蔵書構築

東京藝術大学附属図書館、コレクターからピアニストのウラジミール・ホロヴィッツ関係コレクションの寄贈を受けたと発表

2021年7月21日、東京藝術大学附属図書館が、ピアニストのウラジミール・ホロヴィッツの著名な音源コレクターから、コレクション一式の寄贈を受けたと発表しました。

コレクションには、LPレコード、SPレコード、コンパクトディスク、ピアノロール、関連文献等が含まれており、世界で発売されたホロヴィッツの演奏音源がほぼ網羅されているとしています。

コレクションの整理はこれから順次行い、利用可能となった段階で改めてお知らせする予定としています。

ニュージーランド国立図書館(NLNZ)、除籍予定の外国書籍をInternet Archiveに寄贈

2021年7月13日、ニュージーランド国立図書館(NLNZ)が、Internet Archiveと合意を締結し、同館のOverseas Published Collections(OPC)のうち、除籍を予定している外国書籍をInternet Archiveに寄贈すると発表しました。

発表によると、NLNZは、2018年半ばから所蔵する外国書籍の内、除籍するものの選定を開始しており、同館が除籍対象とし、他の図書館から譲渡の希望がない資料は、廃棄される可能性がありました。

寄贈された書籍は、デジタル化が行われ、2年以内にInternet Archiveが提供する電子書籍提供サイト“Open Library”において“Controlled Digital Lending(CDL)”のもと提供されます。書籍自体は、Internet Archiveがもつ米国内の保管施設で長期的に保存されるとあります。

その他、OPCの内、2015年に策定した蔵書構築方針や収集計画に合致する資料は保持され、一部は国内外の図書館で保管し相互貸借で利用可能とすること、権利者から申し出があった書籍については“Open Library”での提供が停止されること等が述べられています。

イタリア・ボローニャ大学図書館、故ウンベルト・エーコ氏の書斎での排架通りに旧蔵書を排架するスペースを館内に設置へ:バーチャルなデジタルライブラリーも計画

2021年6月17日付けのイタリア・ボローニャ大学の機関紙(オンライン)UniboMagazineが、同大学の元教授で作家・哲学者・記号学者の故ウンベルト・エーコ氏の書斎(Library)の雰囲気を再現したスペースを同大学の図書館に設置するプロジェクトが発表されたと報じています。

同館の「20世紀翼棟(20th-century wing)」内に、張り出し通路(walkaway)で2層に分けられた白い書架を設置し、同氏のミラノの自宅の白い高書架での排架場所を参照して図書を排架するとしており、閲覧室を設け、専門職員も配置されます。加えて、情報可視化システムにより新たな分析手法の構築を促すデジタルライブラリー“ECO'S DIGITAL MODERN LIBRARY”も計画されており、物理的な構成(書架)と意味的な構成(図書の排架場所から想起される概念のネットワーク)双方で3Dビューアーのアプリを通じてアクセスできるとしており、ウンベルト・エーコの思想を物理的にもデジタル的にも探究できると説明されています。

Internet Archive(IA)、蔵書評価の結果除籍されることとなった演劇史に関するコレクションの寄贈をカナダ・ハミルトン公共図書館から受ける:デジタル化しオンライン公開へ

2021年5月26日、Internet Archive(IA)は、カナダ・オンタリオ州のハミルトン公共図書館(HPL)から、18世紀から19世紀にかけての演劇史に関する約1,000冊の図書の寄贈を受けたと発表しています。

同コレクションは、HPLが、演劇文化史に関心を抱いた地元の大学の演劇学の教授から、1984年に寄贈を受けたもので、照明や演出といった演劇の技術的な詳細、演劇界のさまざまな俳優は劇作家、英国や米国の様々な種類の劇場の建築、旅回りの劇団の歴史といった図書が含まれます。

近年、HPLが定期的な蔵書評価を行った際に、米国や英国に関する資料である同コレクションは、ハミルトン地区の作品を重視する同館の業務にそぐわないとされ、同館では、いくつかの大学図書館や劇場アーカイブに問い合わせを行いましたが、多くの人に利用されるとしてIAに寄贈することとなったものです。

同コレクションは、IAでデジタル化しオンラインで公開されることとなっており、デジタル化公開後、図書は長期保存され、デジタル化資料は“Controlled Digital Lending(CDL)”のもとで提供されます。

群馬県立図書館、同館が収集する市町村立図書館等で購入が難しい高額な高度専門的資料や学術研究書の利用促進を目的としたリーフレット「新収蔵資料抄」を発行

2021年5月28日、群馬県立図書館が、リーフレット「新収蔵資料抄」を発行すると発表しました。現在、同館ウェブサイトでVol.2まで公開されています。

同館では、資料収集方針に基づいて、市町村立図書館等での購入が難しい高額な高度専門的資料や学術研究書を収集していますが、それら資料を知ってもらうとともに、相互貸借サービスを通じて利用の促進を図ることを目的としています。

県内で同館以外に所蔵がなく、かつ内容が高度専門的な資料を厳選して紹介するとし、新着資料の単なるリストでなく、内容にまで踏み込んだ資料案内であると説明されています。目次や概要を紹介し、また、さらに知的関心が広げられるよう、館蔵の関連資料があれば、あわせて紹介するとしています。

英・ケンブリッジ大学図書館、英国の物理学者スティーヴン・ホーキング氏のアーカイブを保存へ

2021年5月26日、英・ケンブリッジ大学は、英国の物理学者であり同大学の教授を務めたスティーヴン・ホーキング氏(1942-2018)のアーカイブに関し、同大学図書館がその保存を担うことを発表しました。アーカイブには同氏の論文や手紙等が含まれています。

発表では、同大学図書館はアイザック・ニュートン、チャールズ・ダーウィンのアーカイブに加え新たにホーキング氏のアーカイブも保存することになり、科学に関する最も重要なアーカイブのうち3つが同館に揃うと述べています。

なお、ホーキング氏が使用していた車椅子や音声合成装置等は英・ロンドンの科学博物館(Science Museum)で保存され、同館において、ケンブリッジ大学におけるホーキング氏のオフィスを再現した展示が行われる予定になっています。

Latest news(University of Cambridge)
https://www.cam.ac.uk/news
※2021年5月26日付けで本件に関するお知らせ“Hawking Archive saved for the nation”が掲載されています。

国立図書館のコレクション構築に関する会議“National Libraries Now 2021”が2021年9月にオンラインで開催予定

2021年9月16日から17日にかけて、国立図書館のコレクション構築に関する会議“National Libraries Now 2021”がオンラインで開催されます。

同会議は、英国図書館(BL)、ベルギー王立図書館(KBR)、ジャマイカ国立図書館のコレクション担当職員が主催者となっており、開催にあたり欧州国立図書館員会議(CENL)からの助成を受けています。

開催のねらいとして、国立図書館のコレクションに直接携わる図書館関係者が集まり、キュレーターとしての現在の実践と新しいアプローチを共有すること、そして、国際連携につながる長期的なネットワークの確立を挙げています。特に、国立図書館における職務とコレクション上で「包摂性」(インクルージョン)がどのように表現されているのかを検討したいと述べています。

同会議の主要言語は英語となっており、発表やワークショップ等が予定されています。2021年6月19日まで、発表に関する提案資料の提出を受け付けています。

韓国・文化体育観光部、韓国図書館協会(KLA)等と共同で、地域の特性にあわせた公共図書館の新築・改修を支援すると発表:建築・デザイン・図書館といった多様な分野の専門家からなるコンソーシアムを結成して支援

2021年5月11日、韓国・文化体育観光部が、韓国図書館協会(KLA)・湖西大学校産学協力団と共同で、地域の特性にあわせた公共図書館の新築・改修に関してコンサルティングを行うと発表しています。

対象は14の市・道の62の公共図書館で、今回、建築・デザイン・図書館といった多様な分野の専門家からなるコンソーシアムを結成し、建築に加え、利用者・サービスプログラムといった図書館運営に関してもコンサルティングを行うとしています。

具体的には、企画段階から建設計画・運営計画を診断することで、公共図書館の規模や予算拠出に関する不確実性を減らし、地域の特性や多様性を反映できるように支援するとしています。また、新しい文化・技術と最新の状況を反映した未来型の公共図書館となるようにも支援するとしています。その他、個々の図書館にあった空間整備計画、蔵書計画、地域特性に合わせたサービス運営といった点も具体的に相談に乗り、効率を高めるとしています。

支援にあたっては、ウェブサイト「図書館建設計画支援システム」を通じて、オンラインまたはオフラインで地方公共団体でネックとなっている事項に関し、迅速に対応する方針であるとしています。

地元の著者の作品を蔵書の対象とし利用者にとって発見しやすくするための課題:カナダの公共図書館を対象とした調査(文献紹介)

2021年5月4日付で刊行された、“Pathfinder: A Canadian Journal for Information Science Students and Early Career Professionals”2巻2号に、カナダ・アルバータ大学図書館情報学大学院のRynnelle Wiebe氏による論文“Inclusion and Identification of Locally-Authored Items in Library Collections”が掲載されています。

本文献では、地元の著者(作家)の支援の一環として、公共図書館が、そのような著者の作品を、蔵書に含めているか/利用者に発見しやすくするようにしているか、を把握するため、ブリティッシュコロンビア州・アルバータ州・サスカチュワン州の12館を対象に、蔵書構築方針とメタデータの分析を行ったものです。

岩手県立図書館、特殊文庫「浦田敬三文庫」の利用が可能になったと発表:岩手の近代文学の研究者の旧蔵書の一部

2021年5月6日、岩手県立図書館が、特殊文庫として受け入れた「浦田敬三文庫」の整理作業が終わり、利用が可能になったと発表しています。

高校教諭の傍ら、岩手の近代文学を研究した故・浦田敬三氏の蔵書の一部(約2,900冊)です。

岩手県立図書館 お知らせ
https://www.library.pref.iwate.jp/
※「浦田敬三文庫が利用可能になりました[令和3年5月6日]」とあります。

浦田敬三文庫について(岩手県立図書館)
https://www.library.pref.iwate.jp/info/announce/20210506_urata.html

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