図書館史

文化審議会、登録有形文化財(建造物)の登録について答申:旧制和歌山中学校図書館(現・桐蔭高等学校同窓会館)等

2020年7月17日、文化審議会が、同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、新たに196件の建造物を登録するよう文部科学大臣に答申したと、文化庁が発表しています。

対象には、1929年に建築された旧制和歌山中学校図書館(現・桐蔭高等学校同窓会館)が含まれています。地元紙の報道によると、開校50周年記念事業として保護者の寄付金により建設された鉄筋コンクリート造の建物で、1978年に同窓会館として改修されたものの、旧閲覧室部の外観はよく残っているとのことです。

登録有形文化財(建造物)の登録について(文化庁,2020/7/17)
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/92385301.html

【イベント】国文学研究資料館×日本科学未来館「和書からさぐる!お江戸のサイエンスとライブラリー」(8/9・オンライン)

2020年8月9日、国文学研究資料館・日本科学未来館主催のオンラインセミナー「和書からさぐる!お江戸のサイエンスとライブラリー」が開催されます。

第一部「江戸の博物学「本草学」」、第二部「お江戸の読書事情」の構成で、国文学研究資料館教授の入口敦志氏、国文学研究資料館特任助教で人文知コミュニケーターの粂汐里氏 、日本科学未来館科学コミュニケーターの福井智一氏が登壇します。

Zoomを利用して実施され、参加費は無料ですが、事前の申し込みが必要で、定員は500人です。

国文学研究資料館×日本科学未来館 和書からさぐる!お江戸のサイエンスとライブラリ ー(2020年8月9日(日)ウェブ配信)(人間文化研究機構,2020/7/14)
http://www.nihu.jp/ja/news/2020/20200714

米国図書館協会(ALA)図書館史ラウンドテーブル (LHRT) 、2020年度の小論文賞(Justin Winsor Library History Essay Award)を発表:米・ロサンゼルス中央図書館の建築史

2020年6月30日、米国図書館協会(ALA)の図書館史ラウンドテーブル (LHRT) が、2020年度の小論文賞(Justin Winsor Library History Essay Award)を発表しました。同賞は、応募された未発表の原稿を対象に、図書館史に関する最も優れた小論文(エッセイ)を毎年表彰するものです。

選ばれたのは、米・ニューヨーク大学エルマー・ホームズ・ボブスト図書館特別コレクションセンターのアシスタントキュレータ兼ファカルティフェローであるパーク(Julie Park)氏による“Infrastructure Story: The Los Angeles Central Library’s Architectural History”です。

契約書・理事会の議事録・フロアプラン・改修報告書を用いて執筆されたもので、インフラとしての図書館建築とその空間面での優先事項には深い関係があり、そのことは、永続的で不変と感じられた特徴であったとしても、時間とともに変化する不測の事態に適応することを求めたとして、1978年の非常に混み合った図書館の内部に対する、1926年の当初の美しく区画化された図書館の建物を示し、建物の「歴史的・審美的重要性」は中央図書館をより機能的にするために必要な変化とは共存できなかったと指摘しています。

『国立国会図書館月報』710号刊行:特集「上野の図書館―『夢見る帝国図書館』によせて」を掲載

このほど刊行しました『国立国会図書館月報』710号(2020年6月)では、特集「上野の図書館―『夢見る帝国図書館』によせて」を掲載しており、中島京子氏の小説『夢見る帝国図書館』を参照しながら、帝国図書館の建物、上野の図書館に通った文豪たち、それらの図書館から国立国会図書館に引き継がれた「帝国図書館文書」を紹介しています。

また、同号の冒頭には、2020年4月1日付けで第17代国立国会図書館長に就任した吉永元信館長による「就任のごあいさつ」も掲載しています。

『国立国会図書館月報』 710号(2020年6月) [PDF:6.54MB]
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11488852_po_geppo2006.pdf?contentNo=1

いわき市立いわき総合図書館(福島県)、令和元年度後期常設展「三猿文庫開設100年記念 郷土雑誌の逸品たち」を開催中

福島県のいわき市立いわき総合図書館が、2020年1月6日から5月31日まで、令和元年度後期常設展「三猿文庫開設100年記念 郷土雑誌の逸品たち」を開催中です。

三猿文庫は、2002年にいわき市に寄贈され2007年度から同館の所管となった、諸橋元三郎氏によって1920年に開設された文庫です。

同文庫には、いわき地域の出版物や全国の近代雑誌創刊号、宮武外骨や山村暮鳥の著作物等が含まれています。

今回の展示は、同文庫の資料群の中から郷土に関係する雑誌を展示し、その出版等に関わった人々の活動にも触れながら、今年で創設100年目にあたる三猿文庫の逸品を紹介するものです。

令和元年度後期常設展「三猿文庫開設100年記念 郷土雑誌の逸品たち」を開催します(いわき市図書館, 2019/1/6)
https://library.city.iwaki.fukushima.jp/viewer/info.html?id=4664

米・バージニア大学(UVA)で有志のボランティアにより1939年から1989年まで作成された図書館の目録カード約400万枚の保存プロジェクトが展開中

米・バージニア大学(UVA)の2019年12月9日付のお知らせで、改装に向けた準備が進む同大学の中央館アルダーマン図書館において、同館の過去の一部を物語る目録カード保存のための取組みが進められていることが紹介されています。

この取り組みの対象となっているのは、1939年から1989年までの50年間に作成された目録カード約400万枚です。UVAのお知らせでは、1989年に導入された電子目録システムでは、目録カードの表側の情報だけを転記していたため、当時の担当者が裏側に記した資料の来歴等に関連するメモなど、図書館の所蔵や大学の歴史について、目録カードでしか参照できない情報が存在することが紹介されています。

保存プロジェクトは同大学英語学部の大学院生であるNeal Curtis氏とSamuel Lemley氏が中心となって進めており、物理的なカードの保存に加えて、目録カードの情報をオンライン目録上で利用可能にするための募金活動も継続して行われています。

米国の図書館員等による第二次世界大戦中の欧州での図書・文献の収集や情報活動(文献紹介)

2020年1月3日付で、オックスフォード大学出版局から“Information Hunters: When Librarians, Soldiers, and Spies Banded Together in World War II Europe”が出版されます。

著者は、米・ペンシルべニア大学教授(米国史)のペイス(Kathy Peiss)氏です。

“Abstract”では、同書は、第二次世界大戦中、欧州において、図書館員・アーキビスト・学者・兵士・スパイの一団が、情報分析のための中立都市での敵国出版物の調査、軍隊の接収計画の記録作成、ナチス著作物の書店・学校からの押収やナチスによって略奪されたユダヤ人の本の収集、戦時下の状況に改良した図書館技術による連合国のインテリジェンスへの貢献、危険にさらされた本の保存、略奪品の返還、蔵書の非ナチ化に携わったことが、図書館と学術機関・政府・軍隊との関係を強化したことや、本や文献の接収が戦後の安全保障・軍事計画・復興のための装置の1つになったことを示していると紹介されています。また、本や文献の接収が情報科学の発展を刺激し、研究、及び、米国の世界的なリーダーシップを政治的・知的に支え知識を広める国家的なリポジトリとなるという研究図書館の野望を強化したとしたとしています。

オランダ王立図書館(KB)とダブリン大学トリニティ・カレッジ(TCD)、近世欧州の重要な個人コレクションであるオランダ・ファーヘルコレクションの目録作成作業を開始

2019年12月9日、アイルランドのダブリン大学トリニティ・カレッジ(TCD)は、オランダ政府及びオランダ王立図書館(KB)の支援を受け、TCD図書館が所蔵するオランダ・ファーヘルコレクション(Fagel Collection)の目録作成作業を開始すると発表しました。

同コレクションは、その多くがオランダの公職に就いていたファーヘル家で5世代にわたって構築されたものですが、フランス革命軍がオランダに進行したことでオランダ総督の書記官(griffier)を務めていたヘンドリックファーヘルがイングランドに留まった際、ロンドンに送られた同コレクションが売却を余儀なくされ、TCDで所蔵されることになったものです。

同コレクションは、近世欧州の重要な個人コレクションの一つで、フランス・ドイツ・英国の著作が多く、歴史・政治・法律分野が充実していますが、哲学・神学・地理学・旅行・自然史・視覚芸術など多様な分野のものが含まれます。最近の調査によると、コレクション内の10%を超すものが現存唯一のタイトルで、また、いくつかの地図は、その地域の最も早く知られた地図であることが判明したと紹介されています。

神奈川県立川崎図書館、『神奈川県立川崎図書館60年史』 を発行

2019年11月21日、神奈川県立川崎図書館が、『神奈川県立川崎図書館60年史』 を発行したと発表しています。

最近の10年間を中心に記述したものです。

お知らせ一覧(神奈川県立川崎図書館)
http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/kawasaki/information/info.htm
※「『神奈川県立川崎図書館60年史』 を発行しました(11月21日up)」とあります。

『神奈川県立川崎図書館60年史』を発行しました(神奈川県立川崎図書館)
http://www.klnet.pref.kanagawa.jp/kawasaki/guide/60anv.htm

宮城県図書館、改称100周年記念企画展「宮城「県立」図書館から宮城「県」図書館へ~資料で見るあのころの図書館~」を開催中

宮城県図書館は、2019年9月14日から11月10日までの期間、開館日の午前9時から午後5時まで、2階展示室において入場無料の企画展「宮城「県立」図書館から宮城「県」図書館へ~資料で見るあのころの図書館~」を開催しています。

宮城県立図書館から現在の宮城県図書館への改称が行われた大正8年(1919年)からちょうど100年を迎えることを記念した展示であり、当時の刊行物・写真等から、宮城県図書館のあゆみを振り返る内容となっています。

また、2018年度に貴重資料『所々御境目絵図』の修復作業が完了したことを記念し、同資料の特別展示も同時開催されています。

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