蔵書構築

カナダ研究図書館協会(CARL)とカナダ国立図書館・文書館(LAC)、カナダ国内で出版された冊子体資料の共同管理プロジェクトを実施

2019年10月10日、カナダ研究図書館協会(CARL)とカナダ国立図書館・文書館(LAC)は、カナダ国内で出版された冊子体資料の共同管理プロジェクトの実施を発表しました。

冊子体出版物の共同保存管理の必要性がますます高まっていることを背景として、現在の状況の調査と今後の取り組みを提言するために、CARLとLACはカナダの冊子体出版物の共同管理とアクセスに関する国家戦略の設計と実施を目的としたワーキンググループを設立しました。CARLとLACは、デジタル化についても冊子体資料の保存要件やアクセス提供に影響を与えることから関連事業である、としています。また、国家戦略が他の国々の類似した取り組みを活用し補完することができるように、ワーキンググループは、国際的な冊子体資料共同管理のイニシアチブと連携・協調する予定です。

自殺予防とメンタルヘルスへの意識に関する図書館員によるガイド(記事紹介)

図書館や情報専門家、情報サービスに関するニュースサイト”Information Today”に2019年10月8日付けで、自殺予防とメンタルヘルスへの意識に関する図書館員によるガイド”A Librarian's Guide to Suicide Prevention and Mental Health Awareness”が掲載されています。執筆者はノースカロライナ州立図書館で法情報のレファレンス業務に従事し、”The Accidental Law Librarian”という図書の著者でもある、Anthony Aycock氏です。

Information Todayの記事では10月10日がWHOが定めるメンタルヘルス・デイであることに触れたうえで、自殺を防ぎ、利用者のメンタルヘルスの問題に対峙する上で図書館員に必要となる情報を、主にコレクション形成と利用者サービスを中心にまとめています。このうち利用者サービスに関しては具体的な応答例も示されています。

記事の末尾では、「図書館員はこれまでも、これからも、メンタルヘルスの問題の最前線にいる。我々の武器は(すべての戦争がそうであるように)情報である。この記事はこの武器を研ぎ澄ますためにも使えるが、それはきちんと使う場合のみである。我々がこの戦いを放棄しないことを願っている」と述べられています。

米・ブラウン大学図書館、歌手ジャニス・イアン氏の蔵書約200冊を受入:女性・LGBTQの作家によるSF作品・幻想文学を多数含む

2019年9月17日、米・ブラウン大学図書館は、グラミー賞受賞経験のある著名な歌手ジャニス・イアン(Janis Ian)氏から、同氏が献呈等により所蔵していた現代SF作品・幻想文学等を含む蔵書を同館資料として受入したことを発表しました。イアン氏から送付された蔵書には女性・LGBTQの作家による作品が多く含まれている、としています。

資料の受入先はブラウン大学の貴重資料・手稿等の特別コレクションの保存図書館であるジョン・ヘイ図書館です。受入の決まったイアン氏の蔵書コレクション“Janis Ian Collection of Science Fiction and Fantasy”は、ジョージ・オーウェルによる『1984』の現存する唯一の手稿、H. P. ラヴクラフトの論集、スペキュレイティブ・フィクションに分類される近年のSF作品などが含まれ、ユニークな内容であることが紹介されています。

コレクションは現在目録登録中ですが、すでに160タイトル以上が同館のオンライン目録上で検索可能になっており、登録タイトルは毎月追加される予定です。

神戸大学附属図書館、Evidence Baced Acquisition(EBA)モデル契約による電子書籍サービスCambridge Core eBooksの提供を開始

2019年9月19日、神戸大学附属図書館は、電子書籍サービスCambridge Core eBooks について、Evidence Baced Acquisition(EBA)モデル契約により提供を開始したことを発表しました。

同館が締結した契約により、神戸大学の構成員は、英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)の学術プラットフォームCambridge Core上で、2018年までにオンラインで刊行された経済・経営・法学・政治学・国際関係関連の学術研究書約8,700タイトルを2020年3月31日まで利用することができます。なお、同館は締結した契約について、2019年10月1日から2020年3月31日までの利用統計に基づいて、購入タイトルの選定が可能なEvidence Baced Acquisition(EBA)モデルによる契約である、としています。

Cambridge Core eBooksをご利用いただけます。(神戸大学附属図書館,2019/9/19)
https://lib.kobe-u.ac.jp/libraries/14036/

米・オハイオ州の図書館コンソーシアムOhioLINKが購入した電子書籍パッケージの利用率に関する調査(文献紹介)

2019年9月に刊行された、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)の“College and Research Libraries (C&RL)”のVol.80, no.6に、米・オハイオ州のボーリング・グリーン州立大学 (Bowling Green State University:BGSU)図書館で電子リソースを担当する大学図書館員であるAmy Fry氏による論文“Ebook Rate of Use in OhioLINK: A Ten-Year Study of Local and Consortial Use of Publisher Packages in Ohio”が掲載されています。

同論文は、90以上の機関が加盟する米・オハイオ州の図書館コンソーシアムOhioLINKがコンソーシアム購入したSpringer、Wiley、及びOxfordの電子書籍パッケージについて、COUNTERの利用統計等に基づき、刊行年が2007年から2017年までの(Wileyのみ2012年から2017年まで)タイトルの利用率を調査し、その結果を分析したものです。

米国国立医学図書館(NLM)、MEDLINE未収録文献を含む索引誌3誌のデジタル化を完了

2019年9月4日、米国国立医学図書館(NLM)は、索引誌“Hospital and health administration index”、“Hospital literature index”、“Cumulative index of hospital literature”のデジタル化を完了し、同館がデジタル化資料を公開するウェブサイト“Digital Collections”へ追加したことを発表しました。

今回デジタル化された索引誌3誌は、NLMが提供する医学学術文献データベースMEDLINEに未収録の学位論文や視聴覚資料に関する文献情報を含むため、各図書館の冊子体除籍が進まない状況が続いていましたが、今回のデジタル化完了により冊子体の除籍を望む館は安心して実施できるようになった、としています。

OCLC Research、大学コンソーシアムBTAAによる共同管理コレクションの運用内容や今後の推奨事項をまとめた報告書“Operationalizing the BIG Collective Collection: A Case Study of Consolidation vs Autonomy”を公開

2019年8月20日、OCLC Researchが、報告書“Operationalizing the BIG Collective Collection: A Case Study of Consolidation vs Autonomy”を公開しました。

米国の大学コンソーシアムBig Ten Academic Alliance(BTAA)と連携し作成されたもので、BTAAの冊子体の共同管理コレクションの運用の枠組が紹介されています。

BTAAの共同管理コレクションの主要な特質を調査・定義し、他のコンソーシアムでも適用可能な同コレクションがより意図に即して調整されるよう考案した推奨事項が示されています。

Publications(OCLC Research)
https://www.oclc.org/research/publications.html
※“Operationalizing the BIG Collective Collection: A Case Study of Consolidation vs Autonomy 20 August 2019”とあります。

中国・上海図書館、インターネット文学のコレクション構築を開始

2019年8月28日、中国・上海市の上海図書館は、電子書籍サービスを手掛ける閲文集団と協力し、中国国内で初めて、インターネット上で発表された文学作品「網絡文学」(インターネット文学)のコレクション「中国網絡文学専蔵庫」を構築することを発表しました。

最初のコレクションとして代表的なネット文学作品10種の電子版が選ばれ、防水、防震、防火等の機能を備えた長期保存用のポータブルHDDにより保存されることが紹介されています。

記事中では、インターネット文学は現代文学の多様性と多元化を代表する存在で、中国ならではの特色と世界的な影響力を兼ね備えた文化シンボルであるとし、今回のコレクション構築は、上海図書館の特色あるコレクションをより一層豊富にするとともに、同館のコレクション構築における包容性を体現するものである、としています。

全国首个网络文学专藏库设立上海图书馆与阅文集团达成战略合作(上海図書館, 2019/8/28)
http://beta.library.sh.cn/SHLibrary/newsinfo.aspx?id=762

【イベント】公開フォーラム「アジアの近現代美術館におけるコレクションの新しい在り方を考える」(9/26・東京)

2019年9月26日、六本木ヒルズ森タワー内のアカデミーヒルズにおいて、森美術館と香港のミュージアム「M+」が主催する公開フォーラム「アジアの近現代美術館におけるコレクションの新しい在り方を考える」が開催されます。

近年、複数の美術館によるコレクションの共有、他館への長期貸与など、美術館のコレクションの在り方にも新しい考え方が求められていることや、デジタル化の発展に伴うコレクション情報の共有方法をめぐる可能性の広がりを踏まえて、注目すべき活動を繰り広げる美術館の事例を起点に「コレクション」を巡る新しいモデルや今後の可能性について考えるシンポジウムとなっています。

参加無料であり、定員は150名(事前申し込み要)、日英同時通訳付となっています。

出演者は次のとおりです。

笠原美智子氏(アーティゾン美術館副館長)
菅谷富夫氏(大阪中之島美術館 建設準備室室長)
堀川理沙氏(ナショナル・ギャラリー・シンガポール コレクション担当副ディレクター)
ドリュン・チョン氏(M+副館長兼チーフ・キュレーター)
横山いくこ氏(M+デザイン&建築リード・キュレーター)
片岡真実氏(森美術館副館長兼チーフ・キュレーター)

英国図書館(BL)、国際的文芸誌“Granta”のアーカイブ資料受入を発表

2019年7月4日、英国図書館(BL)が、2019年に再創刊から40周年を迎える国際的文芸誌“Granta”のアーカイブ資料を受入したと発表しています。“Granta”は1889年にオリジナルが創刊、1979年に再創刊された英国の文芸誌で、世界で最も重要な文芸誌の1つに数えられています。

BLの発表によると、受入したアーカイブ資料は約300箱の資料で構成されています。マーティン・エイミス氏等の多くの著名な作家による、創作過程、ライバル作家・友人への意見などに関する手紙のやりとり(correspondence)をはじめ、校正刷り、バックナンバー、読者数・マーケティング・デザイン・財務・その他の管理上の問題に関する文書などが含まれています。

BLは、このアーカイブ資料は2021年までに館内の閲覧室で利用可能になる予定である、としています。

また、2019年7月22日にこのアーカイブ資料の受入に合わせて、作家のA. L. ケネディ氏らによる座談会 “Literature in Crisis? 40 Years of Granta”が開催される予定です。

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