スコットランド

カーネギー英国財団、スコットランドの図書館における「思いやりのある取組」を調査したレポートを公開

2021年7月7日、カーネギー英国財団(Carnegie UK Trust)は、スコットランドの図書館における「思いやりのある取組」(kindness initiatives)を調査したレポート“Creating Space for Kindness. An experiment with public libraries in Scotland”の公開を発表しました。

2020年、カーネギー英国財団は、人々に思いやりについて考えてもらい、周囲の人々とより良い関係を築くための取組の立案・実施のために、スコットランドの公共図書館10館と提携し、支援及び資金提供を行いました。

本レポートでは、各館が実施した取組の内容を紹介した上で、地域の図書館が提供する小規模な「思いやりのある取組」が、幸福(wellbeing)をもたらす上で重要な役割を果たすと結論づけています。取組の事例としては、学童と地域のお年寄りとのハガキや手紙の交換、図書館利用者が思い出やメッセージを共有できるコーナー「思いやりの木」の設置、思いやりについて地域で話し合うバーチャルカフェの開催等があります。

ストラスクライド大学(スコットランド)、新型コロナウイルス感染症の影響による英国の公共図書館の変化をテーマとした研究プロジェクトを実施中

2021年1月28日付のお知らせとして、スコットランドのグラスゴーに所在するストラスクライド大学(University of Strathclyde)が、同大学のコンピューター・情報科学部(Department of Computer & Information Sciences)の研究者を中心とした研究プロジェクト“Downloading a new normal”の実施について発表しています。

同プロジェクトは、英国研究イノベーション機構(UKRI)の「新型コロナウイルス感染症緊急対応プログラム(COVID-19 Rapid Response programme)」の下で、英国芸術・人文科学研究会議(AHRC)の助成により、2020年12月から2022年2月までの期間に取り組まれています。英国の公共図書館において、新型コロナウイルス感染症の拡大が紙資料の利用から電子資料の利用への移行を加速させたことを受けて取り組まれるプロジェクトです。情報提供・オンラインフォーカスグループ・図書館ウェブサイトの分析・委託による全国調査などを組み合わせて、電子資料の利用に関連した利用者のプライバシーに対する懸念の問題、デジタルディバイド解消のための対応、利用者の情報行動の変化等に関する研究が行われる予定です。

宗教改革期のスコットランドにおける聖職者等の人物情報をオンライン地図上にマッピングしたウェブサイト“Mapping the Scottish Reformation”(記事紹介)

スコットランド・エディンバラ大学の情報サービス部門が、2021年1月18日付のお知らせで、自身の国際共同研究プロジェクトへの技術的な貢献の成果として、ウェブサイト“Mapping the Scottish Reformation”が構築されたことを紹介しています。

2020年12月11日付で公開された同ウェブサイトは、スコットランドで宗教改革が展開された1560年から1689年の期間における聖職者及びその配偶者の人物情報をオンライン地図上で提供するツールです。スコットランド国立公文書館(NRS)に保存された約1万ページ相当の手稿から抽出したデータを情報源とし、エディンバラ近郊のロージアン(Lothian)地方・ツィードデール(Tweeddale)地方を中心に、聖職者約700人とその配偶者約500人の人物情報を提供しています。ウェブサイト上では、在職期間・移動・学歴・配偶者・出来事の5つのテーマに基づくデータセットが利用可能なほか、スコットランド国立図書館(NLS)が提供する“Historic Maps API”を活用した地図デザインの切り替え等にも対応しています。

スコットランド国立図書館(NLS)、キノーラに記録された北部の都市ウィックの20世紀初頭前後の動画を復元・デジタル化してオンライン公開

2020年11月27日、スコットランド国立図書館(NLS)は、キノーラ(Kinora)に記録された北部の都市ウィック(Wick)の20世紀初頭前後の動画について、復元・デジタル化が完了したことを発表しました。

キノーラは1895年頃にリュミエール兄弟が開発した、ハンドルによってカードの印刷されたリールを回転させることで、フリップブックの要領で動画を鑑賞できる装置です。NLSは約20年前にウィックの地元協会から5点のリールの寄贈を受けました。地元の写真家が作成したと推定されるこれらの“Wick Kinora Reels”には、1897年から1910年の期間の出来事として、港に入港する船や漁師の姿、嵐の様子などが記録されています。

NLSはデジタル化の完了した“Wick Kinora Reels”の動画を、同館の動画アーカイブ“Moving Image Archive”でオンライン公開しています。また、オリジナルのリールは、“Moving Image Archive”事業の拠点が所在するグラスゴーのKelvin Hallで保管・保存されています。

デジタル化資料のグローバル・データセット作成に関する共同研究プロジェクトGlobal Digitised Dataset Network、最終報告書を公開

2020年10月5日、デジタル化資料のグローバル・データセット作成に関する共同研究プロジェクトGlobal Digitised Dataset Network(GDDNetwork)は、プロジェクトの最終報告書“Towards a Global Dataset of Digitised Texts : Final Report of the Global Digitised Dataset Network”の公開を発表しました。

GDDNetworkは、英国芸術・人文科学研究会議(AHRC)による助成の下、2019年2月から2020年1月にかけて実施されたプロジェクトです。英・グラスゴー大学と米・HathiTrustが主導し、英国図書館・スコットランド国立図書館・ウェールズ国立図書館・英国研究図書館コンソーシアム(RLUK)が中核パートナーとして参加しました。

最終報告書では、本プロジェクトの概要、グローバル・データセット作成が実現した場合のユースケースに関する調査結果、中核パートナーが提供するデジタル化資料の書誌データを用いたデータセット作成作業の内容等が記載されています。

エディンバラ大学(スコットランド)、エディンバラ市内1,300件以上の文化施設の情報を地図上にマッピングした“Edinburgh Cultural Map”を公開

2020年10月9日、スコットランドのエディンバラ大学人文科学・社会学部が中心に運営する学際的なデータ駆動型のデジタル研究の実践センターCentre for Data, Culture & Society(CDCS)は、エディンバラ市内の文化施設の情報を地図上にマッピングした“Edinburgh Cultural Map”を公開したことを発表しました。

“Edinburgh Cultural Map”は、同大学の研究者が主導して展開するエディンバラ市の文化施設の地理学的・人口統計学的調査プロジェクト“The Culture and Communities Mapping Project”の主要な成果物に位置付けられています。2019年に7回実施された市民参加型のワークショップの結果を中心に構築されています。

スコットランド国立図書館(NLS)、2020年から2025年までの新戦略“Reaching People: Library Strategy 2020-2025”を発表

2020年9月29日、スコットランド国立図書館(NLS)は、2020年から2025年までの新戦略“Reaching People: Library Strategy 2020-2025”が同日から開始したことを発表しました。

NLSの新戦略は、過去6か月に同館ウェブサイトやデジタルコレクションへのアクセス数が記録的に急増していることなどを背景に、デジタルコンテンツを活用した優れた取り組みによって、既存の利用者・新規の利用者双方に働きかけることに特に重点が置かれています。新戦略実施中に迎える2025年の開館100周年までに、スコットランド住民の大半が自身のニーズや関心に合わせたオンラインサービスを享受できる環境を目指す、としています。新戦略では次の5つの重点活動領域が設定されています。

スペインのロイヤル・スコッツ・カレッジでシェイクスピアの戯曲『二人の貴公子』の1634年版が発見される:スペインに残る最古のシェイクスピア作品と推定(記事紹介)

BBC Scotlandが2020年9月19日付で、スペイン・サラマンカの神学校ロイヤル・スコッツ・カレッジ(Royal Scots College)の図書館で、ウィリアム・シェイクスピアが1613年から1614年頃に合作で執筆したとされる戯曲『二人の貴公子(The Two Noble Kinsmen)』の1634年印刷版が発見されたことを報じています。

報道によると、今回確認された『二人の貴公子』は、スコットランドの経済学者アダム・スミスの著作を調査していた研究者が発見したもので、1630年から1635年に印刷された英語による戯曲集の中に含まれていたことを確認しました。17世紀から18世紀のスペインでは教会による検閲が行われていたため、英語の著作物の流通は極めて限られていましたが、ロイヤル・スコッツ・カレッジは希望する図書を全て入手することが認められており、発見された戯曲集は1635年頃にイングランドまたはスコットランドの旅行者によって、教会の検閲を回避して持ち込まれたと推定されています。これまでスペインに残る最古のシェイクスピア作品はバリャドリードの神学校で発見された戯曲集と考えられていましたが、発見された『二人の貴公子』を含む戯曲集は約10年古く成立したものである、と説明されています。

スコットランド全地域を対象とした学校図書館戦略の開始から2年が経過(記事紹介)

2020年9月8日、スコットランド図書館・情報協議会(SLIC)は、スコットランド全地域を対象とした学校図書館戦略“Vibrant Libraries, Thriving Schools - A National Strategy for School Libraries in Scotland 2018-2023”が開始してから2年が経過したことを発表しました。

“Vibrant Libraries, Thriving Schools - A National Strategy for School Libraries in Scotland 2018-2023”は、2018年9月8日に発表されたスコットランド全地域を対象とする5か年の学校図書館戦略です。SLIC・スコットランド地方自治体協議会(Convention for Scottish Local Authorities:COSLA)・スコットランド自治政府が共同で策定しています。十分なリソースを得た学校図書館サービスが、児童・生徒のリテラシー能力や学習到達度の向上等を通して、教育の卓越性と公平性に関する自治政府の展望を達成するために、どのように貢献できるかを概説した内容で、20の行動計画などが示されています。

スコットランド国立図書館(NLS)、段階的な来館サービス再開計画を発表:エディンバラ所在の施設は2020年8月11日から・グラスゴー所在の施設は2020年9月中旬から

2020年7月14日、スコットランド国立図書館(NLS)は、エディンバラに所在する本館George IV Bridge Buildingと地図閲覧室を備えた別館Causewayside Buildingについて、2020年8月11日から限定的に閲覧サービスを再開予定であることを発表しました。

NLSの今回の決定は、スコットランド自治政府が2020年5月21日付で発表した、新型コロナウイルス感染症の拡大を抑制しながらロックダウンの解除を段階的に実施するためのアプローチ“Route map for moving out of lockdown”に従ったものです。NLSは利用者と職員の安全の確保が最優先事項であり、自治政府の助言に従って衛生管理や物理的な距離の確保に関する措置の実施が保証できると確信した場合にのみ再開館を実施する、としています。

動画コレクションアーカイブの利用等が可能なグラスゴーに所在するKelvin Hall内の施設利用は、2020年9月中旬の再開を予定しています。

NLSは近日中に、安全対策・開館時間・閲覧室利用のための予約システム・利用者向けガイドラインなど、再開館にあたっての詳細な情報を同館ウェブサイトへ掲載する予定です。

ページ