蔵書構築

米国の大学図書館が受入したスペイン語資料の出版国に関する分析(文献紹介)

2020年9月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.81, no.6に、米・コロラド大学図書館に所属しロマンス諸語を専門とするオリバ(Kathia Salomé Ibacache Oliva)准教授らによる共著論文“Forgotten Hispano-American Literature: Representation of Hispano-American Presses in Academic Libraries”が掲載されています。

著者らは2019年7月に、OCLCのWorldCatの所蔵データを利用して、2014年から2018年に出版されたスペイン語資料の米国の大学図書館88館の所蔵状況について、資料の出版国がスペイン及び南北米国大陸の19のスペイン語圏国家のいずれであるかという観点から調査を実施しました。同論文はこの調査・考察等を報告するものとして発表されています。

米国大学・研究図書館協会(ACRL)の出版部門、学術図書館の電子書籍コレクション構築の傾向・管理・購入パターンに関するホワイトペーパーを公開

米国図書館協会(ALA)が2020年9月17日付のお知らせで、学術書の書評誌Choiceを発行する米国大学・研究図書館協会(ACRL)の出版部門が、学術図書館の電子書籍コレクション構築の傾向・管理・購入パターンに関するホワイトペーパーを公開したことを発表しています。

同ホワイトペーパーは、米・メリーランド大学カレッジパーク校のノヴァク(John Novak)氏らが、学術図書館員向けのアンケートや米国・カナダの学術図書館のコレクション構築担当者に対して実施したインタビュー調査に基づいて執筆しました。調査は学術図書館が電子書籍を自館のコレクションとして受入するにあたって、最も影響を与える要因に関する実務的な背景を提供する目的で行われました。ホワイトペーパーでは、調査対象館のコレクションにおける電子書籍フォーマット資料の位置づけ、電子書籍受入のための手順や傾向、担当の図書館員の電子書籍の受入・管理に関するワークフローに対する認識などが示されています。

なお、同ホワイトペーパーの研究については、米・OverDrive社の学術図書館等向けの事業部門“OverDrive Professional”が資金を助成しています。

ニュージーランド国立図書館(NLNZ)、60万冊規模の外国書籍の除籍作業を実施中:自国刊行資料の収蔵スペース確保等のため

2020年9月12日付で、ニュージーランドの国営ラジオ局“Radio New Zealand”が、2019年10月から実施中のニュージーランド国立図書館(NLNZ)所蔵の外国書籍約60万冊の除籍作業が中間点に差し掛かったことを報じています。

NLNZは、同館の収蔵スペースが2030年までに限界を迎える見込みであること、ニュージーランド・太平洋地域の記憶の保存が同館の重要な使命であることなどを背景に、2015年にこれらの地域の資料に重点を置く内容へ蔵書構築方針を更新しました。2019年10月以降、館内の資料収蔵スペースを確保するため、数十年にわたって利用のないタイトル等を中心に約60万冊の国外で刊行された外国書籍の除籍手続きを進めています。なお、同館は除籍候補の図書リストを順次作成してウェブサイト上に公開しており、地域図書館や刑務所図書館等のリクエストに応じて譲渡の手続きを進めています。

Radio New Zealandの記事では、NLNZのコンテンツサービスを担当するRachel Esson氏が取材に応えて、除籍作業は2021年半ばに終了する予定であること、公開リストに基づく透明性のある手続きにより除籍候補図書のうち約3万3,000点の再受入を決定したことなどをコメントしています。

国際図書館連盟(IFLA)、オープンアクセスと蔵書構築に関する調査を実施中

2020年9月17日、国際図書館連盟(IFLA)収集・蔵書構築分科会が、オープンアクセスと蔵書構築に関するアンケート調査を実施していることを発表しました。

同調査は、オープンアクセスのコンテンツに関する情報の収集、オープンアクセスへの移行が図書館の蔵書、蔵書構築や管理、学術コミュニケーション等にもたらした影響の把握が目的とされています。

回答の受付は、10月31日まで行われる予定です。

Survey on Open Access and Collection Development(IFLA, 2020/9/17)
https://www.ifla.org/node/93324

参考:
E2229 - IFLA,資料の寄贈に関するガイドライン増補版を公開
カレントアウェアネス-E No.385 2020.02.13
https://current.ndl.go.jp/node/9840

米・LYRASIS、新型コロナウイルス感染症流行下のアーカイブ機関における収集実施状況の調査結果を公開:「災害対応」「空間計画」など5分野での推奨事項も提示

米国の図書館等のネットワークLYRASISは、2020年9月4日付けのTwitterにおいて、“Collecting Archival Materials During the Covid-19 Pandemic”の公開を発表しました。新型コロナウイルス感染症流行下のアーカイブ機関における収集実施状況の調査結果をまとめたレポートです。

LYRASIS は、2020年6月1日から25日にかけて、複数のアーカイブ機関のメーリングリストを介してアンケート調査を行い、268の回答を得ました。アンケートは1機関1件の提出、アーカイブ資料収集の責任者による回答を求めており、その条件を満たさない回答を除外した253の回答が分析対象となりました。回答は米国内45州の機関から寄せられたものであり、その50%近くが学術機関です。

調査では、感染症流行期間におけるアーカイブ資料収集に関し、物理的資料とデジタル資料に分けて、計36の質問が行われました。レポート冒頭の“Execution Summary”では、調査で判明した主な事項として以下の点等を挙げています。

米国議会図書館(LC)、新型コロナウイルス感染症流行下の米国人の経験に関する写真を収集

米国議会図書館(LC)による2020年9月9日付けのブログ記事で、LCが写真共有サイトFlickrと協力し、新型コロナウイルス感染症流行下の米国人の経験に関する写真の収集を進めていることが紹介されています。

LCはFlickr上にグループ“COVID-19: American Experiences”を開設し、写真・グラフィックアートの投稿を受け付けています。投稿画像から選ばれた一部の画像はLCのパーマネント・コレクションとなり、LCのFlickr公式アカウント上や、最終的にはLCのウェブサイト上でも公開されます。

ブログ記事によれば、LCでは、新型コロナウイルス感染症に関する書籍・雑誌・新聞・ウェブサイト等の収集も進めています。

熊本県立図書館、令和2年7月豪雨により多数の蔵書に水損が発生した芦北町立図書館(熊本県)への図書寄贈を代行して受付

2020年9月4日、熊本県立図書館は、2020年7月に発生した「令和2年7月豪雨」で多数の蔵書に水損が発生した芦北町立図書館(熊本県)について、同館への図書寄贈を代行受付することを発表しました。

芦北町立図書館への図書の寄贈は、熊本県立図書館への郵便・宅配による送付、または熊本県立図書館2階第1閲覧室カウンターへの持参により受付されています。なお、芦北町立図書館への寄贈図書に関して、熊本県立図書館は以下の4点を留意事項として挙げています。

① 汚れや破れ、カビ等がある図書、書き込みやサイドライン、サイン、蔵書印等のある図書、発行後5年以上経過した実用書、辞典等は、寄贈対象として想定していない
② 寄贈図書の取り扱い・受入判断は図書館に一任される。芦北町立図書館で受入されない場合には他の公共施設等で活用される場合がある
③ 郵送・宅配による寄贈の場合、送料は寄贈者の負担となる
④ 芦北町立図書館では特に「絵本類」が不足している

熊本県立図書館はこのお知らせの中で、「令和2年7月豪雨」により芦北町立図書館では、蔵書約2万7,000冊のうち約2万2,000冊に被害が発生していることを伝えています。

米・マサチューセッツ大学アマースト校図書館、2021会計年度に資料購入費を44万5,000ドル削減

2020年8月26日、米国のマサチューセッツ大学アマースト校図書館は、2021会計年度に資料購入費を44万5,000ドル削減することを発表しました。

同館は、新型コロナウイルス感染症の拡大や学術出版社の定める資料等の価格上昇の継続が同館予算に影響を及ぼした結果、2021会計年度予算で事業を達成するために資料費の削減を余儀なくされた、としています。電子書籍コレクションやデータベース、特別コレクションを一括購入する戦略的投資のための予算も、少なくとも同年度については凍結されます。また、必要な予算削減を達成するため、同館は教員とともに一部のデータベースや学術雑誌の購読中止の可能性を検討する予定です。

Archive: 26/08/2020(University of Massachusetts Amherst Libraries)
https://www.library.umass.edu/news/archive/2020/08/26
※2020/8/26付のお知らせとして“FY21 Acquisitions Budget Reductions”とあります。

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