図書館調査研究リポート

3.2.3 リンク集

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 リンク集やメタリンク集も多くの図書館で提供されている。例示で取り上げておこう。例えば琉球大学附属図書館「電子化資料を提供しているサーバー」(15)や埼玉大学図書館の「電子ジャーナルリンク集」(実態はメタリンク集)(16)などや、Sun-Inet「電子図書館」(17)などがある。リンク集やメタリンク集の探索には、検索エンジンの使用が有効である。

 

(15) 琉球大学附属図書館. “電子化資料を提供しているサーバー”.
http://www.lib.u-ryukyu.ac.jp/erwg/denshika.html, (参照 2009-01-15).

3.2.2 電子書籍の機関利用―図書館―

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 図書館における電子書籍は大きく2種類に分かれる。第一は、所蔵資料類の自館等による電子化とそのネットワーク公開であり、図書館の館種を問わず貴重書、文庫(コレクション)の電子化は一般的である。ただし、その大半は過去の「蔵書」類のデジタル化、ネットワーク公開であり、電子展示物の公開の範囲に留まっている。大学等においてはデジタル化されたコンテンツ類を媒介として、当該大学を核とした研究プロジェクトの推進や教育素材として活用されることが肝要である(4)。また、公共図書館では地域コミュニティの活性化への寄与などが強く求められている(5)

3.2.1 電子書籍の個人利用

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 電子書籍の個人利用の悉皆的なデータはない。インプレスR&Dによる『電子書籍ビジネス調査報告書2008』(1)では、「ケータイを用いてインターネットを行っている11歳以上の個人」を対象に2008年6月13日~7月2日の約2週間の調査を行っている(サンプル数11,632)。対象は「ケータイ電子書籍」であるので利用のデバイスは携帯電話に限定されており、PC利用や専用デバイス利用は対象外である。

 同調査の概要は次の通りである。

 ケータイ電子書籍の認知度は91.9%であり、高い認知状況である。ケータイ電子書籍の利用率では、29.6%(21.7%:2007年同調査、以下同様)であり、また有料コンテンツ購入については7.9%(3.9%)と前年比倍増の延べであると共に、大きな潜在成長市場が期待される。利用率では、特に女性の10代で約50%、20代で約40%強と利用率が特出しており、また有料コンテンツでは30代女性を中心に高い。

3.1.5 電子書籍流通に関するトピック

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3.1.5.1 コンテンツの取り込み・OCR処理

 

 基本工程の前処理、OCR処理は、下記の工程で処理される。

  前処理 ⇒ スキャン ⇒ ノイズ除去・傾き補正(スキュー)等の後処理
  ⇒ OCR処理 ⇒(テキスト・パターン辞書作成を同時並行) ⇒ 校正

 本来であればカラーデータをOCR処理するのがあるべき姿だが、基本的にモノクロ2値画像がOCR処理の対象となっている。カラーデータではデータ量が大きすぎるため、処理に時間を要しコストが合わないのが実情である。

 ノイズ除去・スキュー補正等の画像処理のツールは複数あり、この処理によりOCR精度は大きく左右される。ただし日本語OCR(この場合活字)は数社しか開発をしていないため、OCRエンジンは自ずと限られてくる。重要なのはドキュメント毎の辞書作成であり、辞書の精度により認識率は大きく左右される。

3.1.4 ビジネスモデル

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3.1.4.1 資金回収モデル

 

 回収モデルの大枠は有償課金モデルと無償広告モデルに大別される。

 この2つは入口こそ違うが、到達点は一致している。前者は有償課金に広告モデルをいかにとり込んでいくか、後者は広告モデルの成功から、いかにコンテンツの有償課金化を導入していくか、という構図である。

 既に述べた通り、ネットを介した電子書籍はその実体性が希薄で、「モノ」としての価値を認識しづらいという側面を長く引きずってきた。これは新しい商品の持つ宿命と言ってもよいもので、人が日常生活で身につけてきた「常識」からくる距離感というものであろう。だからこそ、実体のないものから対価を求める有償課金モデルの定着には、相当の時間を要した。有償モデルの成功は、携帯電話の通信料と一緒にコンテンツ料金を徴収する課金モデルだったことは明らかであり、そのプロセスの中で個別対価よりもむしろ、一定期間内(1か月など)の定額料金を前払いする、集合課金方式の定着によって成り立ってきた。

3.1.3 流通の担い手、ステークホルダー

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 電子書籍の担い手は大きくわけて以下4つの領域がある。すなわちコンテンツ領域、フォーマット領域、デリバリー領域、ハード領域である。

 コンテンツの領域とは、現状では主に、既存メディアでのコンテンツホルダーである出版社や映画会社、テレビ局が支配している。フォーマット領域は、ビューア、制作ツールを担っており、ソフトウェア開発部分といえる。デリバリー領域は、携帯電話では配信に関わる通信事業者キャリアが独占している世界であり、そしてまたPCにおいては豊富なコンテンツを揃える大手取次や大書店が占有する世界である。ハードの領域は代表的な大企業メーカーが担っている。

 これらを前提とすると、電子書籍流通に関係する担い手は、主にコンテンツ領域とデリバリー領域にある出版社、印刷系取次・書店、ベンチャー系取次・書店、それにキャリアの4者に代表されると言えるであろう。以下個別に分析する。

 

3.1.3.1 通信事業者(キャリア)

 

3.1.2 流通フォーマット

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(1)携帯電話でのコンテンツ配信の仕組み(図解)

 3キャリアを中心とした配信システムの仕組みを理解する。

 

図3.5 docomoの仕組み

図3.5 docomoの仕組み

 

図3.5 docomoの仕組み

 

図3.6 auの仕組み

3.1.1 主要な媒体の分析

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 本節の目的は、日本における電子書籍の流通をになう媒体について、媒体の現状を明らかにし、それぞれの媒体のもつ特徴を明示することである。ここではデバイスに備えられた(または追加した)通信機能を介してコンテンツを入手し利用する、以下の媒体を取り上げることとした。パッケージ媒体として流通する「パッケージ系」についてはここでは言及しない。

  • 携帯電話
  • PC
  • モバイル情報端末(通話・通信機能を含む情報端末およびゲーム端末など)

 

3.1.1.1 携帯電話

 

3.2 利用

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 第1章冒頭の本研究調査の背景及び目的でも述べたように、電子書籍の定義は定まっていない。長らく広く普及してき、今も多くの出版がなされている紙媒体の書籍からのアナロジーからは、「電子媒体の本」であろうが、現在では電子ファイルの媒体型配布(CD-ROMなど)流通、利用から、サーバー蓄積コンテンツへのアクセス型やダウンロード型への急速な変容が生じている。

 ビジネスモデルとしては、無償提供型・広告モデルとコンテンツ有償配布型に二分される。さらにコンテンツ有償配布型は、対象組織限定の年間固定契約モデルと対象コンテンツごとのテンポラリーな課金モデルに分かれる。テンポラリーな課金モデルは、書籍出版物の流通慣習を反映した「出版物理単位」での課金、連続小説やまんがなどでの1話単位、雑誌などの連載物の1回単位など、販売の粒度は多様である。

 本節では、電子書籍の利用について取り上げるが、主として「書籍」コンテンツを中心対象とし、「雑誌」については割愛をする。

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