択のシナリオ)を双方向で共有する機能が開発・提供される予定です。同機能では、Jiscによるコンソーシアムレベルでの交渉シナリオが各館アカウント宛に通知され、各館では送られてきたシナリオを各館のデータでフィルタリングし、各館での影響を分析・評価することができます。また、各館で修正したシナリオをダッシュボードに送る機能もあり、そのことで、Jiscはコンソーシアム全体の修正内容を分析・評価することが可能であり、Jiscによるコンソーシアムの運営や契約交渉を支援するものになると紹介されています。

Taylor & Francisグループ、スイス学術図書館コンソーシアムと転換契約を締結

2021年5月4日、Taylor & Francisグループは、スイス学術図書館コンソーシアム(Consortium of Swiss Academic Libraries:CSAL)と3年間の転換契約を締結したことを発表しました。

CSALの26機関の研究者は、所属機関による論文処理費用(APC)負担の下で、同グループの大部分の“Open Select”(ハイブリッド)誌及び全ての完全ゴールドOA誌での出版が可能となります。また、同グループのジャーナル・ポートフォリオ全体へのアクセスも可能となります。

日本DAISYコンソーシアム、EPUBの縦組・横組、ルビ、分かち書き等のアクセシビリティメタデータの提案仕様を公開

2021年5月13日、日本DAISYコンソーシアム技術委員会が、EPUBの縦組・横組、ルビ、分かち書き等のアクセシビリティメタデータに関する提案仕様11件を公開しました。

発表の中では、今後、実証実験を行いつつ、World Wide Web Consortium(W3C)をはじめとした関連団体への提案を行うとしています。

EPUBの縦組・横組、ルビ、分かち書き等のアクセシビリティメタデータの提案仕様を公開(日本DAISYコンソーシアム, 2021/5/13)
https://blog.normanet.ne.jp/jdc/?q=node/8

参考:
日本DAISYコンソーシアム、「EPUB アクセシビリティ 1.1」および「達成方法集 1.1」の日本語訳を公開
Posted 2021年4月12日
https://current.ndl.go.jp/node/43779

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