研究図書館

米・Educopia Institute、大学図書館の出版事業における学術誌出版ワークフローを文書化した資料を公開:北米の大学図書館12館が対象

2021年10月20日、米国のMLAおよびその他の文化資源保存機関の連携促進を目的とする非営利組織Educopia Instituteは、大学図書館の出版事業における学術誌出版ワークフローを文書化した資料を公開したことを発表しました。

Educopia Instituteが、図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”(LPC)及び北米の大学図書館12館と実施しているプロジェクト“Library Publishing Workflows project”の成果です。同プロジェクトは、図書館における学術誌出版ワークフローの調査や文書化を行うものであり、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)からの研究助成も受けています。今回公開されたワークフローはプロジェクト参加館12館のものであり、館ごとに公開されています。

発表では、プロジェクトからの今後のリリース予定についても紹介されています。今後数か月の間に、LPCのブログにおいてプロジェクト参加館による記事が掲載され、ワークフローの変遷等についての紹介が行われる予定です。また、2022年1月には、図書館出版が自らのワークフローを文書化するためのツールや、文書化を通じた業務改善を支援するためのツールをリリースする予定とあります。

北米の研究図書館センター(CRL)、学術図書館の欧州関係コレクション等に関するフォーラム“New Shape of Sharing”の報告書を公開

2021年9月15日、北米の研究図書館センター(CRL)が、学術図書館の欧州関係コレクション等に関するフォーラム“The New Shape of Sharing: Networks, Expertise, Information”の報告書を公開していました。

同フォーラムは、CRLと国際的な図書館サービスプロバイダーCasalini Libriとの共催により2021年1月から4月にかけてオンラインで開催され、北米・欧州の図書館員、出版関係者らによる発表及びディスカッションが行われました。その内容は多岐にわたりますが、主なテーマは次の3点に整理できるとしています。

・共同でのコレクション構築とサービスのための新たなモデル
・コンテンツとフォーマットの種類の増加が図書館及び研究者にもたらす意義
・研究プロセスにおける図書館・図書館員の役割の変化

発表によれば、報告書にはフォーラムの主な成果と今後の活動のためのアイデアが含まれているほか、欧州関係コレクションや、より一般的なコレクションを扱う図書館員のためにさらなる共同作業への道筋を示したものとなっています。

フランス・サント=ジュヌヴィエーヴ図書館と韓国・高麗大学校図書館、モーリス・クーランの『朝鮮書誌』に関する動画を共同で作成

2021年10月1日、フランスのサント=ジュヌヴィエーヴ図書館が、同館所蔵の『朝鮮書誌』(Bibliographie coréenne)に関する動画“À la recherche de Maurice Courant”を韓国の高麗大学校図書館と共同で作成し、公開したと発表しました

『朝鮮書誌』はフランスの東洋学者モーリス・クーランにより作成されたものであり、発表の中で、同書は韓国の言語と文明をフランスで広める上で重要な資料であると述べられています。動画の中では、両館や『朝鮮書誌』の概要、モーリス・クーランの来歴、『朝鮮書誌』の記載に関連した高麗大学校図書館の所蔵資料の紹介等が行われています。

動画は、フランス語版と韓国語版の2種類が公開されています。

@BIUSteGenevieve(Twitter, 2021/10/1)
https://twitter.com/BIUSteGenevieve/status/1443868690999660563

英・Jiscら、電子書籍とデジタル教科書への公平で持続可能なアクセスに関する共同声明を発表

2021年10月6日、英国のJiscが、電子書籍とデジタル教科書へのアクセスに関する共同声明を発表しました。

高等教育・継続教育に関わる学生・教員が、電子書籍とデジタル教科書に公平で持続可能なアクセスを確保できるよう支援するとしています。そのために、より良い条件の交渉に共同で取り組み、教職員と協力して手頃な代替策を講じ、方針に影響を与えると述べています。加えて、建設的・積極的に出版者やコンテンツ提供者と協力して、学生や学術的ニーズを支援する手頃で持続可能なモデルを導入し、サプライチェーン全体の効率を最大化するとあります。

発表時点では、Jiscの他に、英国図書館情報専門家協会(CILIP)、英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)、英国国立・大学図書館協会(SCONUL)をはじめとした8機関が署名しています。

また、具体的に取り組む内容を示したブリーフィングペーパー2件とポジションペーパー1件も併せて公開されています。

北米研究図書館協会(ARL)、米・ネットワーク情報連合(CNI)、米・EDUCAUSE、コロナ禍による変化を踏まえた研究図書館と最先端技術に関するレポートを公開

2021年10月1日、北米研究図書館協会(ARL)、米・ネットワーク情報連合(CNI)、米・EDUCAUSEが、コロナ禍による変化を踏まえた研究図書館と最先端技術に関するレポート“Crest or Trough? How Research Libraries Used Emerging Technologies to Survive the Pandemic, So Far”の公開を発表しました。

研究機関や大学の図書館員・研究者等11人を対象に実施された、コロナ禍による研究・学習が停止したことを受けた視点の変化に関するインタビューの結果がまとめられています。発表の中では、コロナ禍における活発な活動は、新たな技術の開発というよりも、既存の技術の採用や改善に関するものであったことが指摘されています。

レポートは、2019年にARL、CNI、EDUCAUSEの間で締結された、新しいデジタル技術が普及する中で研究図書館の影響力を促進するためのパートナーシップの一環として作成されました。主に、図書館・大学のコロナ禍への対応および成功要因、先端技術に対する期待の変化から浮かび上がった6つの社会技術的テーマ、最新技術の導入の要因の3部により構成されています。

英・ケンブリッジ大学の研究者はElsevier社の出版物をどう利用しているか(記事紹介)

英・ケンブリッジ大学のOffice of Scholarly Communicationによるブログ“Unlocking Research”に、2021年9月24日付けで、同大学図書館のDominic Dixon氏による投稿が掲載されています。この投稿では、ケンブリッジ大学の研究者によるElsevier社出版物の利用状況に関するデータへのアクセス、理解、分析を行う図書館のデータ分析ワーキンググループの取り組みについて述べられています。

ケンブリッジ大学の研究者がElsevier社のジャーナルで発表した論文のプロファイルの作成に際しては、Dimensions、Scopus、Web of Science(WoS)の3つのプラットフォームが比較されました。結果、Dimensionsが2015年から2020年の間のケンブリッジ大学の研究者によるElsevier社のジャーナル掲載論文を最も多くカバーしていることから、調査ではDimensionsを使用されています。

米・カリフォルニア大学バークレー校図書館、消滅の危険性があるアフガニスタンのウェブサイトのアーカイブを実施

2021年9月24日、米国のカリフォルニア大学バークレー校図書館が、タリバン政権下で消滅の危険性に瀕しているアフガニスタンのウェブサイトのアーカイブの実施を、同館の公式Twitterアカウントで発表しました。

アフガニスタンの政治的・文化的・歴史的・社会的遺産と経験を保存することを目的とした取組です。2021年8月からウェブアーカイビングが行われており、10月1日現在、Archive-It上で75件が公開されています。

@UCBerkeleyLib(Twitter, 2021/9/24)
https://twitter.com/UCBerkeleyLib/status/1441088184767574026

At-Risk Afghanistan Web Archiving Project (ARAWA) : 2021(Archive-It)
https://archive-it.org/collections/17329

フランス・ADBU、大学図書館で使用されているITツールに関する調査結果を公開

2021年9月22日、フランスの学図書館・ドキュメンテーション分野の管理職層職員が構成する“Association française des directeurs et personnels de direction des bibliothèques universitaires et de la documentation”(ADBU)が、大学図書館で使用されているITツールに関する調査結果の公開を発表しました。

同調査は、ADBUの委員会“Commission Signalement et Système d’Information”(SSI)により、2021年1月26日から3月8日にかけて実施され、59件の回答が寄せられました。調査目的として、大学図書館で使われているITツールの概要を把握すること、独自で導入されているツールとその特徴(ホスティング、開発、メンテナンス、ユーザコミュニティの存在)を明らかにすること、相互運用の観点からのニーズを特定することが挙げられています。

全体的な結果として、図書館サービスの分野間で差異はあるものの、多種多様なツールが用いられ、規模が小さめな機関であっても独自のツールを開発している事例が見られたことが述べられています。また、機関の規模や文化によって異なるエコシステムがあったと指摘しています。

情報機関による教育・研究目的での著作物への無制限のアクセスを可能とする著作権法や実務の改革の達成・実行を目的とした欧州での3年間のプログラム“Knowledge Rights 21(KR21)”が開始

2021年9月23日、国際図書館連盟(IFLA)・欧州研究図書館協会(LIBER)・SPARC Europeが、欧州における学習・研究・文化的生活のための知識へのアクセスを促進するための新しいプログラム“Knowledge Rights 21(KR21)”の開始を発表しました。教育・研究目的で、情報機関による著作物への無制限のアクセス提供を可能とする著作権法や実務の改革の達成と実行を目的としたものです。

アルカディア基金が、IFLAの活動を支援するStichting IFLA Foundation (SIF)に対して3年間で300万ユーロの助成することを受けてのもので、SIFでは、IFLA・LIBER・SPARC Europe等と協力して行うとしています。

主な活動として「公共・国立・教育・研究図書館利用者の電子書籍への公正なアクセスの推進」「契約による無効化や著作権法の例外規定を弱める技術的保護手段からの著作権法に基づいた利用者の権利の保護」「研究・教育・学習を支援するために欧州でのオープンで柔軟な著作権の基準の導入の推進」「欧州における著作者の権利保持活動とオープンライセンシングへの理解の促進」等が挙げられています。

国立情報学研究所(NII)、「研究データ管理支援人材に求められる標準スキル(ver.0.1)」を公開

2021年9月21日、国立情報学研究所(NII)オープンサイエンス基盤研究センター(RCOS)が、NIIのオープンサイエンス研究データ基盤作業部会トレーニング・サブ・ワーキング・グループより、9月17日付で「研究データ管理支援人材に求められる標準スキル(ver.0.1)」が公開されたと発表しています。

「研究データ管理の支援に関わる「業務」をフレームワークとして、研究データ管理の支援業務を遂行するにあたって、研究分野を問わずに求められる、知識・技術(スキル)・能力・行動特性(コンピテンシー)を整理したもの」と紹介されています。

研究データ管理支援人材に求められる標準スキル(ver.0.1)が公開されました(2021.9.17)(RCOS,2021/9/21)
https://rcos.nii.ac.jp/news/2021/09/20210921-0/

研究データ管理支援人材に求められる標準スキル(ver.0.1)
https://doi.org/10.20736/0002000219

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