図書館調査研究リポート

1. はじめに

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1.1 本研究の背景および目的

 近年、出版コンテンツのデジタル化が急速に進展し、「電子書籍」への注目が高まっている。とりわけ2007年には電子書籍に関する複数のニュースが国内の図書館界を駆けめぐった。11月に東京・千代田区立図書館は電子書籍貸出しサービスを開始し、同じく11月には紀伊國屋書店とOCLCによる学術系電子書籍サービス「NetLibrary」に和書コンテンツが搭載されるなど、著作権の保護期間が満了していない日本語の電子書籍をインターネット経由で提供するタイプの図書館サービスが新たに登場したのである。

 一方、「魔法のiらんど」など携帯電話用ネットサービスに発表された「ケータイ小説」が主に若年層を中心に広く受容され、ネットでのアクセス数の多いケータイ小説が逆に単行本化され、大手取次のトーハン調べによる文芸部門ベストセラーの1位から3位を独占したのも2007年のことであった(1)

概要

(調査の目的)

 近年、「電子書籍」の量的拡大、コンテンツの多様化、ネットワーク配信が進んでいる。統計によると市場規模は年々拡大しており、とりわけ携帯電話による電子書籍配信事業が拡大の一途をたどっている。そのようなコンテンツの1つ、「ケータイ小説」は若年層に広く受容されており、ネット上でのアクセス数の多い「ケータイ小説」が単行本として出版され、2007年にはベストセラーの上位層を占めるに至った。

 このような状況を踏まえ、2008年現在の国内における電子書籍の流通・利用・保存の現況について、図書館とのかかわりを視野に入れつつ調査を実施した。

(方法)

 質問紙調査によって、電子書籍の流通・利用・保存に関する実態・意識調査を、出版社を対象に実施した。さらに電子書籍関連事業者を対象にインタビュー調査を実施した。また利用者調査の代替として、国立国会図書館職員を対象に、電子書籍の利用実態および意識に関する質問紙調査を実施した。

(結果)

 各種統計や歴史的経緯の分析から、電子書籍の厳密な定義は困難である。そこで産業的実態から電子書籍を定義し、流通・利用・保存の現状分析を試みた。

No.11 電子書籍の流通・利用・保存に関する調査研究

 本調査研究は、近年急速に市場が拡大し、社会的な注目も高まっている電子書籍について、その流通・利用・保存の実態を図書館との関わりも視野に入れながら把握するために、湯浅俊彦・夙川学院短期大学准教授を中心とする研究会を組織して実施したものである。
 各種統計や歴史的経緯の分析に加え、出版社へのアンケート調査、電子書籍関連事業者(印刷、出版、携帯電話通信、コンテンツ作成・配信等)へのインタビュー調査、国立国会図書館職員へのアンケート調査を行うことで、流通・利用・保存の現状と課題を調査している。

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※本調査研究報告書は、2009年3月10日に公開いたしましたが、被インタビュー者の申し入れにより、冊子体版と異なり、文中の固有名詞4箇所を一般職務名に変更して、改めて公開しました。(2009-03-13)

No.10 子どもの情報行動に関する調査研究

 本調査研究は,今後の子どもたちへの図書館サービスのあり方,また近い将来の成人向け図書館サービスのあり方を考えるための基礎資料とするべく,堀川照代・島根県立大学短期大学部教授を中心とする研究会を組織して,実施した。
 本調査研究では,統計データをもとに,子どもの情報環境の現況を整理するとともに,青少年関連機関が実施した先行調査,図書館情報学・教育工学・教育学・心理学・社会学の各分野の先行研究をレビューし,子どもの情報環境を巡る論点を調査した。また,子どもの読書活動推進,情報リテラシー教育,有害コンテンツ対策の3トピックについて,近年の日本の政策動向をレビューした。さらに,これらを背景とした学校・図書館・博物館等の注目に値する動きも紹介している。

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No.9 地域資料に関する調査研究

 今日,公立図書館を中心に,図書館が所蔵する地域資料に基づいたサービスを展開しようという動きが広がっている。それは,これらの図書館が地域における情報拠点として,その地域を単位とした資料や情報の収集,提供,さらにはインターネットを通じた発信を行っていこうとする動きに連なるものであり,その際に地域資料は中核的な資料として位置付けられるということでもある。また地域資料は,NDLにおける資料の収集や『日本全国書誌』の作成などの業務にも少なからず関係している。本調査研究はこのような問題意識のもと,地域資料の実態について把握しようと行ったものである。

 本調査研究では,全国の公立図書館637館および図書館類縁機関(文書館,行政情報センター,博物館等)192館を対象としたアンケート調査と,秋田,沖縄,滋賀の各県の県立図書館等合計16館を対象としたヒアリング調査とを,根本彰・東京大学大学院教授を中心とする研究会を組織して実施した。

 なおウェブサイトでは,調査結果を分析・考察した本編に加え,各アンケートのクロス集計表およびマスターデータ(個々の回答機関が特定できないように加工したもの)も,あわせて公開している。

No.8 国立国会図書館所蔵和図書(1950~1999年刊)の劣化調査報告

 NDLでは,開館時間の拡大や書誌データの遡及入力の進捗,遠隔複写サービスの拡大などを背景に,資料の利用が増大している。これに伴い,資料の破損も急増し,深刻化してきた。その全てに処置を施すのは予算・人員の制約上困難であるため,資料群ごとに劣化傾向を把握し優先的な処理を必要とするものを特定するとともに,効果的な処理方法・劣化を未然に防ぐための保存対策等の検討に資するべく,本調査を行った。
 本調査では,保存の優先順位が高い納本資料を多く含む和図書のうち,マイクロフィルムへの媒体変換が未実施である1950~1990年代刊行分について,10年ごとに5つの群に分け,各群からサンプルを無作為抽出し,本文紙の状態(物理的強度,酸性度,変色など)および製本の形態・状態についてのデータを収集した。『図書館調査研究リポート』本編には,本調査の概要・項目・結果・考察を収録している。またウェブサイトでは,調査対象とした資料の書誌データおよびその調査結果も,あわせて公開している。

報告書 本編:
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No.7 蔵書評価に関する調査研究

 資料の収集は、まず収集方針を定め、それに基づいて選書・購入等を実施し、構築された蔵書について評価をする、さらにその評価によって収集方針が修正される、というサイクルで行われるといえる。この中の蔵書評価について国立国会図書館を例に取ると、電子化の影響を強く受けている外国雑誌について、また日本関係図書についても部分的に、蔵書評価を実施してきた。本調査は、蔵書評価に向けたこうした動きの一環として、平成17年度に実施したものである。
 第1章では、蔵書評価の手法に関する近年の研究動向をレビューし、どのような手法があるのかを整理した。第2章は、海外の図書館における蔵書評価の現況をアンケート調査の結果に基づいて分析・考察している。これらの結果を踏まえて、国立国会図書館が所蔵する図書館情報学関係の外国図書を対象に、書誌類・引用文献リストを利用したチェックリスト法に基づく蔵書評価を試みた結果を第3章にまとめた。
また、蔵書評価の際に留意すべきISBNコードの処理過程、目録データの文字コードに関する解説を、付録として収めた。

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No.6 パッケージ系電子出版物の長期的な再生可能性について

 電子情報の利用には,それを記録した媒体と媒体に対応した再生機器が必要である。しかし,媒体の寿命は適切な環境で保存しても20~30年程度ともいわれており,再生機器自体の寿命はさらに短い。また再生機器や媒体の規格も頻繁に変わるため,規格が旧式化したものを入手することは困難になる。CD- ROMに代表されるパッケージ系電子出版物は電子情報を媒体に記録したものであり,再生にあたっては様々な課題を含んでいる。
 本報告書は,国立国会図書館が平成14~16年度に実施した「電子情報の長期的な保存と利用」についての調査研究のうち,平成15年度と平成16年度に実施したパッケージ系電子出版物の利用可能性調査の結果をまとめたものである。平成15年度には当館が所蔵するパッケージ系電子出版物の最新PC環境における利用可能性調査を行い(2章),その調査で明らかになった利用上の問題を解決するために,平成16年度には長期保存のための対策といわれているマイグレーションとエミュレーションを試行し,これらの対策を評価した(3章)。

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No.5 図書館職員を対象とする研修の国内状況調査

 情報通信技術の急激な発展及び経済社会構造の変化に伴い、図書館及び図書館職員は、その変化に対応した、より高度なサービス・機能の提供を求められている。社会からの要請と図書館あるいは図書館職員からの需要の高まりを背景として、近年、中堅以上の図書館職員を対象とした研修の充実が図られている。本書は、今後の国立国会図書館の対外研修事業の方針を策定する基礎資料とするため、国内の主要な図書館関係団体・機関が主催する図書館職員への研修事業(7例)を対象として平成16年度に実施した文献調査及びヒアリング調査の結果をまとめたものである。
 本書では、第1章で調査の方法や調査対象の選定について概説し、第2章では、調査を行った7団体について、研修事業の目的・背景・実施体制、研修カリキュラムの実態及び変遷、研修事業の評価、今後の展開を中心に調査結果を報告している。最後に第3章では、調査結果をふまえ、図書館職員を対象とする研修事業の国内における現状と課題について整理・分析を行うとともに、国立国会図書館に求められている役割を考察している。

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