研究図書館

カナダの学術図書館員における男女間の差(文献紹介)

2021年5月14日付で、Elsevier社が刊行する査読誌“The Journal of Academic Librarianship”の第47巻第5号(2021年9月)に掲載予定の論文として、“Less money, less children, and less prestige: Differences between male and female academic librarians”が公開されています。

カナダの学術図書館員に関する協会“Canadian Association of Professional Academic Librarians(CAPAL)”が、2018年にカナダの学術図書館員を対象に実施した調査のデータを用いた、学術図書館員における性別と給与・扶養家族・職位の関係についての分析の結果がまとめられています。同調査の回答件数は920件です。

Ex Libris社、米国の高等教育機関における教材の管理・アクセス・活用に関するレポートを公開

2021年5月12日、ProQuest社傘下の図書館システムベンダEx Libris社が、米国の高等教育機関における教材の管理・アクセス・活用に関するレポート“Managing, Accessing and Using Course Materials”の公開を発表しました。

同レポートには、Ex Libris社が調査機関のAlterlineに委託し、2020年12月に実施された調査の結果がまとめられています。調査対象は、米国の103人の教職員、257人の学生です。

主な結果として、教材管理の負担は教職員が負っていること、新しい教材を探すうえで、学術図書館は十分に利用されておらず、教職員はウェブサイトの検索や同僚からの推薦等を多く活用していることが挙げられています。また、オンライン学習への移行が学生のオンライン教材へのアクセスを支援するという新たな負担を教職員にもたらしていること、教職員は教材のコスト削減に努めていること等が述べられています。

そして、図書館は、専門知識を活用することで教育や学習へのさらなる関与が可能であり、教材の購入、デジタル化等における図書館の支援に教職員は関心を持っていると指摘されています。

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)、学術図書館員の地位に関する基準を改訂

2021年5月14日、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)は、学術図書館員の地位に関する基準の改訂が理事会によって4月に承認された発表しています。

対象となったのは以下の3つの基準で、改訂版は、教員の地位の有無にかかわらず、全ての学術図書館員の任命・昇進・テニュアの決定において、現在の実務にそったものとなっています。

・A Standard for the Appointment, Promotion and Tenure of Academic Librarians

・ACRL Standards for Academic Librarians without Faculty Status

・ACRL Standards for Faculty for Academic Librarians

【イベント】KeMCo国際シンポジウム「本景 — 書物文化がつくりだす連想の風景」(5/29・オンライン)

2021年5月29日、慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)の主催により、国際シンポジウム「本景 — 書物文化がつくりだす連想の風景」がオンラインで開催されます。

書物が生み出す文化的風景や新たな視点の提供について、多角的な検討が行われます。同シンポジウムは、日本語・英語のバイリンガルで開催され、翻訳を字幕で提供するとあります。

参加費は無料であり、事前の申し込みが必要です。

当日の主な内容は以下の通りです。

●第1部:未来の「本景」-方法論と文脈における新たな試み
・書物コレクション・アーカイブのキュレーションと物質文化研究-方法論的挑戦の探求
クリスチャン・イエンセン氏(大英図書館前収書・司書部長)

・躍動するアーカイブとしての書物:古書への新たな科学的アプローチ
アレクサンドラ・ギレスピー氏(トロント大学副学長)

・KeMCoにおける書物の風景-書物のマテリアリティとミュージアム
松田隆美氏(慶應義塾ミュージアム・コモンズ 機構長/慶應義塾大学文学部教授)

Springer Nature社、スペイン大学学長会議(CRUE)及びスペイン国立研究協議会(CSIC)と転換契約を締結

2021年5月5日、Springer Nature社は、スペイン大学学長会議(CRUE)及びスペイン国立研究協議会(CSIC)と転換契約を締結したことを発表しました。契約期間は2024年12月までです。

CRUE及びCSICの参加大学58校は、Springer Nature社の2,300以上のタイトル(同社傘下のAdis社のタイトルを含む)でオープンアクセス(OA)出版が可能になります。この契約を通じ、スペインの研究者による論文が年間2,200本以上OA出版される見込みとあります。また、CRUE及びCSICの参加機関に所属する研究者は、Springer社及びAdis社の全購読誌へのアクセスも可能となります。

発表では、CRUE及びCSICの参加機関が、スペインにおける科学研究の成果産出においてその9割以上を担っていることにも言及しています。

欧州研究図書館協会(LIBER)、欧州におけるイノベーション・研究開発を推進する企業・研究機関の連合体“European Alliance for Research Excellence”に参加

2021年4月20日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、欧州におけるイノベーション・研究開発を推進する企業・研究機関の連合体“European Alliance for Research Excellence”(EARE)に参加したことを発表しました。

EAREは、2017年の結成以来、データを用いた機会創出を目的として、欧州の著作権規則においてテキスト及びデータのマイニング(TDM)の公正かつ効果的な利用を可能にすることを提唱してきました。LIBERのエグゼクティブ・ディレクターであるAstrid Verheusen氏のコメントも掲載されており、EAREとLIBERが欧州の著作権改革での議論を通じTDMの問題で協力してきたことを紹介し、今回のEAREへの参加により協力関係を強化していきたいと述べています。

EAREには、LIBERの他にも、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)や英国国立・大学図書館協会(SCONUL)といった複数の図書館関連団体が参加しています。

米国の学術図書館における、物理媒体・電子媒体のリソースの動向(記事紹介)

2021年4月28日、ProQuest社傘下の図書館システムベンダEx Librisは、米国の学術図書館における、物理媒体・電子媒体のリソースの動向に関するブログ記事を公開しました。

Ex Librisが提供するクラウド型図書館システム“Alma”のデータを用いて2020年11月に実施した調査を基に、2010年から2019年にかけての物理媒体・電子媒体のリソースに対する図書館の支出動向が分析されています。調査対象は、“Alma”を導入している米国の図書館の内、無作為に抽出された10館です。

結果として、全ての対象館で物理媒体への支出が減少し、電子媒体への支出が増加する傾向が見られ、以前は物理媒体への支出が電子媒体を上回っていたものの現在は逆転していること等が示されています。なお、同調査には新型コロナウイルス感染症の影響は反映されていないことを指摘しています。

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)、Project Outcome大学図書館版に「オンラインプログラムの評価」等に関するリソースを追加

2021年5月5日、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)は、Project Outcome大学図書館版に2種類のリソースを追加したと発表しています。利用には登録が必要です。

1つ目は“Measuring Virtual Programs”です。コロナ禍により、プログラムやサービスがオンライン上での実施へと転換し、今後も拡大すると想定されることから、その計画と評価が新たな課題となっています。本リソースでは、オンラインプログラムにおけるアンケートの回答率を増加させる方法についての一般的な戦略や、図書館が提供するいくつかのオンラインプログラム・サービスにどのように適用できるかについての事例を概説しています。

2つ目は“Impact Measurement Beyond Outcomes”です。アウトカムは、図書館がその影響力を示すのに役立つ評価データの貴重な型式であるものの、唯一の基準ではないとし、ニーズ・利用者満足度、アウトプットを測定し、アウトカムを補足することは、図書館がその影響力を効果的に説明するのに役立つと説明されています。

米・メリーランド大学(UMD)、人文・社会科学分野のオープンアクセス(OA)の単行書の出版を促すイニシアチブTOMEに参加:2年間のパイロットプログラム“TOME@UMD”を実施

2021年4月29日、米・メリーランド大学(UMD)図書館は、同大学が人文・社会科学分野のオープンアクセス(OA)の単行書の出版を促すイニシアチブTOMEに参加したことを発表しました。あわせて、2年間のパイロットプログラムとして“TOME@UMD”を実施することも発表しています。

“TOME@UMD”では、UMDの教員によるOA電子書籍の出版を支援し、1件あたり1万5,000ドルを上限とする助成金3件を提供します。助成の要件として、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスによりTOMEに参加する大学出版局から出版されること、UMDの機関リポジトリである“DRUM”のようなデジタルリポジトリを介してOA化されることを挙げています。

“TOME@UMD”の申請プロセスは2021年後半に開始予定であり、現在関心表明(expressions of interest)を受け付けている段階とあります。選考は全分野の研究を対象として行われますが、芸術・人文科学・社会科学分野の研究が優先されます。

Library Publishing Coalition(LPC)に“strategic affiliate”としてCLOCKSSが参加

2021年4月19日、図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”(LPC)は、新たに“strategic affiliate”の一員として、電子ジャーナルのアーカイブプロジェクトCLOCKSSが参加したことを発表しました。

“strategic affiliate”プログラムのウェブページによれば、参加申請に当たり、メンバーシップ制である、学術コミュニケーションに重点を置いている、図書館や出版社又はその両方と実質的な関わりを持っている等の条件を満たす必要があります。参加により、LPCの共同プロジェクトへの参画や、LPCが企画したイベントへの参加等の機会が与えられるとあります。

LPC welcomes a new strategic affiliate: CLOCKSS(LPC, 2021/4/19)
https://librarypublishing.org/new-strategic-affiliate-clockss/

ページ