大学図書館

オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)、学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJ)のデータメンテナンス結果をまとめた報告書を公開

2021年10月22日、オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)は、学協会著作権ポリシーデータベース(SCPJ)のデータメンテナンス結果をまとめた報告書「SCPJデータメンテナンス結果報告」の公開を発表しました。

SCPJは、日本国内の学協会の機関リポジトリに対する論文掲載許諾状況を提供するデータベースです。2020 年 3 月に、JPCOAR が筑波大学から運用を引き継いでいます。

同報告書では、データメンテナンス作業の実施目的として、長く大規模な更新が行われず実態に即した情報になっていなかったデータを更新し、オープンアクセス(OA) 推進に寄与することを挙げています。作業対象は、SCPJ に登録されている 2,635 か所の学協会のうち、更新日が古いものから 2,034か所(ジャーナル単位では登録されている 3,212 件のうち、2,516 件)です。なお、作業期間は2020年12月から2021年2月となっています。

同報告書では、作業の結果や懸念事項、評価、課題についてまとめています。そのうち評価に関しては、今回の調査に回答があったジャーナルのうち約半数でポリシーの変更があることが判明したことや、新規に追加されたジャーナルがあること等を挙げ、情報を最新化できた点は有意義であったと述べています。

【イベント】講演会「大学における研究データポリシーの策定について(仮)」(11/2・オンライン)

2021年11月2日、科学技術・学術政策研究所(NISTEP)による講演会「大学における研究データポリシーの策定について(仮)」がオンラインで開催されます。

大学ICT推進協議会(AXIES)の「大学における研究データポリシー策定のためのガイドライン」(2021年7月公表)の策定に携わった研究者を講師に迎え、大学の研究データポリシー策定の背景・現状・課題についての話題提供が行われます。また、今後の大学における研究データポリシーの策定に向け、アカデミアと行政との意見交換も実施されます。

聴講には事前の申込みが必要であり、締切は「10月28日(木)17時00分」とあります。当日の登壇者は次のとおりです。

・ファシリテータ
林和弘氏(文部科学省科学技術・学術政策研究所データ解析政策研究室長)

・趣旨説明
赤池伸一氏(文部科学省科学技術・学術政策研究所上席フェロー/内閣府科学技術・イノベーション推進事務局参事官(総合戦略担当))

・講演者
船守美穂氏(国立情報学研究所オープンサイエンス基礎研究センター准教授)

倉敷芸術科学大学図書館、学生との協働活動企画「ガチャ本」を実施

2021年10月27日から、倉敷芸術科学大学図書館が、学生との協働活動企画「ガチャ本」を実施します。

発表によると、「本を借りたくても選びきれずに帰ってしまう学生の本選びを助けたい」という、同大学芸術学部デザイン芸術学科の授業「図書館をプロデュースする」でのプレゼンテーションをヒントに企画されました。

また、カプセルトイのデザインは芸術学部の学生3人によるもので、同館の学生サポーターも含めた学生5人により選書が行われたと述べられています。

学生と図書館の協働活動企画「ガチャ本」(倉敷芸術科学大学, 2021/10/20)
https://www.kusa.ac.jp/post-40348/

参考:
ガチャとビンゴで読む本を決める 「ガチャde ビンゴ」 岡山県赤磐市の3図書館で開催
Posted 2017年10月17日
https://current.ndl.go.jp/node/34840

2021年度グッドデザイン賞発表:図書館・博物館・美術館も受賞

2021年10月20日、公益財団法人日本デザイン振興会(JDP)が、グッドデザイン賞の2021年度受賞結果を発表しました。審査対象(5,835件)、受賞対象(1,608件)とも過去最多となっています。

受賞対象には、「独自性、提案性、審美性、完成度などの面において、特に優れており、これからの時代のモデルとなるデザイン」として位置づけられる「グッドデザイン・ベスト100」100件と、その中から選ばれた「グッドデザイン金賞」20件及び「グッドフォーカス賞」12件も含まれています。なお、2021年度の「グッドデザイン大賞」は、2021年11月2日に最終プレゼンテーションを実施し決定する、とあります。

受賞者には以下のような図書館・博物館・美術館も含まれ、そのうち、2020年にリニューアルオープンした「アーティゾン美術館」(「ブリヂストン美術館」から改称)が「グッドデザイン・ベスト100」に選ばれています。

2021年度グッドデザイン賞 発表(JDP, 2021/10/20)
https://www.jidp.or.jp/ja/2021/10/20/GDA2021

武庫川女子大学附属図書館(兵庫県)、AI顔認証による入退管理システム「SAFR」を導入:館内滞在状況把握のため

2021年10月11日、兵庫県の武庫川女子大学が、同大学附属図書館でNTTドコモのAI顔認証による入退管理システム「SAFR」を導入したことを公表しました。なお、8月3日付で、同館のウェブサイト上に、顔認証システムの導入についてのお知らせが掲示されていました。

発表によると、同大学附属図書館のうち中央図書館は生涯学習の場として西宮市(兵庫県)内在住・在校の中高生等学外者へも一般開放しており、学外者は共用カードでの入退館をしていました。不特定多数が頻繁に利用する施設であることから、リスクマネジメントを強化するため、利用者の詳細な把握が課題になっていました。

今回の導入により、地震や火災発生時などの緊急事態においても館内の滞在状況が即座に確認できるようになる他、学外者の所属別利用状況を簡単に把握することができ、その情報を基に生涯学習支援施策の検討ができるようになるとあります。

米・Ithaka S+R、北米の学術図書館におけるストリーミングメディアへの対応に関する大規模調査を開始

米・Ithaka S+Rは、2021年10月21日付けのブログ記事において、北米の学術図書館におけるストリーミングメディアへの対応に関する大規模調査を開始したことを発表しています。ストリーミングメディアの定義については、ビデオ・オーディオコンテンツを含む広範なもの、と述べています。

発表によれば、今回の調査は「高等教育におけるストリーミング」に関するこれまでで最も包括的な調査であり、米国の各4年制大学の代表者と、カナダ研究図書館協会(CARL)の各図書館の代表者に直接招待状を送付しています。調査内容は図書館のストリーミングメディア戦略であり、調査結果は2022年春に公開される予定です。

今回の調査は、Ithaka S+Rが2021年夏に発表した新プロジェクトの一環です。このプロジェクトは、ストリーミング市場の動向評価や、ストリーミングメディアを用いた授業に関する指導方法や支援ニーズの調査を行うものであり、米国等の大学図書館24館と協力して実施しています。

日本私立大学連盟、提言「ポストコロナ時代の大学のあり方」における図書館等の記述に関する日本図書館情報学会宛の説明文書を公開

2021年10月21日、日本私立大学連盟が、提言「ポストコロナ時代の大学のあり方~デジタルを活用した新しい学びの実現~」(2021年7月付け)における図書館等の記述に関して、日本図書館情報学会宛の説明文書を公開しました。

同提言は、デジタルを活用した新たな学びの可能性を示すとともに、その実現に必要な大学設置基準の見直し、質保証のあり方等について、私立大学の考えを提示したものと位置付けられています。

2021年9月22日には、日本図書館情報学会が、同提言に含まれる大学設置基準「第38条(図書等の資料及び図書館)」削除の提案や司書の能力への言及に関し、看過できない内容であり、他の組織・団体と連携しつつ問題に対応していく所存であると発表していました。

今回の説明文書の中で、大学における図書館は重要な存在であり、機能・目的が高度化・多様化し、司書の役割も専門職員として更に大きな意味を持つ一方、現行の大学設置基準の条文では不十分であるため、同提言では、大学設置基準第38条の削除ではなく抜本的な改訂を提案していると述べられています。日本図書館情報学会は、同文書を受け取ったことを10月22日付でウェブサイトに掲載しており、今後は第38条の改訂の中身や大学図書館員に必要な知識やスキルについて議論を行っていくと述べています。

米・Educopia Institute、大学図書館の出版事業における学術誌出版ワークフローを文書化した資料を公開:北米の大学図書館12館が対象

2021年10月20日、米国のMLAおよびその他の文化資源保存機関の連携促進を目的とする非営利組織Educopia Instituteは、大学図書館の出版事業における学術誌出版ワークフローを文書化した資料を公開したことを発表しました。

Educopia Instituteが、図書館による出版活動を進める大学図書館のイニシアティブ“Library Publishing Coalition”(LPC)及び北米の大学図書館12館と実施しているプロジェクト“Library Publishing Workflows project”の成果です。同プロジェクトは、図書館における学術誌出版ワークフローの調査や文書化を行うものであり、米国博物館・図書館サービス機構(IMLS)からの研究助成も受けています。今回公開されたワークフローはプロジェクト参加館12館のものであり、館ごとに公開されています。

発表では、プロジェクトからの今後のリリース予定についても紹介されています。今後数か月の間に、LPCのブログにおいてプロジェクト参加館による記事が掲載され、ワークフローの変遷等についての紹介が行われる予定です。また、2022年1月には、図書館出版が自らのワークフローを文書化するためのツールや、文書化を通じた業務改善を支援するためのツールをリリースする予定とあります。

Springer Nature社、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)と転換契約を締結

2021年10月20日、Springer Nature社は、オーストラリア大学図書館員協議会(CAUL)と転換契約を締結したと発表しました。

同社にとってはアジア・太平洋地域で初となる転換契約であり、CAULにとってはこれまでで最大規模の転換契約です。参加機関の研究者は、学術誌2,000誌以上において研究成果をオープンアクセス(OA)で公開できるようになるほか、Springer、Palgrave、 Macmillan、Adisのポートフォリオに含まれる学術誌2000誌以上やnature.com上の学術誌にアクセス可能となります。

発表によれば、この枠組みはコンソーシアムレベルで合意されたものであり、CAULのメンバー(オーストラリア及びニュージーランドの47大学)と、外部の7機関が適用対象になります。

北米の研究図書館センター(CRL)、学術図書館の欧州関係コレクション等に関するフォーラム“New Shape of Sharing”の報告書を公開

2021年9月15日、北米の研究図書館センター(CRL)が、学術図書館の欧州関係コレクション等に関するフォーラム“The New Shape of Sharing: Networks, Expertise, Information”の報告書を公開していました。

同フォーラムは、CRLと国際的な図書館サービスプロバイダーCasalini Libriとの共催により2021年1月から4月にかけてオンラインで開催され、北米・欧州の図書館員、出版関係者らによる発表及びディスカッションが行われました。その内容は多岐にわたりますが、主なテーマは次の3点に整理できるとしています。

・共同でのコレクション構築とサービスのための新たなモデル
・コンテンツとフォーマットの種類の増加が図書館及び研究者にもたらす意義
・研究プロセスにおける図書館・図書館員の役割の変化

発表によれば、報告書にはフォーラムの主な成果と今後の活動のためのアイデアが含まれているほか、欧州関係コレクションや、より一般的なコレクションを扱う図書館員のためにさらなる共同作業への道筋を示したものとなっています。

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