研究図書館

欧州研究図書館協会(LIBER)、欧州におけるイノベーション・研究開発を推進する企業・研究機関の連合体“European Alliance for Research Excellence”に参加

2021年4月20日、欧州研究図書館協会(LIBER)は、欧州におけるイノベーション・研究開発を推進する企業・研究機関の連合体“European Alliance for Research Excellence”(EARE)に参加したことを発表しました。

EAREは、2017年の結成以来、データを用いた機会創出を目的として、欧州の著作権規則においてテキスト及びデータのマイニング(TDM)の公正かつ効果的な利用を可能にすることを提唱してきました。LIBERのエグゼクティブ・ディレクターであるAstrid Verheusen氏のコメントも掲載されており、EAREとLIBERが欧州の著作権改革での議論を通じTDMの問題で協力してきたことを紹介し、今回のEAREへの参加により協力関係を強化していきたいと述べています。

EAREには、LIBERの他にも、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)や英国国立・大学図書館協会(SCONUL)といった複数の図書館関連団体が参加しています。

米国の学術図書館における、物理媒体・電子媒体のリソースの動向(記事紹介)

2021年4月28日、ProQuest社傘下の図書館システムベンダEx Librisは、米国の学術図書館における、物理媒体・電子媒体のリソースの動向に関するブログ記事を公開しました。

Ex Librisが提供するクラウド型図書館システム“Alma”のデータを用いて2020年11月に実施した調査を基に、2010年から2019年にかけての物理媒体・電子媒体のリソースに対する図書館の支出動向が分析されています。調査対象は、“Alma”を導入している米国の図書館の内、無作為に抽出された10館です。

結果として、全ての対象館で物理媒体への支出が減少し、電子媒体への支出が増加する傾向が見られ、以前は物理媒体への支出が電子媒体を上回っていたものの現在は逆転していること等が示されています。なお、同調査には新型コロナウイルス感染症の影響は反映されていないことを指摘しています。

米国の大学・研究図書館協会(ACRL)、Project Outcome大学図書館版に「オンラインプログラムの評価」等に関するリソースを追加

2021年5月5日、米国の大学・研究図書館協会(ACRL)は、Project Outcome大学図書館版に2種類のリソースを追加したと発表しています。利用には登録が必要です。

1つ目は“Measuring Virtual Programs”です。コロナ禍により、プログラムやサービスがオンライン上での実施へと転換し、今後も拡大すると想定されることから、その計画と評価が新たな課題となっています。本リソースでは、オンラインプログラムにおけるアンケートの回答率を増加させる方法についての一般的な戦略や、図書館が提供するいくつかのオンラインプログラム・サービスにどのように適用できるかについての事例を概説しています。

2つ目は“Impact Measurement Beyond Outcomes”です。アウトカムは、図書館がその影響力を示すのに役立つ評価データの貴重な型式であるものの、唯一の基準ではないとし、ニーズ・利用者満足度、アウトプットを測定し、アウトカムを補足することは、図書館がその影響力を効果的に説明するのに役立つと説明されています。

米・メリーランド大学(UMD)、人文・社会科学分野のオープンアクセス(OA)の単行書の出版を促すイニシアチブTOMEに参加:2年間のパイロットプログラム“TOME@UMD”を実施

2021年4月29日、米・メリーランド大学(UMD)図書館は、同大学が人文・社会科学分野のオープンアクセス(OA)の単行書の出版を促すイニシアチブTOMEに参加したことを発表しました。あわせて、2年間のパイロットプログラムとして“TOME@UMD”を実施することも発表しています。

“TOME@UMD”では、UMDの教員によるOA電子書籍の出版を支援し、1件あたり1万5,000ドルを上限とする助成金3件を提供します。助成の要件として、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスによりTOMEに参加する大学出版局から出版されること、UMDの機関リポジトリである“DRUM”のようなデジタルリポジトリを介してOA化されることを挙げています。

“TOME@UMD”の申請プロセスは2021年後半に開始予定であり、現在関心表明(expressions of interest)を受け付けている段階とあります。選考は全分野の研究を対象として行われますが、芸術・人文科学・社会科学分野の研究が優先されます。

Library Publishing Coalition(LPC)に“strategic affiliate”としてCLOCKSSが参加

2021年4月19日、図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”(LPC)は、新たに“strategic affiliate”の一員として、電子ジャーナルのアーカイブプロジェクトCLOCKSSが参加したことを発表しました。

“strategic affiliate”プログラムのウェブページによれば、参加申請に当たり、メンバーシップ制である、学術コミュニケーションに重点を置いている、図書館や出版社又はその両方と実質的な関わりを持っている等の条件を満たす必要があります。参加により、LPCの共同プロジェクトへの参画や、LPCが企画したイベントへの参加等の機会が与えられるとあります。

LPC welcomes a new strategic affiliate: CLOCKSS(LPC, 2021/4/19)
https://librarypublishing.org/new-strategic-affiliate-clockss/

メタデータの拡充によりオープンアクセス出版の機能強化を図るOPTIMETA(文献紹介)

2021年4月14日、Research Ideas and Outcomes誌に“OPTIMETA – Strengthening the Open Access publishing system through open citations and spatiotemporal metadata”と題された文献の初稿が公開されました。著者はドイツ国立科学技術図書館(TIB)のChristian Hauschke氏ら4人です。文献では、ドイツ連邦教育研究省(BMBF)から助成されているオープンアクセス(OA)ジャーナルのメタデータ拡充等を目的としたプロジェクトOPTIMETA(Stärkung des Open-Access-Publikationssystems durch offene Zitationen und raumzeitliche Metadaten)について述べられています。

英・ケンブリッジ大学出版局(CUP)、米国の129機関と“Read & Publish”契約を締結

2021年4月6日、英国のケンブリッジ大学出版局(CUP)は、新たに米国の129機関と“Read & Publish”契約を締結したことを発表しました。

“Read & Publish”契約を締結している米国の機関は、2020年は13機関でしたが、2021年には140機関以上となると述べています。このことによって、CUPおよびCUPグループのジャーナルで発表される米国の研究の25%が、追加費用なくOAで出版できるようになりました。

CUPは2025年までにジャーナル出版を完全なOAに移行することを約束しており、この契約はこの戦略の重要な要素であるとしています。今後も、米国でこの契約モデルを拡大させていきたいとしています。

国際図書館連盟(IFLA)、事務局長名で南アフリカ共和国・ケープタウン大学図書館における火災被害に関する声明を発表

2021年4月20日、国際図書館連盟(IFLA)が、事務局長名で南アフリカ共和国・ケープタウン大学図書館における火災被害に関する声明を発表しました。

ケープタウン大学図書館は、同館“Jagger Library”の閲覧室が火災被害を受けたことを4月18日に発表していました。同閲覧室は大きな被害を受けましたが、火災検知システムにより防火シャッターが作動し、図書館の他の場所への延焼は防がれたと述べています。発表によると、所蔵コレクションへの影響については、安全性が確保され、建物内への立ち入りが可能となってから完全な確認が行われます。

声明の中では、同館の災害対策と延焼防止のための安全対策を称えるとともに、復旧に向けた動きを支援すること等が述べられています。

IFLA Statement on University of Cape Town Library Fire(IFLA, 2021/4/20)
https://www.ifla.org/node/93830

国立情報学研究所(NII)と理化学研究所、連携・協力に関する協定を締結

2021年4月13日、国立情報学研究所(NII)と理化学研究所(理研)は、相互の研究開発能力と人材を活かした連携・協力に関する協定を締結しました。

NIIが構築してきた共通基盤を、理研が実際の研究活動で活用し、研究現場からのフィードバックを受け、共同で基盤の拡充や運用の改善を進めることを目的としています。

連携内容は、下記の通りです。

①データプラットフォームの開発および運用、オープンサイエンスの推進、データ駆動型研究の推進、ならびに情報学に関わる共同研究等の研究協力
② ①に関わる地域連携や国際連携の相互支援
③ ①に関わる人材交流や人材育成の促進
④ ①に関わる研究施設及び設備の相互利用
⑤その他本協定の目的を達成するために両機関が必要と認める事項

こうした取り組みが、多くの研究分野や研究機関のモデルとなり、日本全体の研究環境の改善と研究力の強化に繋がることを期待しているとのことです。

英・JiscとTaylor & Francisグループ、3年間の転換契約を締結

2020年3月2日、英・JiscとTaylor & Francisグループは、3年間の転換契約を締結したことを発表しました。契約への参加メンバーには、3年経過後にさらに2年の延長を可能とするオプションも提供されます。

発表によれば、契約には以下の内容が含まれています。

・英国の著者へのOA出版。Taylor & Francisグループの“Open Select journals”において、合意された上限まで、先着順で著者の費用負担なしにOA出版できる。
・現在の蔵書数に応じた購読コンテンツへの読み取りアクセス。
・参加メンバーが自館のOA成果物をモニターできる“Taylor & Francis Research Dashboard”を含む、OAインフラの提供。

Taylor & Francisグループは英国における全研究の9%を出版する最大の人文・社会科学系出版社とあり、そのため今回の契約締結は、科学・技術・医学(STM)分野の研究者ほどの資金を得られていない人文・社会科学分野の研究者向けのOAルートとして特に重要なもの、と述べています。

ページ